バイクの免許を取得して最初のバイクって、ワクワクしますよね。しかしちょっと待って! バイクは楽しい反面、危険と隣りあわせといっても過言ではない乗り物です。
そこで今回は、免許取りたての新米ライダーがバイクで気を付ける場所やポイントについて、バイク歴・無事故歴ともに40年の筆者が徹底的に解説します。筆者が初心者の頃に経験した失敗や直面した課題にもとづいた内容です。
この記事を読めば、バイクで危険なパターンや危険を回避する方法が分かるので、ぜひ最後までお読みくださいね。
新米ライダーが特に注意すべき場所
「道路状況はすべて異なる」といっても過言ではありません。道路は場所により注意すべきポイントが違います。この章では、さまざまな場所の注意点について解説します。
交差点は確認が超重要!
「事故がもっとも発生する場所」といわれる交差点。信号は絶対守りましょう。信号無視は絶対ダメ! 赤は停止、黄色の意味は「次の青まで待て」。黄色の意味を分かってない人が意外に多いです。
- 信号機のない交差点の一時停止は確実に停まりましょう。停止線の前で停まってください。
- 右左折時の巻き込み事故に注意しましょう。特に後方から音もなく迫る自転車には要注意!
- 見通しが悪い交差点には、徐行で進入しましょう。
カーブ(コーナーリング)は手前で減速!
カーブ(コーナー)に入る前に、バイクのスピードを落としましょう。特に初心者の場合「スピード、落としすぎかな?」と思うくらいでちょうどイイです。
- 車体のバンク角(傾斜角度)に注意しましょう。倒しすぎは転倒リスクが高くなり危険です。
- カーブやコーナーを走行中は、対向車を常に確認しましょう。特に左コーナーは、対向車が違法に中央線をはみ出して走行してくる場合があります。
- コーナーリング中は路面状況にも注意が必要です。転倒の原因になる砂利や落ち葉を道路上に見つけたら、避けて走りましょう。
高速道路は危険がいっぱい
高速道路にも危険がいっぱいです。ちょっとしたミスが重大な結果になりかねません。一般道以上に気をつけてください。
- 高速道路では、車間距離を十分に取りましょう。十分な車間距離とは「何があっても前を走る車両に追突せず、安全に停車できる距離」です。
- 強風や雨天時の高速道路走行はやめましょう。悪天候時は事故のリスクが高くなります。
- 休憩をこまめにとりましょう。高速道路は停まりたいときに停まれません。休憩はサービスエリアやパーキングエリアになります。1時間に1回程度、疲れを感じる前の休憩をおすすめします。
路面状況を常に見る
- 砂利や落ち葉など、路面の異物に注意しましょう。ただ前を見て漫然と運転するのではなく、前方の路面にも気を配る運転がポイントです。
- 雨の日は滑りやすく危険です。マンホールや路面のペイント(白線など)も滑りやすくなっているので気を付けましょう。
- 段差や穴、道路に刻まれている縦溝(グルービング)も転倒の原因になりかねないので注意してください。
夜間の基本は「ハイビーム」
- 夜間は「ハイビーム」が基本です。対向車がないときはハイビームで走行しましょう。
- 視認性の高い、反射材などがついている服装を心がけ、他車に自分の存在を認識してもらいましょう。
新米ライダーが意識すべき運転ポイント
この章では、基本姿勢や目線、車間距離、ブレーキテクニックなど新米ライダーが特に意識すべきポイントについて解説します。
基本姿勢と目線が重要!
- 正しい乗車姿勢で乗りましょう。正しい乗車姿勢とは、ステップに立ち上がり、そのままシートに座ってハンドルに手を置いた状態です。手を突っ張るような乗り方はハンドル操作しづらいのでいけません。
- 目線は遠くを見るような気持ちです。近くの目標物を見るような近い目線では、状況判断が悪くなります。コーナー(カーブ)では、コーナーの出口あたりに目線を送りましょう。
- アゴを引きましょう。アゴを引くと、不思議と肩の力が抜けて自然な乗車姿勢になります。また、ハンドルに余計な力がかからない乗り方にもつながります。
こまめにミラー確認する
- 左右のミラーをこまめに確認しましょう。走行中はミラーを凝視せず、チラ見するかんじで後方を警戒するのがコツです。
- 後方確認はミラーだけでなく、直接目視も大切です。特に発進時は、右後方目視確認を習慣にしましょう。お手本は白バイです。
車間距離は余裕を持って
- 「何があっても前方を走る車両に追突せずに停止できる車間距離」を取りましょう。日頃から、自分のバイクの制動距離(ブレーキのかけ始めから停止までの距離)を把握することが重要です。
- 前方だけでなく、後方の車両との車間距離にも注意しましょう。後方との車間距離が近いと、急ブレーキのとき後方車両から追突される恐れがあります。後方の車両が近いと感じたら、道を譲るなどして危険な状況を回避しましょう。
急ブレーキしないで済む運転をする!
- 急ブレーキはなるべく避けるべきです。初心者が急ブレーキでやらかす失敗で多いのが「握りゴケ」。パニック状態で急ブレーキをかけ、フロントブレーキレバーを強く握りしめた結果フロントタイヤがロックしてスリップダウン、転倒するのが「握りゴケ」です。急ブレーキをかけなくて済むような運転を心がけましょう。
- 前後のブレーキをバランスよく使うのも重要です。筆者は状況により「前7:後3」または「前9:後1」などブレーキの力加減を変えています。後ろブレーキを強くかけすぎると、スリップダウンするので注意しましょう。
急なハンドル操作をしない!
- バイクはハンドルを切って曲がるわけではありません。急なハンドル操作は転倒につながります。ハンドル操作も「急」のつく運転はやめましょう。
- コーナーやカーブでは、バイクと体を自然に内側に倒して(バンクさせて)走ることを意識しましょう。
中型バイク(250〜400cc)の特性を理解しておこう!
この章では、初心者ライダーが最初に買うことが多い中型バイク(250〜400cc)の特性について解説します。
バイクに慣れよう
- まずはバイクの取り回しに慣れましょう。中型といえど、車両重量が軽く100kgを超すバイクが多く、初心者には重く感じます。運転も大切ですが、バイクを押す・引く「取り回し」も大切です。少し広い駐車場などで練習することをおすすめします。筆者は初心者のころ、8の字を広い駐車場で押して練習しました。
- Uターンにも注意が必要です。狭路Uターンで立ちゴケをしないよう、練習しましょう。筆者は「小さい8の字運転」をかなり練習しました。初心者のころ(400ccバイクを買ってすぐ)狭路Uターンで立ちゴケして、悔しくて猛練習。結果、クラッチワークが上達しました。
中型バイクのエンジン特性
- パワーに慣れるまで、アクセルは慎重に開けましょう。大型はもちろん、中型や小型も侮れません。慣れないうちは「ガバッ」とアクセルを急に開けてはダメですよ。
- 購入したバイクのトルク特性を理解しましょう。低速トルクが太いか、細いか…などです。トルクが細いバイクはクラッチワークがよくないと、エンストの原因になります。
燃費もさまざま
あなたのバイクの燃費を気にしましょう。燃費の自動計算が装備されたバイクはラクですが、実際の燃費、いわゆる「実燃費」を満タン法で確認することをおすすめします。自動計測には誤差があるからです。
燃費の計算方法
- 満タン時にトリップメーターを「0」にする。
- 次回満タン時までに走行した距離を、給油したガソリンの量で割る
「燃費=走行距離➗満タン時に給油したガソリン量」です。燃費がよくないと思ったら、省エネ運転をやってみましょう。
新米ライダーが知っておきたい知識
バイクの構造やツーリングノウハウを理解しておけば、安全運転や危険回避に役立ちます。新米ライダーが学ぶことは、ライディングテクニックだけではありません。
バイクの構造、知ってる?
バイクの構造を理解しましょう。エンジン、フレーム、サスペンションなどの基本的な構造や働きを知ることは、よい走りにもつながります。不調時の原因究明にも役立ちますよ。
今の時代、インターネットで調べれば、ほとんどの内容を知ることができます。
メンテナンスは、できるほうがいい
簡単なメンテナンスは自分でできるようになりましょう。チェーン清掃、タイヤ空気圧チェックなどから始めるのがおすすめです。簡単なことからメンテナンスを始めると、自然とほかのメンテナンスにも興味がわいて覚えられますよ。
ツーリングは計画がすべて!
- ツーリングは計画が全てです。特に長距離・長時間ツーリングはしっかり計画を立てましょう。Googleマップなどでルートを確認して、休憩ポイントをあらかじめ決めておくのがよい方法です。
- ツーリングは、安全運転を念頭において計画を立ててください。目標は「無事帰る」です。
まとめ:初心者もベテランも安全第一!
免許取りたての新米ライダーが第一に心がけるべきは、ズバリ「安全運転」です。転倒してバイクを壊したり、事故にあったりしたら大変。そうならないよう、安全運転に徹しましょう。「無事帰る」が一番です!
この記事で紹介した内容を実践すれば、楽しいバイクライフを送ることができますよ。初心者のうちから、自分だけでなく、ほかのバイクや車、歩行者や自転車の安全にも配慮できるライダーを目指しましょう。
この記事が新米ライダーの皆さまのお役に立てば嬉しいです。読者の皆さまのバイクライフを応援しています。
投稿者プロフィール
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熊本県在住。生まれも育ちも熊本。
阿蘇をこよなく愛する生粋の熊本人。
昭和の時代に限定解除し、原付/中型/大型の所有歴あり。
現在の愛機はKawasaki 250TR。
愛機250TRで一日500km(下道)を走破することもある、元気おやじライダー。
「安全第一、無事帰る」をモットーに、今も安全運転を模索しながら走り続けている。
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