『半袖短パンなんてありえない!』『プロテクターしないならバイクに乗るな!』なんて意見を見聞きしたことはありませんか?
バイク乗りの間では、「プロテクター警察」という言葉がしばしば耳に入ります。これは、他のライダーの服装や安全装備について厳しい意見を述べる人々のことです。
しかし、なぜ彼らは他人の服装にこれほどまでに敏感になるのでしょうか?
地域によっては条例でサンダルなどでバイクを運転することを禁止しているところもあるようですが、基本的に乗車用ヘルメットを被る以外に服装は自由のはず。
他人を批判するのは時間の無駄で、相手も自分も含めて周囲の誰も得しない行為です。自分の価値観は自分にのみ当てはめましょう。
快適性と安全性、ファッション性を天秤にかけて自分が最も満足できる格好でバイクに乗ればいいと思います。
プロテクター警察とは
「プロテクター警察」とは、SNSなどで他のバイクライダーの服装、特にプロテクターの着用をしていない姿を批判する人々を指す俗称です。
最初はバイクの安全性を高めるという善意から『プロテクターを付けたほうが安全だよ』『肌の露出が多いと転倒したときに危険だよ』という意見が拡散され、加熱して過激な発言につながっていきます。
この行動が見られる背景は、バイク事故の危険性への認識とプロテクターの重要性の啓蒙です。以前、ある軽装でバイクに乗っている人の写真がSNSに投稿されたことがきっかけで、プロテクター論争が発生しました。
この論争は、初期の服装の危険性を指摘するコメントから始まり、プロテクター着用を強く主張する意見へとエスカレート。さらに、この論争は盗撮や個人攻撃など、論点のすり替わった別の問題へと発展してしまいました。
これは、個人の自由への干渉や過剰な正義感、そしてネット上での匿名性を利用した攻撃的な態度が影響しています。
なぜ過剰反応するのか
『プロテクター警察』と呼ばれる彼らが、他人の服装に対して過剰に反応し、時には批判的な態度を取る理由は、以下のように考えられます。
- 過去の経験: バイク事故に遭遇し、軽装で大怪我をしたり、プロテクターによって護られた経験があると、痛ましい経験を他人には味わってほしくないという想いから、服装に関して強く反応することがあります。
- 安全への強い信念:安全装備の着用が非常に重要であると強く信じている人々がいます。彼らは、適切なプロテクターを装備していないことが悲惨な事故に直結すると考え、他人にもその高い基準を強要するのです。
- 保護の意識:『ライダーの身体や生命を守るため』という正義感から、安全意識の低いライダーに対して声を上げることもあります。友人や近しい人をバイク事故で亡くした経験があると尚更です。
これらの理由から、プロテクター警察と呼ばれる人々が他人の服装に対して過剰に反応する行動が見られることがあります。
しかし、その行動は必ずしもすべてのライダーに受け入れられるわけではなく、時には彼らのアプローチが逆効果になることも。安全を確保しつつ、相互理解と尊重のバランスを取ることが重要です。
安全装備の基本とその重要性
バイクを運転する際に適切な安全装備を身に着けることは非常に重要です。プロテクターを装備することで、ライダーを重大な怪我や命の危機から保護してくれる可能性が大幅に向上します。
例として、安全基準に適合したヘルメットは頭部を事故時の衝撃から守り、事故時の死亡率を大幅に減少させることが証明されています。
また、ライディング用のジャケットやパンツは、耐摩耗性の高い素材で作られており、転倒時の怪我から身を守ります。特に胸、背中、肩、肘、膝には衝撃吸収材が内蔵されているものも多く、安全性が高いです。
グローブは手の甲と手のひらを守り、ブーツは足首をサポート。転倒時の捻挫や骨折、車両によるはさまれから足を保護します。
これらの安全装備を整えることは、ライダーが安心してバイクに乗れるようにするために不可欠です。安全装備の選択に際しては、自分の運転環境やスタイルに合わせて最適なものを選ぶことが推奨されます。
金銭面、安全面、快適性など、リスクとリターンを総合的に判断してご自分にあった最適な装備を揃えましょう。
フル装備推奨派の意見
バイクに乗る際、最大限の安全を確保するためにはどんな状況でもフル装備を身に纏うことが必須であると考える人々がいます。
彼らは、事故が起こった際に最も重要なのはライダーの生命を守ることであり、そのためには可能な限り最高の装備を身につけるべきだと考えているようです。
たとえば、革ツナギなどは全身を覆い、走行中に転倒した際の摩擦や直接的な衝撃から極めて高い保護性能を有しています。
また、彼らの装備するプロテクター類は、胸部、脊髄、腰部など、重要な内臓器や骨を守るために特別に設計され、安全規格に準拠したものであることが多いです。これにより、重大事故でも安全性が格段に向上します。
フル装備でバイクに乗ることは、単なる安全対策を超え、自身の生命を最大限に守るための投資。
このような装備を選択するライダーは、安全への高い意識意識を持っており、自身だけでなく、周囲の人々に対しても責任感を持った行動を求める人が多いようです。
軽装でバイクに乗る人の意見
軽装でバイクに乗ることは、見た目のスタイルや快適性を重視するライダーには大きなメリットがあります。
特に暑い季節には、重いプロテクターや厚手のジャケットではなく、通気性が良く涼しい半袖Tシャツや一般的な洋服を選ぶ人が多いです。
これにより、長時間のツーリングでも熱中症のリスクを避け、快適に過ごすことが可能。また、バイクのスタイルや自分の好きなファッションでバイクに乗ることで気分もアガるのでしょう。
例えば、都市部での短距離の移動やカフェ巡りなどが目的の場合は、よりファッショナブルな外見を重視する傾向があります。
このような場合、スタイリッシュな服装は、ゴリゴリのフルプロテクターを装備した格好よりも街並みに溶け込みます。バイクを降りて歩いているときにも周囲から浮くことなく自然に散策することが可能です。
したがって、軽装でバイクに乗ることは、単に安全性を犠牲にする選択というわけではなく、ライフスタイルや個人の価値観に基づいた合理的な判断と言えます。
ライダーそれぞれが自分のスタイルに合わせて装備を選ぶことは、バイクを楽しむ上での個性の表現でもあるのです。
筆者個人の見解
私個人の意見は、バイクに乗る際にはプロテクターの着用が望ましいと言うスタンスです。ライディングジャケットやパンツ、CE規格のインナープロテクターなどは一通り揃えています。
特に長距離のツーリングでは、安全のためにできるだけプロテクターを含めた専用のライディングギアを着用します。しかし、見た目を重視する際には、インナープロテクターを着用し、その上から普通の洋服を着ることも。
それも面倒なときには普通の私服でバイクに乗ることだってあります。事故に合うリスクと乗車中の快適性、利便性を天秤にかけて自身の判断で好きな格好をすればいいと言う考えです。
私は事故にあった経験があり、その時プロテクターの有用性を痛感しています。その時はライディングジーンズにフルメッシュのライディングパーカー、SHOEIのフルフェイスヘルメットという格好でした。
頭部はふかふかの枕に倒れ込んだかのように全く衝撃を感じず、身体も膝を擦りむいただけでほぼ無傷と行っていい状態でした。ちなみにバイクは前輪がひしゃげて自走できないほどの損傷。。。
そのため、プロテクターの重要性を理解しており、軽装派の人々にも少なくとも一度は専用のライディングギアを身に着けて走ってみることを勧めたいです。
私もバイクに乗り始めた当初は、『バイクに乗るときにしか着られないような服に数万円も掛ける余裕はないなぁ』と考えていました。
しかし、どこかで【装備の値段は命の値段】と言う意見を目にしてから最高級ではないにせよそれなりの装備を揃えるように。
実際に専用装備を身に着けて走ってみると、走行風によるバタつきはないし、直射日光を受けるよりも長袖のほうが涼しいし、身体にフィットする服装がこんなに快適なのかと驚いたのを覚えています。
ライディングギアは普通の洋服よりもバタつきが少なく、運転中の体力の消耗も少ないため、長時間の運転に適しています。ただし、バイク用品は一般的に価格が高いため、必要に応じて少しずつ揃えるのが良いでしょう。
最終的に、プロテクターを付けることは安全性を高めるための確実な方法ですが、他人に対してその着用を強制することはありません。
まとめ
バイクに乗る際の服装に関しては、個々のライダーの安全意識や価値観に基づく選択が存在します。一部のライダーは「プロテクター警察」と呼ばれ、他人の安全装備に厳しい意見を述べることも。
これは、過去にプロテクターが自分自身を守ったという体験や、友人や知人をバイク事故で失った痛ましい経験が、他人への過干渉に繋がっていることが多いです。
一方で、軽装での運転を選ぶライダーは、快適性やファッション性を重視しています。特に暑い季節や、短距離の移動の際には、重いプロテクターや厚手のジャケットよりも、軽量で通気性が良い服装を選びがち。
筆者個人としては、安全装備を適切に使用することを推奨しつつ、他人に対して過剰に干渉することは避けるべきだと考えます。
バイク用品の価格や、各個人の経済的な事情も考慮に入れながら、金銭面、安全面、快適性を総合的に判断して、ご自身に最適な装備を選ぶことが重要です。
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投稿者プロフィール
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バイクやキャンプなどのジャンルを専門にライターをしているえもと申します。
モトコネクト立ち上げからライターをさせていただき2022年12月に会社を退職。合同会社Cap.Nemoを設立しました!
バイクの楽しさや便利グッズなどをわかりやすくお伝えしていきます。
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