こんにちは、整備士モトクロスライダーのヨシキです。みなさんは林道遊びを楽しんでいますでしょうか?道なき道を冒険できる林道コースはオフロードバイクならではの楽しみ。しかし意外と多いのが“林道コースはエンデュランサーなどの競技ベース車両が必要”と思っている方です。
でも実はそんなことはないんです。準備さえ整えればセローやKLXなどの市販車ベースのオフロードバイクでも林道走行は十分に楽しめます。しかもちょっとしたクローズドコースなら、全く問題なく競技車両と同じ道を走れるでしょう。(さすがにガレ場やがけ登りはキツイかもしれません)
そこで今回は、これから林道デビューする、もしくはデビューしたいライダーに向けて、市販車オフロードバイクで林道遊びをするための準備をご紹介していきます。市販車ベースじゃ林道やクローズドコースで遊べないと思っているあなた。今年こそ装備を整えてオフロードの醍醐味を楽しんでみませんか?
記事の後半では、準備と併せて付けておいた方が良いオプションパーツなんかも紹介するので、是非カスタムの参考にしてみて下さいね。
初心者が市販車で林道デビューをするなら準備が大事
まず大前提として、林道やクローズドコースはアスファルトの公道と違い、非常に転倒リスクの高い道路です。なので、これからオフロードを楽しむ林道初心者の方は、転んでもいい準備を整えておくことが大切です。
コースで保安部品を壊してしまっては自走で家に帰れなくなってしまいますからね。
クローズドコースに入るなら灯火類やナンバーは外しておく
準備その1。クローズドコースに入るなら、ウインカーやナンバーなどの装備は外しておきましょう。クローズドコースは公道ではありませんので、保安部品の取り付けは必要ありません。むしろつけっぱなしの方が転んだ時に破損の原因になったり、割れたレンズでケガをしてしまったりと、かえって危険です。
さらにナンバープレートを落としてしまうと自走もできなくなってしまいます。クローズドコースに入る前はすべての保安部品を外しておきましょう。
場合によってはヘッドライトにガムテープを貼ろう
準備その2。ヘッドライトはガムテープを貼って割れてしまったときに破片がコースに飛び散らないように配慮しましょう。ジェベルや昔のセローなどヘッドライトのレンズが大きく、ガラスでできている車両は転倒時にライトが割れてしまう恐れがあります。
割れた破片がコースに飛び散ってしまうと、自分はもちろん他のライダーにもけがの危険を与えてしまいます。みんなで楽しく遊ぶためにも、ヘッドライトのガムテープ貼りは必ず行っておきましょう。
このマナーはひと昔前の4輪のサーキット走行会なんかではレギュレーションになっていたこともあるので知っている方もいるかもしれませんね。
このあたりはコースのルールやマナーにもよるので、近くの走り慣れた人に聞いてみるのもいいでしょう。
スパナやモンキー、予備部品など、簡単な工具とパーツも用意しておく
準備その3。簡単な工具やレバー類の予備を持っていきましょう。林道内では何があるか分かりません。丸太で転んでステップを曲げてしまったり、石にハンドルをぶつけてレバーを折ってしまうかもしれません。
林道の真ん中でクラッチレバーが折れてしまったら大変ですよね。発進するのも一苦労ですし、半クラも使えません。こうなってしまうと林道初心者にとっては一大事。立ち往生してしまうかもしれません。
そんなトラブルを避けるためにも簡単な工具と交換部品はリュックに入れて背負っていくと良いでしょう。
おすすめはハイドレーションバッグのポケット付きのやつ。これならスマートで運転操作を妨げません。
林道デビューで役立つオススメパーツ
さて。ここからは林道デビューで役立つオススメパーツをご紹介していきます。もちろんこれらの装備が無くても十分林道は楽しめますが、初心者の方が安全に林道を走る為には用意しておいて損はないでしょう。
ものによっては少しお値段が張るものもありますが、初心者~中級者向けのクローズドコースに入る場合はお守り代わりに装備していきましょう。
ビレットレバー
ビレットレバーは、転倒時にレバーが反対側に可倒してレバーが折れることを防ぐパーツです。クラッチ、フロントブレーキ双方に設定が用意されており、装着は専用ホルダーと専用レバーの組み合わせを使用します。
取り付け自体は非常に簡単ですが、商品によって値段のばらつきが大きく、あまりに安いものはホルダーがすぐに壊れてしまうので注意が必要です。
ビレットレバーはデザイン性に富んだものが多く、ワンポイントカスタムにもピッタリなので、せっかくならつけておいてもいいかもしれません。
アルミハンドガード
アルミハンドガードはハンドルから手を囲うように取り付けたられたアルミのバーで、立ち木への衝突などから手を守るプロテクターの役割をします。エンデューロの大会やクロスカントリー系のレースを見たことがある方なら馴染深いかもしれませんね。
アルミハンドガードは立ち木が多いセクションを走る時には必須ともいえる装備で、もし装備していなければウッズが狭い林道の走行はやめておいた方が無難です。
木にレバーがぶつかり、ハンドルの間に指を挟んでしまうと最悪の場合指を切断する可能性も十分あります。比較的広い林道で遊ぶときはさほど気にする必要はありませんが、狭い道を良く走る場合は絶対にあった方が安心です。
ちなみに、皆さんがイメージするナックルガードの部分は別パーツなので、カッコを追求するのであればセットで購入しましょう。ナックルガードとハンドガードの適合は必ずご自身でお確かめください。
スタックベルト
スタックベルトはフロントフォークに取り付けるベルトで、スタックしたときなんかに他の人に引っ張り上げてもらうためのパーツです。
うっかりぬかるみに入ってしまったり、脱出が困難な場所で止まってしまったときにこれがあると簡単にフロントを引っ張り上げられます。
絶対になくてはならない装備とまではいきませんが、林道走行に自信がないライダーは取り付けておくと良いでしょう。
一緒に持っていきたい工具
オプションパーツを揃えるついでに、一緒に持っていきたい工具も準備しておきましょう。
持っていきたい道具は次の3つ。
- スパナ
- ドライバー
- モンキー
たくさん持っていく必要はないので、あくまで最低限の工具だけ持っていけば十分です。
スパナ
スパナは8~12ミリまでのサイズを2本持っていきましょう。これはレバー交換をするときに必要な一般的な工具で、自身のバイクに対応している別な工具があるのであればそれを持っていきましょう。
あまりにたくさんのサイズを持っていく必要はありません。
ドライバーセット
ドライバーはプラスとマイナスのセットで普通のサイズ(2番程度)のドライバーをもっていくのがおすすめです。
これは途中でスイッチ類が壊れた時に取り外したり、固定しなおしたりするときに使います。
モンキー
モンキーは正直あっても無くてもOKですが、持っていると便利なケースもあります。というのも、モンキーはサイズを自由に調整です。万が一手持ちの工具でボルトが回せなかったとしてもモンキーがあればなんとかなることもあります。
しかし、モンキーは比較的サイズが大きく、荷物にもなってしまうので、持っていくのは正直悩むところ。荷物の重量を軽くしたい方は無理に持っていかなくてもいいでしょう。
準備を整えて林道へ出かけよう!
林道ツーリングは公道にはない楽しみがいっぱいです。フロントを上げてみたり、ブレーキターンをしてみたり、はたまた山道を登って行ったりと、その楽しみ方は無限大。もちろんクローズドコースでもその魅力は十分に満喫できるでしょう。
準備さえ整えれば市販車でも全く問題なく遊べる林道ツーリング。ぜひあなたもデビューしてみてはいかがでしょうか?
投稿者プロフィール
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元モトクロス国際B級ライダーのヨシキです。
趣味は林道探検、オフロードバイクでどんな山道も散策します。
今は整備士として活躍しているので、メンテナンス、DIYでできる整備など、お役に立てる情報を発信していきたいと思います。もちろんレーサーならではのライテク記事も執筆していくのでおたのしみに。
【愛車たち】
SUZUKI RM-Z250,HONDA CR125,SUZUKI RM80L
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