こんにちはヨシキです。突然ですが皆さんはトランポツーリングというものをご存じでしょうか?
トランポツーリングとは、トランスポーター、通称“トランポ”と呼ばれる車両にバイクを積み込み、目的地までは車移動し、現地ではバイクを下ろしてツーリングという楽しみ方です。レースや遠征経験のある方にとっては馴染み深いかもしれませんね。
しかし、トランポツーリングは運搬用の車を用意する必要があるのでハードルが高いと思われがち。そこで今回は、誰でも気軽にトランポに挑戦できる“軽自動車で始めるトランポツーリング”をご紹介します。
トランポツーリングのたのしみ方
トランポツーリングの醍醐味はバイク以外のアクティビティも一緒に楽しめるところ。いつものツーリングじゃあちょっと物足りないな、という方におすすめのトランポ遊びをご紹介していきましょう。
装備を気にせずキャンプができる、ツーリングキャンプ
トランポツーリングの楽しみ方のひとつに“ツーリングキャンプ”があります。バイクだけのツーリングキャンプと違い、荷物をたくさん持っていけますし、車中泊も一緒にしてしまえばテントを建てる必要もありません。
キャンプ道具を積んでのツーリングはバイクが重たくなってしまい、運転しにくくなることもあるでしょう。そんなときはトランポにバイクとキャンプ道具を積んで出かければ、快適なキャンプと軽快な走りの両方を堪能することができます。
キャンプ場までは車で移動、キャンプ場の近くをツーリングでたのしみ、夜はタープとテント、、もしくは車中泊で快適な時間を過ごす。そんな贅沢ができるのもトランポを使ったツーリングキャンプの醍醐味です。
湖だけ峠だけを走りたい、ピンポイントツーリング
ツーリングをしていたら“峠だけを走りたい”、“湖だけを走りたい”そんな風に思ったことはないでしょうか。トランポがあればそんなあなたの願いも叶えられます。
トランポにバイクを積んで走りたい道へ行き、走りたいところだけ走って帰る。そんな楽しみができるのもトランポツーリングならではの魅力です。
オフロードしか走りたくない、林道限定ツーリング
完全未舗装の林道を楽しみたいと思ったらオフロードタイヤを装着したバイクがほしいところ。しかし本気仕様のオフロードタイヤはアスファルトを走ることができないため、120%林道を楽しみたいと思ったらトランポの出番です。
林道の入り口までトランポで移動し、林道のみをバイクで走る。こうすれば公道を走れないレーサーバイクやエンデュランサーで林道ツーリングを楽しむことができるでしょう。
本気のマシンで林道を攻めたいかたはぜひお試しください。
※ただし、公道扱いの林道をレーサーバイクで走るのは違反です。必ず林道の所有者を確認し、公道でないことを確認してくださいね。
トランポにおすすめな軽自動車
気軽にトランポツーリングを始めるなら軽自動車で十分です。もちろんハイエースやキャラバンも魅力的ではありますが、導入のしやすさと費用の面から考えれば軽バンがいいでしょう。
バンタイプの軽自動車ならどれでもOK
トランポにおすすめな軽自動車といっても、トールワゴンタイプの軽自動車であれば基本車種はなんでも構いません。
強いていえば内装がチープなバンタイプの方が車内の汚れも気になりませんし、お手入れも楽チンです。メジャーな車両でいえばN-VANやエブリイ、ハイゼットなどがおすすめです。
軽トラもトランポ選択肢の一つ?
ちなみに、トランポにするなら軽トラックも候補に上がります。屋根がない分、高さを気にする必要がありませんので、載せられるバイクの選択肢が広がります。
しかし、悪天候時はバイクが雨ざらしになってしまうので、“運搬中はバイクを汚したくないな”と思う方はカバーをかけるなどの対策が必要です。
軽自動車トランポに乗るバイクたち
トールワゴンと呼ばれるバンタイプの軽自動車は以外と室内高があり、比較的大きめなバイクも難なく載せられます。
ハーレーなどのビッグアメリカンなどはさすがに厳しいものがありますが、中排気量クラスのバイクなら大体の車種は積載できるでしょう。
ここからは、参考までにスズキエブリイをベースに軽バンに乗るバイクをご紹介していきます。
モンキーなどの小型バイク
エブリイ(PAリミテッド)の荷室寸法はセカンドシートを倒した状態で全長1,910mm×幅1,380mm×高さ1,240mm。
これだけあればモンキーやカブ、TWくらいの小型バイクならほぼどのサイズでものせられます。ちなみに現行のスーパーカブ110の車体サイズは全長1,860mm×全幅705mm×全高1,040mm。楽勝で載りますね。
今の軽バンの室内寸法は全車種大きな違いはないので、小型バイクなら簡単にトランポツーリングがたのしめるでしょう。
中排気量クラスで載せられるバイク
中排気量クラスで乗るバイクの目安は250ccまで。それ以上のバイクは車体サイズのチェックが必要です。
例えばカワサキNinjaZX-25Rの車体サイズは全長1,980mm x全幅750mm x全高1,110mm。これなら軽自動車でもセカンドシートを詰めれば十分乗りますが、全長が2,000mmを越えるバイクとなるとバイクを斜めにしたりセカンドシートを倒すなど、工夫が必要です。
オフ車はサスペンションを縮めれば多くの車種が載せられる
全高の高いオフロードバイクは軽自動車にのせられないと思われがちですが、フロントフォークをタイダウンなどのベルトで縮めれば意外と多くの車種がのせられます。
アドベンチャーバイク系はさすがに難しいですが、ホンダCRF450LやKTM-EXC位なら少し窮屈ですがエブリイでも載せられます。
参考データとしてホンダCRF450Lの車体サイズは全長2,280mm×全幅825mm×全高1,240mm。全長が2,000mmを越えてしまっているのでバイクを車体に対して対角にし、タイダウンでフロントフォークを150mmほど縮めれば何とか載せられます。
積載には少しコツがいりますが、決して載せられないことはありません。
トランポの必需品
こんな感じで、意外と軽自動車にのせられるバイクはたくさんあります。しかし、車にバイクを積むためには最低限タイダウン・ラダー・フックが必要。もし「まだなにも持っていないよ」という方は最低限この3つは用意しておきましょう。
タイダウン
タイダウンはバイクを固定するためのベルトです。たまにロープで固定する強者もいますが、固定のしやすさと使い勝手を考えたらタイダウンがいいでしょう。
特に締め上げがラチェットタイプのものはしっかりとベルトにテンションをかけられるのでおすすめです。
タイダウンはホースやレバー類に掛けないように注意
ちなみにタイダウンをかけるときの注意点として、ベルトをバイクのミラーやブレーキホース、レバー類にかけるのはやめましょう。
強いテンションでタイダウンを引っ張ると、高確率で破損します。ベルトをかける場所はハンドルバーやトップブリッジなど、頑丈で、固定されている部品が原則です。
ラダーレール
ラダーレールはバイクを車にのせるためのハシゴです。アルミ製や鉄製、折り畳み式などたくさんの商品がありますが、おすすめはアルミの折り畳み式。軽量、コンパクトなので場所をとらず、使い勝手も優秀です。
ただしお値段は少し高めなのでここだけネックかもしれませんね。
固定用のフック
軽自動車をトランポにするときに、一番ハードルが高いのがこの固定用フックかもしれません。バイクにかけたタイダウンを車体に固定するためのフックはかなり頑丈なものを車体に取り付ける必要があります。
車の手すりや、フロアに備え付けられたフックがあれば一番いいのですが、これがなかった場合は自分で加工して取り付けるしかありません。
今は簡易的にとりつけられる商品も多数販売されているので、車にフックがついていない方は用意しておきましょう。
軽自動車で手軽にトランポツーリングを楽しもう
軽自動車でも意外と手軽に楽しめるトランポツーリング。大型バイクでなければたくさんの車種を積載できるので、トランポに憧れている方にとっては嬉しいニュースだったのではないでしょうか。
トランポツーリングにするために必要な装備はラダーとタイダウンとフックだけ。トランポで楽しむ贅沢なツーリングを楽しんでみてはいかがでしょうか。
投稿者プロフィール
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元モトクロス国際B級ライダーのヨシキです。
趣味は林道探検、オフロードバイクでどんな山道も散策します。
今は整備士として活躍しているので、メンテナンス、DIYでできる整備など、お役に立てる情報を発信していきたいと思います。もちろんレーサーならではのライテク記事も執筆していくのでおたのしみに。
【愛車たち】
SUZUKI RM-Z250,HONDA CR125,SUZUKI RM80L
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