はい!元バイク屋のフォアグラさんです、こんにちは。
さて今回は元バイク屋さんの目線で「こやつ・・・デキるな!」と思う人について解説をしていきます。
皆さんも心のどこかで、バイク仲間からも一目置かれたいとか思っていませんか?当然自分もそう思っていましたし、自分がバイク屋さんになってからも、「お、こやつデキるな」的なお客さんもいました。
そんな「デキるライダー」の特徴をお伝えしますので、真似できるところがあれば是非真似してみてください。
なお、今回の「デキる」という判断基準ですが、あくまでフォアグラさん個人の独断によるものですから、あらかじめご了承ください。とはいえ多くのバイク屋さんやベテランライダーの皆さんから見ても、共感できるポイントばかりだと思います。
それでは早速解説に入っていきましょう。
「デキるライダー」の愛車の特徴
皆さんは「デキるライダー」のバイクと聞いて、どんなバイクを想像しますか?バイク屋さんにも一目置かれる人って、どんなバイクに乗っていると思いますか?
やっぱりMVアグスタのような高級車?古いナックルヘッドのハーレー?
確かにそんなバイクに乗っているお客さんがいたら、確実に記憶することでしょう。ただ、凄いバイクに乗っているからといって、必ずしもデキるライダーとは思いません(ヴィンテージハーレーを維持できている時点で、デキるライダーかもしれませんが・・・)
今回お伝えしたいのは、CB400SuperFourの様な極々一般的なバイクであったとしても、デキるライダーの愛車には大体このような特徴があります。
と、こんな感じですね。
ノーマルに近い、もしくは合理的なカスタム
まず共通していえるのがノーマルに近い、もしくは性能的に無意味なカスタムをしていないということ。いや、カスタムに無意味ということはないのですけれども、ライディング性能を確実に向上させられるカスタムを優先的に行っているということ。最も顕著に現れるのは足周りです。
多くの方が最初にカスタムしたがるのはマフラーでしょうが、それよりも先にサスやブレーキを交換する人はなかなかの玄人感があります。マフラー交換は、実は劇的に性能が変化するものではありません。正直なところ、一般道なら出力特性より軽量化によるメリットの方が体感しやすいと思います。さらに言うとマフラー交換で低速トルクがスポイルされ、乗りにくくなる場合もあるくらいです。誤解のないようにお伝えしておくと、決してマフラー交換をすることが素人臭いとか悪いとか、そう言っているわけではありません。そもそも自分自身マフラー交換から入るタイプですから。だってかっこいいですもの。
ただサスの交換は、よっぽど純正サスがしっくり来ているという人以外はメリットばかりなのです。
純正のサスよりも調整に自由度の幅が広く、接地感が良くなり、動きもしなやかで、乗り心地だけでなく走行性能も向上させることができます。
ただマフラーのように外観や音が大きく変わるわけでもなく、価格もかなり高額です。だからこそマフラーよりも先に足回りから手を入れる人を見ると「お!」と思うわけです。
マフラーはノーマルなのに黄金の足(オーリンズ)に交換してある車両で初見のお客さんが来店なんかされると、「こいつ、ただ者じゃねぇ」とスタッフ全員に緊張が…というのは大げさですが、無理して声かけをしたり、セールストークから入ったりはしません。
多走行なのに状態が良い
そして、バイクがドノーマルのままでも、話をしていて「あ、この人は本質を分かってるな」と感じる人のバイクを見ると、大体綺麗なことが多いのです(たまにボロボロの時もあるのですが・・・)。そして見た目に反してすごい距離を走っていたりもします。
以前自分が20年落ちで購入した中古車は、ごくごく一般的などこにでもある地味なシルバー単色のCB1300SuperFourです。
2年で乗り換えましたけれども、走行距離を8万6000kmまで伸ばし、全然トラブルもなく、しっかり最後は査定もつけていただくことができました。
というわけで珍しいバイクや高額なバイクは確かにすごいバイクだとは思いますが、すごいオーナーだと思うのはこのCB1300SuperFourの前のオーナーのような方です。
「デキるライダー」のバイクの取り回し
次に、デキる人から滲み出てしまう、さりげない行動についてお伝えしましょう。それはバイクをバックさせる時の動きです。
ただし残念ながらこれは、一朝一夕に身につくものではありません。
頭から突っ込んだ駐車場でバイクを出す時や、方向転換をする時などに、皆さんはハンドルを持って「よいしょ、よいしょ」と引っ張っていませんか?また、跨ったまま、足でぴょこぴょことバックしていませんか?
もちろんそれが悪いわけではありませんし、倒さないことや周囲のバイクと接触しないことが最優先ですから、無理をすることはありません。ただ、バランスを崩しやすかったり体力も使ったりしますので、夏はそれだけで汗だくになってしまいます。
毎日大量のバイクを倒さずに出し入れするバイク屋さんや、バイク専門の陸送業者の方は、そんなバックはしません。こんな風に右手でシートを押し、左手でハンドル操作をしているはずです。
実はこれ、以前の記事で詳しく解説をしているので、興味があれば是非ご覧になってください。この押し方が最も安全、かつ加えた力をほぼ全て推進力として使うことができる合理的な押し方なのです。
ハンドルを持って引っ張るよりも、シートを押す方が強い力を加えることができます。当然ですが腕の力だけで引っ張るよりも、体全体で押す方が楽なのです。ただ慣れていない方が無理にやろうとすると、バランスを崩してバイクを傷つけてしまう恐れがあるばかりか、むしろ不格好になってしまいます。
この比較画像をご覧いただきたいのですが、慣れない方が無理にやろうとすると、こうしてつま先がバイクの正面方向を向いてしまい不格好になります。
格好悪いだけなら良いのですが、体が後ろを向いていないので押す力も弱く、これでは傾斜のある駐車場から出すことは困難です。「ああ、確かにバイク屋さんとか上手な人って、こうやって体ごと後ろを向いてバイクを押してるよな」と思いませんでしたか?
身につけたいという方は是非練習していただきたいところですが、最初のうちは必ず2人1組で練習することをお勧めします。やはり倒してしまうリスクが大きいで、車体が軽く、傷つけてもあまり気にならないオフロードバイクなどがあれば、練習用として最高です。
お客さんを見送る時に、駐車場でこんな出し方をしていると「うん、この人ただ者じゃないな」と思いますよ。正直、この押し方ができている人はほとんど見ませんから。綺麗な取り回しができると、仲間内でも一目置かれると思います。そして1度マスターしてしまえば、バイクを倒す確率が劇的に減るはずです。自分もバイク屋さんで働き始めてこの押し方をマスターして、大体20年以上経ちますけれども、1度も取り回しでバイクを倒したことはありません。皆さんの是非練習してみてください。
明日からできる「デキるな」と思わせる方法
では最後、明日から誰にでもできる「お、こいつデキるな」と思わせる方法、それは「知ったかぶりをしない」ことです。
例えば
こんなお客さんだったりすると。「おお!この人は自分でキャブを開けられる人なんだ」となりますよね。
だからと言って、よく知らないのに行きつけのバイク屋さんで迂闊にマネすると
こんな恥をかくのが精々ですからね。
こんな風に「知ったかぶりをしない」ことは大事です。
バイクという趣味の界隈は圧倒的男社会で、「詳しい俺かっこいい」「知らないことはかっこ悪い」みたいな風潮があります。特にベテランライダーほど顕著な印象ですが、実は知らないことは素直に質問する方が「この人吸収したがる人だ」と思いますし、印象も良いです。そして実際そうやって質問をする人の方が、実はバイクに詳しいということが圧倒的に多いです。会話の中で出てきた知らない単語なども、知らないことを放置しない人は逆に「デキるな」と思っちゃいますよね。
「聞くのは一時の恥」なんて言いますが、バイクのことをバイク屋さんに質問するのは、恥でも何でもないです。自分なんて知らない単語やパーツが出てきたら、お客さんにも聞いていましたよ。特にハーレー等は、お客さんの方が詳しかったりもしましたから。
むしろ知らないことが少ないからこそ、知らないことが出てきたら気になると思うのです。プライドの高い方は「『こんなことも知らないの』と思われるのが恥ずかしい」と思うかもしれませんが、全然そんなことはありません。むしろ自分を信頼して、質問をしてくれるわけですから、嬉しいものなのです。
まとめ
はいというわけで今回は「こやつデキるな」と思うライダーの特徴について独断で解説をしてみましたがいかがでしたか?
納得できるところがあれば、そして真似できるところがあれば是非真似してみてください。
なお、今回の記事は下の動画で詳しく解説していますので、こちらもご視聴していただけると嬉しいです。それでは今回も最後までご覧いただきありがとうございました。
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投稿者プロフィール
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元バイク屋のYouTuber。
バイクライフに役立つ情報を毎週配信。
メカの話やバイク購入アドバイスはもちろん、用品レビューやバイク屋裏話まで、バイク乗りなら誰もが気になるテーマばかり。
ちなみに中身はアラフォーのおっさん。
好物はサッポロ黒ラベルとキャベツ太郎だが、子どもができて以来、ふるさと納税で貰った無糖レモンサワーで節約している。
最近、血糖値と血圧を気にしているらしい。
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