このたびの地震で被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
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災害時に、バイクは本当に使えるのでしょうか。
僕は熊本で2度の大地震を経験し、今回の地震直後には愛機250TRで職場から自宅へ帰りました。
目の前の幹線道路は大渋滞。
そこで慣れた裏道へ迂回し、普段なら約10分の道のりを約20分で帰宅しました。
一方で、地震直後の道路には、混乱する交差点や路面の穴など、バイクでは見過ごせない危険もあります。
2016年熊本地震では、駐輪していた250TRが転倒し、燃料タンクが大きく凹む被害も経験しました。
それ以来、給油の習慣や駐輪方法を見直し、地震への備えを日常の中で続けています。
この記事では、僕と熊本のバイク仲間の実体験をもとに、災害時にバイクが役立った場面と、知っておきたい危険や備えを紹介します。
【この記事でわかること】
✅災害時にバイクが役立つ場面
✅地震直後の道路に潜む危険
✅2度の大地震から学んだ備え
✅バイクを倒れにくくする対策
大地震の直後、僕はバイクで帰宅した

2026年7月28日16時27分。
僕は熊本市内の職場で「令和8年熊本地震」に遭いました。
揺れが収まって家族と250TRの状態を確認し、17時30分ごろ、自宅へ向けて職場を出発しました。
真っ先に浮かんだのは妻の安否
大きな揺れに襲われた瞬間、真っ先に頭に浮かんだのは妻のことでした。
揺れが収まったあとに周囲を確認し、約2分後には職場前の広い駐車場へ避難。
そこで妻や子どもたちへ連絡を取りました。
17時ごろには家族全員の無事を確認。
自宅やライフラインの状況も気になりましたが、まず家族が無事だったことに安堵しました。
次に気になった愛機250TR
家族の無事を確認すると、次に気になったのが職場の駐輪場に置いた250TRでした。
僕が普段から通勤やツーリングに使っている愛機です。
避難した場所から駐輪場が見えたため、倒れていないことは遠目でも確認できました。
出発前には車体の外側を確認し、周囲に落下物などがないかもチェック。
250TRは平らな場所にサイドスタンドで駐輪してあり、ギアはニュートラルでした。
ハンドルロックやチェーンロックは使っていません。
幸い転倒や目立つ損傷はなく、エンジンも普段どおり始動。
まずはひと安心しました。
家族の無事を確認して職場を出発
家族の無事を確認したあと、僕は17時30分ごろに職場を出ました。
自宅までは約3km。
普段なら250TRで10分ほどの距離です。
ところが職場前の幹線道路には、すでに長い車列ができていました。
見るからに大渋滞。
僕は道路の状態と周囲の交通を確認しながら、いつもより速度を落として走り始めました。
緊急車両が近づいた場面では停車し、通過するまで待ってから再出発。
早く帰りたい気持ちはありましたが、それ以上に優先したのは安全でした。
災害時にバイクが役立ったこと

今回の帰宅では、バイクならではの機動力が役立ちました。
ただし、「バイクなら災害時も大丈夫」という単純な話ではありません。
渋滞を避けて裏道へ迂回できた
職場を出ると、幹線道路は車で埋まっていました。
そのまま車列に入れば、いつ動けるかわかりません。
幸い、職場と自宅の周辺は僕が子どもの頃から知っている地域。
住宅地を通る脇道や裏道も把握しています。
そこで幹線道路を避け、知っている道だけを使って迂回しました。
知らない土地で細い道へ入り込むのは危険ですが、今回は土地勘が味方になった形です。
バイクの小回りと、自分が知っている道路。
この二つが早い帰宅につながりました。
遠回りでも帰宅まで約20分
裏道を選んだため、走行距離は普段の2倍ほどになりました。
それでも帰宅まで約20分。
通常なら約10分なので、所要時間はおよそ2倍です。
ところが後日、僕とほぼ同じ距離を車で帰宅した同僚から、こんな話を聞きました。
「家まで4時間かかったよ」
出発時刻も通った道路も違うため、単純な比較はできません。
それでも、道路が大渋滞した状況では、バイクの機動力が役立つ場面があると実感しました。
もちろん、20分で帰れたことよりも、無事に帰れたことの方が重要です。
満タンの燃料が安心につながった
もう一つ安心材料になったのがガソリンでした。
250TRは、地震の前日に満タン給油したばかり。
通勤だけなら、給油せずに10日以上使える量です。
仮に前日に給油していなくても、僕の普段の給油方法ならタンクには半分ほど残っています。
つまり、当面の通勤や必要な移動には困らない状態。
災害時に移動手段があっても、燃料がなければ走れません。
満タンのタンクを見て、「しばらくは大丈夫だ」と思えたことも、僕にとって大きな安心材料でした。
地震直後の道路には危険が潜む

バイクには機動力があります。
その一方で、地震直後の道路には、普段なら考えなくてよい危険が潜んでいました。
信号が動いていても交差点は混乱
帰宅途中に通った道路では、信号機は作動していました。
だからといって、普段どおり走れるわけではありません。
渋滞した車が交差点の中に残り、こちらの信号が青になっても進めない場所がありました。
信号が変わっても動けない車。
別方向から交差点へ入ろうとする車。
地震直後の混乱した交通状況です。
僕は周囲の車が急に動くことも考え、いつでも止まれる速度まで落として進みました。
車列が止まっていても無理なすり抜けはせず、歩行者や自転車の動きも確認。
信号が正常でも、道路や交通状況まで正常とは限りません。
道路の穴はバイク転倒につながる
自宅近くまで戻ったとき、路面に穴を見つけました。
直径は約30cm。
深さは目測で約20cmあり、中には砂利が見えていました。
帰宅途中で僕が確認した明らかな道路の損傷は、この1か所です。
低速で走っていたため、早めに気づいて回避できました。
もし普段どおりの速度で入っていたら、前輪を取られて転倒した可能性もあります。
翌日には、穴をふさぐように土のうが置かれていました。
この穴が地震によってできたのかは確認できません。
ただ、地震直後の道路では「昨日まで普通に走れた道だから大丈夫」とは考えない方がよいでしょう。
急がず超低速で走ることを優先
僕が帰宅中に意識したのは、早く走ることではありません。
とにかく路面を見ること。
2016年熊本地震では、マンホールが路面から浮き上がった場所や、大きな亀裂が入った道路を実際に見ました。
切れた送電線が地面へ落ちている場所もあります。
それらの光景が頭に残っていたため、今回は必要に応じて停車し、歩くような速度まで落として走ることもありました。
最高速度も時速30kmほど。
見た目では問題がなくても、その先に穴や落下物があるかもしれません。
災害時にバイクが使える場面はあります。
しかし、危険を感じたら走らない。
その判断も同じくらい重要です。
2016年熊本地震の教訓が役立った

今回、僕が比較的落ち着いて行動できた背景には、2016年熊本地震の経験があります。
あのときの失敗を、失敗だけで終わらせない。
そう考えて、普段の行動を少しずつ変えてきました。
燃料が半分になったら満タンにする
2016年熊本地震の発生後、熊本市内のガソリンスタンドは数日にわたり混雑しました。
道路まで続く給油待ちの車列。
必要なときに、簡単にはガソリンを入れられない状況でした。
それ以来、僕は一つのルールを作ったのです。
「燃料が半分になったら満タンにする」
バイクだけでなく、車も同じです。
燃料が少ないタイミングで災害が起きれば、せっかく車やバイクがあっても自由に動けません。
だから、タンク残量ぎりぎりまで使わない。
2016年から今も続いている、僕なりの防災習慣です。
柱との位置関係を見直した
2016年熊本地震では、愛機250TRにも被害が出ました。
当時の僕は、自宅の駐輪場では柱の左側に250TRを停めていました。
そして震度6強の揺れ。
車体は右側へ倒れ、燃料タンクが柱へ直撃しました。
当時は黒いタンクでしたが、大きな凹みと傷が残る結果に。
250TRにはサイドスタンドしかありません。
そこで、僕が見直したのはスタンドではなく駐輪位置です。
現在は柱の右側へ駐輪するように変えました。
万一倒れた場合でも、2016年と同じようにタンクが柱へ直撃しにくい位置。
わずかな違いですが、僕にとっては実体験から生まれた対策です。
同じ被害を繰り返さない駐輪方法
現在は駐輪位置だけでなく、防犯用の極太チェーンでハンドル周辺と柱をつないでいます。
ただし、このチェーンは地震対策専用品ではありません。
転倒防止の効果が確認された製品でもないため、「これで倒れない」と考えているわけではありません。
僕が意識しているのは、2016年と同じ失敗を繰り返さないこと。
柱や壁との距離を確認し、もし倒れたら車体がどこへ向かうのかも考えています。
もしも右側に倒れても、ハンドルと柱を極太チェーンでつないでおけば、右側に激しく倒れるのをやわらげる効果があるかもしれない…
サイドスタンドで駐輪し、地震の揺れでバイクが前に動かないよう、フロントタイヤを駐輪場の壁に接触させています。
ハンドルロックもかけています。
この方法で、サイドスタンド側(左側)に倒れることも(ある程度は)防げるのではないかと考えています。
熊本のバイク仲間は震災に備えていた

地震のあと、熊本のバイク仲間とはグループLINEで安否を確認しました。
「地震、大丈夫だった?」
そんな言葉が、今回の地震でも仲間同士の「あいさつ」です。
そして何人もの口から出たのが、「2016年の経験が役立った」という話でした。
ホイール固定スタンドで保管していた
僕のバイク仲間には、プロのメカニックとして整備を行う「Dr.S」がいます。
Dr.Sが整備で使っているのが、フロントホイールを保持して車体を安定させるスタンドです。
僕の250TRを整備してもらったときにも使われていました。
別の仲間は、そのスタンドをDr.Sから教えてもらい、2016年熊本地震のあとに購入。
彼は、整備だけでなく、大型バイクを普段保管するときにも使用しています。
今回の地震では、彼のバイクは倒れなかったとのこと。
もちろん、揺れの強さや方向も関係するため、スタンドだけのおかげとは断定できません。
それでも、2016年の経験をきっかけに保管方法を見直した一例です。
センタースタンドを使わなくなった仲間
別の仲間も、2016年熊本地震で愛車を倒しています。
そのときはセンタースタンドで駐輪していたそうです。
以来、普段の保管ではセンタースタンドを使わなくなりました。
今回の地震ではサイドスタンドで駐輪。
車体は倒れなかったとのことでした。
ただし、サイドスタンドなら地震に強いと断言することはできません。
揺れの方向や地面の状態、車体の重さなど、条件によって結果は変わります。
重要なのは、「前回なぜ被害が出たのか」を考え、次の備えへつなげることです。
バイクの両側に古タイヤを置く仲間
さらに、こんな対策を続けている仲間もいました。
ガレージに置いたバイクの両側に、古タイヤを常設。
目的は、転倒した場合の傷や破損を少しでも減らすことです。
古タイヤそのものが転倒を防ぐわけではありません。
それでも、車体が床や壁へ直接ぶつかる衝撃を和らげる工夫にはなるでしょう。
方法は人それぞれ。
それでも熊本の仲間たちに共通していたのは、2016年の教訓を忘れず、今も行動に移していることでした。
災害時のバイクに関する「よくある質問(FAQ)」
ここでは、災害時のバイクについて考えられる疑問に、僕の経験を踏まえて答えます。
地震の規模や道路状況は毎回異なるため、安全を最優先に判断することが前提です。
Q1. 災害時にバイクは役立ちますか?
バイクは小回りが利くため、渋滞した道路を避けて別の道へ迂回できる場合があります。
燃費がよく、比較的少ない燃料で移動できることもメリットです。
一方で、道路の亀裂や穴、落下物の影響を受けやすく、災害時の万能な移動手段とは言い切れません。
状況を確認し、安全を最優先しましょう。
Q2. 地震直後にバイクで走っても大丈夫ですか?
地震直後には、路面の損傷や信号停止、交通の混乱が起きている場合があります。
道路とバイクの状態を確認し、少しでも危険だと感じた場合は走らない判断が必要です。
走行する場合も速度を落とし、歩行者や緊急車両の通行を妨げないよう注意しましょう。
Q3. 地震でバイクを倒れにくくする方法はありますか?
まず確認したいのは、地面の状態と周囲の環境です。
平らで硬い場所を選び、柱や壁、ほかの車両との位置関係も確認します。
固定器具などを使う方法もありますが、どの方法も転倒を完全に防げるとは限りません。
倒れる可能性まで考えて駐輪場所を見直し、被害を小さくする備えも必要です。
まとめ:災害時に備えてバイクと行動を見直そう
今回、僕は地震直後に250TRで帰宅し、バイクの機動力に助けられました。
一方で、混乱した交差点や道路の穴など、普段とは違う危険も目の当たりにしています。
そして改めて思い出したのが、2016年熊本地震の教訓です。
半分になったら満タン給油。
駐輪場所の見直し。
バイクが倒れた場合まで考えた保管方法。
どれも「そんなことは知っている」と思う人がいるかもしれません。
しかし、知っていることと、実際に続けていることは別です。
僕自身、2016年に痛い目に遭ったからこそ、地震への備えを頭の片隅に置きながら生活してきました。
日本では、いつ、どこで大きな地震が発生するかわかりません。
だからこそ、僕の経験が、誰かが自分のバイクや行動を見直すきっかけになればと思っています。
投稿者プロフィール

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熊本県在住。生まれも育ちも熊本。
阿蘇をこよなく愛する生粋の熊本人。
昭和の時代に限定解除し、原付/中型/大型の所有歴あり。
現在の愛機はKawasaki 250TR。
愛機250TRで一日500km(下道)を走破することもある、元気おやじライダー。
「安全第一、無事帰る」をモットーに、今も安全運転を模索しながら走り続けている。
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