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【元車両開発関係者が解説】中古車を買ったらまずやること

今回は中古車って「バイクに詳しくない自分には不安」とか「なんか壊れそうで心配」なんて思っている皆さんに、中古車を購入した後、私が必ず行う作業をご紹介してみたいと思います。

中古車と一口にいってもメーカー系の販売店、中古車専門店、ネットオークション等を含む個人売買など、様々な購入経路がありますが、基本的にはどんな手段でも購入後にやることは同じです。

あくまでも私の場合、ではありますが、既にバイクを所有しているライダーの皆さんにも参考になる部分もあると思いますので、是非ご覧ください。

取り扱い説明書・サービスマニュアルの手配

購入が決まっても、多くの場合は登録などの関係で手元に車両が来るまでは時間がかかります。そのあいだに取り扱い説明書を入手して熟読します。ほとんどの車種はメーカーのホームページからダウンロードできます。
取り扱い説明書というと堅苦しいものと思われるかもしれませんが、難しく考える必要はありません。どんな車種なのかを事前にチェックして、やってくる車両への期待妄想を膨らませ、楽しく待ち時間を過ごすことが目的です。
最近の車種はメーターの設定方法や多機能な電子制御など、どんなことが出来るのかを調べるだけでも楽しめますよ。

また、取り扱い説明書以外ではなかなか目にする機会の少ない情報も得られます。
例えばエンジンオイル量の点検、ほとんどの車種は車体を垂直に立てて行いますが、稀にサイドスタンドの使用が指定されている車種もあります。こんなマイナーだけど重要な情報も、取り扱い説明書にはきちんと記載されています。
どんなにバイクに詳しくても、その車種固有の情報は調べなければわかりません。その他の点検が必要な項目や調整方法なども記載されていますので、必ずメーカー公式の取り扱い説明書の情報をよく確認するようにしましょう。

外装部品の脱着や、定期的にメンテナンスが必要な部分の情報などはサービスマニュアルを確認しましょう。外装の取り外し作業がパズルのような車種もありますので、事前に目を通しておくと役に立ちますよ。
ただ、サービスマニュアルの内容はプロのメカニックを対象としたものなので、本来は一般ユーザーにお勧めするものではありませんし、取り扱い説明書に記載されている以外の作業はプロに任せるのが基本ですが、カウル類の脱着くらいであれば問題が起こることはまず無いと思います。もちろん自信が無い場合はバイク屋さんに任せてくださいね。

まずは洗車

車両が手元に来たらあちこち走り回りたくなりますが、まずはそんな気持ちを抑えて洗車に専念です。
中古車を買うときは冷静にこんなところを確認しましょう、みたいな情報よく見かけませんか? もちろんできる人は参考にしたほうがいいのですが、私は無理です。このバイクが自分の物に!と考えた時点で冷静とはかけ離れた、興奮度MAXの舞い上がった状態です。冷静に細かい部分のチェックなんて最初から諦めています。
初めてバイクを買うときに何を確認したらいいのかわからなくて心配、という初心者ライダーの皆さん、ベテランでも実際にはこんなものですから安心してください。

ですから視点を変えて、洗車をすることで車両をよく見ることにより、チェックをするという視点で見ても気が付かなかった問題点を探し出します。
住んでいる環境の問題で水が使えないというライダーさんも多いと思いますが安心してください。洗車といっても正確には磨きです。個人売買で汚れたままの車両であれば洗車の必要がありますが、お店から買った場合は最低限の洗車くらいはやってくれているはずです。丁寧に細かいところまで磨きながら、どんな傷やサビがあるか、壊れているところはないかなどを確認します。
フルカウルの車両はサイド、アンダーカウルなどを外してエンジンまわりまで確認しながら磨くことをおすすめします。

この作業は必ず走り回る前に行い、何か問題疑問が見つかったら出来る限り早く前の持ち主や買ったお店に問い合わせましょう。壊れている部分を見つけても、走り回った後では買う前から問題があったのか、買ってから自分が壊したのかわからなくなってしまいますからね。

水拭き、から拭き、液体ワックス、なんでもかまいません。拭き残し、見落としが無いように丁寧に。

地味だけど大事、増し締めと給

次は車載工具を使って増し締めを行います。増し締めというと締まっているネジをさらに締め込むような印象を受けますが、実際には工具を当てて、緩んでいないかを確認する作業です。
緩んでいる箇所が無いかを確認することはもちろんですが、車載工具が揃っているか、車載工具でどんな作業ができるかを確認しておくのも目的です。最近の車種は車載工具がほとんど無い車種もありますが、どんな工具を積んでいるかを把握しておくだけでもいざと言うときに役に立ちます。

また、この作業と同時に各可動部への給油も行います。潤滑材は浸透性の高いものでは無く、粘度の高い物を使用します。

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ここで確認するのは注油前と後で動きが変わる部分が無いかどうかです。給油によって明らかに動きが良くなるということは、そこが整備されていなかったということですので、他の部分がきちんと整備されているか怪しいということになります。場合によっては買ったお店と別のところで点検してもらったほうが良い場合もありますよ。

意外と多いのがタンデムステップやヘルメットホルダーの動きが悪い車両。こんなところまで注意が行き届いている中古車が理想です。

地道にチェーン清掃

洗車、増し締めが終わったらチェーンの清掃と給油です。ひとコマづつ地道に磨く作業は心を落ち着かせるにはもってこいです。チェーンのサビOリングの切れが無いかを点検しながら行い、コンディションを確認します。同時にスプロケットの消耗度合いも確認しましょう。ドライブスプロケットのカバーを外して中の汚れを確認すると、どれだけ丁寧にメンテナンスされてきた車両か判断できます。大抵はドロドロになっていますが、こんなところまで清掃が行き届いている車両だったら当たりかもしれませんよ。

給油が終わったらチェーンの遊びを点検します。チェーンを一周させながら点検し、遊びの量に変化が無いか、取り扱い説明書に記載されている正しい遊びになっているかを確認します。遊びの変化が大きい場合はチェーンの寿命ですから交換が必要です。

レバーとペダルは「正しい位置」が重要

取り扱い説明書にはブレーキ、クラッチレバーの遊びや位置の調整方法が記載されています。まずは説明書に記載されている遊びに調整し、きちんと操作できるかを確認します。

特にクラッチレバーは、遠いからといって遊びを増やしてレバーを近くするのは絶対にNGです。構造的に適切な遊びというものが決まっていますので、規定値を無視するとトラブルの原因となります。

クラッチ、ブレーキレバーの位置が合わない場合は社外品のレバーに交換することもあります。あまり近くに調整するとクラッチが切れなくなったり、ブレーキがしっかりかけられなくなったりするので、バイク屋さんと相談しながら調整してください。

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次にペダル位置の調整です。まずはチェンジペダル、リンク式のものは全ての可動部分が直角になるように調整し、チェンジペダルと同じ高さにブレーキペダルを合わせます。バイクはこの調整方法でほとんどの体形のライダーに対応できるように造られています。これで乗りにくい場合は着座位置乗車姿勢がおかしい場合がほとんどです。乗りにくいからといってペダルの位置を変えてしまうと乗り方におかしな癖がついて危険な場合が多いので、出来る限り避けるようにしてください。

その他、取り扱い説明書に記載されているエンジンオイルや冷却水の量の点検、ブレーキパッドの残量の点検などを行い、車両の状態を頭に入れておきます。このころにはすっかり舞い上がった気持ちも落ち着き、冷静な状態で新しいバイクに乗ることができるはずです。

個人売買で購入した場合は、ここまでやってから信頼できるバイク屋さんで点検・整備してもらうとさらに安心でしょう。

意外?いきなりタイヤ交換

私は少し走ってみてギクシャクせず、急のつく動作をせずに乗れるようになったら、溝が残っていてもタイヤを新品に交換します。

タイヤは乗り方の癖や使い方によって磨耗の仕方が変わってきます。タイヤの磨耗状態が乗り味に及ぼす影響は想像以上に大きいので、前のオーナーの癖を取り除き、そのバイク本来の乗り味に戻すと言う意味で出来る限り早い段階でタイヤを交換します。
基本的には新車時に装着されているものと同じタイヤ、そのタイヤが廃番になっている場合は後継商品を選ぶとメーカーが意図した乗り味に近づけることができます。

同時にハブダンパー、ホイールベアリング、ホイール・ブレーキディスクの歪み、ハンプ(ホイールのタイヤと接する部分)の傷など、タイヤ交換時でないと点検しにくい部分も確認します。スポークホイールの場合はスポークの緩みや傷なども同時に点検します。
これらの点検はタイヤ交換を行う際にお店にお願いするとよいでしょう。

チューブレスタイヤの場合は、タイヤ交換と同時にエアバルブ金属製のものに交換します。過去にU字ロックをかけようとしてバルブを直撃し、折れたバルブから盛大にエア漏れして呆然、という体験からゴム製のエアバルブはできるだけ避けるようにしています。ゴム製を使用する場合も高価なものではありませんので、タイヤと同時に交換すると安心でしょう。

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まとめ

タイヤ交換までたどり着いたら、あとは乗りながら順に油脂類の交換や各部のグリスアップ、消耗部品の交換などを行っていきますが、ここまでくれば中古車でも新車でもやることは同じですね。

中古車は同じ走行距離でも、屋外保管で放置期間が長かった車両と、屋内保管でコンスタントに走行し、まめに整備されていた車両では状態が全く変わってきますので、走行距離はあまりコンディションの目安にはなりません。
販売しているお店の人も車両の履歴を完全に把握することは不可能ですので、中古車の購入にはどうしてもギャンブル的な要素は発生します。
しかし、時間を経て1台1台全く違うコンディションになっているからこそ、そのバイクの状態をよく知る必要が生まれます。自分のバイクを良く知る過程を楽しむことができれば、中古車との付き合いがより楽しいと感じられるはずですよ。

 

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NTMworks

長年オートバイ業界を裏側から支えてきた、元、車両開発関係者。 バイク便ライダーの経験や、多数のレース参戦経験もあり。 ライダー・設計者、両方の視点を駆使して、メカニズムの解説などを中心に記事を執筆していきます。 実は元、某社のMotoGP用ワークスマシンを組める世界で数人のうちの一人だったりもします。 あなたが乗っているオートバイの開発にも、私が携わっているかもしれませんよ。

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