高速道路で物を落とした経験はありますか?自分も周囲もかなりのスピードで走っているので、自分で取りに戻るのは危険です。交通事故を起こさないためにも適切な対応をしましょう!
高速道路を走行中に荷物を落としてしまった経験はありますか?走行中の落下物はその殆どが運転者の不注意が原因です。
高速道路上の落下物は、小さなものでも大事故につながる可能性があります。交通事故を防ぐためにも正しい対処法を知り、適切な予防策を講じることが非常に重要です。
ツーリングではもっぱら高速道路を利用する筆者が、高速道路で荷物を落としてしまった時の責任所在、違反点数、罰則の概要と、適切な連絡先、落下物を防ぐための対策について解説します。
事故を未然に防ぎ、安全な運転を心掛けましょう!
道路上の落下物の危険性
道路上の落下物は、予測不能な大事故を引き起こす危険があります。
バイクの場合、荷物を適切に固定することが極めて重要です。クルマと比べて、バイクは積載スペースが限られており、荷物を固定するための装備も少ないためです。
不適切な固定方法や過積載は、荷物が落下するリスクを高めます。走行中にポケットから財布やスマートフォンが飛び出たり、積載用ネットからペットボトルやビニール袋が飛んでいく事例は珍しくありません。
高速道路では、落下した荷物を後続車が避けられず、タイヤのパンクや車体の損傷、さらには制御不能を引き起こし、重大な事故につながる可能性があります。
バイクは構造上、荷物を落としやすいだけでなく、落下物を避けられずに乗り上げたり接触したりすると、バランスを崩し転倒する危険も。
したがって、バイクへの荷物積載時には、荷物が確実に固定されていることを毎回確認し、過積載を避けることが必要です。
特に高速道路では、万が一の落下を防ぐため、追加の固定装置の使用を検討しましょう。安全を最優先に考え、事故を未然に防ぐための対策を講じる必要があります。
落下物は落とし主の責任
道路上の落下物で発生した事故や損害は、落とし主の責任です。
道路交通法第三節 第七十五条の十には、『自動車の運転者は、高速自動車国道等において自動車を運転しようとするときは、(中略)積載している物を転落させ、若しくは飛散させることを防止するための措置を講じなければならない。』とあります。
この条文では、落下防止措置を講じる必要はあるものの、落下防止措置を講じたうえで荷物を落下させてしまった場合は違反にならないのでしょうか?
罰則規定には次のように記載してあります。該当すれば【三月以下の懲役又は五万円以下の罰金】です。
十九 第七十五条の十(自動車の運転者の遵守事項)の規定に違反し、本線車道等において(中略)当該自動車に積載している物を当該高速自動車国道等に転落させ、若しくは飛散させた者
『転落等防止措置義務違反』『転落積載物等』の違反は点数1点が加算されます。
乗車前にしっかりと積荷の確認をしましょう。荷物が確実に固定されていることを常に確認し、落下のリスクを最小限に抑えることが重要です。
事故を未然に防ぐための対策を怠らず、安全運転を心掛けましょう。
落下物発生(発見)時の適切な対処法
運転中に積荷を落下させてしまったり、落下物を発見したりした場合には適切な対応が求められます。
安全な場所に停車して全国共通の緊急ダイヤル(#9910)に通報しましょう。その際、自身や同乗者、同行者の安全確保も忘れずに。
高速道路上で車両を停車させる場合には、三角表示板の表示義務があります。安全のためにも常時積載と緊急時には確実に表示できるように準備しておきましょう。
緊急ダイヤルに通報した場合、異常箇所特定のため、道路名、進行方向、キロポスト、周辺の施設等を伝える必要があります。目印になる標識や表示があれば覚えておきましょう。
高速道路上の非常電話から通報も有効です。一定間隔に設置してあり、受話器を取るだけで管制室に繋がります。また、発信位置も自動で伝わるので言葉で場所を伝えられなくてもスムーズな対応が可能です。
前を走るクルマの下から急に落下物が現れる可能性もあります。落下物があっても安全に回避できるように速度や前車との車間距離には十分に注意しましょう。
もし、自分の荷物を落とした場合でも高速道路上では自分で拾いに行かないようにしてください。後続車もかなりの速度で走行している為非常に危険です。
路側帯に車両を停車させた場合には、三角表示板や発煙筒で後続車に危険を知らせつつ、安全な場所から通報し、落下物の回収は交通管理隊にお任せしましょう。
落下物を防ぐための予防策
バイクに荷物を積む際には、荷物の安全な固定が非常に重要です。適切な積載と固定を怠ると、荷物が落下し、自身や他人に危険をもたらす可能性があります。
バランスを考慮して、重い物を低く、車体の中心に近づけて配置することで荷物が安定し、荷崩れしづらくなります。ストラップやネットを用い、荷物が動かないようしっかりと固定しましょう。
不安定な荷物は運転中に振動や風圧で容易に落下するため、確実に固定する必要があります。
【道路交通法施行令第二十二条】には、自動車の乗車又は積載の制限について記載があるので確認してみましょう。
道路交通法施行令第二十二条
(自動車の乗車又は積載の制限)
- 二 積載物の重量は、(中略)大型自動二輪車及び普通自動二輪車で乗車装置又は積載装置を備えるものにあつては六十キログラム(中略)を超えないこと。
- 三 積載物の長さ、幅又は高さは、それぞれ次に掲げる長さ、幅又は高さを超えないこと。
イ 長さ 大型自動二輪車及び普通自動二輪車にあつては、その乗車装置又は積載装置の長さに〇・三メートルを加えたもの
ロ 幅 大型自動二輪車及び普通自動二輪車にあつては、その乗車装置又は積載装置の幅に〇・三メートルを加えたもの
ハ 高さ 大型自動二輪車、普通自動二輪車及び小型特殊自動車にあつては二メートル、(中略)からその自動車の積載をする場所の高さを減じたもの - 四 積載物は、次に掲げる制限を超えることとなるような方法で積載しないこと。
イ 大型自動二輪車及び普通自動二輪車にあつては、その乗車装置又は積載装置の前後から〇・三メートルを超えてはみ出さないこと。
ロ 大型自動二輪車及び普通自動二輪車にあつては、その乗車装置又は積載装置の左右から〇・一五メートルを超えてはみ出さないこと。
文字の羅列ではイメージしづらいのでイラストにしました。条文の内容は以下のイラストに反映させています。
積載の制限は、積載重量60kg(原付一種は30kg)で、幅についてはシートやキャリアから左右15cmまで、前後に30cmまではみ出すことができます。
ライダーが乗車するのでシートの前にはみ出すというのは物理的に難しいです。実質後ろに30cmと考えていいでしょう。
この制限の中で荷物をしっかりと固定する必要があります。ちなみにパニアケースなどは荷物ではなく積載装置に当たるのでケースの幅や長さからさらにはみ出すことが可能です。
荷物を安全・確実に積載するためには、ツーリングネットやストレッチコード類を使います。左右のバランスや重心の位置も重要です。コーナリング中に遠心力で荷崩れしないようにバランスよく積載しましょう。
デイトナのツーリングネットは防水生地でできており、急な雨からも荷物を守れるのでオススメ。
荷物は重量物ほど下へ、前へ。軽いものほど上や後ろに積みましょう。重心を低く、中心にくるように積載することで安定感が増します。
まとめ
走行中に荷物が落下するのは主に運転者の確認不足によるものです。落下物は小さなものでも重大な事故につながり得るため、正しい対処法と予防策の知識が必要。
特にバイクでは、積載スペースが限られているため、荷物を適切に固定し、過積載を避けることが重要です。道路交通法では、高速道路での荷物落下防止措置が義務付けられており、違反した場合は罰則が適用されます。
安全な運転のためには、出発前に荷物の確実な固定を確認し、積載の制限を守ることが必須。
万が一荷物を落としたり、落下物を発見した場合には、安全な場所に停車し、緊急ダイヤルに通報することが求められます。間違っても自分で落下物を拾いに行ったりしないようにしてください。
また、バイクへの荷物の積載は、重心の安定を考慮した荷物の積み方が事故防止につながります。安全を最優先に考え、事故を未然に防ぐための適切な対策を講じましょう。
投稿者プロフィール
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バイクやキャンプなどのジャンルを専門にライターをしているえもと申します。
モトコネクト立ち上げからライターをさせていただき2022年12月に会社を退職。合同会社Cap.Nemoを設立しました!
バイクの楽しさや便利グッズなどをわかりやすくお伝えしていきます。
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