バイクは、通勤や通学、ツーリングなど、さまざまな用途で活躍する便利な乗り物です。しかし新車を購入するには、高額な費用がかかる場合もあります。
そこで、注目したいのが中古バイクです。中古バイクは多くの場合、新車よりも安価に購入できます。しかし購入前に知っておくべき注意点もいくつかあります。
この記事では、中古バイク購入の際に役立つ情報を、バイク歴40年の筆者が自らの経験も交えながら詳しく解説します。
この記事でわかること
・中古バイクのメリットとデメリット
・失敗しないためのポイント
・かしこい探し方
・購入決定後の準備 など
中古バイクの購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
新車と比べてお得! 中古バイクのメリット
中古バイクのメリットは、何といっても価格が新車に比べお得な点です。この章では、中古バイクのメリットについて解説します。
中古バイクは価格が安い場合がある
中古バイクによっては、新車の半値以下で購入できる場合もあります。予算を抑えたい方にとって、大きなメリットと言えるでしょう。
中古バイクは車種や年式が豊富
中古バイクは車種や年式が豊富です。既に販売終了しているモデルや、限定車など、新車では手に入らない車種に出会える可能性があります。
値引き交渉できる中古バイクもある
中古バイクを購入する際、バイク屋さんに値引きの交渉ができます。バイク屋さんと交渉することで、価格を抑えられる可能性があります。
勇気を持って「もう少し、安くできない?」と尋ねてみましょう。
中古バイクは納車までの期間が短い
中古バイクは新車に比べ、納車までの期間が短い場合がほとんどです。新車は納車まで数ヶ月(または1年以上)かかることもありますが、中古バイクは(新車に比べ)一般的に早く納車してもらえます。
カスタムされている中古バイクが多い
カスタムされている中古バイクが多いのもメリットといえます。前のオーナーがすでにカスタムしているバイクが多く、購入したあとにカスタムする必要がなかったり、自分でさらにカスタムしたりしやすい点も魅力です。
見落とし厳禁! 中古バイクのデメリット
中古バイクにはデメリットもあります。この章では見落としがちなデメリットについて解説します。購入後のトラブルにつながる可能性がある部分を必ずチェックしましょう。
バイクの車体状態がよくない場合がある
中古バイクは、車体の状態がよくない場合があります。中古バイクの宿命とも言えるデメリットです。前オーナーの乗り方や保管状況、メンテナンスがよくない場合、バイクの状態は悪くなりがちです。
中古バイクを検討する際は、購入前にバイクの状態をしっかりチェックしましょう。チェックポイントについては後述します。
中古バイクは購入後の保証が短い場合がほとんど
新車にはメーカー保証が付きます。しかし中古バイクの場合、保証期間が、短い(またはない)場合がほとんどです。
保証がなければ、購入後に故障した場合、修理費用は自費で負担する必要があります。修理代も想定し、予算に余裕を持っておくことが大切です。
部品の経年劣化に注意!
中古バイクは、部品の経年劣化に注意が必要です。中古バイクは古くなるほど、あらゆる部品の経年劣化が進んでいます。特に、ゴム部品や樹脂部品は劣化しやすいので、定期的なメンテナンスが必要です。
購入後は、早めにエンジンオイルやブレーキオイルなどの交換を行い、部品や消耗品の状態をしっかり確認しましょう。
希望するバイクが見つからないかも
希望の車種や年式の中古バイクが見つかりにくい場合もあります。人気のバイクは、すぐに売れてしまう可能性が高いからです。
希望にぴったりのバイクを見つけられるよう、複数のバイクショップをめぐったり、中古バイク販売サイトを活用したりするなど、幅広い情報収集が必要です。
悪徳バイク屋もいる
中古バイク市場には、残念ながら悪徳バイク屋も存在します。不当な高値で転売したり、故障を隠したりするなどの悪質な行為を行うバイク屋もあります。
信頼できるバイク屋を選ぶためには、口コミや評判を調べたり、複数のバイク屋で見積もりを取ったりするなど、慎重に判断することが大切です。
信頼できるバイク仲間の情報も参考にしましょう。
中古バイク選びで失敗しないためのポイント
中古バイクは、メリットとデメリットを理解した上で、慎重に選ぶことが重要です。この章では、中古バイク選びで失敗しないためのポイントを解説します。
中古バイクを購入する前に、ポイントを押さえてしっかりチェックしましょう。
車体状態を徹底的にチェック
バイクの車体まわりを徹底的にチェックしましょう。まずは見た目のチェックです。
・エンジン
・フレーム
・外装(塗装)
・タイヤ
・ブレーキ関連 など
これらを隅々まで確認し、目立った傷や錆、異音がないか確認しましょう。事故歴や改造歴は、バイクの性能や安全性に影響を与える可能性があるため、必ず確認してください。
可能であれば試乗して、エンジンの調子や乗り心地の確認をしましょう。
信頼できるバイク屋さんで購入する
信頼できるバイク屋さんを探しましょう。
- 口コミや評判を調べたり、複数のバイク屋さんで見積もりを取ったりするなど、慎重にバイク屋さんを選ぶ
- 不明点や不安な点は、遠慮なくバイク屋さんに質問してみる
バイク屋さんとの相性は、購入後のメンテナンスなどにも影響します。
予算に余裕を持つ
中古バイクを買う際は、予算に余裕を持ちましょう。
- 中古バイクは、購入後にメンテナンスや修理が必要になる可能性がある
- 購入費用だけでなく、維持費も考慮した予算を立てる
- 諸費用(自賠責保険料、登録費用など)も忘れずに計算する
- ヘルメットをはじめとする、バイク関連アイテム購入の予算も必要
予算は、目先のバイク代だけでは足りません。登録の諸費用やバイクに乗るためのアイテム(ヘルメットなど)購入費などが必要です。予算は余裕を持って準備しましょう。
買いたいバイクの主要諸元(スペック)を調べておく
買いたいバイクの情報を調べましょう。主要諸元(スペック)には、バイクの基本データがもれなく記載されています。バイクメーカーの公式サイトなどで、買いたいバイクの主要諸元を調べておきましょう。
主要諸元を理解していれば、中古バイクに装着された部品(タイヤなど)が、純正かカスタムかなどの状態を判断できます。購入後のタイヤ交換やオイル交換などの際も、主要諸元の情報は必ず役に立ちます。
筆者の中古バイク購入成功経験談
筆者が19歳の頃、人生で最初に買ったバイク(ヤマハXJ400D)は大成功でした。筆者の先輩がお世話になっている、信頼できるバイク屋さんで、前オーナーが分かるバイクを購入したからです。
筆者が購入した中古バイク(ヤマハXJ400D)…実は筆者の先輩が乗っていたもので、下取りとしてバイク屋さんに引き取られ、販売されていたバイクでした。
信頼できるバイク屋さんで前オーナーが分かるバイクを購入…現在に続いている筆者のバイクライフは、中古バイクの購入成功から始まりました。
かしこい中古バイクの探し方
中古バイクをかしこく探すには、どのような方法があるのでしょうか。この章ではネットとリアルの2通りの方法について解説します。
ネットとリアル店舗の使い分け
中古バイクを探す際は、ネットとリアルを上手に使い分けましょう。ネットとリアル、それぞれのメリットとデメリットをよく理解して使い分けることは、かしこい中古バイク探しにつながります。
ネットで中古バイクを探す場合
【メリット】
- 自宅にいながら、豊富な車種を比較検討できる
- 希望の車種や価格帯で絞り込み検索ができる
- 販売店の口コミや評判を確認できる
- 写真や動画で車体の状態を確認できる
【デメリット】
- 実際に車体を見ることができない
- 車体の状態を正確に判断できない
- 悪徳業者か否か判別しにくい
リアルの店舗でバイクを探す場合
【メリット】
- 実際に車体を見ることができる
- 車体の状態を正確に判断できる
- スタッフに相談できる
【デメリット】
- 自宅から遠い場合がある
- 希望の車種が見つからない場合がある
- 複数の店舗を巡るのが大変
ネットとリアル店舗を上手に使い分ける、または組み合わせて、効率的に希望する中古バイクを見つけましょう。
中古バイクサイトで探してみる
中古バイク探しを始めるなら、まずは中古バイク販売サイトを活用してみましょう。中古バイク販売サイトでは、以下の情報を確認できます。
- 希望条件の絞り込み:排気量、車種、価格帯、年式、走行距離など
- 写真や動画でバイクを確認:車体の詳細な写真や動画を確認
- 販売店の情報をチェック:販売店の所在地、営業時間、口コミ・評判など
気になるバイクがあれば、販売店に問い合わせをしてみましょう。可能であれば、実際に現車を見に行くことをおすすめします。
近年は、さまざまな中古バイク販売サイトが登場しており、自宅にいながら豊富な車種の比較検討が可能です。
バイク屋さん選びのポイント
中古でバイクを購入する際は、バイク屋さん選びがとても重要です。以下のポイントをチェックしてバイク屋さんを選びましょう。
- バイクの在庫数:豊富な在庫があるバイク屋さんは、過去にも多くのバイクを取り扱った実績があると共に、目利き(品定めと仕入れ)が優れている可能性も高い
- 整備工場の有無:整備工場があれば、購入後のメンテナンスに対応してもらえる
- スタッフの知識と経験:バイクの知識と整備経験が豊富なバイク屋さんを選ぶ
- アフターサービス:できれば、保証内容やロードサービスなどのアフターサービスが充実しているお店がよい
- 口コミや評判:実際に利用した人の口コミや評判を参考にする
初心者でバイク屋さんのことがよく分からない場合は、先輩ライダーに行きつけのバイク屋さんを紹介してもらうのもよい方法です。
バイク屋さんは、なるべく自宅から近いお店を選びましょう。
中古バイク購入を決めたあとの準備
中古バイクの購入を決めたら、さまざまな準備が必要です。この章では、購入する際の書類やアイテム類の準備について解説します。
必要書類と手続き
中古バイクを購入するためには、さまざまな公的書類や手続きが必要です。具体的には以下の内容です。
必要な書類
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど)
- 住所確認書類(住民票、公共料金の領収書など)
- 中古車売買契約書
- 税関係書類(申告書など)
- 手数料納付書
必要な手続き
- 名義変更
- 自賠責保険の加入
- バイクに関する税金などの納付
- ナンバープレートの取得
そのほか
- 任意保険への加入…義務ではないが加入する方がよい
購入したバイクは、すぐに乗れるわけではありません。ナンバープレートの取得や車検証の名義変更など、必要な手続きが終わるまで乗ることはできません。
必要な書類や手続きは、バイク屋さんに教えてもらいましょう。
安全運転のためのアイテムや考え方
中古バイクの購入を決めたら、安全運転のために以下のアイテムを用意したり、考え方を意識したりすることをおすすめします。
安全運転のためのアイテム
- ヘルメット:着用は義務です。規格適合品を選びましょう。
- グローブ:走行中や転倒時に手を保護します。
- ジャケット:プロテクター付きのものを選ぶと、より安全です。
- パンツ:膝や腰を守るプロテクター付きのものを選ぶとよいでしょう。
- ブーツ:足首やスネを守るものを選びましょう。
- ミラー:視界を確保するために、視認性のよいミラーを取り付けましょう。
- ヘッドライト:夜間の視認性と被視認性を高めるために、明るいヘッドライト(バルブ)を選びましょう。
- ドライブレコーダー:万一の事故の際に証拠となる可能性があります。
安全運転のための考え方
- 常に周囲に気を配り、安全運転を心掛ける
- 自分の技量に合ったバイクを選ぶ
- 無理な運転は避ける
- 危険予知と「かも知れない」運転に徹する
安全を常に考えて運転することは、自分自身を守るだけでなく、周りの人を守るためにも重要です。
上記のアイテムや考え方を参考に、安全運転のための準備をしておきましょう。
まとめ:中古バイクのメリット・デメリットを理解しよう!
中古バイクは、新車よりも安価に購入できますが、購入前にバイクの状態をよく確認しなくてはならないなどの注意点もあります。中古バイクを購入する際は、メリットとデメリットを理解した上で、信頼できる販売店から購入することが大切です。
また、購入したあとは必要な整備を行い、安全運転を心掛けましょう。
今回は、中古バイク購入の際に役立つ情報を詳しく解説しました。中古バイクの購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
バイク購入がうまくいけば、素敵なバイクライフがスタートしますよ。
当記事が読者の皆さまのお役に立てば幸いです。読者の皆さまのバイクライフを応援しています。
投稿者プロフィール
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熊本県在住。生まれも育ちも熊本。
阿蘇をこよなく愛する生粋の熊本人。
昭和の時代に限定解除し、原付/中型/大型の所有歴あり。
現在の愛機はKawasaki 250TR。
愛機250TRで一日500km(下道)を走破することもある、元気おやじライダー。
「安全第一、無事帰る」をモットーに、今も安全運転を模索しながら走り続けている。
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