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【ライテク上達講座#1】スマートなシフトアップ、シフトダウンの極意

ギヤチェンジ、ギクシャクしていませんか?

シフトアップやシフトダウンの度に「ガクン」とショックがあり、なんだか気持ち悪い。そんなライダーは意外と多い。これがコーナーの手前や立ち上がりでバイクが少しでもバンクしている状態だと不安は倍増する。本当はシフトチェンジしたいタイミングなのに、ショックが嫌でそのまま走っているとエンジン回転が上がっていき、ただでさえ不安な気持ちがよけいに大きくなっていく。何よりこんな走りは気持ち良くない。

また、タンデムしていたとしたら、シフトチェンジの際にヘルメット同士が当たったり身体が大きく揺れたりとパッセンジャーも相当不快な思いをしているだろう。

加速中なのにクラッチを切った瞬間にエンジンの回転が落ち込んで失速……。

それならばゆっくりクラッチを切って繋いで……となるべく丁寧に操作するも一向に改善されない。そんなジレンマに悩んでいる方は必見

実はゆっくり丁寧に操作するほどシフトショックは大きくなる

結論から言ってしまうとシフトショックの原因は、ゆっくり丁寧な操作にある。バイクのエンジンはクルマと違ってレスポンスが良いため、クラッチを完全に切ると一気にアイドリング付近まで落ちてしまう。

そのため、クラッチを完全に切ってしまうとミッションとクランクに回転差が生じて、そこからクラッチを繋ぐとエンジンブレーキが強くかかってしまうのだ。

ではこの状況を改善するにはどうすれば良いのか?

それはクラッチを極力切らず、すべての操作を一瞬で終えることだ。

 

まずは、シフトアップの場合だと以下のような手順になる。

①スロットルをわずかに戻す(すべて戻さない)

②クラッチを切る(半クラッチ)

③シフトアップ

④クラッチを繋ぐ

 

シフトダウンは以下の通り

①スロット全閉

②クラッチを切る(半クラッチ)

③スロットルをわずかに開けて空ぶかし

④シフトダウン

⑤クラッチを繋ぐ

 

この①〜④もしくは⑤までの操作をほぼ同時に一瞬(1秒くらい)で行う印象だ。

ちなみにシフトダウンの③は慣れるまでは行わなくていいし、一般道では空ぶかしが必要なほど高回転で走らない方が無難だ。

力を入れなくても切れる遊び部分をキャンセル。そこから手応えが出てきたところからわずかにストロークさせる。

この半クラッチ部分のストロークは思っている以上に短いので自分のバイクの半クラッチ部分を把握しておこう。完全に切らないようにするためにも2本指での操作がおすすめ

半クラッチ部分からさらに握り込むと、クラッチが完全に切れる。完全に切ってしまうと、その間にエンジン回転が落ちてしまうため、そこからレバーを繋ぐとエンジンブレーキがかかり「ガクン」とショックが生まれてしまうのだ。

左がクラッチを完全に切ってシフトアップした際のスピードとエンジン回転の関係。そして右が半クラッチで行ったイメージ図。ゆっくり丁寧な操作がNGとはなかなか理解し難いかもしれないが、なんとなく想像できるはずだ

シフトペダルは蹴るような操作でなく、押し込むように行う

一瞬(1秒)で行う、といってもそんなの無理そう。多くのライダーはそう思うだろう。そこで左足の操作のワンポイントもご紹介。そもそも足は手ほど繊細な操作ができないため、こちらはかなり意識する必要がある。

まずはクラッチ同様に遊びをキャンセル。シフトアップなら上方向に、ダウンなら下方向につま先で軽くペダルを押した状態をキープしておく。まずは手でシフトペダルを触って、上下させてみよう。意外と遊び部分が大きいことがわかるはずだ。

なのでつま先でその遊び部分をキャンセルしておき、クラッチレバーを半クラッチにしたと同時にギヤを送り込めるように準備しておこう。

素早い操作、一瞬で、と言われると蹴り上げるような操作を想像しがちだが、これは逆効果でギヤ抜けの原因にもなるので要注意。

これがシフトアップ&ダウンを一瞬で終えるコツだ。

くるぶしを軸に優しくペダルを押しておく。そして半クラッチの瞬間にペダルを押し込む。

遊びをキャンセルしておけば、思いの他短いストロークでシフトチェンジできることに気がつくはず。写真はシフトアップのイメージだが、シフトダウンも同様だ。

この状態からペダル操作をすると、どうしても蹴り上げるような操作になってしまい、半クラッチの瞬間にギヤチェンジができない状態に陥る。

この一瞬のラグがギクシャクする原因に繋がる。素早い操作が求められるが、慌てず確実に行うのがコツだ。

さらにショックをなくすコツはビッグバイクなら、高いギヤ、低い回転で走ること。

これは、トルクがあるビッグバイクだからこそ可能な走りで、例えばリッタークラスの4気筒なら市街地でもスタートしたら一気に4速あたりまで入れ、2000〜4000rpmで走行してみよう。ショックのないシフトチェンジの練習にもこの乗り方が最適なので、シフトアップを面倒に思わず、常にトルクが立ち上がるこのあたりの回転で走行することをおすすめしたい。

高いギヤ、低い回転を意識して走るということは頻繁にギヤチェンジを行うということ。

こいった回転だとスロットル操作に対する車体の反応も穏やかになるため、走行中に加減速でギクシャクしにくくなる。

シフトチェンジはゆっくり丁寧な操作がNG……これは中々理解できないかもしれない。

でもシフトチェンジで最初に意識するのは素早い確実な操作。市街地でも練習できるので、意識して操作してみよう!

 

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小川 勤

1974年、東京都生まれ。18歳からバイクライフをスタート。出版社に入社後、 20年以上バイク雑誌一筋で編集者生活を送り、バイク誌の編集長を8年ほど 経験。編集人生のモットーは、「自分自身がバイクに乗り、伝える」「バイクは長く乗るほど楽しい!」。過去 には、鈴鹿4耐などの様々なイベ ントレースにも参戦。海外のサーキットで開催される発表会に招待いただくことも 多く、現地で試乗して感じたことをダイレクトに誌面やWEBに展開してきた。 2022年、フリーランスのモーターサイクルジャーナリストとして始動。

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