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【元車両開発関係者が解説】SS系ライダーに!レースマシン風になるオススメカスタム!

SS系の車両のカスタムって結構難しいですよね。ノーマルの完成度が高いだけに、イジりようがない、下手に改造すると性能が落ちたり乗りにくくなったりしそうで手が出せないという意見をよく耳にします。さらに、変に改造すると一気にダサくなったりするのがSS系のカスタムの難しいところです。

そんな難易度の高いSS系のカスタムの中で、少しだけ手を入れることで満足感が高く、なによりもオーナーがオートバイに対する知識やスキルの高いライダーに見られるような、派手さは無いがツボを押さえたアイテムを何点か、世界選手権から草レースまで多数のレース車両はもちろん、公道車両のカスタムも多く手がけてきた私がご紹介してみたいと思います。

スプロケットガー

まずはレース車両にはレギュレーションで取り付けが義務化されているスプロケットガードです。

公道ではあまり無いシチュエーションですが、このスプロケットガードが義務化される以前のレースでは、転倒時に体の一部がチェーンとスプロケットに挟まれるという事故が多発していました。
このレース車両には必ず取り付けられているパーツを装備することによって、実戦で戦う車両の雰囲気を醸し出すことができます。もちろん安全性も向上しますし、なによりもレース車両に精通したライダーというイメージを演出することができます。
レースに導入された当初はスイングアームに加工を施さなければならない車種がほとんどでしたが、現在はボルトオンで取り付けられる製品も増えています。CBR1000RR-Rには純正オプションで用意されています。

ストロークセンサ

走行中に使用しているサスペンションのストロークを、走行後に確認するためのパーツです。使用しているストロークから判断し、サスペンションのセッティングを行います。世界選手権や全日本ではデータロガーと連携した電気式のセンサーが主流になっていますが、アナログなタイプもまだまだ現役です。このストロークセンサーを装備することによって、サスセッティングにこだわる上級ライダーを演出できます。もちろん実際にセッティングにこだわってみてもいいのですが、別に本当にこだわってなくても全く問題ありません。なにか聞かれたら「いやー、サスセッティングは奥が深くて難しいですね」とか答えておけば、勝手にこだわりのある高いスキルを持つライダーだと勘違いしてもらえます。

インナーチューブ上を摺動するパーツですので、汚れたまま使用するとインナーチューブ表面を傷つけてしまう可能性があります。清掃はこまめに行ってくださいね。

 

 

スタンドフッ

こちらは比較的メジャーではないでしょうか。レーシングスタンドを使用するためのフックです。一般的なボス型のものと、レーサーで使用されることの多いプレート型のものがありますが、プレート型は対応しているスタンドが少ないのが難点です。しかし、レース車両風、ということであれば、プレート型をお勧めします。YZF-R1の純正オプションにはプレート型のスタンドフックが用意されていますよ。

実際に使わなくてもいいんです。これが取り付けてあるだけで、メンテナンスにうるさいこだわりのライダーだと周りが見てくれます。もちろんこれも、実際に使用すればメンテナンスを楽にしてくれるパーツですので、スタンドと合わせて導入するのも良いと思います。

イニシャルアジャスタ

正確にはイニシャルアジャスター用のノブです。フロントフォークのイニシャルプリロードを、工具を使用せずに走行中でも調整できるようにするためのパーツです。昔、WGPの125クラスなどでは燃料残量の変化、タイヤの消耗などにあわせて走行中にプリロード調整を行う光景がよく見られましたが、最近はレース中の調整を見ることが少なくなりました。どうせピットに戻って調整するなら工具を使えばいい、という判断で最近のレース車両では見ることが減ってきましたが、このパーツを取り付けていることによって、頻繁にセッティング変更を行っているセッティングスキルの高いライダーを演出できます。もちろん実際に調整する際に便利ではありますが、公道車両のフロントフォークのプリロード設定はとても難しいので、ハッタリで装備するだけでもよいのではないでしょうか。

レバーガード

レース中に他車と接触した際、ブレーキレバーが押されて転倒することを防ぐためのパーツです。装着が義務化されているレースも増えており、手っ取り早くレース車両のイメージを取り入れやすいパーツではありますが、公道で使用するのはかなり注意が必要な難しいパーツです。

レース車両はほとんどの場合、ハンドルストッパーを追加してハンドル切れ角を大幅に規制しています。転倒してアスファルト上を車両が滑った際に、ハンドル切れ角が大きいと滑走中にフロントタイヤが路面に引っかかり、車体が跳ね上がって回転し、たいした転倒でもないのにマシンが大きなダメージを受けてしまうケースがあるためです。

その最小限のハンドル切れ角を前提としたレバーガードを公道車両に装備すると、アクシデントの際、本来想定していない角度でレバーガードの先端が人体などの障害物に接触する可能性があります。

レース用のハンドルストッパーを公道で使用するのはハンドルロックが使用できなくなるなどの理由で現実的ではありませんから、ハンドル切れ角、カウル形状、レバーガード形状などを良く検討して取り付けないと、安全の為の装備のはずが凶器になってしまいます。
安全装備のはずなのにバイクメーカーが採用に消極的な理由はこんなところにあります。また、取り付けの際にはアクセルグリップの戻りを阻害していないか細心の注意が必要ですし、車体寸法に変更がある場合は車検の際に申請しなければなりません。
簡単にレースイメージを演出できるパーツにではありますが、安全に使用するのは色々と難しいパーツでもあります。公道で使用する場合はよく注意してください。

まとめ

カスタムすることにこだわらなくても、最近の車種の完成度はとても高いので、フルノーマルを大切に乗るのも素晴らしいことだと思います。
でもせっかくバイクのオーナーになったら、より満足度の高い車両にするためにカスタムしたい、というのも間違いなくバイクの楽しみかたのひとつです。カスタムに正解はありません。カスタムとはカスタマー(顧客)に合わせるという意味ですので、オーナーが満足していればそれが正解です。
とはいってもせっかくカスタムするなら、車両を見た人にあまりバイクに詳しくない人だと思われるよりは、なんか凄くレベルの高いライダーだと勘違いしてもらえるほうが嬉しいですよね。

SS系の車両で一目置かれるオーソドックスで簡単な方法は、実戦を戦うレーサーに近づけるカスタム、レースのレギュレーションによって装着が義務化されているパーツや、実際に使用されている機能部品を使用することです。
効果が有るのかよくわからない高額なパーツをたくさん取り付けるより、時間と金額をそれほどかけずに完成度の高いカスタム車両を造ることができます。

ちょっと地味だと思われるかもしれませんが、カスタムの第一歩や、やり切ったカスタム車両の仕上げの一手に、こんな細かなパーツ達にも目を向けてみてはいかがでしょうか。

 

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NTMworks

長年オートバイ業界を裏側から支えてきた、元、車両開発関係者。 バイク便ライダーの経験や、多数のレース参戦経験もあり。 ライダー・設計者、両方の視点を駆使して、メカニズムの解説などを中心に記事を執筆していきます。 実は元、某社のMotoGP用ワークスマシンを組める世界で数人のうちの一人だったりもします。 あなたが乗っているオートバイの開発にも、私が携わっているかもしれませんよ。

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