就職や転職、結婚や転勤など、人生のイベントには引越しを伴う場合があります。引越しって大変ですよね。ライダーは家財道具のほかに、大切なバイクの輸送も考えなくてはなりません。
「家財道具だけでも大変なのに、バイクはどうしよう… 引越しの手配や手続きはどうすればイイの?」って悩んでいませんか?
そこで今回は、転勤の引越しも経験したことがあるバイク歴40年の筆者が、バイク乗りの目線で引越しノウハウを解説します。
この記事を読めば、引越しに伴うバイクの輸送(移動)がわかりますよ。
バイクを伴う引越しのほか、バイクの住所やナンバー変更手続きなどについても詳しく解説するので、ぜひ最後までご覧くださいね。
引越しするときのバイク輸送方法3選
バイクの引越しには、どんな方法があるのでしょうか? この章では、バイクを輸送する3通りの方法について解説いたします。
(1)バイク輸送専門の業者に依頼する
バイクと家財道具を分けて考え、それぞれ別の業者に引越しを依頼する方法です。バイク輸送専門の業者に依頼するのは、安全かつ安心な方法といえます。バイク輸送専門のプロである彼らは、バイク輸送に慣れているからです。
自宅にあるバイクを預かりに来てくれて転居先の住居へ届けてくれるサービスのほか、デポ(バイクの集積所・営業所)へライダーがバイクを持ち込み、転居先地域のデポにバイクを留め置く「デポ留め」を選べる業者もあります。「デポ留め」は手間はかかりますが、料金を抑えられる場合があります。
メリット
- 自分で何もする必要がない(持ち込みを除く)
- 安心・安全
デメリット
- 費用が高い場合がある(特に大型バイク)
- バイク輸送の業者と家財道具輸送(引越し)業者(方法)をそれぞれ別々に決める必要がある
- 「デポ留め」の場合はデポへのバイク持ち込みと引き取りをしなくてはならない
費用の考え方
- 距離とバイクの大きさ(排気量)、「デポ停めか否か」などにより変動する
- 見積もり取得が重要
注意点とアドバイス
- 複数の業者から見積もりを取り、費用とサービス内容を比較検討する
- サービス内容の確認(何をやってくれるのか、どこまでやってくれるのか)
- 信頼できる業者を選ぶ
- バイクの状態確認(届いたバイクに傷などが入ってないか?)
- 保険加入(損害賠償)には対応しているか?
- バイクの空輸は面倒で高額、急がないなら陸送の方がおすすめ
バイク輸送専門の業者
- BAS …バイク輸送に特化したプロ
- I-Line …引越はもちろん、オークションなどのバイク輸送にも対応
- ism …全て箱車で輸送、ドアtoドアにも対応
- Red line …全国対応、自転車やセニアカーもOK
(2)引越し業者に家財道具と一緒にバイクの輸送も依頼する
家財道具の輸送を依頼する引越し業者に、バイクの輸送も一緒に依頼する方法です。業者にまとめて依頼するので手間としてはラクですが、費用が割高になる場合があります。バイクの輸送を別の専門業者などに委託するケースが多いためです。
メリット
- バイクと家財道具をまとめて手配できる
- 全ての手配をやってくれるからラク
デメリット
- 費用が高いことがある(提携業者に委託する場合など)
- バイクだけ遅く届く場合がある
- バイクの取り扱いに不安がある(バイクのプロではないかも知れない)
費用の考え方
- 引越しの距離や家財道具の量、バイクの排気量により価格が変動する
- 複数の業者から必ず見積もりをとる
注意点とアドバイス
- 引越業者複数に見積もりを依頼し、費用とサービス内容を比較検討する
- バイクを提携業者に再委託されるなら、再委託先の確認
- バイクの状態確認(輸送されたバイクに傷などが入ってないか?)
- 保険加入(損害賠償)には対応しているか?
バイクの輸送と家財道具を一緒に手配できる引越し業者
バイク輸送を業者に依頼する際の注意点
任せてラクとはいえ、任せっぱなしではいけません。下記の項目を必ずチェックしておきましょう。
ガソリン
- 引越し直前に満タンにしない
- タンク内のガソリンをできるだけ減らす、または抜く(業者によっては、ガソリンを抜かないと受け付けてくれない場合がある)
バッテリー
- バッテリー端子を外す
- バッテリーそのものを外さなくてはならない業社もある
- 充電状態を確認しておく(転居先ですぐにバイクを動かせる電圧か?)
その他
- 車体の固定状況を確認する(どのような固定方法で運ぶのか? 輸送車両などを確認する)
- 貴重品の取り外し(ETCカード など)
- 業者にバイクを壊された場合に備え、車両保険などへの加入を検討する
(3)自分でバイクを運転して転居先へ行く(自走)
自分でバイクを運転して転居先へ行く方法もあります。ツーリングを兼ねて楽しいのですが、移動時間が必要です。
近い地域であれば一日で到着できるかも知れませんが、引越し先が遠い地域であれば、自走は時間的にも体力的にも難しい場合があります。
また、原付や小型バイクの場合は、遠距離がツラい場合もあるので注意が必要です。
メリット
- 費用が安い
- 移動する日時を自由に選べる
デメリット
- 疲労が溜まるかも知れない
- 事故や故障のリスクがある
費用の考え方
- ガソリン代、高速道路料金、フェリー代、宿泊代 など
注意点とアドバイス
- 体力と時間的な余裕を考える
- ルートなどツーリング計画を立てる
- 安全対策を最優先する
- バイクのメンテナンスを万全にしておく
- 家財道具の手配を先に完了させておく
バイクの住所変更手続きもすぐにしよう!
引越して住民票を異動する場合は、バイクの登録内容も変更しなくてはなりません。バイク登録内容の変更手続きは、排気量や転居内容で変わります。
バイクの登録内容を変更しないと、役所からの公的通知が届かず、さまざまな支障が出てきます。たとえば、納税通知が届かないと、車検のあるバイクは車検に出すことができません。
住民票の異動と同じタイミングで、バイクの登録内容も必ず変更しましょう。この章では排気量別に、バイクの登録内容を自分で変更する手続きと流れについて解説します。
ナンバーをその場で取り付ける場合は、工具類を忘れずに持っていきましょう。
原付(125cc以下)の場合
ここでいう「原付」とは、50〜125ccまでのバイクです。
同一市区町村内の引越しの場合
- 同じ市区町村に引っ越すのであれば、市区町村役場に住所の転居届を出せば完了
- ほかに手続きはなし
- ナンバープレートはそのまま使える
【必要なもの】
- 転居届
異なる市区町村への引越しの場合
- 転居元の市区町村役場で「廃車証明書」を発行してもらう(このとき、古いナンバープレートは返納する)
※注意! 廃車証明書を発行しナンバープレートを返納したら、公道を走れなくなります。 - 新住所の市区町村役場に「廃車証明書」を提出し、新しいナンバープレートを発行してもらう
- バイクに新しいナンバープレートを取り付けたら完了
【必要なもの】
- 廃車証明書(転居元の市区町村役場で発行)
- 標識交付証明書
- 新住所の住民票
- 印鑑
【費用】
- 300円程度(印紙代など)
【期限】
- 引越した日から原則15日以内
参考:練馬区役所Webサイト
軽二輪(126cc~250cc)の場合
ここで説明するのは、車検がないバイク(126〜250cc)です。引越先を管轄する陸運局が、引越前と変わらない場合と変わる場合で手続き内容が異なります。管轄する陸運局が異なる場合は、ナンバープレートが変わります。
同一管轄内の引越しの場合
- 書類をそろえる(下記の【必要なもの】参照)
- 居住する地域を管轄する陸運局へ提出し手続きする
- 完了
【必要なもの】
- 軽自動車届出済証
- 自動車損害賠償責任保険証明書(自賠責の証明書)
- 新住所の住民票
- 印鑑
【費用】
- 1,000円程度(印紙代など)
【期限】
- 引越した日から原則15日以内
異なる管轄陸運局への引越しの場合
- 書類をそろえる(下記の【必要なもの】参照)
- 転居先を管轄する陸運局へ提出し住所変更する
- 新ナンバーを受け取りバイクに取り付けたら完了
【必要なもの】
- 軽自動車届出済証
- 自動車損害賠償責任保険証明書(自賠責の証明書)
- 新住所の住民票
- 印鑑
- 旧ナンバープレート(※陸運局の管轄が異なる場合のみ)
【費用】
- 1,500円程度(ナンバー代、印紙代など)
【期限】
- 引越した日から原則15日以内
小型二輪(251cc以上)の場合
小型二輪とは251cc以上の車検があるバイクです。車検がない軽二輪の手続きと似ていますが、車検証が必要なところが異なります。また、引越先を管轄する陸運局が引越前と変わらない場合と変わる場合で、手続き内容が違います。管轄する陸運局が異なる場合は、ナンバープレートが変わるので注意しましょう。
同一管轄内の引越しの場合
- 書類をそろえる(下記の【必要なもの】参照)
- 居住する地域を管轄する陸運局へ提出し手続きする
- 完了
【必要なもの】
- 手数料納付書
- 自動車検査証(車検証)
- 自動車損害賠償責任保険証明書(自賠責の証明書)
- 新住所の住民票
- 印鑑
【費用】
- 1,000円程度(印紙代など)
【期限】
- 引越した日から原則15日以内
異なる管轄陸運局への引越しの場合
- 書類をそろえる(下記の【必要なもの】参照)
- 転居先を管轄する陸運局へ提出し住所変更する
- 新ナンバーを受け取りバイクに取り付けたら完了
【必要なもの】
- 手数料納付書
- 自動車検査証(車検証)
- 自動車損害賠償責任保険証明書(自賠責の証明書)
- 新住所の住民票
- 印鑑
- 旧ナンバープレート(※陸運局の管轄が異なる場合のみ)
【費用】
- 1,500円程度(ナンバー代、印紙代など)
【期限】
- 引越した日から原則15日以内
そのほか忘れてはならない手続き
バイクの引越し手続きは、住所登録やナンバープレートだけではありません。下記の手続きも忘れずに必ずしておきましょう。
- 免許証の住所変更手続き
- 自賠責保険、バイク保険(任意保険)の住所変更手続き
免許証の住所変更手続きは義務です。怠ると罰せられる場合があります。また、自賠責や任意保険など保険関係の住所変更手続きを怠ると、万一の事故の際に保険が適用されないかも知れません。これらの変更手続きは必ず済ませましょう。
引越しするライダーへのアドバイス
引越しが決まったら、下記の準備をしましょう。
早めに計画を立てる
- 家財道具の引越し予定日
- 片付け準備スケジュール
- バイクの輸送スケジュール
- バイクのナンバー変更や免許証の住所変更手続き予定日 など
複数の業者から見積もりを取る
- バイク専門の輸送業者に任せる?
- 引越し業者にまとめて依頼する?
余裕をもったスケジュールで行動
- 早め早めに行動し、スケジュールに余裕をもたせておけば安心
引越しには思わぬアクシデントが発生しがちです。引越しは面倒ですが、段取りなどやることをリストアップしてスケジュールを組み立ておけば、バイクの引越しも家財道具の引越しもスムーズに進みますよ。
まとめ
今回は、引越しするライダーに向けて、引越しする際のバイク輸送や手続きについて解説しました。
引越しは大変ですが、この記事で解説したポイントを押さえて実行すればスムーズに進みますよ。
- 引越しに伴うバイクの輸送は、事前にしっかりと計画を立て、自分に合った方法や業者を選ぶ
- 面倒な役所系(ナンバープレートなど)の手続きを後回しにしない
この記事が読者の皆さまのお役に立てば幸いです。引越し先でも素敵なバイクライフをお送りくださいませ。読者の皆さまのバイクライフを応援しています。
投稿者プロフィール
-
熊本県在住。生まれも育ちも熊本。
阿蘇をこよなく愛する生粋の熊本人。
昭和の時代に限定解除し、原付/中型/大型の所有歴あり。
現在の愛機はKawasaki 250TR。
愛機250TRで一日500km(下道)を走破することもある、元気おやじライダー。
「安全第一、無事帰る」をモットーに、今も安全運転を模索しながら走り続けている。
最新の投稿
- コラム2024年10月1日バイクの保管は雨ざらしでも大丈夫?リスクとトラブルを解説
- ツーリング2024年9月28日【熊本】ワンピース銅像聖地巡礼ツーリング完全ガイド|モデルルート&おすすめスポット【後編】
- ツーリング2024年9月22日【地元ベテランライダーが選ぶ】長崎県のおすすめツーリングスポット&地元グルメ7選
- コラム2024年9月11日バイクを降りるべき?免許返納を考えるサインと安全な引退のタイミング