バイクを選ぶとき、どうしても馬力やトルクなどのカタログ値を気にしてしまいますよね。しかし、『何馬力ならこんな感じ』などのフィーリングを想像できるでしょうか?
バイク選びで私達が着目する最も重要な要素の一つが「馬力」です。馬力とは、エンジンの出力を示す単位であり、バイクの性能を大きく左右します。
初心者にとっては、馬力で乗車フィーリングがどのように変わるのか想像できないのではないでしょうか。馬力が高すぎると扱いにくく、逆に低すぎるとギクシャクして乗り心地が悪く感じることがあります。
例えば、5馬力のバイクでも平坦な道では快適に走行できますが、坂道や荷物を積んだ場合には力不足を感じることがあるでしょう。
一方で、20馬力あれば高速道路での巡航も可能ですが、大型バイクと一緒に走るには少々力不足かもしれません。
この記事では、原付からリッターオーバーまで数多くのバイクを乗り継いできた私が、馬力が乗り心地にどのように影響するかを実際の乗車体験から解説します。
【10馬力前後】原付二種レベル
原付二種クラスのバイクは多くが10馬力前後の出力を持っています。フルサイズのスポーツバイクでも最大で15馬力です。
このクラスのバイクは、街乗りにおいて非常に扱いやすく、初めてバイクに乗る方や日常の移動手段として最適。
原付二種では高速道路や自動車専用道路を走ることはありませんし、法定速度で下道を走る分には十分な加速力を持ち、信号待ちからのスタートや交差点での右左折もスムーズに行えます。
下道ツーリングなら250ccや大型バイクにだって遅れを取ることはないでしょう。
ただし、急勾配の坂道を走る時や、2人乗りの場合やキャンプ道具など重たい荷物を積載している場合の加速時などにはパワー不足から減速してしまうことはあります。
これらのバイクは燃費も良く、維持費も抑えられるため、経済的なメリットも大きいです。
結論として、10馬力前後のバイクは、日常使いに適しており、取り回しやすさや経済性を重視するライダーにとって非常に魅力的な選択肢と言えます。
10馬力クラスのバイク
- ホンダ CB125R 15馬力/10,000rpm
- ホンダ モンキー125 9.4馬力/6,750rpm
- ヤマハ YZF-R125 15馬力/10,000rpm
- ヤマハ トリシティ125 12馬力/8,000rpm
- スズキ GSX-R125 15馬力/10,500rpm
- スズキ バーグマンストリート 8.3馬力/6,500rpm
- カワサキ Z125Pro 9.7馬力/8,000rpm
【30馬力前後】250ccクラス
30馬力前後の250ccクラスのバイクは、バランスの取れた出力と軽快なハンドリングを備えており、街乗りからツーリングまで幅広く対応できる万能なクラスです。
このクラスのバイクは、街中での加速や高速道路での巡航性能が両立しており、通勤や日常の移動だけでなく、長距離ツーリングでも快適に走行できます。
30馬力前後の出力は、一般道での追い越しや坂道での走行でも余裕があり、ストレスを感じることが少ないでしょう。
また、車体が比較的軽量であるため、初心者でも扱いやすく、バイクの楽しさを十分に味わうことができます。
一方で、最高出力が20馬力程度になると巡航速度は時速80kmがギリギリ。高速道路を走る時には注意が必要です。
特に単気筒の126〜250ccクラスのバイクには20馬力前後の車種も多いです。
30馬力クラスのバイク
- ホンダ CB250R 27馬力/9,500rpm
- ホンダ レブル250 26馬力/9,500rpm
- ヤマハ YZF-R25 35馬力/12,000rpm
- スズキ V-Strom250 24馬力/8,000rpm
- スズキ GSX250R 24馬力/8,000rpm
- カワサキ Ninja250 35馬力/12,500rpm
20馬力クラスのバイク
- ホンダ フォルツァ 23馬力/7,750rpm
- ヤマハ XMAX 23馬力/7,000rpm
- ヤマハ YZF-R15 19馬力/10,000rpm
- スズキ ジクサー150 13馬力/8,000rpm
- ロイヤルエンフィールド 350シリーズ 20.2馬力/6,100rpm
【50馬力前後】400cc〜700ccミドルクラス
50馬力前後の出力を持ったバイクは、400ccから700cc程度のミドルクラスのバイクに多いです。高速道路から峠道まで幅広いシチュエーションで余裕のある快適な走行ができます。
初心者から中級者まで幅広いライダーにとって、扱いやすく、かつ満足感のある走りが可能です。高い回転域までエンジンの性能を引き出せます。
250ccクラスと比較すると車体重量は重たくなりますが、その分安定感があり高速巡航でもふらつきが少なく快適です。
一方で1000ccオーバーのリッターバイクと比較すると取り回しがしやすく、都市部の交通量が多い場所でもストレスなく操作できます。
ミドルクラスは、様々なシチュエーションで活躍できる万能で丁度いい選択肢です。
50馬力クラスのバイク
- ホンダ CB400 SF 56馬力/11,000rpm
- ホンダ レブル500 46馬力/8,500rpm
- ヤマハ MT-03 42馬力/10,750rpm
- ヤマハ TMAX560 48馬力/7,500rpm
- カワサキ ZX25R 48馬力/15,500rpm
- カワサキ ELIMINATOR 48馬力/10,000rpm
- カワサキ W800 52馬力/6,500rpm
- ロイヤルエンフィールド Continental GT650 47馬力/7,150rpm
【100馬力超】大型スポーツバイクなど
100馬力を超える大型スポーツバイクは、圧倒的な加速力と高速域での安定性を誇り、スピードとパワーを求めるライダーにとっては最高の選択肢です。
このクラスのバイクは、サーキット走行や高速道路での長距離クルーズで真価を発揮します。
エンジンが持つ圧倒的なトルクにより、どんな状況でも即座に加速でき、高速域でも安定したハンドリングが可能です。
また、シャシーやサスペンションも高性能で、コーナリング時の挙動が非常に安定しているため、スポーツ走行を楽しみたいライダーには最適です。
ただし、その性能を扱いきるには、ある程度の経験と技術が求められる点も忘れてはいけません。公道では最高出力に達するほどの加速をすることはまず無いでしょう。
100馬力超のバイク
- ホンダ Gold Wing 126馬力/5,500rpm
- ホンダ CBR1000RR-R 218馬力/14,000rpm
- ヤマハ YZF-R1 200馬力/13,500rpm
- ヤマハ XSR900 GP 120馬力/10,000rpm
- スズキ Hayabusa 188馬力/9,700rpm
- スズキ KATANA 150馬力/11,000rpm
- カワサキ Ninja H2 200(210)馬力/11,000rpm
- カワサキ Z900RS 111馬力/8,500rpm
まとめ
この記事では、バイク選びの重要な要素である「馬力」について、具体的なクラスごとにその特徴とフィーリングを解説しました。
馬力は、バイクの走行性能や乗り心地に大きく影響を与える要素であり、ライダーのレベルに応じた適切な出力を選ぶことで、快適かつ安全なライディングを実現できます。
また、最高出力に達する回転数も大切な要素です。より低い回転数で最高出力に達する方がストレスなく加速できるでしょう。高回転型のエンジンでは低速や急な登り坂ではストレスを感じるかもしれません。
10馬力前後の原付二種クラスは、街乗りや短距離移動に最適で、軽快な取り回しと経済性を重視する方に向いています。
30馬力前後の250ccクラスは、街乗りからツーリングまで幅広く対応できるバランスの取れたクラスで、初心者にも扱いやすいのが特徴です。
50馬力前後の400cc〜700ccミドルクラスは、高速巡航や峠道での安定性があり、長距離ツーリングにも適しているため、ライディングの幅を広げたい方におすすめです。
一方、100馬力を超える大型スポーツバイクは、圧倒的な加速力と高速域での安定性を持ち、スピードとパワーを追求するライダーに最適です。
しかし、その性能を十分に引き出すには、経験と技術が必要であり、公道での扱いには注意が必要です。
最終的に、自分のライディングスタイルや使用目的に合った馬力を持つバイクを選ぶことが、快適で安全なバイクライフを送るための鍵となります。
自分に合ったバイクを見つける際に、この記事が参考になれば幸いです。
関連記事:
投稿者プロフィール
-
バイクやキャンプなどのジャンルを専門にライターをしているえもと申します。
モトコネクト立ち上げからライターをさせていただき2022年12月に会社を退職。合同会社Cap.Nemoを設立しました!
バイクの楽しさや便利グッズなどをわかりやすくお伝えしていきます。
最新の投稿
- EV2024年9月30日【XEAM 博多で聞いた!】電動バイクの最新トレンドと2024年モデルのご紹介
- コラム2024年9月27日【バガースタイル進化論】ハーレーダビッドソンのパフォーマンスバガーが熱い!
- コラム2024年9月24日【バイクの立ちゴケ徹底回避】危険なシーンと転ばない対策を解説!
- コラム2024年9月17日【燃費ランキング】エコで経済的な原付二種小型バイク【TOP10】