コロナ流行中の2020年頃から急速に普及したUber Eats。
外出制限が緩和され、気軽に出かけやすくなった現在は需要が落ち着いた状況ですが、現在も街に出ると配達バッグを背負う人の姿をよく見かけます。
そんな中で配達員を取り巻く状況は変わっているようです。Uber Eatsの報酬体系に変化が発生したことで、自転車より速く移動して多くの依頼をこなしやすい原付バイクが注目を集めています。
この記事では、これからUber Eatsの配達員を始める人や、バイクへ乗り換えを検討中の配達員の方々に向けて、バイクを利用するメリットや配達向けのバイクを紹介します。
併せて配達に便利な装備についても説明しますので、Uber Eatsに限らずその他のフードデリバリー事業の配達員を目指す方にも参考に見ていただければ幸いです。
Uber Eatsでバイクを利用するメリットと選び方
近年の顧客のニーズが変化に併せたのかUber Eatsの報酬体系が変化し、バイクを利用した方が稼ぎやすいのでは?といった声が上がりました。
2022年からマイカーによる配達も可能(要事業車登録)となりましたが、初期費用や小回りの利きやすさは原付バイクが有利です。
この項目では、Uber Eatsでバイクを利用するメリットと、利用可能な車種と選び方を紹介します。
なお、126ccを超える排気量のバイクは事業者ナンバーの申請をしなければ利用できない為、本記事では125cc以下のバイクを中心に紹介します。
疲れ知らず、かつ配達スピードの底上げが期待できる
バイクのメリットは人力ではないため疲れにくいこと、自転車より素早く走れるためより多くの注文をこなしやすくなる点が大きいでしょう。
自転車に比べて、ガソリン代や自動車税といった費用がかさみやすい点はデメリットですが、多数の注文をこなすことで相殺することが可能。
配達距離が長い注文も受けやすく、基本金額が高い配達をいくつも回すことで稼ぎも増やせます。
都心部より郊外での配達に向いている
バイクは都心部から外れた郊外の都市での配達で力を発揮する傾向にあります。
東京都内では信号による停車機会が増えるため、バイクでは少し時間がかかりがち。短い距離での注文が多いため、より小回りの利く自転車の方が有利という声もあります。
一方で郊外の都市部(首都圏であれば千葉、神奈川、埼玉など)では、駅の近くに飲食店が多く、かつ複数エリアを素早く周回できる場所で有利に立ち回ることができます。
一方で郊外にも信号や一方通行の道路といった障害が多い場所があるため、自身で配達しやすいエリアを探してみると良いでしょう。
また、地方のUber Eats対象地域は飲食店の少なさに加えて配達距離も伸びるため、自転車よりバイクの方が回りやすくなっています。
初期費用や維持費を抑えるなら50ccの原付がおすすめ
Uber Eatsで利用できるバイクは主に”原付”と呼ばれる車両となります。
中でも排気量が50ccのバイクは、車両価格が20万前後と安めで、燃費が良く維持費も抑えやすい点が大きなメリット。車重も軽めで、停車時の押し歩きも苦になりづらいです。停められる駐輪場が多い点もグッド。
一方で、原付で定められた制限速度である時速30kmを守って走行しなければならない点や、大きな交差点では二段階右折が必要な点に注意が必要。後述する原付二種のバイク程動きやすいとは言えないでしょう。また、側面から原付を追い抜く自動車と並走する恐怖と隣り合わせとなります。
自動二輪免許(小型二輪免許以上)や自動車免許(普通免許以上)をお持ちの方は原付に乗ることができます。
原付に乗るために初めて免許を取得する場合は、原付免許の取得を目指すことになります。取得ハードルは比較的低く、技能講習と筆記試験を受ける事で最短1日で可能です。費用も約一万円程しかかからないため、時間もお金もない人にとっては便利。
ただ、交通法規やルール等の確認である筆記試験の勉強はしっかり行って免許試験に臨む必要があります。
より素早く回ったり、様々なエリアで稼ぎたい場合は125ccの原付二種を
排気量が51〜125ccのバイクは”原付二種”と呼ばれる車種となります。
原付に存在していた30km制限はなくなり、車等の一般的な車両と同じ時速60kmで走行する事ができます。そのため、依頼完了スピードを上げるだけでなく、エリア間の移動もしやすく様々な場所で稼ぐ事ができます。二段階右折の必要もないため、原付以上に走り回りやすくなっています。
原付二種を使う上でのデメリットは、車両購入時の初期費用が高額になり燃費も少し悪くなってしまう点。
また、原付に比べると体躯が大きくなり、目的地での一時的な置き場所に困る場面が増えてしまいがちです。
原付二種に乗るためには小型二輪免許が必要となります。教習所に通って免許を取得することが前提の免許のため、原付免許より費用と時間がかかります。
また、同じ小型二輪免許でも「AT限定」と「限定なし」の2種類が存在し、種類によって乗れる車種も変わってくる点に注意。スクータータイプの車両はAT限定で乗れますが、ギア付きの車両に乗るためには限定なしでないと乗れません。
Uber Eatsで使えるおススメ原付バイク7選
この項目では、Uber Eatsで利用しやすいおすすめの車種を紹介します。
本記事では主に車両価格、燃費、車体の大きさを考慮の上まとめています。
先述の通り、原付と原付二種では必要な免許が異なります。原付二種の中でもAT限定では乗れない車種もあるため注意が必要です。
【原付】ヤマハ ビーノ
アニメやドラマの登場人物が乗っていることで有名なビーノ。かわいらしいフォルムに違わず軽くて取り回しがしやすいため、配達向けです。
充電ソケットが標準搭載されており、スマホを多用する配達員にとってはありがたい。
メーカー希望小売価格:214,500円(税込み)
全長/全幅/全高 | 1,650mm/670mm/1,015mm |
車両重量 | 81kg |
定地燃費値 | 80.0km/L(30km/h) |
WMTCモード値 | 58.4km/L |
全高は20mm程高いですが、性能はほぼ変わらずの「ホンダ ジョルノ」も候補の一つ。脚付きが気になる方は比較してみましょう。
メーカー希望小売価格:209,000円(税込み)
全長/全幅/全高 | 1,650mm/670mm/1,035mm |
車両重量 | 81kg |
定地燃費値 | 80.0km/L(30km/h) |
WMTCモード値 | 58.4km/L |
【原付】ホンダ ダンク
ビーノに比べるとゴツめで、私たちが想像する原付バイクのイメージに近いデザインが目を引くホンダ ダンク。カラーリングにメタリック感が漂います。
原付の中でも比較的幅が広いモデルで、体格の大きい男性でも乗っていて窮屈さを感じづらくなっています。充電ソケットやアクセサリーボックスも付いており、ふと小物を取り出したり収納する際も便利です。
メーカー希望小売価格:229,900円(税込み)
全長/全幅/全高 | 1,675mm/700mm/1,040mm |
車両重量 | 81kg |
定地燃費値 | 75.3km/L(30km/h) |
WMTCモード値 | 58.4km/L |
【原付二種 AT限定】スズキ アドレス125
原付二種は、原付で定番のスクーターからギア付きの車両まで幅広くラインナップされていますが、アドレスはその中でも軽量で取り回しのしやすいスクーターです。
原付に比べると車体も大きくなりますが、モデルチェンジを経て更なる小型化&軽量化を実現。ハンドル回りは充電ソケットやポケット、ハンガーまで搭載しています。
メーカー希望小売価格:273,900円(税込み)
全長/全幅/全高 | 1,825mm/690mm/1,160mm |
車両重量 | 105kg |
定地燃費値 | 55.9km/L(60km/h) |
WMTCモード値 | 53.8km/L |
【原付二種 AT限定】ヤマハ アクシスZ
先ほど紹介したアドレス125よりもよりも体格は小さめで、より軽量なスクーターです。
アドレス125とは異なりUSBソケットは後付けとなっていますが、特にシート下の収納は37リットルと多く、雨具などの装備を入れておくのに困りません。
メーカー希望小売価格:271,700円(税込み)
全長/全幅/全高 | 1,790mm/685mm/1,145mm |
車両重量 | 100kg |
定地燃費値 | 58.0km/L(60km/h) |
WMTCモード値 | 51.9km/L |
【原付二種 限定なし】ホンダ モンキー125
おもちゃのような見た目と走りの幅を広げられる5速リターン付きのモデルです。
こちらはスクーターとは異なりギア付きの車両のため、「限定なし」の小型二輪免許が必要となります。AT限定免許では乗ることはできません。
しかし、燃費性能は同じ原付二種のスクーターと比べると非常に良く、配達にかかるコストを抑える事ができます。
初期投資は高めで、かつ積載力もスクーターに比べると劣りますが、配達に加えてシフト走行も楽しみたい方におすすめ。
メーカー希望小売価格:440,000円(税込み)
全長/全幅/全高 | 1,710mm/755mm/1,030mm |
車両重量 | 104kg |
定地燃費値 | 70.5km/L(60km/h) |
WMTCモード値 | 70.0km/L |
【原付&原付二種 AT限定】ホンダ スーパーカブ50 / 110
一昔前の出前機を載せて走るイメージがあるスーパーカブは、現在も配達用途として使われています。当然Uber Eatsも例外ではありません。
一番の特徴はやはり高い燃費性能でしょう。実際の走行時を想定した燃費計測「WMTCモード値」では60km台後半を叩きだしており、性能の高さを伺えます。
また、ギア車ではありますがリターン式のため、原付二種であればAT限定の免許でも乗車することが可能です。
スーパーカブは主に原付免許があれば乗れる「スーパーカブ50」、小型AT限定以上の免許が必要だが、走行速度がアップした「スーパーカブ110」の2種類から選ぶことができます。
スーパーカブ50 メーカー希望小売価格:247,500円(税込み)
全長/全幅/全高 | 1,860mm/695mm/1,040mm |
車両重量 | 96kg |
定地燃費値 | 105.0km/L(30km/h) |
WMTCモード値 | 69.4km/L |
スーパーカブ110 メーカー希望小売価格:302,500円(税込み)
全長/全幅/全高 | 1,860mm/705mm/1,040mm |
車両重量 | 101kg |
定地燃費値 | 68.0km/L(60km/h) |
WMTCモード値 | 67.9km/L |
【原付&原付二種 AT限定】ホンダ クロスカブ50 / 110
ホンダのカブシリーズのうち、クロスカブは先ほど紹介したスーパーカブとは違うカジュアルな意匠を醸し出しています。
クロスカブはエンジンがスーパーカブとは異なるため、数値上の燃費は同シリーズより少し劣ります。一方で、オフロード走行を想定したサスペンションにより、砂利道程度なら安定して走ることができます。
配達中に悪路の走行が多くなりそうな場合や、見た目の好みなどで他のカブシリーズと比較してみるのも良いでしょう。
クロスカブ50 メーカー希望小売価格:308,000円(税込み)
全長/全幅/全高 | 1,840mm/720mm/1,050mm |
車両重量 | 100kg |
定地燃費値 | 94.0km/L(30km/h) |
WMTCモード値 | 69.4km/L |
クロスカブ110 メーカー希望小売価格:363,000円(税込み)
全長/全幅/全高 | 1,935mm/795mm/1,110mm |
車両重量 | 107kg |
定地燃費値 | 67.0km/L(60km/h) |
WMTCモード値 | 67.9km/L |
Uber Eatsに便利な装備・アプリは?
ここまでUber Eatsで使える配達向けの原付バイクについて紹介しました。
しかし、良いバイクだけでは効率よく注文を処理することはできません。配達をより円滑にするために、装備も整えておきましょう。
この項目では揃えておきたい便利な装備と、スマホアプリを幾つか解説します。
なお、配達バッグはUber Eatsの業務を行う上では必須となります。また、雨天時に走行する際は雨具を持って行きましょう。
配達リクエストのキャッチをより早く スマホホルダー
配達員はUber ドライバー用のアプリをインストールしたスマートフォンがなければ仕事は始められません。そして、注文の依頼はアプリ上で都度確認する必要があります。
アプリからの情報を確認しやすくするために、スマホホルダーをバイクに取り付けておきましょう。ドライバー用アプリの確認だけでなく、後述する地図アプリを走行中でも見やすくなります。ただ、過度なよそ見運転は禁物です。
仕事上、スマホの操作が多く発生するため、スマートフォンが着脱しやすい形状のホルダーを購入することをおすすめします。
当HPにも以下の記事が公開されていますので、ホルダー選びの参考に是非ご覧ください。
スマホの充電切れ対策に 充電ソケット
スマートフォンアプリを常に起動していると、バッテリーの消費が速くなりがち。配達のためにはUber ドライバーアプリを起動する必要があるため、充電不足への対策は欠かせません。
そのため、バイクに充電可能なソケットを取り付けておくことをおすすめします。原付バイクの中には、充電ソケットがデフォルト装備として取り付けられているものもあるため、バイクの購入時の参考にできるでしょう。
ソケットが取り付けられていないバイクでも、対応するバイク用バッテリー充電器が販売されているので、購入を検討してみてください。
釣銭の管理を楽に!サコッシュ
Uber Eatsの注文の中には、時折現金支払いを希望するお客さんも存在します。
他にも受けたい注文が多い中、釣銭の出し入れに時間をかけるのはもったいない。そんな時に小銭とお札を振り分け可能なサコッシュが役に立ちます。
疲れを軽減するアイテム
バイクでの長時間走行は、身体の節々に痛みや疲れが生じます。
Uber Eatsの配達でも長時間走る機会が増えるため、走行中に発生した疲労はアイテムを使って和らげましょう。
アクセルを回す際に痛くなりがちな右手首は「スロットルアシスト」をハンドルに装着することで痛みの進行を遅らせることができます。
また、シートに座り続けることで生じるお尻の痛みにはゲル座布団、通称「ゲルザブ」の利用がおすすめ。楽な姿勢でお尻にかかる負担を軽減することができます。
その他にも、走行風を受けることで気づかないうちにのしかかる疲労を抑えられるウインドガードも。取付可能な車種であれば購入をおすすめします。
目的地検索に便利なスマホアプリ
配達中に特に重宝するスマホアプリといえばカーナビ機能付きの地図アプリ。
中でも、配達の効率をより上げていきたい場合は「配達NAVITIME」といった有料アプリにも手を伸ばしてみましょう。
Google MapやYahoo地図といった無料アプリは多くの人が利用していると思います。特に原付は通行禁止の道路、二段階右折の案内や、自動車専用道路を回避する検索機能が不十分な点がネック。
今回紹介する配達NAVITIMEには、下記のようなメリットがあります。
- ・自転車、原付、原付二種に併せた最適なルートを指定
- ・裏道など、複数の候補からルートを選択可能
- ・原付バイクのルート検索時は二段階右折案内や自動車専用道路を回避
- ・建物名が地図上に表示されるため、目的地の場所の確認がし易い
月額は2300円と少し高めですが、Uber Eatsをはじめとしたフードデリバリーに本腰を入れて取り組む人には便利な機能が様々。1ヶ月無料で使えるため、効率の違いにメリットを感じたら継続で利用するのも手です。
配達NAVITIMEの情報についてはこちらから↓
https://static.cld.navitime.jp/automostorage/servicestorage/html/delivery.html
バイクで配達に出掛けよう
Uber Eatsの配達におすすめのバイク、装備について紹介しました。
最後にバイクに乗る上で当たり前の注意点となりますが、バイクは事故時の怪我が重症になりやすくなっています。頭の中を配達のことでいっぱいにせず、常に安全運転を心がけて配達に向かいましょう。
コロナが落ち着いても、どこでもなんでも注文できて便利であることに変わりないUber Eats。より素早い配達のために疲れ知らずの原付バイクを利用してみてはいかがでしょうか?
投稿者プロフィール
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主に千葉、神奈川へツーリングに行くことが好きな鈴木敬です。ライダー歴は今年で3年になりました。スズキですがYAMAHA MT-25乗りです笑
一緒にツーリングに行っていた友人がバイクを降りてからソロツーリングメインになり、月一の遠出やソロキャンプを楽しんでいます。
一人気ままなツーリングをしながら得た知見をお伝えしていきたいと思いますので、よろしくお願い致します。
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