バイクの種類で「スクランブラー」と耳にすることがあると思いますが、どんなバイクが「スクランブラ―」なのでしょうか?
スクランブラーは、「オンロードなの?」「オフロードなの?」といった疑問もあるのではありませんか?
ここでは、「スクランブラー」の歴史を紐解くとともに、特徴やトラッカーとの違いまで徹底解説していきます。
スクランブラーとは
引用:Unsplash
オンロードのバイクをオフロードも走れるようにカスタムされたバイクのことを「スクランブラー」と呼びます。
つまりオンロードベースのオフロード車が「スクランブラー」なのです。
オフロードバイクの元祖が「スクランブラー」で、ここからモトクロッサー、エンデューロ、トレール、などに派生していくことになるのです
スクランブラーの歴史
引用:pixabay
1960年代ごろまでは、まだ本格的なオフロード車というものは、世界的にまだ存在していませんでした。しかし、当時はまだ舗装がされていない道路も多かったため、悪路を走りやすくするためにオンロード用のバイクにブロックタイヤを履かせたり、最低地上高を上げ、マフラー位置を高くしたりといった改良が加えられて販売されたのが、スクランブラーの始まりです。
また1960年代の当時は、未舗装路をオンロードのバイクをカスタムして走らせるレースが盛んに行われました。そのレースは「スクランブルレース」と呼ばれ、横一線に並び一斉にスタートをするさまを「スクランブル(緊急発進)」という事から由来しています。
その後、悪路走行を想定した本格的なオフロード車が開発されると、スクランブラーの存在価値も薄れ人気も下火となりますが、そのスタイルはスクランブラーカスタムとして認知されることとなるのです。
近年、ヨーロッパのメーカー各社が往年のスクランブラーを復刻させたネオクラシックなバイクが注目を集めています。
スクランブラーの特徴
引用:pixabay
現在のスクランブラーは、バイクのジャンルのひとつとして認識されています。その特徴は上記で述べたようにオンロードとオフロードのハイブリッド的な存在です。
スタイルの特徴としては、高い位置にマウントされたサイドアップマフラーなど、通常のオンロードのバイクよりもマフラーの位置が高く設定してあります。これは路面との干渉を防ぐために、最低地上高をあげてあるのです。
また、タイヤはブロックタイヤかブロックパターンのタイヤが採用されています。これは、オフロードでタイヤをグリップさせるためです。
他にもオンロードモデルよりも車高が高く設定されていたり、コントロールし易い幅広のアップハンドルが採用されているのも定番のスタイルです。
また、現在各社から発売されている「スクランブラー」は、過去のスクランブラーのイメージのままのクラシカルな雰囲気のものも多く、ネオクラシックのジャンルに当てはまるものが数多く販売されています。
スクランブラーとトラッカーの違い
引用:pixabay
では、スクランブラーとトラッカーは何が違うのかおわかりでしょうか?
スクランブラーに関しては上記で説明してきましたので、ここではトラッカーのことについて少し説明します。
1900年代初頭にアメリカで大流行したボードトラックレースと呼ばれる周回レースに始まります。
それが、ダートトラックレースまたはフラットトラックレースへとカタチは変化しましたが、固くしまった平坦な土でできたトラックをドリフトしながら周回するレースです。
このレースに使われるバイクを「ダートトラッカー」「フラットトラッカー」と呼ばれ、そこから「トラッカー」という名前が由来しています。
トラックレースは左回りのため、右にバイクをバンクさせる必要がないため、車体右側の低い位置にマフラーを装着することが定番となっています。また、ストリートトラッカーの定番としては、スーパートラップマフラーの装着することが人気を集めています。
シートとカウルが一体型のトラッカーシートや、トラッカーハンドルなどもトラッカーの特徴のひとつです。
このようにトラッカーもレースでの使用から由来していますが、現代ではトラッカーもジャンルのひとつとして認識されています。
このように「スクランブラー」と「トラッカー」は、それぞれのレースに合わせたカタチでオンロードのバイクが改良されたものが、バイクのジャンルとして認知されたものになります。
スクランブラーおすすめバイク
こちらでは、現在バイクメーカーから販売されている「スクランブラー」の中から、おすすめの3車両を紹介していきます。
TRIUMPH(トライアンフ)「Street Scrambler」
引用:TRIUMPH公式
トライアンフの創業は、1885年までさかのぼります。貿易会社からスタートしたトライアンフですが、1902年に第一号車が発表されてから約120年の歴史を持つ、イギリスを代表するバイクメーカーです。
「Street Scrambler」は、そのトライアンフの中でも特に人気の高いモダンクラシックシリーズのスクランブラーモデルです。トライアンフの伝統あるクラシカルなスタイルはそのままに、今後導入されるユーロ5にも対応したモデルとなっています。
このトライアンフ「Street Scrambler」は、「これぞスクランブラー」というスクランブラーの見本といっても過言ではありません。
また、今流行りのネオクラシックの代表格とも呼べる、おすすめの1台です。
基本スペック
ボディサイズ:L2,125×W835×H1,180mm
車両重量:224kg
エンジン:900cc 水冷SOHC並列2気筒 8バルブ
トランスミッション:5速MT
最高出力:65ps/7,250回転
最大トルク:80Nm/3,250回転
価格:136.25万円
DUCATI(ドゥカティ)「Scrambler Sixty2」
引用:Unsplash
ドゥカティは、1926年にイタリアで創業されました。ですが、創業当時はバイクメーカーではありませんでした。1946年にドゥカティから原動機付き自転車「クッチョロ」が販売され、そこからバイクメーカーとしてのドゥカティがスタートすることになります。
そんなドゥカティから米国向けに初代スクランブラーを販売開始した年が1962年でした。この「Scrambler Sixty2」の名前は、この’62年から由来しています。
そのことから、Sixty2は初代スクランブラーからのスピリットを強く受け継ぐモデルとなっています。また、排気量も400ccということで、日本ではMonstar400以来の普通2輪免許で乗れるドゥカティということで、非常に注目を集めています。
「Scrambler Sixty2」は、ポップカルチャーを感じさせる現代のスクランブラーであり、おすすめの1台です。
基本スペック
ボディサイズ:L2,150×W860×H1,165mm
車両重量:183kg
エンジン:399cc 空冷L型2気筒 4バルブ
トランスミッション:6速MT
最高出力:40ps/8,750回転
最大トルク:34Nm/8,000回転
価格:92万円
SWM「OUTLAW125」
引用:SMW公式
SWMは、イタリアで1971年に創業したバイクメーカーで、’84年には製造を一旦中止していましたが、2014年に中国のShinerayグループと 提携することにより復活しました。
当時は主にオフロードモデルの製造し、レースシーンでも大活躍したバイクメーカーです。
こちらは、2019年3月の東京モーターショーで初披露された「OUTLAW125」です。
車体サイズは125ccとは思えないほど大きく、中型バイクと比べても大差ありません。
いかにもスクランブラーな外見はクラシカルでもありながら、LEDヘッドライトや液晶メーター、前後連動ディスクブレーキや倒立フォークを装備するなど、クラスを超えた充実の装備と上質さを備えたおすすめの1台です。
※カラー違いの「ACE OF SPADES 125 」もあります。
基本スペック
ボディサイズ:L2,040×W865×H1,330mm
乾燥重量:130kg
エンジン:124.7cc 水冷DOHC単気筒4バルブ
トランスミッション:6速MT
最高出力:14.9ps/10,500回転
最大トルク:11Nm/7,000回転
価格:55万円
まとめ
今回は、「スクランブラーってどんなバイク?」ということで解説させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?
「スクランブラー」の歴史と特徴を知ることで、今までよりも「スクランブラー」に興味を持っていただけたのであれば幸いです。
今後のバイクの購入の際に、また今後のバイクのカスタムの方向性に「スクランブラー」も是非、加えてみて下さい。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
おすすめの中型バイク↓
投稿者プロフィール
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バイク大好きで30年近く乗っています。
バイクのメンテナンス・カスタムは、ほぼ自分ですべてやります。
愛知県在住でツーリングも大好きです。
◇バイク保有経歴
ゼファー400(マフラーはモリワキのワンピース搭載)
⇒ボルティ(カフェレーサーフルカスタム)
⇒Roiyal Enfield Bullet350
⇒エストレヤ(カフェレーサー・CRキャブ搭載)
⇒GN125H(カフェレーサカスタム進行中・現在所有)
読者のみなさんが【楽しめる記事・役に立つ記事】をお届けします。
よろしくお願いします。
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