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【元バイク屋が解説】高いオイルと安いオイルはどう違う?知っておきたいオイルの話

はい!元バイク屋のフィアグラさんです、こんにちは。
サラダ油の「サラダ」って、ドレッシングのように生でサラダにかけて食べることができるからサラダ油って言うんですよ。ちなみにせんべいの「ソフトサラダ」はサラダ油を使っているからで、決して野菜サラダの味っていうわけではないんですね。

さて今回はそんな油のお話。
バイクにはたくさんの油が使われていますが、その中で特に「オイル」と言えばエンジンオイルを指すのが一般的でしょう。

今回はオイル交換の重要性や、オイル交換のサイクル、交換しなければならない理由をしっかりとお伝えしていきますので、ぜひ最後まで話を聞いてください。

オイル交換が必要なワケ

まずはエンジンオイルを交換することの重要性や、オイル交換をしなければならない理由についてです。

こちらをご覧ください。これは車なんですけれども、2万kmエンジンオイルを交換しなかった車両と、きちんとエンジンオイルを交換している通常のエンジン内部です。

無交換の方はドロドロで、見るからに調子が悪いことは想像できますが、実際どのような症状やデメリットがあるのかご存知ですか?

エンジンは動き続けているわけですから、燃焼による燃えカスや金属同士がこすれ合うなどしてスラッジという細かい破片や粉末、ゴミが溜まっていきます。そうするとその溜まったゴミが、エンジンの動作を邪魔するようになり、パワーが正常に出なかったり、燃費が落ちたり、変な振動が出てきてしまったり、異音を発生したりと様々なデメリットが発生します。

このスラッジというゴミの発生は、エンジンが金属である以上避けられません。しかしエンジンオイルはこれらのゴミを吸収して、オイルフィルターまで運んで捨ててくれるわけです。ですのでオイルやオイルフィルターの交換さえすれば、スラッジは溜まることなくきれいな状態を維持できるんです

さらに古いエンジンオイルというのは、新しいオイルに比べて粘度が低くなってサラサラになってしまいます。そうすると本来ドロっとしているオイルによって潤滑されている金属パーツが潤滑されず、直接こすれ合って摩耗し、性能の低下を引き起こてしまいます。

もちろんその摩耗してしまったパーツというのは、交換しない限り元の性能に戻すことはできません。

当然その摩擦ですり減った金属はどこに行くかというと、さっき言ったスラッジ、つまりエンジン内のゴミになってしまうわけです。そう!オイルを交換しないでいるとこういった悪循環に陥ってしまうんですね。

確かにオイル交換は面倒ですが、しかし絶対にオイル交換は必要なんです。
今説明したオイルの機能というのは、まだごく一部でしかありません。オイルについてより詳しく解説した記事を以前書きました。こちらも是非お読みください。

【オイルの知識】2輪用エンジンオイルの特性と規格・注意点

オイル交換のタイミング

ではオイルの交換頻度について解説をしますが、これには実は明確な答というものはありません

バイクの場合3000km程度で交換を勧めているお店が多いとは思います。じゃあ4000kmまで使っちゃいけないの?いえそんなことはありません。6000 kmは?6000 kmでも問題ありません。1万kmは?まあ大丈夫です。メーカーの説明書にも1万kmって書いてますし。そう!それくらい曖昧なんです。

そして更に言うとオイルの種類によっても変わってきます。

ただし3000kmで交換していた車両と、1万kmで交換していた車両では、コンディションに差は出てくるでしょう。自分の経験上でも、やはり3000km程度でしっかりとエンジンオイルが交換されていた車両というのは、エンジンの異音が少ないですしエンジントラブルもほとんど起きないです。
古くなって汚れたオイルは、徐々に大事なバイクのエンジンを蝕んでいきます。オイル交換をすべき頻度に関しては諸説あり、自分も実際に検証をしたことはありませんが、バイクを大切にしたい、良いコンディションで長く乗りたいという気持ちがあるのなら、3000km程度で交換しておくのが良いと思います。

また、走行距離だけでオイル交換の決めるのではなく、3000km走っていなくても少なくとも年1回、できれば半年に1回は交換しておくことをおすすめします。

その理由は、オイルというものはバイクが走っていなくても酸化をして、性能が劣化してしまうからなんです。一度缶を開けて空気に触れてしまったオイルは、その瞬間から酸化が始まります。酸化が進むとオイルの性能は劣化してしまうので交換しましょう。
3000kmまで走っていなくても、通年バイクに乗る人であれば半年に一度、雪国で冬の間は全く乗らないよっていう人は、春の乗り出す時の年に1回はオイルを変えておきましょう。

ときどき原付で、年単位でオイル無交換の車両なんありますが、オイルを抜いてみると真っ黒で墨汁のようなオイルが出てきたりなんてことは結構あります。小排気量のスクーターなどは趣味というより実用車ですから、無頓着な方が多く、ほったらかしにされやすいんですね。

高いオイルと安いオイルの違いについて

非常にざっくりとした話になりますが、オイルの価格を決める要素というのは、大きく2つあります。ひとつはベースオイル、もう一つは添加剤というものですね。オイルというものはこのベースオイルに添加剤を加えることで製品として完成します。

ベースオイルというのは、その名の通りエンジンオイルのベース、基本となるオイルそのもので、鉱物油部分合成油化学合成油の3種類があります。

基本的には鉱物油が最も安く、次いで部分合成油、そして化学合成油が最も高額になります。
化学合成油の中でもグループが3・4・5と分類されていて、水素化分解した鉱物油、PAO、エステル系という大きく3種類に分けられます。このエステル系の中でもさらに細かい分類がありますが、詳しい説明は今回割愛します。とりあえず鉱物油・部分合成油・化学合成油という3種類があるということだけでも覚えておいてください。

ではこのベースオイルで何が変わってくるのかというと、それは不純物の多さです。最も低価格な鉱物油には硫黄などの不純物が化学合成よりも多く含まれていて、温度変化に弱く、オイルの劣化も早く、清浄作用も弱くなります。

鉱物油は昔から存在するため、古いバイクは鉱物油の使用が前提とされているという車輛も多いです。80年代前半頃までのバイクでは、化学合成油を入れてしまうとオイル漏れの原因になるので、どのバイクにも値段の高い化学合成油のほうがいいというわけではないんです。ここ30年くらいの現代のバイクにおいては、化学合成の方が優れていると言えますけれども、古いバイクに乗っているという方は気を付けて下さい。

部分合成油っていうのは化学合成油と鉱物油の中間だと思っていただければ結構です。

そして添加剤。市販されているエンジンオイルには、すでに添加剤が含まれています。その種類というのはたくさんあって、オイルの粘度を向上させて熱への耐性を持たせるものや、汚れをオイルに吸着させるもの、酸化を防いでオイルの劣化を防ぐもの、摩擦を調整するもの、他にもたくさん種類があります。そしてそれらの成分というものは、多くの場合公表されていないですね。パッケージにも書いてありませんし、おそらくメーカーに確認しても企業秘密で教えてくれないと思います。

オイルのグレード

では何を参考にして選んだらいいのかというと API規格というものがあり、オイルの性能も目安になります。
SA・SB・SCと始まり、Sの次に来るアルファベットが後のものになるほど高品質なオイルということになります。現在販売されているオイルは主にSFやSGよりも上のものばかりです。

 

もし存在するのであれば SZが最高グレードということになりますが、そのような規格は存在せず、現在最も高品質なグレードは SPグレードとなっています。
そしてそれぞれのオイルの銘柄ごとにレースに使うようなことを想定しているのか、一般道を走ることを想定しているのかという風に、目的別にメーカーがオイルを設計しています。

例えばレースに使うようなオイルであれば常に高温にさらされるわけですから、化学合成イをベースにして、高温時の潤滑性や耐摩耗性も高め、焼きつかないような設計にするという配慮も必要です。また一般向けのバイクに使う事を想定するのであれば、鉱物油や部分合成オイルをペースにして、低価格であるということも求められます。

鉱物油・部分合成油・化学合成油の3種類のベースオイルのうちどれを選択するのか、ベースオイルに対してどのような添加剤を配合するのかということでオイルの価格や性能というのは大きく変わってくるんです。

高いオイルを長く使う?安いオイルを頻繁に交換する?

高いオイルを長く使うより、安いオイルでも頻繁に交換した方が良いという考え方について。これってよく言われることですよね?まあ先に結論を言ってしまうと、必ずしもどちらが良いとは言えません。
もちろん価格が高くて不純物が少なく化学合成油がベースでしっかりと酸化防止剤なんかが入っているオイルの方が長持ちはします。ただそのオイルに何を求めるかなんですよね。

一般的な使い方、つまり通勤通学やたまのツーリング程度であれば、自分は安いオイルを短いスパンで交換する方が良いという考え方には大筋で同意します。通勤や通学で使っているバイクにリッター当たり1万円もするようなオイルは入れられませんし、そんな性能は必要ありませんよね?

ただしサーキット走行する方とか、峠道をよく走りに行く人であれば、そのような安いオイルでは、そもそもの用途・ニーズには対応できないんですよね。そういう人は高いオイルを使うべきです。

しかしながら一般的な使い方では、安いオイルでも性能の変化というのはほぼ体感できないレベルだと思います。と言うより一般道で違いを体感できるような走り方をしてはいけませんよ。

まとめ

オイルは必ずしも高ければいいというものではありません。自分のバイクのコンセプトを考えた上で、用途と予算に合ったオイルを、無理のない範囲で選べば良いんです。

ときどき四輪用でとんでもなく安いオイルがありますが、あれは入れてはいけません。必ず2輪用のオイルを使用してください。安いからダメなんではなく、4輪用のオイルを使ってはいけない理由や粘度の解説についても、上でリンクを貼った過去の記事で解説していますので、併せてぜひお読みください。

最後にフォアグラさんお勧めのオイル3つを紹介しましょう。

帝都産業 TEITO PREMIUM M4S
日本製のオイルであり、100%化学合成油。4L缶で実勢価格4000円少々というのは破格。グループ3とはいえ、鉱物油なみの価格です。

MOTUL 200-4TR/S(レッドバロン専売品)
高級オイルメーカーの100%化学合成油ながら、バイク購入時であれば18000円/30Lという信じられない価格。バイク購入時だからできる採算度外視のプレミアムオイルと言えます。
なお、レッドバロンに問い合わせを行ったところ、グループ3ではないとの回答が得られました。つまり、PAO系かエステル系と考えられ、品質もかなり高いものと考えられますね。

HONDA G1
純正オイルのスタンダードとも言える商品。性能的には可もなく不可もなく、特徴と言える特徴はないが、車両開発の際は純正オイルが使用されていると言われており純正オイルこそがベストと考える人も多い。
この「G1」は、以前は鉱物油だったが部分合成油にグレードアップされており、価格も手ごろですね。上記2つの商品と比べると割高感は否めないですが、純正オイルという安心感が欲しい方にはおすすめです。

今回の記事は、下記の動画でも詳しく説明していますので、こちらもご覧いただけると嬉しいです。
それでは今回も最後までご覧いただき有り難うございました。

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バイク大好きフォアグラさん

北海道在住・元バイク屋さんのYoutuberです。 職業としていたからこそ知り、引退しているからこそ本音で喋れる「バイクのお得な買い方やチェックポイント」。 そして知識と経験を生かした「バイクの構造や整備」などを、日本一わかりやすく解説しています。 さらに、3月からは「北海道ツーリング動画」の配信も開始!! 北海道ならではの絶景を中心に、バイクとドローンを組み合わせた新しいスタイルのモトブログです。 「バイクが好きだ!!」「バイクに詳しくなりたい!!」「フォアグラ食べたい!!」という方は、ぜひチャンネルもご覧ください!!

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