はい、元バイク屋のフォアグラさんです、こんにちは。
今回はバイクを10万、20万kmと長持ちさせている人の習慣や共通点を紹介していきます。
皆さんの大事なバイク、調子よく長く乗りたいですよね?
中には走行距離が1万kmにも満たないのに調子が悪く、本来のパワーが出ずにライディングを楽しめなかったり、燃費が悪く安全性にも影響をきたしているバイクというものもあります。当然そんなバイクは売却時にも安値をつけられてしまいます。
やはりバイクは良いコンディションを保ち、長く付き合える状態にしておくことが望ましいです。
今回紹介する習慣や共通点は、難しいことは何一つ言いません。20万km保たせる猛者はバイクに詳しくて、何でも自分で直してしまうような人を想像するかもしれませんが、大丈夫!今日からあなたにもできる簡単なことばかりです。
バイクを長持ちさせる簡単な3つの習慣
まずバイクを長持ちさせている人の習慣について3つお伝えします。この3つ全て誰でも今日からできることばかりです。
習慣その1 バイクに乗る
バイクを長持ちさせる一番の方法はバイクに乗ってやることです。
「何言ってんだコイツ?」と思われるかもしれませんが、これは最重要なのです。
走行距離を重ねるとバイクは傷んでいく。確かにこれは常識です。でも実は距離が少ないと、これもまたバイクに良くないのです。
チェーンなどは特に分かりやすいですが、動かさないことにより各部が錆びます。また、当然動かさなければ、タイヤも同じ部分に負荷がかかり続けますし、同じ部分に紫外線も当たり続けます。
さらに目に見えないところもダメージを受けます。数ヶ月間乗らずにいると、エンジン内部のピストンやシリンダーの油膜が落ちてしまい、次にエンジンを始動する際にはドライスタートという状態になってしまいます。油膜がないため金属同士が直接擦すれてしまう最悪の状態です。
ではほんの少しだけでも乗ればいいのかと言うと、確かに乗らないよりはマシかもしれませんが、シビアコンディションと呼ばれる状況になります。
ほんの少しだけ走ってもエンジンが温まりきらず、エンジン内部に生じた結露がオイルに混入してしまい、 劣化を早めてしまうのです。しっかりとエンジンが温まる、できれば10kmぐらいはちゃんと走ってあげたいです。
バイクを動かすというのは、1番簡単で誰でもできるメンテナンスとも言えるのです。人間でも適度に運動しないと体が鈍りますから、それと一緒です。
習慣その2 異常に気付く
習慣その1の「バイクに乗る」ことに近いのですが、「アレ?何かいつもと違うな?」と気付けることが非常に重要です。
定期的にバイクに乗っていれば異常に気付くことができます。いつもは聞こえない音がする、変な振動が出てきた、こういった違和感を感じ取ることができれば、早期に対応することができます。
自分で直す必要はありません。バイク屋さんに伝えて、その原因がどこにあるかを診断してもらい、修理してもらえば良いのです。
自分で修理できるかどうかということよりも、異常に気付けるかどうかの方がよほど重要なのです。早いうちに修理をすれば、深刻なダメージに至らずに済むこともあります。事故を未然に防ぐことにもつながり、コストも結局安く済んだりします。
これも人間と同じで、病気の治療は早い方が良いのと一緒です。異常を感じたら、早く病院に行って治療をしてもらいましょう。自分で直せなくても、気付ければ良いのです。治療を行うのはお医者さんであるように、バイクの修理はバイク屋さんに任せておけば良いのです。
習慣その3 紫外線と雨を防ぐ
要するに屋内保管、もしくはきちんとバイクカバーをかけるということです。
保管時にバイクにダメージを与えるのは紫外線と雨です。紫外線はゴムや樹脂パーツを劣化させます。
タイヤやブーツなどが劣化してひび割れてしまったり、塗装が色褪せてしまったり、塗装されていない黒いパーツが白く劣化してしまったり、性能的な面以外にも見た目にも良くありません。
とはいえバイクカバーを毎日かけるのは結構面倒くさいです。前後が分からなくてイライラするし、外したカバーはどこに置いたらいいか分からない。適当に置いておけば風で飛んでいったり、出かけている間に雨が降って水が溜まっていたり、虫が入り込んでいたり・・・わかります、わかりますよ。でも頑張ってかけましょう。面倒くさくても、そこは頑張りましょう。
ここでは「乗る」「気付く」「カバーをかける」という3点お伝えしました。どれもがすぐに誰でも簡単にできることです。是非すぐにでも実践してください。
簡単にできるバイクの延命メンテナンス
まずは最重要 オイル
オイルと言うと、エンジンオイルがまず思いつくと思います。
もちろんエンジンオイルは最重要。10万km、20万kmとオドメーターが回りまくっているバイクは、間違いなくしっかりとオイル管理が行われています。
ただしバイクにおけるオイルというのは、何もエンジンオイルだけではありません。
チェーンやワイヤー、アクスルシャフトといった、車体の至るところに潤滑油は使われているのです。このオイルが切れてしまうと、金属同士が直接擦れあってしまいます。傷もつきます。当然寿命が大幅に縮まります。さらに、全ての機械工業製品の大敵である錆の発生も招きます。
結局のところ、バイクの寿命を伸ばすためのキモはオイルであると言えるでしょう。
エンジンオイルの定期交換の重要性は言うまでもありません。意外と怠りがちなのがワイヤーとチェーンですが、これらのメンテナンスはとても簡単です。
ワイヤーはある程度粘度のあるグリススプレーを、ワイヤーインジェクーを使って入れるだけ。
そしてチェーンはチェーンクリーナーとブラシで古いオイル汚れを落とし、新しいルブをスプレーするだけです。
ワイヤーのメンテに必要なものはグリススプレーとワイヤーインジェクター。そしてチェーンのメンテにはチェーン専用のクリーナーとチェーンルブ、ブラシ。そしてセンタースタンドが付いていない車種については後輪を回転させるために、メンテナンススタンドが必要です。
持っていない方は、これくらいは最低限のメンテナンスツールとして、是非持っておいてください。お店にお願いしてもやってくれますが、正直この程度であれば、自分で作業した方が経済的にも良いですし、バイク屋に行く手間や時間ももったいないレベルです。
もう1つ大事なメンテナンス 洗車
洗車というのは、ただバイクを綺麗にするだけの作業ではありません。
バイクの状態を確認する作業も同時に行うのです。もちろん定期点検のようにしっかりと念入りに点検をするわけではありません。パッと目視できる範囲で大丈夫です。
良くない例は、いきなり車体に水や洗剤をかけて洗う作業から入ってしまうことです。そうするとオイル滲みなどが流されて、分からなくなってしまいます。水や洗剤をかける前に、車体の各部に異常がないか簡単に確認しましょう。この癖が身につくと、先ほどでもお伝えしたように、異常に気付けるようになります。自分で直せなくても良い、気付けることが重要とお伝えしましたよね?
ただし気をつけて欲しいのが、洗車によって逆にダメージを与えてしまうことです。
洗い方で大事なのは水のかけ方です。水は車体の正面からもしくは上からというのが基本です。特に高圧洗浄機を使う場合は要注意!
バイクというものは前に進むことを前提に設計されているので、後ろからや下からの水については考えられていません。後ろから水をかけたらマフラーから水が入ってしまいます。メーター周りなども、水をかける際は慎重に丁寧に作業しましょう。
また洗い終わってからの拭き上げというのも重要です。水分が残っていると水に含まれるミネラル分が塗装面に残り、ウォータースポットというシミを作ります。残った水分がレンズの役割をして、太陽光によりクレーター状の傷を残してしまいます。
ですのでマイクロファイバータオルなどでしっかりと水分を拭き取り、タオルでは届かないところや拭き切れないところは、エアダスターなどを使って水切りをしましょう。最近は充電式の電動の物が、安いと5000円くらいで購入できます。
自分も以前は何万円もする大きなエアコンプレッサーを使用していましたが、充電式のものでこと足りるのでおすすめです。
また順番が前後してしまいましたが、洗車によって流れてしまった油というのは、乾いてからしっかりと補うようにしましょう。
バイクを大切にし、走行距離が多くてもいいコンディションを保っている人は、ほぼ間違いなくこの洗車・簡易点検・グリスアップの習慣がある人です。それも決して難しくはありませんし、作業としてのハードルも高くありません。是非これもすぐに実践してみてください。
長寿化に効果的なケミカル
最後に、手軽であるにも関わらず長寿化に高い効果が期待できるケミカルを紹介します。
バイクは工業製品ですから、パーツを新品に交換してしまえば半永久的に乗り続けることは可能です。ただし簡単に交換できないパーツや、修理に高額なコストがかかる場合、もうパーツが手に入らない場合などは修理を断念し、それが寿命となります。そして簡単に修理ができない、交換ができない、しかも高額なパーツの代表というのがエンジンです。
そんなエンジンを良い状態で長く持たせるために使いたいのがケミカル、特にお手軽なのが添加剤です。以前は添加剤といえば、どうもインチキ臭い代物もたくさんありましたが、今回紹介するものは自分の実体験に基づいて効果があると判断したり、ちゃんとエビデンスがあるものです。
おすすめのオイル添加剤
以前バイク屋で勤務していた時、オイル添加剤を使うと明らかに異音が軽減するという経験を何度もしました。それはスーパーソイルとマイクロロンという商品。そして最近ルブロイドという製品も試験を行い、効果を確認しました。
いずれも金属表面の摩擦を減らして、フリクションロスによるパワーロスの低減や長寿命化を謳っているものです。いずれもバイク用として一般的に使用されているものですが、マイクロロンについては、バイクに使っても良いと明確に謳っているわけではありません。クラッチ滑りの原因となり得る成分が含まれているのかもしれません。ですので基本的には スーパーゾイルかルブロイドというものをお勧めしています。
スーパーゾイルは昔から売られている定番商品ですが、対してルブロイドは比較的最近出てきたもので、効果は特に高いと自分は考えていて、実際に自分の車とバイクにルブロイドを使用しています。このルブルドで処理をしたエンジンから、なんとエンジンオイルを抜いて走行するという、半端ではない試験を行っています。ただしまだ検証中なので、もう少ししてから結果を皆さんにお伝えしようと思います。
ただ、自分としてはまだ検証中であるとはいえ、すでに製品化されて販売もされている物なのでご安心ください。
おすすめの燃料添加剤
そしてもう1つ、こちらはオイルではなくガソリンに入れる物です。
バイクは走行すると、シリンダーやピストンにカーボンが溜まっていきます。このカーボンが溜まるとパワーが出なくなったり、燃費が悪化したり、ノッキングを発生させたりします。しかしなかなかエンジン内部の洗浄なんてできるものではありません。そこでガソリンに混ぜて使う添加剤の出番です。分解洗浄を手術だとしたら、この添加剤は内服薬といったところです。
一般的にはWako’s‘sの「FUEL1(フューエルワン)」が有名ですが、同じPEA(ポリエーテルアミン)という洗浄成分を中心に配合したAZの「FCR-062」というものをお勧めします。
なぜこのFCR-062をおすすめするのか?一言で言うと圧倒的に安く、それでいて洗浄成分PEAの濃度が高いからです。かと言って成分の品質が悪いわけではなく、むしろ高品質なものを使用しています。
このAZというメーカーは、原料調達から販売まで自社で一括管理し、中間マージンを徹底的に抑えているので安いのです。決して品質を落としているわけではなく、むしろ高品質なのです。
このPEAが含まれた一般的な燃料添加剤は、1ボトル200~300ml程度で1500~2000円くらいなのが多いのです。対してこのFCR06は、なんと1L缶で約3000円。しかもこのPEAの濃度も高いので、1回の使用量も競合品より少ないのです。
バイクであればガソリン5Lにつき添加剤15mlという使用量ですので、1回あたりの給油を多めに見積もって15Lとしても、3000円の1L缶で20回以上の給油に使用できる計算になります。
距離を重ねた車両であれば、この使用量で何回か継続的に使用して欲しいのですが、ある程度使用して綺麗になった車両や新車、まだ距離の少ない車両であれば、規定量の7割を使い続けることで汚れの付着を防ぎ、綺麗な状態を維持することができるとしています。実際に自分も新車のハヤブサを購入して以来、そのような使い方をしています。
まとめ
今回はバイクを長持ちさせるための習慣、しかも誰でも簡単にできることばかりをお伝えしてきました。
是非今日から実践してみてください。そしてあなたの愛車を長く、調子良い状態で乗ってあげてください。
今回の記事は下の動画でも詳しく解説していますので、こちらも視聴していただけると嬉しいです。
それでは今回も最後までご覧いただきありがとうございました。
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投稿者プロフィール
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元バイク屋のYouTuber。
バイクライフに役立つ情報を毎週配信。
メカの話やバイク購入アドバイスはもちろん、用品レビューやバイク屋裏話まで、バイク乗りなら誰もが気になるテーマばかり。
ちなみに中身はアラフォーのおっさん。
好物はサッポロ黒ラベルとキャベツ太郎だが、子どもができて以来、ふるさと納税で貰った無糖レモンサワーで節約している。
最近、血糖値と血圧を気にしているらしい。
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