バイクは4輪と違い、日常の運転の中に転倒のリスクがある乗り物であることから、ライディング技術の向上を図りたいという方は多いと思います。ライディング技術の向上といっても、レーサーのように速く走るための技術では無く、Uターンや低速走行の安定性など、通勤からツーリングまで使う可能性のある日常の小技を学ぶ機会についてです。
そういった技術を学びたいと考える方の中には“ライディングスクール”のように安全な場所で学びたいという方も多いのではないでしょうか?しかし、一般的なライディングスクールは、開催場所や内容もよりますが、1万円から2万円前後と結構高く二の足を踏んでしまうことも多いですよね。
今回は、安全な場所でしっかり学べて参加費が無料(傷害保険料として200円が必要)の神コスパな講習会を紹介していきたいと思います。
神コスパな講習会(ライディングスクール)とは?
オートバイ(二輪車)の運転技術の向上と安全運転意識の向上を目的に、警視庁交通部の主催で開催されている二輪車交通安全教室です。この警視庁主催の二輪車交通安全教室は驚くべき事に、講習料自体は無料なんです!ただし、講習を受けるにあたっては、傷害保険料としての200円が必要となりますが、それにしても安いですよね?
一方で、安いという事は、内容も薄いのでは?なんて思ってしまう方もいるのではないでしょうか?しかしながら、内容はレベルに合わせて多岐にわたり、車両の操作や乗車姿勢から、ブレーキング、スラローム、コース走行など、充実したものとなっています。
定期的に開催されている教室(スクール)の他、不定期で開催されたり、地域限定で開催されるものなどもありますので、こまめにチェックしておくと良いでしょう(チェック先=警視庁の該当ページについては、記事の最後にリンクがあります)。
どこでやっているの?
スクールの主な開催場所は、警視庁交通安全教育センター(東京都世田谷区喜多見1丁目1番7号)と、府中運転免許試験場(東京都府中市多磨町3丁目1番地の1号)となっています。
警視庁交通安全教育センターで開催されている主なスクール
・クイーンスターズライディングスクール
警視庁女性白バイ隊が中心となって開かれる関東在住で運転に不慣れな女性ライダー向けのスクールです。
・ビギナー・リターンライダーオートバイ教室
二輪運転免許取得後3年以内の方、または3年以上オートバイから離れていた方を対象とした教室です。
・サンデーオートバイ教室
一般ライダー向けとして、日曜日に開催される教室です。初級、中級、上級などにクラス分けされます。
・サタデーオートバイ教室
一般ライダー向けとして、土曜日に開催される教室です。初級、中級、上級などにクラス分けされます。
・レディースオートバイ教室
女性ライダー向けに開催される教室です。
・ベーシックライディング・レッスン
運転の基本とマナーを学ぶ事を目的として、初心者ライダー向けに開催される教室です。
府中運転免許試験場で開催されている主なスクール
・セーフティライディング・スクール
都内在住、あるいは都内で勤務されている一般ライダー向けのスクールです。
・ベーシックライディング
運転の基本とマナーを学ぶ事を目的として、初心者ライダー向けに開催される教室です。
その他の開催場所
上記2箇所の他不定期で、西新井署や、荒川署、高島平署、小岩署、小平署、板橋署、尾久所などが主体となって開催されるスクールがあります。開催場所については、各署において指定開催場所が異なりますので、詳細情報をチェックしてみましょう!
いつ開催されているの?
警視庁主催のライディングスクール(教室・講習会)には、日時や場所が定められ、定期開催さるものと、不定期なイベントとして開催されるものがあります。
定期開催されるスクール
・セーフティーライディングスクール
開催日:毎月第1日曜日、第3日曜日(年始と8月を除く)
実施時間:9時から12時30分まで
・サンデーオートバイ教室
開催日:毎月第1日曜日、第3日曜日(年始と8月を除く)
実施時間:9時30分から13時まで
・サタデーオートバイ教室
開催日:毎月第3土曜日(年始と8月を除く)
実施時間:9時30分から13時まで
・ビギナー・リターンライダーオートバイ教室
実施時間:9時30分から12時まで
開催日:毎月第4土曜日(年始と8月を除く)
・レディースオートバイ教室
開催日:毎月第4土曜日(年始と8月を除く)
実施時間:13時30分から15時30分まで
不定期開催のスクール
不定期に開催されるスクールには様々なものがありますが、「どこでやっているの?」の項目で例に挙げた中では、以下のようなものを挙げることができます。
・クイーンスターズライディングスクール
・ベーシックライディング
参加するにあたって必要な物(装備)や、参加条件は?
必要な物(装備)
・オートバイ
車両は、自走での持ち込みが条件であるため、オートバイ(車両)が無いと参加する事ができません。つまり、車両を所有していたとしても、公道を走る事ができる車両では無い場合には参加する事ができないという事になります。
・長袖長ズボン
転倒時のケガ等を軽減するという意味合いでは、肘や膝にパッドが入っているライディング用のジャケットやパンツが好ましいのですが、そこまでの指定はありません。つまり、腕や足が露出していなければ、参加の要件を満たすこととなります。
・履物(サンダル・スリッパ等不可)
裸足はもちろん、サンダルやスリッパなど、すぐに脱げてしまうような履物での参加はできません。通常のオートバイは、ギアチェンジの際にシフトペダルを上下に操作するため、つま先が覆われている物が良いですね。また、好ましくは、転倒時などのケガを防ぐ観点から、くるぶしまであるブーツなどが良いでしょう。
・グローブ
手のケガを防ぐために必要です。形式的には、軍手などであっても良いのですが、レバー類やアクセルワークのし易さを考えた場合には、ライディング用のグローブがお勧めなのは言うまでもありません。
・ヘルメット(半キャップ不可)
公道ではありませんが、安全運転の講習ですから、当然ヘルメットは必要です。フルフェイスやジェットタイプ、あるいはシステムタイプのヘルメットが良いでしょう。その際、少なくともPSCマーク、望ましくはSGマークやJISマークが付いたものを選ぶようにしましょう。
・胸部プロテクター(必須)
二輪車乗車中の事故死者の損傷部位として、頭部に次いで多いのが胸部なのだそう。このため、近年では胸部プロテクターの着用が推奨されており、本講習においては必須とされるようになっています。
・200円
講習中の怪我などに対する補償を行うための傷害保険料です。
参加(受講)条件
主催する警察署や参加対象者などによって付加的な参加条件が追加される事もありますが、どの講習であっても基板となる要件は、次の2つとなっています。
・現在東京都に住んでいる方
・現在東京都で勤務されている方(東京都内に勤務されている事を証明できる物が必要)
なお、オートバイは自走で持ち込む事が条件であるため、そのオートバイに応じた運転免許証は必要となります。
実際の練習内容はどんな感じ?
私が参加したのはかなり昔ですが・・・低速での折り返し走行(クランクでは無く、連続コの字のコース)や、ジムカーナのようなコース走行の他、急制動などの練習をした記憶があります。
講習会の内容や区分をざっと見た限りでは、昔に比べて対象者の細分化が図られているような気がしました(例えば、参加対象者を”ビギナー”としたり、”リターンライダー”としたり、”女性専用”であったりと、対象者の枠が細分化されている)。このため、昔よりも参加しやすくなっている印象を受けました。
まとめ
民間のライディングスクールでは、適正な場所を借りたり、講師(インストラクター)を招いたりと、必要な経費が嵩むため高額になりがちなライディングスクールですが、参加に必要な費用が傷害保険料の200円のみというのは、非常に魅力的ですよね。もちろんサービス等に違いはあるかもしれませんが、そもそも安全な場所で基礎的なバイク操作を学ぶといった事がなかなかできない都内在住者には、自分の技量を確認したいといった意味でも有難いスクールだと思います。また、警視庁のライディングスクールでは、走行技術だけでなく、車両に必要な日常の整備、点検項目などを教えてくれる事もあります。
また、参加回数や運転状況によって、色の異なるステップアップシール(二輪車安全運転推奨シール)がもらえるので、これを目的として参加してみるのも良いかもしれません。
投稿者プロフィール
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BMW F900XRとDucati MonsterS2Rでチョイノリからロングツーリング、サーキット走行まで楽しむリターンライダー。
リターン後のツーリングは首都圏内での日帰りをメインとして、美味しい物や良い景色を堪能している。
ご当地"グルメ調査隊"と称してマスツーリングの企画運営なども手掛けることから、バイクの様々な楽しみ方を伝えて行く事を目標としている。
若い頃は、日帰りで埼玉-青森間を往復したことがある、 "自称"やれば出来る男。
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