読者の皆さんはツーリングのときに、風(走行風)で疲れた経験はありませんか? 筆者は最近「走行風で疲れた…」と感じることが増えました。風は体力を徐々に奪っていきます。
そこで今回は、バイク歴40年のベテランライダーである筆者が、経験と知識にもとづいた「風」対策を紹介します。
バイクやウェアなどの対策も解説しますので、ぜひ最後までご覧くださいね。
走行風でなぜ疲れる?風疲れの原因とメカニズム
風(走行風)を甘くみてはいけません。風は知らない間にあなたの体力を奪います。この章では風疲れの原因やメカニズムについて解説します。
【風圧】体力と集中力を奪う見えない敵
なぜ「風」で疲れるのか? 答えは風圧です。風圧に対抗しようとする体の働きで体力を消耗します。
特にツーリングで長時間にわたり風にさらされると、知らない間に体力を消耗しています。体力ばかりでなく、実は集中力も奪われているのです。向かい風や横風が強いときなどは、不安や違和感も手伝い、心も体も消耗します。
「たかが風」ではないのです。
【風切り音】疲労を加速させる騒音ストレス
風切り音はストレスの原因です。ヘルメットの形状によっては大きな風切り音が発生します。長時間、風切り音を聞き続けると、騒音ストレスにより集中力が低下したり、頭痛の原因になったりします。
【筆者の経験:その1】
風切り音が大きいヘルメットは疲れます。筆者のヘルメットは「SHOEI EX-ZERO」です。走行風が顔に直撃します。風切り音もヒドい。高速走行するライダーには、あまりおすすめできないヘルメットです。カッコよくて形は大好きなのですが…
【体温低下】走行風は体力低下の隠れ要因
風は体温を奪います。体温が奪われると体力も消耗します。冬の風(防寒)対策は、皆さんすでにご存知かと思いますが、侮れないのは夏の体温低下です。
【筆者の経験:その2】
夏の雨と走行風にやられたことがあります。レインウェアなしで雨に遭うと「雨プラス風」で、かなり体力を消耗するのです。雨男の筆者は、夏のツーリングで雨に遭い、レインウェアを持っていなかったので激しく体力を消耗した経験があります。夏の雨と走行風は、地味に体力を奪い続けます。夏の雨と走行風にも注意しましょう。
【振動】疲労を蓄積させる厄介な存在
ここでいう「振動」は「ウェアのバタバタ」です。走行風で衣類がバタバタすると振動が発生します。実は衣類のバタつきによる振動も、長時間続くと疲労の原因になりかねません。バタつく衣類は避けるべきです。
【加齢】年齢と共に減る風へ抵抗力
加齢で「風疲れ」を感じるようになります。こればかりは、どうしようもないのですが…
筆者は若い頃、走行風がキツイとはあまり感じなかったのですが、中年(40代)になってから「走行風がツラい」と感じ始めました。
加齢とともに、風への抵抗力は弱まります。
風を制する!風疲れと走行風への実践的な対策
風を制するには、バイクへの対策とライダーへの対策があります。この章ではそれぞれについて、具体的に解説します。
【カウリング・スクリーン】風への壁を築き、快適空間を守る
カウリングやスクリーンで風に対する壁を築くのが効果的です。大きいほど風圧を軽減する効果が高くなります。ただし、素材や形状、耐久性や風切り音への対策も考慮して選びましょう。
取り付けるスクリーンが大きすぎると、走行風による抵抗で加速が鈍く感じる場合があります。取り付ける際は車体のサイズや排気量に合ったスクリーンを取り付けましょう。
【筆者の経験:その3】
ヒマラヤ(ロイヤルエンフィールド)に試乗したとき「スクリーンの威力はスゴイ」と感じました。ヒマラヤに標準装備されているスクリーンは小型ですが、防風効果バツグン。走行中にスタンディングしてみたら、かなりの風を顔に受けて「小型のスクリーンなのに、走行風から顔や頭をこんなに守ってくれているのか…」と、非常に驚いたのです。スクリーンの威力、おそるべし!
【服装】風を味方につけるための戦略
走行風に対応するために、下記の服装を推奨します。
- 体にフィットするジャケット・パンツ
- バタつきを抑える素材・デザイン
- 防風性・保温性・防水性を考慮
- 夏場の涼しさ対策
冬と夏では風対策が変わります。冬は防風と防寒、保温性を重視。夏はバタつかず、通気性を重視したジャケットやパンツを選ぶとよいでしょう。
【ヘルメット】走行風を受け流すフォルムとデザイン
風対策を重視するなら、空力特性を考慮して設計されたフルフェイスがおすすめです。流線型のヘルメットは風を受け流し、頭部への負担が軽くなるばかりでなく、風切り音も抑えられます。
特に、大型バイクや高速ツアラーを所有するライダーが走行風対策を重視する場合は、ヘルメットの形状も考慮しましょう。
【休憩】疲労回復と集中力維持のためのピットイン
走行風で疲れた体の疲労回復には、休憩が一番! 少しでも疲れを感じたら、早めに休憩をとりましょう。
- 適度な休憩で疲労をリフレッシュ
- こまめな水分補給で脱水症状を防ぐ
- ストレッチで体の疲労を軽減
休憩で、心も体も復活します。
長距離ツーリングにおける休憩ポイント
- できれば1時間ごとに休憩
- 高速道路ではサービスエリア、一般道では道の駅などを活用
- ヘルメットを脱いで少し歩く
【体調管理】ライダー自身のコンディション強化
走行風対策で重要なことは、日頃の体調管理です。体調管理がよくないと走行風で疲れてしまい、せっかくのツーリングが台無しになります。ぜひ、下記の内容を心がけてください。
- 前日の睡眠と栄養補給
- ツーリング中の水分補給
- 日頃の運動習慣
万全の体調で走行風に対応し、楽しいツーリングにしましょう。
まとめ:走行風を侮るなかれ!適切な風対策をしよう
走行風を侮ってはいけません。しかし風を理解し、適切な対策を講じることで、長距離ツーリングでの疲労を抑え、ツーリングを快適に楽しむことができます。
今回ご紹介した内容を参考にして風を制御し、楽しくツーリングしましょう!
この記事が読者の皆さまのお役に立てば嬉しいです。皆さまのバイクライフを応援しています。
投稿者プロフィール
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熊本県在住。生まれも育ちも熊本。
阿蘇をこよなく愛する生粋の熊本人。
昭和の時代に限定解除し、原付/中型/大型の所有歴あり。
現在の愛機はKawasaki 250TR。
愛機250TRで一日500km(下道)を走破することもある、元気おやじライダー。
「安全第一、無事帰る」をモットーに、今も安全運転を模索しながら走り続けている。
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