バイクは楽しい乗り物ですが、同時に「危険な乗り物」ともいわれます。読者のみなさんは危険を回避するための安全なライディングをしていますか?
危険なライディングは転倒につながります。そして転倒は多くの場合、事故につながりやすいのです。事故には遭いたくないですよね。
そこで今回はバイク歴40年、無事故歴も40年の筆者が、バイク事故を防止するための極意をご紹介します。また、40年間無事故ライダーである筆者が、実際に行っている安全運転のテクニックについても解説します。
筆者の経験にもとづく安全運転テクニックを厳選して紹介するので、この記事を読んで安全なライディングにぜひお役立てください。
トップ画像引用元:ホンダ公式サイト
バイクで事故に遭いたくなければ「確認」を徹底すべし!
何よりも確認を最優先する
何よりも優先しなくてはならないのは確認です。確認を徹底すれば、事故を(ある程度は)防げるといっても過言ではありません。
まずは「確認」です!
発進時は目視で右後方確認!
発進時に右後方確認をしていますか? 自動車学校で教習中はマストだった、あれです。やってなければ、ぜひやりましょう!
バイク乗りで発進時の右後方確認をやっているライダーは、ほぼいません。
やっているのは白バイくらいです。
右後方確認は、自分の身を守ることになります。直接自分の目で右後方から何も来ていないことを確認して発進しましょう。
筆者は発進時の右後方確認を、免許取得以来40年以上、今も必ず実行しています。
見通しの悪いところは、止まる!
止まるのは、一時停止標識のあるところだけでよいと思っていませんか?
筆者は違います。一時停止標識がなくても見通しの悪いところでは止まって安全を確認します。
住宅街などでよく見かける、一時停止標識のない交差点などでは、人や自転車が飛び出して来るかも知れませんよ。
先が見えないカーブ(ブラインドコーナー)は減速する!
先が見えないカーブ(ブラインドコーナー)は危険がいっぱい!
先が見えないカーブでスピードを出してはいけません。
筆者は、道路状況により、法定速度を下回るスピードまで減速し、確認しながら注意深く走行する場合もあります。
知らない道はゆっくり走る
ツーリング先の見知らぬ道で、スピードを出し過ぎていませんか?
知らない道で飛ばすのは危険です!
見通しがよくても、安全速度で周りを確認しながら走りましょう。
知らない道は怖いので、筆者はゆっくり走ります。
「かも知れない運転」で事故を防ぐ
「コーナーに砂利が浮いているかも知れない」
「人や自転車が飛び出してくるかも知れない」
「信号無視の車両が、突然こっちへ来るかも知れない」
などなど、筆者は常に「かも知れない」と思い、確認しながら走ります。常に周りを疑い、警戒して見張っている状態です。
筆者は事故を起こしたくないので「かも知れない運転」を徹底し、確認しながら走っています。
確認する際は、目視(直接見る)確認をおすすめします。
バックミラー越しに見る確認よりも、直接自分の目で見る目視確認のほうが安全性は数段高まります。
出発前の点検をしよう
出発前の点検をしてますか?
「ネンオシャチェブクトウバシメ」という言葉があります。出発前に全部やるのは時間がかかりすぎるというのであれば、最低でもブレーキ・灯火(ヘッドライトやウィンカー)くらいは点検確認して出発しましょう。
ちなみに、「ネンオシャチェブクトウバシメ」の意味は、下記の通りです。
- ネン:燃料
- オ:オイル
- シャ:車輪(タイヤとホイール)
- チェ:チェーン
- ブ:ブレーキ
- ク:クラッチ
- トウ:灯火類(ヘッドライトやウィンカー)
- バ:バッテリー
- シメ:ネジなどの増し締め
交通法規を遵守する
交通法規を遵守しましょう。交通法規を守ることは、安全確保の第一歩です。
- 一時停止は絶対止まる!
- 法定速度は守る!
- 「はみ禁」(はみ出して追い越し禁止)は絶対守る!
いずれも、ライダー自身を守るためのルールです。
白バイがメチャ参考になる!
筆者は白バイ競技大会の動画(YouTube)をよく見ます。究極のプロである白バイのテクニックはとても参考になりますよ。
バイク事故を防ぎたいなら、レーサーのマネはやめとけ!
レーサーってカッコいいですよね。私もかつては憧れていました。
でも、公道で同じことをやってはいけません。周りに怖い思いをさせるばかりか、レーサーのマネをして走るライダー自身が危険な目に遭うことになります。
ハングオフはやめとけ!
コーナーリングで体をイン側に落とす「ハングオフ」を一般公道でやるのは危険です。ハングオフはバランスが難しいテクニックです。
そんなことをしなくても、コーナーリングはリーンウィズで十分。リーンウィズでステップ荷重とニーグリップをしていれば、普通にコーナーを曲がっていけます。
ハングオフは、レーサーがサーキットを速く走るための極限のテクニックです。一般公道でやるのは危険すぎます。
レーサーは追求する目的が違う、走る環境も違う!
レーサーが追求しているのは「タイム」です。誰よりも早くゴールすることを目的としています。
走る環境も違います。レーサーが走っているのはサーキットです。サーキットは安全面に関して、最大限の配慮をしてあります。厳格なルールもあります。一般公道のように、人や自転車、他のクルマはいません。
一般のライダーは、目的地に安全に着くのが目的ではありませんか? または、無事に帰宅するのが目標ではありませんか? レーサーのようなテクニックを磨きたいのであれば、サーキットを走りましょう。
初心者は事故防止を最優先!
特に初心者は事故の防止を最優先しましょう。前の章で解説したように、安全確認を徹底すれば事故に遭う確率を下げることができます。
初心者が最初に追求するのは、スムーズな操作や安全なライディングテクニック…すなわち安全第一です。レーサーのマネを追求してはいけません。
レーサーのマネをするのなら、安全に関するテクニックにしよう!
レーサーは自分自身の身を守るために、安全面に最大限の配慮をしています。レーサーのマネをするのなら、安全面に関することにしましょう。
具体的には下記の内容です。
- ヘルメットのアゴヒモを必ず留める
サーキットでは、ヘルメットのアゴヒモを留めてないレーサーには走行許可がおりません。 - 足をシフトペダルの下に入れっぱなしにしない
レーサーはシフトチェンジ後、速やかに足(つま先)を元の位置に戻しています。シフトペダルの下につま先を入れっぱなしにするのは危険です。 - ニーグリップ
レーサーはブレーキング時など、バイクと体を安定させるために、ニーグリップをしています。 - ステップ荷重
レーサーはシートにドカッと座っていません。ステップに荷重(体重)をかけている状態で走行しています。レーサーはステップでバイクを操っているといっても過言ではありません。 - ブレーキレバーに指を2本かけておく
ブレーキレバーに指をかけておき、不測の事態にいつでも対処できるようにしているレーサーが多いようです。 - 目線の先送り
コーナーでは目線を先(出口)に送りましょう。バイクは目線が向いた先へ行く乗り物です。安全にコーナーを走り抜けたいのなら、目線はコーナーの先(出口)です。
事故を防止したいなら、バイク用品にこだわろう!
安全に関するいろいろな装備品が、さまざまなメーカーから販売されています。事故を防止したい、または事故に遭ったときの被害を軽減したいのであれば、バイク用品にこだわりましょう。
KAMUI-3 JAG(OGK KABUTO)
万一の際に、大切な頭を守る重要なアイテムであるヘルメット。KAMUI-3 JAG(OGK KABUTO)は安全面ばかりでなく、使い勝手にも優れるリーズナブルなヘルメットです。内装には、メガネを使いやすいチークパッドを採用し、インカムの取り付けを想定して設計されています。人気のインナーサンシェードも標準装備です。
バイク用 チェストガード SK-600 プロテクター(コミネ)
事故による胸部のケガを防ぐためのプロテクターです。オンロードはもちろん、オフロードにも使用できます。
hit-air エアーバッグベストブラックL MLV-C(無限電光)
着るタイプのエアーバッグです。転倒や事故の際、瞬時に膨らんでライダーの胸部を守ります。
【まとめ】バイクの事故を防ぐには、まず安全確認!
バイク事故を防ぐには、まず安全確認です。安全確認を最優先しましょう。
そして止まる勇気、減速する勇気、譲る勇気です。この3つの勇気を実践すれば、自分自身が安全に走れるだけでなく、結果として自分以外の周りの人を守ることにもなります。
筆者が40年間無事故なのは、筆者が「ビビり」だからです! 筆者は臆病です。コケたくないから、ムチャしません。
筆者のように臆病なビビりライダーは、用心深く、確認を怠らないので事故に遭いにくいのです。イケイケでコケてバイクを壊したり、体を壊してしまっては元も子もありません。
バイクに出会って、バイクに乗り始めたライダーのみなさんには、末長く安全に楽しくバイクに乗って欲しいと願っています。安全運転で、いつまでも楽しくバイクに乗りましょう!
この記事がみなさまの安全運転のお役に立てば幸いです。読者のみなさまのバイクライフを応援しています。
投稿者プロフィール
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熊本県在住。生まれも育ちも熊本。
阿蘇をこよなく愛する生粋の熊本人。
昭和の時代に限定解除し、原付/中型/大型の所有歴あり。
現在の愛機はKawasaki 250TR。
愛機250TRで一日500km(下道)を走破することもある、元気おやじライダー。
「安全第一、無事帰る」をモットーに、今も安全運転を模索しながら走り続けている。
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