はい!元バイク屋のフォアグラさんです、こんにちは。
さて今回は「バイクは日本の宝である」っていうことを皆さんにお伝えしたいと思います。この記事はバイクが大好きな皆さんに気分良くご覧いただき、バイク乗りであることを誇りに思い、そしてバイクの社会的地位の向上に役に立ちたいという気持ちで作っています。
またバイクに乗ったことがない、なんならバイクは嫌いだっていう方には、バイクに興味を持ってもらいたい、そして誤解を解消してもらいたいと考えています。
バイク乗りの皆さんは「なぜバイクって、こんなに不遇な扱いをされるんだろう?」と感じている方がほとんどだと思います。なぜ不遇な扱いを受けるのか?そして日本のバイクの世界的な評価、また今後どうすれば社会的な地位を向上させていくができるのかを前向きに一緒に考えていきましょう。
数字に見る自動車とバイクの世界でのシェア
ではまず、バイクは日本の宝なのです!日本のバイクは凄いのです‼ということを皆さんにお伝えしたいです。
ご存知のように日本は工業先進国。近年はかげりも見えていますが、自動車産業はまだまだ元気で世界トップです。2023年新車販売台数では全体の69.1%を占め、なかでもトヨタ自動車は10.7%と世界1位です。
バイクも製造するスズキは前年比34.8%増と絶好調。このことは日本人なら皆誇りに思っていることですね。
この自動車とお隣の業界、というより同じ業界と言っても差し支えないかもしれない二輪車業界はどうなのかというと、実はこちらも好調です。
先ほどのデータよりも1年古い2022年のデータにはなりますが二輪車輸出台数は前年比11.4%増。世界のバイクシェア率ではホンダが33.8%でトップ。日本メーカーであるホンダ・ヤマハ・スズキの3社だけでなんと世界の44.8%と、ほぼ半分を占めます。
カワサキは趣味性が高いバイクが占めるため、台数ベースでは大きくないかもしれませんが、やはり日本のメーカーが世界のバイク市場の半分を占めているというもう無双状態なのです。
しかしどうでしょう?日本人の意識として自動車大国であるというイメージはあっても、二輪車大国という意識は希薄であるように感じます。そもそも二輪車に関心がない、むしろ嫌いな人が多いようです。
世界でぶっちぎりの評価を受けている日本のバイクなのに、これはあまりにも残念なことではないでしょうか。これだけ世界をリードしている産業であるにも関わらず、その国内では不遇な扱いを受けるというのは何とも悲しい話です。
バイクは「日本の宝」
バイクのエンジンというのは本当に凄いのです。
多くの日本人が誇りに感じている日本の自動車は、特に内燃機関、つまりエンジンの性能や品質に定評があります。
数えきれないほどの部品点数、緻密な設計、小さなパーツの加工精度の高さ、まさに細かい作業を得意とする日本の技術の結晶です。そんなエンジンなのですが、車のエンジン以上にバイクのエンジンというのは、より緻密で高性能なチューニングが施されています。
リッタークラスのスーパースポーツなどはもちろんですが、大衆車とも言える中型4気筒ネイキッドでも1万3000回転まで回る設計で、しかもこんな車両を量産できるのは日本のバイクメーカーだけなのです。実際、2万回転近くまで回る250ccの4気筒なんていうバイク作っていたのは日本だけですよね?
ホンダは、車の世界ではよく「エンジンのホンダ」なんて言われます。
トヨタもスポーツカーの高回転型エンジンに関しては、ヤマハと共同開発を行ってきた歴史があります。
バイクには乗らなくても車が好きな人なら伝わると思いますが、NAの4気筒1000ccで200馬力の、しかも壊れないエンジンを量産し市販車に載せている、これって結構とんでもないことですよね。
もちろんエンジンの技術だけではありません。カワサキはバイクという小さな車体に過給機をつけてみたり、ハイブリッドモデルを出してみたりと、新しいことにも挑戦しています。スズキは4輪こそ低価格のコンパクトカー中心ですが、1000ccを超える大型バイクを多くラインナップし、最先端の電子制御技術も持っています。
悲しいことに日本のバイクの素晴らしさを世界で1番わかっていないのは、日本人自身であると言わざるを得ません。
なぜ「バイク嫌い」が多いのか?
あらかじめお伝えしておきますと、これはあくまで自分個人の考えであり、もしかしたら気を悪くされる方もいるかもしれません。多少愚痴っぽく聞こえる部分や攻撃的に聞こえる部分もありますので、その点あらかじめご了承ください。
ではなぜこんなに素晴らしいバイクを作っているバイク先進国でいながら、バイクが嫌いという人がこれほどまでに多いのでしょうか ?
若い方はご存知ないかもしれませんが、主に80年代に盛んだった「3ナイ運動」というものがありました。高校生に対して「免許を取らせない・買わせない・運転させない」というものです。
確かに当時はバイクブームということもあり、無茶な運転をする若者も多く、命を落とす事故も多かったと聞きます。そのことから、このような運動が起こってしまったことはいたしかたのないことかももしれません。
しかしこの運動により
「バイクは危険」
「バイクは悪」
「バイクは迷惑」
という印象が強まり、バイク自体がまるで社会悪かのように捉えている人々を多く生んでしまったと感じます。
その3ナイ運動に感化され、「バイクは悪である」と遠ざけられて育った当時の子供たちは現在親になっています。その親は当然、自分の子供がバイクに興味を持ってもいい顔はしないでしょう。
「バイクはダメだ」
「バイクは不良が乗るものだ」
「車の方がいいじゃないか」
と反対する話はよく聞きますよね。
しかし、この3ナイ運動を行った人や、バイクを悪だと思い込んでいる人は、そもそもバイクに乗ったことがあるのでしょうか?
危険だと批判するのは簡単です。しかしその危険性と裏側にある魅力というのを本当に分かって否定しているのでしょうか?
車にはない魅力があるからこそ、危険と知りつつバイクに乗る人がいて、バイクに興味を持つ人がいるのです。なぜ「バイクに乗りたい!」と言い出してのかを考えることができれば、安直に「バイクは悪いものだから」「バイクは危険だから」と一蹴することはしないはずです。
バイクが嫌い過ぎる知人の話
2020年代である現在でも、どこか「バイクは悪」という風潮は残っていると感じます。ちょっと愚痴っぽくなってしまいますが、昔の個人的な知人に、バイクが大嫌いな車好きがいました。もちろん彼はバイクの免許もなければ、乗ったこともありません。
彼の運転する車に乗せてもらっている時、バイクと接触事故を起こしそうになりクラクションを鳴らされてしまいました。知人が運転する車が一時停止線を大きく超えて停止したことにより、優先道路を走っていたバイクが避けたというインシデントでした。
どう考えても車側が悪いはずなのですが、もう呆れて何も言えなくなってしまいました。そして「こんな考えで運転しているドライバーというのは少なくないのだろうな」と1バイク乗りとして背筋が凍る思いをしました。
バイクに攻撃的なドライバーの心理
程度の差こそあれ、彼に近い考えをしているドライバーというのは決して少なくないと思います。バイクに乗っていると、まるでひき殺してやると言わんばかりの運転をしている車を見かけますよね。もちろんバイクの方が悪いケースもあるでしょうし、車のドライバーもそんな人ばかりではありません。
ただ
「バイクは圧倒的なマイノリティであること」
「バイクは良くないもの」
というイメージが浸透してしまっているがゆえ攻撃的になり、このような考えに至るのかなと個人的には考えています。
もちろん人それぞれ好き好きはありますし、考え方も違いますが、このように非のないものを悪くとし、非のある自分が正義であると思い込んで攻撃的になること、それこれは人類の長い歴史の中で度々起きてきた、マイノリティへの迫害の縮図ではないかと思います。
「バイクはマイノリティだからいじめてもよい」
「道路はマジョリティである自動車のもの」
しかも
「バイクは危ない」
「昔から悪いものって言われている」
「不良の乗り物でもある」
ここまで偏った認識を持つ人の考えを改めさせることは難しいかもしれませんが、バイク乗りである我々にできる、バイクの社会的地位の向上の手段は何でしょう?
我々ライダーにできること
最近バイクに乗り始めたという方には分かりにくいと思いますが、20年以上前からバイクに乗っている自分としては、現時点でも随分向上したと感じています。自分と同じか、それ以上に経験のある方はどう感じますか?昔ほどバイクが煙たがられるということは減ったと思います。
それはなぜなのか? 1つは先ほどお伝えした3ナイ運動が自然消滅したことです。悲しいことに、そもそも「バイクに乗りたい」「バイクを買いたい」という高校生がいなくなったように思います。経済的にも簡単ではないですしね。そのことによりバイクを買うのは20代以上が多くなり、ヤンチャな走りをする人も随分減りました。
80~90年代には、各地の峠ではギンギンに攻めた走りをする峠小僧がたくさんいました。「攻めた走り」なんて言い方をしたら聞こえはいいのですが、大幅な速度超過等、完全な暴走行為です。
峠ブームが終わって、ライダーの絶対数が減った上、高校生が乗らなくなったことで落ち着いたのです。ある意味3ナイ運動は効果があったと言えるのかもしれません。
暴走行為以外にも、違法改造も減りました。いい大人が爆音マフラーをつけていれば、冷めた目で見られるし、住宅に住む方も増えていますから、大迷惑です。まだ一部に珍走団や旧車繪なんかもいますけれども、本当に減ってくれたなと思います。
こういった背景もあり、少しずつ、本当にゆっくりと、バイクに対する世間の見方が改善してきているのではないでしょうか。
今はバイクと言うと「かっこいい大人の趣味」という印象を持つ人が増えてきているように思います。(もちろん、まともな乗り方をしている人限定です)
週末は晴れたらツーリング、平日の夜はバイクを眺めながらハイボール、たまに洗車やメンテをしながら愛車と対話する時間を作ってみたりという風です。
自分のバイクライフや価値観を良きものとして、押し付けるつもりはありませんが、こんな 感じで極力世間に迷惑をかけず、渋いオヤジを目指す人が増えたら、バイクを取り巻く環境というのは、もっと良くなっていくのではないかと思います。
まとめ
これから我々バイク乗りがバイクの社会的地位の向上のためにできること、すべきことは、今まで通り普通にバイクを楽しむことだと自分は考えます。
暴走行為をしない、違法改造をしない、静かに走る、そんな当たり前のことを当たり前に多くのライダーが心がけてくれたら、この素晴らしいバイクを作る、バイク大国日本でのバイクの評価が高まっていくように思います。皆さんはどう思いますか?
というわけで今回は「日本のバイクは凄ぇんだぞ!社会に受け入れられるように、みんなで頑張ろうぜ!」という話をしてみました。
今回の記事は下記の動画でも詳しく解説しているので、こちらも是非ご視聴ください。
それでは今回も最後までご覧いただきありがとうございました。
関連記事:
投稿者プロフィール
-
元バイク屋のYouTuber。
バイクライフに役立つ情報を毎週配信。
メカの話やバイク購入アドバイスはもちろん、用品レビューやバイク屋裏話まで、バイク乗りなら誰もが気になるテーマばかり。
ちなみに中身はアラフォーのおっさん。
好物はサッポロ黒ラベルとキャベツ太郎だが、子どもができて以来、ふるさと納税で貰った無糖レモンサワーで節約している。
最近、血糖値と血圧を気にしているらしい。
最新の投稿
ヘルメット2025年2月24日【元バイク屋が解説】ヘルメットのリアル フルフェイスは本当に安全?
アイテム2025年1月27日【元バイク屋が解説】バイクの自宅整備が捗るおすすめアイテム
アイテム2025年1月13日【元バイク屋の実体験】電熱ウエア選びの新基準 激安中華電熱ウエアを揃えた男の末路
コラム2025年1月7日【元バイク屋が解説】知らないと死亡事故に!!乗らないと分からないバイクの危険ポイント