バイクを運転していてヒヤッとした経験はありませんか? ヒヤッとする状況の延長線上にあるのは「事故」です。
事故に遭うと、バイクは壊れるし、ライダー自身はケガを負います。事故の相手にケガを負わせることもあります。事故は、いうまでもなく最悪です。事故にはひとつもいいことがありません。
そこで、今回はバイク歴40年、無事故歴も40年の筆者が事故のパターンや原因と回避する方法を詳しく解説します。
筆者自身が実際にヒヤッとした経験や体験も交えながら、筆者のバイク仲間や知人の事故例も紹介します。
この記事で紹介している事故例を理解し回避策を実践することで、事故に遭う確率を下げることも可能です。事故のパターンを知ることは、事故の予測と予防に活かせます。
あなた自身の安全を確保するためにも、ぜひ最後までお読みくださいね。
自分の原因が大きい事故
自分(バイク)側の原因が大きい事故は、その危険な行為をやめるだけで事故に遭う確率を下げれます。
この章で紹介するようなムチャな運転はやめましょう。
路肩すり抜けで車と激突
路肩すり抜け走行は超危険!
渋滞している道路の路肩を走るバイクと、渋滞している車と車の間(スキマ)から道路に面した商業施設に進入しようとした車が衝突した事故です。
【原因】
- バイクは路肩であるにも関わらず、スピードを出していた。
- 衝突した車は、渋滞していたため、直進してくるバイクに気付くのが遅れた。
【回避策】
- バイクは路肩の走行を極力避ける。
- やむを得ず路肩を走行して信号停車の最前列へ行く際などは、徐行する。
この事例は筆者が若い頃、実際に目撃したものです。以来、やむを得ず路肩を走行する際は「徐行して反対車線の車が侵入してくるかも知れない」と警戒しながら走行しています。
コーナーで転倒、後続車に敷かれた(大型バイク)
コーナーを曲がりきれずに転倒、その直後を走行していた車が避けきれずにライダーを敷いた。
これは九州の観光地で実際に発生した事故です。
【原因】
- コーナーのR(半径)を読み間違え、オーバースピードだったので減速しようとブレーキをかけたらフロントタイヤがロックして転倒した。
【回避策】
- コーナーでは速度を落とす。コーナーに進入する前に曲がれるスピードまで減速する。
- 特にツーリング先など、知らない道ではコーナー手前で十分に減速する。
大排気量(大型)バイクに乗り換えてすぐ、止まりきれずに転倒、事故
筆者の友人の経験談です。彼は大型二輪免許を取得し、中型バイクから大型バイクに買い換えました。
しかし彼は大型バイクの重さに慣れておらず、一般道で止まりきれずに転倒、転倒したバイクが前方の乗用車に衝突しました。
【原因】
- バイクは大きく重くなるほど(車両重量が増えるほど)止まりにくくなります。中型バイクの感覚で運転したために発生した事故といえます。
【回避策】
- 大型バイクを買ってすぐなど、慣れないうちはスピードを出さない。
- 車間距離を大きく取る。
タンデムで止まりきれずに転倒、ケガ
バイク仲間の経験談です。
タンデムして走行中、止まりきれずに転倒、ライダーもパッセンジャーもケガを負いました。
【原因】
- タンデムするということは、人間を含めた車両重量が増えるということです。つまり、重量が増えるから、ひとりで乗るときより制動距離が伸びます。
【回避策】
- タンデムする際は、制動距離が伸びることを考慮し、車間距離を大きくとりましょう。
自分以外の原因も考えられる事故
事故の中には、自分以外(他車)が原因の場合もあります。とはいえ、危険を予知して回避行動を取れる場合もあります。
この章では、他車にも原因があるけど、ある程度の回避が可能な事例を紹介します。
交差点で車がムリに突っ込んできて衝突
交差点内で、直進しているバイクと、対向車線から右折するために交差点に進入した車が衝突した事故です。
【原因】
- バイクが直進して迫ってきているにも関わらず、車がムリやり進入してきた。
- 車のドライバーには、バイクが小さく見えたため、バイクとの距離やバイクのスピード、バイクが交差点に到達するまでの時間を見誤った。
【回避策】
- バイクで交差点に進入する際は、たとえこちら側の信号が青でもスピードを落とし、いつでも停車できる状態にしておく。
- 前後にほかの車両がいるときは流れに乗る方がよい場合もあるが、単独で交差点に進入するときは特に注意する。
- 右折待ちの対向車の挙動を見る。運転者の目線や行動に注意する。
夜、一時停止から出てきた車と直進の大型バイクが衝突
夜間、片側二車線の国道の左レーンを直進してきたバイクと、国道に出ようとした軽自動車が衝突。
筆者の自宅近くの国道で発生した事故です。大きな音がしたので何事かと見たら、大型バイクとライダーが横たわり、そばには側面が大破した軽自動車が停まっていました。
【原因】
- 直進していたバイクは大型バイクだった。
- 軽自動車を運転していた高齢者ドライバーは夜間であったためバイクとの距離感をつかめず、国道に出てしまった結果、衝突した。
【回避策】
- 本線に出ようとしている車両が前方にいる場合、挙動を見て、怪しそうであれば減速する。
中央線で右折待ちしていて、追突された
進行方向の右側にある商業施設に入るため、中央線のところで右ウィンカーを出して停まっていたらトラックに追突された。筆者の知人の経験談です。
【原因】
- トラックドライバーは、中央線で停まっているバイクに気がつくのが遅れ、ブレーキが間に合わず追突した。
【回避策】
- 筆者の知人は事故のあと、事故現場で右折するのをやめたそうです。事故が起きた場所を避けるのも、事故を回避するためのひとつの方法といえるでしょう。
住宅街の交差点などで出会い頭にぶつかる
中央線のない住宅街の道路の交差点などで、出会い頭にぶつかるケースをよく見聞きします。
【原因】
- 減速せずに住宅街を走行するバイクや車は、事故に遭う確率が高くなりがち。
【回避策】
- 住宅街は、車のほか人や自転車、子供など、いろいろ飛び出してくるかも知れません。見通しが悪い場合や住宅が立ち並ぶ住宅街の道路では、自主的に一時停止や徐行するなどして安全を確認しましょう。
幅寄せされて接触、転倒
片道2車線の道路で、横を走るトラックが急に幅寄せしてきて接触、転倒。
【原因】
- バイクがトラックのサイドミラーの死角に入っていたため、トラックドライバーが気づくのが遅れた。
【回避策】
- 車のサイドミラーには見えない部分、いわゆる「死角」があります。特にトラックは運転席が高く、バイクが死角に入ると見えないことがあり危険です。
- トラックに限らず、車の死角に入り続けない運転をしましょう。
特殊な事故
ここで紹介するのは相手が動物です。ネコやイヌ、田舎道ではイノシシやシカと衝突した話も聞きます。
ちなみに筆者は、熊本県天草市の山道をバイクで走行中、イノシシに出くわしてビビったことがあります。(幸い、ぶつからずに済みました)
住宅街でネコが飛び出してきて転倒
住宅街を運転中、家からネコが飛び出してきて、急ブレーキ。フロントタイヤがロックしてライダーは転倒、ケガを負いました。筆者の友人の経験談です。
【回避策】
- やはり、住宅街を走行する際は飛び出しを警戒しながら、いつでも止まれる速度で走行することが重要です。
まとめ:事故例を知り危険を予測する運転でバイク事故は防げる!
事故の原因はさまざまで、いろいろな要因が複雑にからみあってます。重要なことは、事故の原因(要素・要因)を減らすことです。事故の原因となる要素・要因を減らせば、事故に遭う確率を減らせます。
筆者の40年にわたるバイク人生を振り返ると、やはり安全確認がとても重要だと感じています。そして「かも知れない運転」に徹することが重要です。「だろう運転」はいけません。
危険を予測する運転をすることで、バイクで事故に遭う確率をある程度は下げることができます。
今回の記事で紹介した事故の事例を参考にして、安全運転に徹してください。
この記事が、読者の皆さまのお役に立てば嬉しいです。
読者の皆さまの交通安全を祈念しています。
投稿者プロフィール
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熊本県在住。生まれも育ちも熊本。
阿蘇をこよなく愛する生粋の熊本人。
昭和の時代に限定解除し、原付/中型/大型の所有歴あり。
現在の愛機はKawasaki 250TR。
愛機250TRで一日500km(下道)を走破することもある、元気おやじライダー。
「安全第一、無事帰る」をモットーに、今も安全運転を模索しながら走り続けている。
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