皆さんこんにちは、整備士ライダーのヨシキです。愛車のDIYメンテは楽しんでいますか?今回は私が整備をするときにひと手間かけている“クオリティアップの小ワザ”を紹介していこうと思います。
実は、いつものメンテナンスにほんのちょっと手を加えるだけでプロに匹敵するクオリティの整備がマネできます。自分のバイクは自分で整備をしたいサンデーメカニックの方の参考になれば幸いです。
部品の付け外しだけが整備の仕事ではない
そもそも、整備士の仕事は部品の付け外しだけではありません。消耗した部品を交換し、各部を清掃。ボルトが渋ければサビを落として、各部にグリスアップも行い、マシン全体のポテンシャルを高めるように組付けるまでがプロの仕事です。
こうすることで、周辺パーツの摩耗点検や不具合も同時に点検し、安心してお客さんにバイクをお返しできます。
工場に修理を出したらいろいろ交換されてしまうのは壊れないための予防整備も含まれているからなんですね。
なので、基本的には整備の小技は清掃に始まり潤滑に終わると言っても過言ではありません。普段のメンテナンスに加えて少しバイクをキレイにしてあげることでクオリティの高い整備ができるようになります。
整備の小ワザ3選
結局のところ、プロの整備士といえども基本的に行う作業はDIY作業と何ら違いはありません。ただ、プロの仕事は作業の効率とクオリティが抜群なだけ。
クオリティを上げるコツさえ知っていれば誰にでもプロ並みの整備ができるようになりますよ。
洗車後には可動部・マフラーに油を塗っておくとサビにくい
整備の基本は洗車。作業前はもちろん、作業後にも洗車をして各部の確認と作業で汚れた油を落としてあげましょう。
このとき、チェーンやマフラー、レバー類に潤滑材を塗っておくと、保管時にサビが発生しなくなるのでオススメです。特にチェンジペダルやステップの可動部は水が溜まりやすいので念入りに油を指しておきましょう。
もちろん、防錆用の専用商品も販売されていますが、手元にない場合は通常の潤滑剤でも十分代用できるので、洗車後の簡易メンテナンスとして試してみてはどうでしょう?
リアサスのセッティングをするときはネジ山のごみを落としながら回す
リアサスの硬さ調整を自分でやる時には、いきなりプリロードアジャスターを回してはいけません。ネジ山に砂が嚙み込んで回らなくなってしまいます。少し手間ですが、一度キレイにサスのネジ山を水洗いし、砂や汚れを落としてから作業しましょう。
また、清掃前に潤滑スプレーをアジャスターに吹き付けるのもNG。油がごみを吸着して余計にアジャスターが回りにくくなります。
清掃には使い古した歯ブラシがおすすめ。清掃面に傷がつきにくく、細かい汚れも掻き出してくれます。
既にゴミが噛み込んでしまった場合
ちなみに、既にゴミが噛み込んでプリロードアジャスターが回らなくなってしまった場合、パーツクリーナーを大量に吹き付けて回していた方向と反対に動かしていきます。
こうすることで一旦噛み込んだごみを除去。キレイに清掃した後に作業を進めます。サビがひどく、どうしようもないボルトなんかも同じように絞めたり緩めたりを繰り返すことで、徐々に回るようになることがあるので、ぜひ試してみてはいかがでしょうか?
チューブタイヤの組み換えは先にチューブに空気を入れておけばパンクさせにくい
オフロードバイクに多いチューブタイヤ。チューブタイヤ交換は油断をするとチューブを破いてしまうので、嫌いな人も多いのではないでしょうか。特に組付けは力を入れるのでチューブをダメにする確率が上がります。
そんな時におすすめなのが、軽くチューブに空気を入れて作業する方法。
こうすることでチューブがたわまず、パンクの確立がグッと下がります。空気を入れすぎると作業に支障が出るため、この辺のさじ加減は経験で覚えるしかありませんが、覚えてとくと、かなり素早く作業ができるようになりますよ。
ちなみに、どうしてもチューブに穴をあけてしまう。という方にはヘビーチューブという選択肢もおすすめ。このチューブは通常よりもゴムが厚いので多少タイヤレバーでこじってしまっても穴が開きにくいのが特徴です。
あると便利な整備グッズ3選
“良い整備は良い道具から”なんていわれるように、実は整備のクオリティは道具によっても大きく変化します。特に、ホームセンターでは売っていないようなちょっと特殊な工具を持っているだけでも作業性はかなり向上します。
ここからはヨシキが愛用するおすすめの整備グッズを紹介していきます。
マグネットオイルドレーンプラグツール
マグネットドレーンプラグツールは手を汚さずにオイルドレーンを取り外すことができる優れものの工具。オイル交換は手も汚れるし、熱い廃油がうっかり手にかかると、やけどの危険がある整備。個人的にはあまり好きな作業ではありません。
しかし、この工具で作業をすれば手も汚さず、やけどの危険も危険もなく、オイルの抜き取りが完了します。ちょっとした難点として、手に比べて作業性に劣るときもあるのですが、それでも1つ持っておくととっても便利です。
センタースタンド
バイクの整備をするときにはセンタースタンドは欠かせません。フレーム下にマフラーがあるような車体ならフォークスタンドでもいいかもしれませんね。
いずれにしても自分でバイクのメンテナンスをするときには、きちんとリアタイヤを浮かすことのできる作業スタンドの用意は必要です。サイドスタンドのみでは何かあったときにバイクが倒れるかもしれませんし、チェーン調整など、リアタイヤ回りの整備ができません。
安全と作業性を考えてもDIY整備をするならスタンドは用意しておくのがベストです。
フォーククリーナー
オフロードバイク乗りにはこのフォーククリーナは超おすすめです。この道具はフロントフォークのオイルシールに挟まったごみを取り除き、フロントフォークのオイル漏れを止める道具です。
もちろんこれでは治らない場合もありますが、林道やオフロードコースなど、悪路をよく走るライダーはこれを一つ持っておくだけでオーバーホールなしにオイル漏れを簡単に止めることができる優れものです。
いい道具と知識さえあればプロ並みの整備がDIYでもできちゃいます
いかがだったでしょうか?プロの整備のワザと言っても、知識さえあれば誰にでもマネできる技術はたくさんあります。もちろんエンジンを組み直したり、ミッションを分解したリすればそれなりの技術や経験も必要ですが、基本的なメンテナンスに関して言えば特別な技術は必要ありません。
重要なのは正しい知識と道具だけ。丁寧に部品を外して組み付けることを意識すれば、誰でもプロ並みの整備ができるはずです。
“サンデーメカニックとはいえ、もう少し整備の腕を上げたいな”
そんな方の参考になればうれしいです。
投稿者プロフィール
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元モトクロス国際B級ライダーのヨシキです。
趣味は林道探検、オフロードバイクでどんな山道も散策します。
今は整備士として活躍しているので、メンテナンス、DIYでできる整備など、お役に立てる情報を発信していきたいと思います。もちろんレーサーならではのライテク記事も執筆していくのでおたのしみに。
【愛車たち】
SUZUKI RM-Z250,HONDA CR125,SUZUKI RM80L
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