はい、元バイク屋のフォアグラさんです、こんにちは。
さて今回は、自宅でバイクを整備メンテしている人にお勧めしたい製品を、ひたすら紹介しまくります。
中でも本格的なガレージを持っているわけではなく、自宅の駐輪場や庭で整備をしている人にお勧めしたい物を中心に紹介します。いずれも「絶対にこれがないと整備ができない」という必須の物ではないのですが、これがあると圧倒的に作業が捗る物ばかり。自分がバイク屋で整備の仕事をしていた時に愛用していたもの以外にも、近年新しく発売されて取り入れた物など様々です。
いずれも決して高価なものではありません。むしろ低価格帯の物が中心です。
紹介する物の数も多いので、早速紹介をしていきましょう。
スマートバッテリーチャージャー
まず最初に紹介したいのは、最近発売されたばかりのバイク用のバッテリー充電器です。コレは見付けた瞬間に買ってしまいました。
「バッテリーの充電器なんて持っているんじゃないの?それに昔の記事でオプティメイトを紹介してなかった?」そう思った方いるかもしれませんが、これは全く別物。使い方が異なる充電器なので導入したのです。
オプティメイトはバイク屋時代にも、店で使用していたほど信頼性が高いもので、かつサルフェーションの除去機能なども付いているので、単にバッテリーを充電するだけでなく、コンディションも良い状態に整えておいてくれるというものなのです。
このオプティメイトを使うことがベストなことに変わりはありません。ただ価格が比較的高額で、100Vコンセントを必要とするため基本的にはバッテリーを外して自宅に持ち込まなければなりません。
今回導入したバッテリーチャージャーは、とにかく手軽なのが売り。庭や駐輪場にバイクを置いたままバッテリーを充電できるのです。
で、電源の供給はどうするかと言うと、なんとスマホと同じUSBコンセントやモバイルバッテリーでよいのです。これすごくないですか?モバイルバッテリーから給電できるので、駐輪場にバイクを置いたまま、バイクからバッテリーを外すことなく充電することができるのです。これは便利!
さらに言うと、バッテリーを車体から取り外さずに充電できるということは、バイク側の設定がリセットされないので、走行モードや時計の時刻を再設定する必要もないのです。で、お値段は約4000円です。
そして、実はまだまだ優れた点があります。バッテリーの充電は、やはりバッテリーまでのアクセスが1番面倒じゃないですか。特に冬の寒い日などは、冷たい工具も触りたくないですよね?でもこれは付属のこのSAE端子が付いたケーブルを1度バッテリーに接続してしまえば、次からはこの端子に接続するだけで充電できるのです。
ですのでこの端子をシート下のスペースに出しておけば、あとはこの端子をつげるだけ!もうこれ考えた人マジ天才と思ったら、Kaedear製なのです。この商品を開発している社長さんは、自身が整備士ですから、やはりユーザーのニーズと、作業する側の気持ちをよく分かっているなと関心しました。
一応言っときますけど、案件ではなく、ただ単純に欲しかったので、自分の財布で買ってます この記事ではKaedear製品をいくつか紹介していますが、いずれも同様ですよ。
マグネットスマホスタンド
次に紹介するのはマグネットスタンドです。
もうスマホ無しでは生活できませんよね?今もこの記事をスマホで見ているのではないですか?そう、バイクの整備をする時は、よくスマホを見ますよね。特に動画で「CB400 タンクの外し方」とか「チェーン調整 やり方」なんて検索して、見ながら作業するという方はすごく多いと思います。
そんな方のためにお勧めしたいのが、このマグネット式のスマホスタンドです。
「川の信芸」という、日本風の企業を装った中華企業製品だと思うのですが、悔しいことにこれがすごく良いのです。というのも、作業しながら、油で汚れた手でスマホは触りたくないし、地面や工具箱にただ置いておくだけだと、気付かないうちに傷が付いていたりもします。
なのでこのマグネットスタンドを工具箱にくっ付けてしまうと、非常に見やすく使いやすいのです。磁力もすごく強力なので、これは非常にお勧めできます。「工具箱なんか持ってないよ」という方でも、タンクやフレームにくっ付けて使えるはず。整備中に動画を参考にするという方にはすごくお勧めです。価格も2,000円程度とお手頃です。
もう少し値が張るのですが、このマグネットスマホホルダーもあります。
こちらはバイクのタンクに貼り付けて使うタイプのスマホホルダーなので磁力はさらに強力で、傷がつかないように傷防止シリコンの対策も施されています。工具箱に貼り付けて使うのであれば安い「川の信芸」、バイクのタンクや車の塗装面などに貼り付けて使う場合はKeadearが良いかもしれません。
メンテナンススタンド
これはすでに持っている人も多いでしょう、整備用のスタンドです。
自宅で行うメンテの中でも特に頻度が高いものはチェーンの清掃・注油ですよね。でもちょっと作業してはバイクを動かし、またちょっと作業してはバイクを動かしというのは面倒くさ過ぎます。
立派なレーシングスタンドがあれば良いのですが、なかなかこんなものを自宅に置いておくわけにもいきません。結構お値段もしますし。そこで自分は長い間、こんなローラータイプのものを使ってきました。これの上に後輪を置くことで、回転させられるようになるというものです。
いちいち車体を動かすよりはずいぶん楽になったのですが、これも実は後輪を回すにはかなりの力が必要で、使用感はイマイチでした。また取り回しに不慣れな初心者の場合は、乗せ降ろしの際にバイクを転倒させてしまうかもしれません。
そこで近年はこんな風にスイングアームにセットして車両後部を持ち上げるメンテナンススタンドが普及してきました。
これなら軽い力で後輪を回すことができ、使用感も上場です。これが出てからローラータイプを買う人って、ほとんどいなくなったのではないかと思います。
ただちょっと気をつけて欲しいのは、こうして後輪を持ち上げるので、フロントブレーキをかけた状態にしておかないとバイクが倒れてしまいます。ですので強いゴムでブレーキを握った状態にしておくか、ブレーキロックが付属するセットのものを選ぶとい良いでしょう。デイトナやKaedearのものが特に売れているようですが、低価格な中華製のものもありますね。
自分は最初にデイトナのものを購入したのですが、その形状からちょっと回しにくくて、手が痛かったんですよね。そこでグリップ形状になっているKaedearのものに買い替えたところ、快適に使用できています。その点が評価されているためか、Kaedear製のものはあまり値引きされていません。ブレーキロックも付属しているから良いのですけどね。
使い勝手が良いものが欲しければKaedear、安く揃えたいのなら中華製のものが良いと思います。どのメーカーのものでもいいと思いますが、1つ持っておくとすごくいいですよ。ローラースタンドと比べて便利な上に、置き場所にも困らず、価格帯も変わらないですからね。
電動ドライバー
はい、4つ目いきましょう。それは電動ドライバーです。今まで電動ドライバーというと、左の様なものが多かったじゃないですか。でもこれはちょっとバイクには使いにくいですよね。
近年は右側の様な形状の電動ドライバーが人気で、実際使ってみるとめちゃくちゃ便利で捗るのです。
一般的な電工用ドライバーのような形状で、通常のドライバーとして手回しにも対応、USB-TypeCで手軽に充電もできます。ビットを差し替えることでサイズ変更もでき、価格も3000円程度からと手軽です。
さすがに固着したネジを外すのは無理ですが、たくさんのネジを締めたり外す時には重宝します。またバイクや車の整備以外にも、自宅用としても便利です。自分は整備用として1本、自宅用として1本購入しています。
ただしちょっと注意点があって、低価格帯のものや日本のメーカーのものの多くは、USB-TypeCではなく今時Micro USB充電だったりするので、購入時にはよく確認してください。
中華製工具は精度が不安という方も多いと思いますが、そもそもこの程度の工具に精度を求めるのはナンセンスです。精度が気になる方は、きちんとした工具メーカーの手回しドライバーを使いましょう。楽はしたい、でも精度が悪いものはどうしても使いたくないという方は、先端に取り付けるビットを日本メーカーのものに付け替えればOKです。
電動エアポンプ
では次5つ目。これはもう何度も紹介しているので手短にいきます、電動エアポンプ。
車やバイクを自分で整備している方で、持っていないという人はいないでしょう。以前は物理ボタンを採用しているという理由からKedearのものをお勧めしてきましたが、今は中華製でも物理ボタンを採用しているものが増えてきたので、さほどこだわる必要はないでしょう。
タッチパネル式の方がスタイリッシュではあるのですが、整備中は軍手をしていたり、出先のパンク対応時にはライディンググローブをつけていることが多いので、このツールについては物理ボタンを採用しているモデルの方が便利なはず。
最初に紹介したモバイルバッテリーが使える充電器、手が痛くならないスタンド、そしてこの物理ボタンのエアチャージャーと、Kaedearの製品は価格も手頃ですし、本当に整備士目線というのがよく反映されていると思います。
中華製でももちろんよいのですが、価格もあまり変わりませんし、国内メーカー品としてのサポートの手厚さを考えると、1円でも安い方が良いという方以外は、Kaedearのエアポンプでよいのではないかと思います。実際に自分も購入して愛用していますが、トラブルもなく、空気圧の数値も違和感を感じません。
防錆潤滑剤
では最後に紹介するのは防錆潤滑剤です。いわゆるクレ5-56みたいなやつです。が、実はこの防錆潤滑剤というのは結構個性があるのですよ。皆さん、盲目的に5-56とかホームセンターの安いものを買っていませんか?もちろん安くても良いものはあります。それはそれで後で紹介しますが、まずはこの2種類を紹介します。「ラスペネ 業務用」というものと「ベルハンマー ゴールド」というもの。
この2つは正直に言って安いものではありませんが、使いやすく効果的な良い物です。自分は使用目的に応じてこの2つを使い分けています。
まずこの防錆潤滑剤というのはその通り、防錆つまり錆を防ぐ効果や潤滑をさせる効果があります。バイクの整備においては、もっぱら潤滑を目的として使用することが多いかと思いますが、最も多い使用機会は固着したネジを緩める時でしょう。緩め剤なんて呼ぶこともありますが、この緩める時にお勧めしたいのが「ラスペネ 業務用」です。
これは自分がバイク屋で整備の仕事をしている時にお世話になりまくりました。ラスペネには足を向けて寝られないってくらいです。外せないネジに遭遇した時、このラスペネで大概対応できます。何年も放置された不動車などはどうしようもない場合もありますが、通常はこのラスペネで大体大丈夫。浸透力が高いのでしょう。他の潤滑剤では歯が立たないような固着でも、ラスペネだとあっさり回るという経験をしたユーザーは少なくないはず。
ただ、1本2,000円以上します。ホームセンターの安物だと、ワンコインでお釣りが来ます。あまり使うとオーナーからよく「あんまラスペネばっか使うなよ」と注意されたくらいです。価格の安いものではユニコンの「強力浸透ネジ緩め411N」という製品があるんですが、これも結構良いのです。価格はラスペネよりだいぶ安くて、記事制作時点ではAmazon価格1,366円。5-56に比べればさすがに高いですが、ラスペネよりはだいぶ安いので、予算を抑えたいという方にはお勧めできます。
そしてもう1つの防錆潤滑剤「ベルハンマー ゴールド」。これは緩め剤としてではなく、潤滑剤としてすごいのです。とにかく動きが滑らかになり、きみが取れます。
自分はバイクのチェーンにチェーンルブとして使用しています。サラサラとした液体なので、すぐに飛び散るイメージを持つかもしれませんが、潤滑成分は割と滞留するので、イメージよりは持つ感じです。もちろん専用の白いチェーンルブの方が持ちますが、この潤滑性能はかなり癖になります。自分はもう白いチェーンルブは久しく使っていません。このベルハンマーゴールドはシールチェーンにも問題なく使用することができます。
ただ、やはり高いのです。420mmのスプレーで4,000円くらいします。1本買ってしまえばバイク以外にも使えるし、何年か使えるものなので、特別高いというわけではないのですが、やはり1本4,000円のスプレーを買うとなると、悩んでしまう気持ちも分かります。
そんな方にはAZの「CKM002」がおすめです。量は50mlで、スプレーでもないのですが、価格はこの記事制作時点で550円なので圧倒的に低価額です。50mlという量も、試して効果を体感するには十分な量でしょう。こちらもゴムへの攻撃性が低い設計で、シールチェーンに使用可能となっています。
時々「ベルハンマーは塩素を含んでいるから使わない」という方がいますけれども、こちらは塩素フリーの設計になっています。まあ10年以上使うようなパーツだったら気にするところかもしれませんが、潤滑剤に含まれる程度であれば、自分は塩素はあまり気にしません。とはいえ、含まないに越したことはないでしょう。
まとめ
というわけで、今回は自分でバイク整備をしている皆さんに役立てそうなアイテムを紹介 してみましたが、いかがでしたか?予算を抑えつつも利便性の高いアイテムが紹介できたのではないかなと考えてます。
今回の記事は下記の動画でも詳しく解説していますので、こちらも是非ご視聴ください。
それでは今回も最後までごご覧いただき、ありがとうございました。
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投稿者プロフィール
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元バイク屋のYouTuber。
バイクライフに役立つ情報を毎週配信。
メカの話やバイク購入アドバイスはもちろん、用品レビューやバイク屋裏話まで、バイク乗りなら誰もが気になるテーマばかり。
ちなみに中身はアラフォーのおっさん。
好物はサッポロ黒ラベルとキャベツ太郎だが、子どもができて以来、ふるさと納税で貰った無糖レモンサワーで節約している。
最近、血糖値と血圧を気にしているらしい。
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