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知識テクニックライディング

【ライテク上達講座#5】飛ばさなくても気持ちいい、エンジンの回し方 Vol.1

小川 勤
最終更新日 2023/02/28 16:03
小川 勤
Published: 2022年11月19日
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今どきのエンジンは超高性能。でも回せないストレスも……

近年のバイクのエンジンは、排気量を問わず、どの回転でも扱いやすい。特にビッグバイクとなるとスペックは十分すぎるほど。スポーツ系のバイクであれば市街地だとずっとナラシのような走り方になってしまうのも事実である。

目次
  • 今どきのエンジンは超高性能。でも回せないストレスも……
  • 目的に合ったエンジンの回転数って?
    • A.アイドリング〜4000rpm
    • B.4000rpm〜8000rpm
    • C.8000rpm〜12000rpm
  • ビッグバイクは、高回転を使うとメリットよりもデメリットが多い
  • もちろん排気量やバイクによっても使う回転は様々

ワインディングでも漠然と「コーナーは低いギヤで回らないと」とか「立ち上がりではエンジンを回さないと」と思っている方は多いと思う。

そこで、まずはシチュエーションに合ったエンジンの回転数やギヤを考えてみよう。

目的に合ったエンジンの回転数って?

エンジンは、回転が上がれば力強く加速するし、回転が下がれば加速力が弱くなる。こう表現するとエンジンは回した方が良いと思いがちだが、回転数が上がった時のデメリットもある。

そこで1000ccくらいのスポーツバイクにおけるエンジンの各回転域におけるメリットとデメリットを挙げてみよう。

最高速やゼロヨン加速を求めるならエンジンはしっかり上まで回しきった方が良いが、ビッグバイクだと公道では非現実的。そこでハンドリングや扱いやすさを考えるとAとBの領域をいかに上手く効率よく使うかがテーマになる。

A.アイドリング〜4000rpm

メリット → スロットルを開けやすい・エンブレが弱い・燃費が良い
デメリット → 加速力が鈍い・トルクが細い
スロットル操作に対する反応が穏やか。エンブレも弱くこの回転域なら軽く曲がることが可能。ただし安定感がなかったり、加速力に物足りなさを感じることも。

B.4000rpm〜8000rpm

メリット → 扱いやすいトルクを発揮
デメリット → Aと比べるとエンブレが安定しにくい
トルクの出方が穏やかで力強さもある。もっとも安定してエンジンの特性を引き出せる領域。

C.8000rpm〜12000rpm

メリット → パワーがある・レスポンスが良い
デメリット → エンブレが効きすぎる・スロットルを開けにくい・燃費が悪い
強烈な加速ができる一方で、パワフルすぎて開けられない一面も。もちろんリッタークラスであれば公道でこの領域に踏み入れることはほぼない……はず。

では日常ではどんな領域を使うのが良いのだろう? 高速道路のような安全な直線だと、Cの領域を面白く感じることがあるかもしれないが『バイクを操る=スポーツライディングを楽しむ』と考えるとAやBを使うのが得策。

峠のカーブの進入ではハンドリングの軽さが必要だからAかBの領域であることが大切だし、立ち上がりではAの上の部分からBの下の領域でスロットルを大きめに開けて加速に備えることが大切になる。

ビッグバイクは、高回転を使うとメリットよりもデメリットが多い

『頑張って走る=高回転』という思考になるのももちろんわかるが、高回転で足枷になるのがエンジンブレーキで、エンジンブレーキは前後ブレーキと違ってライダーのコントロール下になく、スロットルを戻した時に減速しすぎてしまい、エンジンのジャイロ効果(回転物が回り続けようとする力)も大きい。そうすると車体が重くて曲がらない症状が出て、思い通りのラインを通るのが難しい。

でも、低回転・低いギヤでしか走っていなかったら物足りないのも事実。安定性が欲しい時は、回転を上げる必要があるし、高速道路の追い越しなどでしっかり加速したい時はシフトダウンして回転数を高めた方が良い。

ちなみにエンジンは低回転ばかり使っていると、内部にカーボンが溜まってしまうし、スロットルボディやインジェクター周辺がガソリンの吹き返しで汚れ、アイドリングが安定しなくなったりするケースも最近は多い。だから回せる時は回した方が良いだろう。

峠では速さよりもハンドリングの軽さが大切。エンジン回転を上げるとハンドリングは重くなる、回転を下げれば軽くなる傾向にある。

今どきのビッグバイクでエンジンを回せるのは高速道路くらい。エンジンもたまには上まで回した方が調子を維持することができる。

もちろん排気量やバイクによっても使う回転は様々

バイクの排気量やカテゴリーで、気持ちの良い領域や効率の良い領域は変わってくる。

排気量348cc、最大出力20ps/5500rpm、最大トルク3.0kgm/3000rpmのホンダGB350と排気量1103cc、215.5ps/13000rpm、最大トルク12.6 kgm/9500rpmのドゥカティパニガーレV4では、当然使う領域はまるで異なる。

ちなみにGB350のレブリミットは6000rpmで、パニガーレV4Sのレブリミットは1万4500回転(6速は1万5000回転)という差がある。

しかし、エンジンを主に使う回転域には共通点があり、それはトルクカーブの立ち上がる領域だ。トルクカーブを見るとGB350はアイドリング付近から3000rpm、パニガーレV4は4000-9000rpmという感じ。ただし、普段9000rpmまで回すのは現実的ではないだろう。

まずは直線で、愛車のトルクの立ち上がる回転から開けてみよう。ゆっくり徐々に開けるのでなく、素早く大きく開けることがポイント。これがカーブで応用のできるスロットルの開け方になっていくので、試してみよう!

 

対照的な2台のバイクを比較。ロングストロークエンジンのGB350とショートストロークエンジンのパニガーレV4。ただそれぞれに共通する気持ちの良いエンジン回転域は存在する。それはトルクの立ち上がる部分だ。

GB350はエンジン特性から4000rpmで十分高回転になる。前途したメーターの写真はまったく当てはまらない。どのバイクでも最大トルクを発揮する2000〜3000rpmくらい下の回転域からスロットルを開けるとエンジンのおいしいところを使って加速することが可能だ。

次回、ライテク上達講座#6「飛ばさなくても気持ちいい、エンジンの回し方」Vol.2では、具体的なスロットル操作とそれによる後輪のグリップの高め方を解説しよう。

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投稿者プロフィール

小川 勤
1974年、東京都生まれ。18歳からバイクライフをスタート。出版社に入社後、 20年以上バイク雑誌一筋で編集者生活を送り、バイク誌の編集長を8年ほど
経験。編集人生のモットーは、「自分自身がバイクに乗り、伝える」「バイクは長く乗るほど楽しい!」。過去 には、鈴鹿4耐などの様々なイベ
ントレースにも参戦。海外のサーキットで開催される発表会に招待いただくことも 多く、現地で試乗して感じたことをダイレクトに誌面やWEBに展開してきた。
2022年、フリーランスのモーターサイクルジャーナリストとして始動。
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By小川 勤
1974年、東京都生まれ。18歳からバイクライフをスタート。出版社に入社後、 20年以上バイク雑誌一筋で編集者生活を送り、バイク誌の編集長を8年ほど 経験。編集人生のモットーは、「自分自身がバイクに乗り、伝える」「バイクは長く乗るほど楽しい!」。過去 には、鈴鹿4耐などの様々なイベ ントレースにも参戦。海外のサーキットで開催される発表会に招待いただくことも 多く、現地で試乗して感じたことをダイレクトに誌面やWEBに展開してきた。 2022年、フリーランスのモーターサイクルジャーナリストとして始動。
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