バイク大好きフォアグラさんです、こんにちは!
ご存知の方も多いと思いますが2021年4月に自賠責保険料が改定されたので、今回は250・400・大型バイクの維持費について具体的にどれくらい違うのかということを説明していきたいと思います。
250か400かで悩んでいる方、400と大型で悩んでいる方には特にお役に立てる情報かと思います。
ただ一概に250・400・大型といっても、車種によって燃費もパーツ一つの値段も違いますので、基本的には排気量ごとで決まっている税金や保険料金について、まず解説をしていきます。そして消耗品の代表格ともいえるタイヤを例に、種類や排気量の大きさごとにどれくらいの差があるのかということもお伝えしようと思います。
バイクの維持に絶対必要! 税金について
バイクに関係する税金は、重量税と軽自動車税の二つがあり、これは書類上の使用者に納税の義務が生じます。
あえてこのような言い方をしているのは、ローンを組んでバイクを買っている場合、車検証などの書類上の所有者はローンを組んだ信販会社の名義になっている場合が多いからです。ローンを組んでバイクを買った方の書類は所有者が信販会社、使用者が実際にそのバイクに乗っている人が名義となるのが一般的です。つまり納税しなければならないのは、実際に普段そのバイクを使っている人、買った人ということになります。
重量税は車検がない250cc以下のバイクであっても、新車を登録するときのみ4,900円がかかります。中古車で購入する場合は前のオーナーが既に支払いを終えていますから、課税されることは一切ありません。
そして251cc以上の車検が必要なバイクに関しては、排気量に関係なく課税される金額というのは全く同じですが、登録からの年数によって課税金額が変わります。具体的な金額は下記をご覧ください。
車検のあるバイクは車検の都度重量税を納めることになるので、基本的には車検代の一部だと思っていただいても現実的には差し支えありません。
原付以外の2輪車というのは126ccから250ccまでの軽二輪、251cc以上の小型自動二輪の2種類しかないので、400ccだろうが1300ccだろうが税金は全く同じなんです。 4輪の場合は重さや排気量で細かく設定されていますから、意外に思われた方も多いんじゃないでしょうか?
そしてこのバイクの重量税って、今説明したようにそれほど大きな金額ではないですよね。250ccなら新車の登録時の一度きりでそれ以外は0円ですし、車検のあるバイクだって、やはり車検車だとしてもそれほど気にするような金額ではなさそうですね。
もう一つの税金である軽自動車税は毎年4月1日時点で課税されます。
この軽自動車税も原付以外では250cc以下と251cc以上の2種類の区分しかありません。
ですので税金だけをまとめると、基本的に250cc以下の場合と400ccや大型はそれぞれ下記の表のようになります。四輪に比べるととても安い金額といえるのではないでしょうか。
重量税と軽自動車税の比較 |
||
排気量 | 126cc~250cc | 251cc~ |
重量税 | 4,900円(新車購入時のみ) | 1,900円(登録初年度~12年目) |
― | 2,300円(13年目~17年目) | |
― | 2,500円(18年目以降) | |
軽自動車税 | 3,600円 | 6,000円 |
合計 | 3,600円(新車購入時のみ8,500円) | 7,900~8,500円 |
自賠責と任意 2種類の保険について
保険には2種類があります。
まずは絶対に加入しなければならない自賠責保険。これは税金同様この保険に加入しなければ公道を走行することができません。
250ccは12ヶ月から60ヶ月まで、自分で期間を選んで加入することができますが、ここでは車検のあるバイクと同じ条件にするため24カ月で比べてみましょう。ちなみにこの自賠責保険に関しても、車検の必要な251cc以上のバイクは何ccでも同じ金額です。
自賠責保険料の比較 |
||
126cc~250cc | 251cc~ | |
12ヶ月 | 7,540円 | 7,270円 |
24ヶ月 | 9,770円 | 9,270円 |
25ヶ月 | ― | 9,440円 |
36ヶ月 | 11,960円 | 11,230円 |
37ヶ月 | ― | 11,390円 |
48ヶ月 | 14,110円 | ― |
60ヶ月 | 16,220円 | ― |
24ヶ月の自賠責保険は車検のある小型二輪の方が若干安くなっていますね。もっと長期の契約にすれば250cc以下の方が1年あたりの掛け金が安くなりますが、どちらにせよあまり差がつかないと言えるかと思います
では続いて万一の事故の際、自賠責保険では補償しきれない部分を補う任意保険の金額ですが、これは126cc以上はすべて同じ金額です。さらに言ってしまうとリッターオーバーのスーパースポーツだろうが通勤用の150ccのスクーターだろうが同じ金額なんです。4輪の場合は車種によって変わりますが、バイクの場合それがありません。ただし年齢の区分は四輪と同じように存在します。
そして多くの保険会社で全年齢適用となる若い人を対象とした保険は、極端に割高な保険料の設定となっています。きちんとした補償内容で加入しようとすると10万円前後になってしまうというのが普通です。それだけ若い方の事故率が高く、保険会社にとってリスクの高い加入者であるとも言えます。
しかし、どんなに高額であっても、任意保険には必ず加入するようにしてください。高額ではありますが、もし一生かかっても償いきれない事故を起こしてしまった場合に、若い人こそ失うものも大きいわけです。保険に入るお金が工面できないというのであれば共済という手段もあります。
共済については以前作成した動画で詳しく説明しているので、ご興味のある方はリンクの動画をご覧になってください。
共済というのは事故の賠償に対する備えという意味では保険と同じです。ただし保険に比べると事故対応の満足度が低い傾向にはあるので、そこは掛け金の安さとのトレードオフといえるかと思います。
各種税金と保険のまとめ
250ccとそれ以上の場合で1年あたりの税金と自賠責を一覧にすると、下記の様になります。なお、任意保険は排気量に関係なく同額であることからここでは除外します。
税金+自賠責(1年間)の比較 |
|||||
排気量 | 126cc~250cc | 251cc~ | |||
年度 | 登録初年度 | 2年目以降 | 登録初年度~12年目 | 13~17年目 | 18年目以降 |
税金 | 8,500円 | 3,600円 | 7,900円 | 8,300円 | 8,500円 |
自賠責料金 | 4,885円 | 4,635円 | |||
合計 | 13,385円 | 8,485円 | 12,535円 | 12935円 | 13,135円 |
注:自賠責料金は24ヶ月の料金を1年あたりに換算しています
新車購入でない限り250ccは1年あたりで8,485円、車検のあるバイクは12,535円~13,135円ということになります。意外に思われるかもしれませんが250ccと車検のあるバイクの税金と保険料の差って1年あたり4,000円程度しかないんですね。
でも400や大型は車検があるから維持費はもっと高いだろうと考える方も多いと思い ます。では次は車検の費用について解説をしていきましょう
車検の有無でどれだけ違う? 車検費用の内訳
そもそも車検費用とはどのような内訳なのでしょうか?
大手の2輪用品店である「にりんかん」の料金表を例に見てみましょう。リッターバイクや外車だったりするとこれよりも少し割増料金があると思いますが、とりあえず車検を通すだけというのであれば46,950円からとのことで、約5万円ですね。
車検費用の内訳(にりんかん 400ccの場合) |
|||
基車検本料金(法定点検64項目の基本コース) | 32,780円(税込) | 内訳 | |
整備料 | 5,500円(税込) | ||
法定点検料(24ヶ月点検) | 24,000円(税込) | ||
事務手数料 | 3,080円(税込) | ||
法定費用【重量税・自賠責・検査手数料(印紙代)】 | 14,170円~(非課税) | ||
車検合計費 | 46,950円(税込) |
*2021年4月現在
一見するとこの5万円が250ccと400ccとの差額になりそうな印象を持ちますが、税金や保険料などを除く32,780円が点検料や陸運事務局でラインを通すという手数料などですね。しかしながらこの車検を受けるために24ヶ月点検というものが行われ、悪いところがあれば発見できて安全に乗ることができるわけですが、250 ccの場合このような点検が義務付けられていないわけです。
もちろん車検がないからといって点検を受けなくていいという理由にはなりません。車検がない車両でも走れば消耗品が劣化していきますし、年数の経過で車体だって痛んできます。ですので、せめて12ヶ月点検は毎年受けるようにしてください。もちろん車検のあるバイクでも24ヶ月点検に加えて12ヶ月点検も義務ですので、その点検料が必要です。
250ccでも1年に1回12月点検を受けるという条件で計算し、すでに計上してある自賠責の9,270円を抜いて考えると、実は1年あたりにするとその差額は 1万円ちょっと、一日当たり40円です。
ちなみに250ccの重量税を0円とし、税金も全て含めて計算しても、1年あたりの差額は約15,000円程度です。バイクを購入する金額、維持をする金額を総合的に考えると、車検費用の差額は決して大きなものではないと思います。
では次は、車検代や税金の他にかかるであろう、ガソリン代や消耗品代の目安についての解説をしていきましょうか。
意外な結果? ランニングコストの目安
ここから説明することは個人の状況や車種によって大きく変動してくるものです。
排気量や気筒数、住んでいる地域の道路事情によって燃費は大きく異なりますし、当然走る距離によっても年間のガソリン代は変わってきます。駐輪場の料金も都会と地方では大きな差がありますし、走り方や車種によってタイヤなど消耗品の価格や耐久性も変わってきます。ですのであくまで排気量と気筒数ごとに燃費の目安をまずお伝えしようと思います。自分の条件に落とし込んで、おおよその金額を推測してみてください。
燃費について
インジェクションのバイクで、あまり攻めた走りはしないという前提での下記の目安を提示します。くどいようですがこの目安から大きく外れることもあるのでご了承ください。
排気量と気筒数別 燃費の目安 | |||
単気筒 | 2気筒 | 4気筒 | |
250cc | 25~35km/L | 20~30km/L | 20~25km/L |
400cc | 20~30km/L | 20km/L前後 | 15~20km/L |
600ccやリッターオーバーであったとしても、よほど攻めた走りや流れの悪い道でもない限り10km/Lを切ることは少ないと思います。1500ccを超えるような大きな排気量であっても、高回転まで回らないアメリカン等は燃費が良い傾向にあります。
よく250ccだと燃費が抜群に良いと考える方もいますが、トルクがない分高回転まで回さなければならず、400ccと実は大差ないモデルというものも存在します。
燃費を20km/L、ガソリン代を140円/Lで計算すると、年間5千km走る人なら35,000円、1万km走る人なら7万円、15,000km走る人なら10万5000円ということになりますね。
消耗品のコストについて
今回は最もコストのかかる消耗品であるタイヤを例に挙げてみようと思います。
まずタイヤにはいくつかの種類があります。オフロードバイクなどに採用されている チューブタイヤ、そして現代のロードスポーツバイクの大半に採用されているチューブレスタイヤ。さらにそのチューブレスタイヤにはバイアスタイヤラジアルタイヤの2種類がありますね。
チューブタイヤやバイアスタイヤのコストは比較的安いですが、ラジアルタイヤというのは高めの価格設定となっています。また排気量が大きくなるにつれて高出力化し車体も重くなるので、タイヤの摩耗は早くなる傾向にあります。
タイヤのメーカーやグレード、グリップ力などによって値段というのは大きく変わってきますが、ハイグリップタイヤは値段が高いうえ、大型のスーパースポーツなどに履かせてスポーツ走行すると3000キロも持たないなんていうこともあります。
400ccと大型バイクを比較した場合保険や税金は全く同額で燃費もさほど影響はありませんが、大きな差が出てくるのはこの消耗品をはじめとした個々のパーツの消耗の早さと価格の高さです。経験上のざっくりとした話ではありますが、同じジャンル同士の車種を比較した場合 、400ccと1000ccクラスではおおよそ1.5倍から2倍ぐらいの消耗品の差があるように感じます。
くどいようですが燃費に関しても消耗品に関しても、車種や乗り方・環境によって大きく変わりますので、あくまで目安としてください。
今回のまとめ
どうでしょう。総合的に考えてみると意外と250ccと400cc、大型ってイメージほど差がないように思いませんか? まあこの差は大きいと捉えるか小さいと捉えるかは人それぞれですが、絶対にお伝えしておきたいことは、本当は400ccや大型が欲しいんだけど、車検があるからというだけで250ccをと考えるというのは止めてほしいということです。
250ccでも400ccでも数十万円の大きな買い物であることには変わりありません。足付きが良くて軽いバイクが欲しいからとか、高回転まで回るバイクが欲しいから、もしくはオフロードのバイクが欲しいからといった理由で250ccを選ぶのは大賛成です。ただ、維持費のことばかりを考えて250ccを選んでしまうと、後悔する確率も非常に高いです。ぜひ維持費や車検代にとらわれず、本当に欲しいと思う一台を選んで頂ければと思います。
今回は250ccと車検のあるバイクの維持費を具体的に比較していましたがいかがでしたか?
最後までご覧いただきありがとうございました。
今回の記事は下記の動画でも詳しく説明していますので、ぜひご覧ください。
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投稿者プロフィール
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元バイク屋のYouTuber。
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メカの話やバイク購入アドバイスはもちろん、用品レビューやバイク屋裏話まで、バイク乗りなら誰もが気になるテーマばかり。
ちなみに中身はアラフォーのおっさん。
好物はサッポロ黒ラベルとキャベツ太郎だが、子どもができて以来、ふるさと納税で貰った無糖レモンサワーで節約している。
最近、血糖値と血圧を気にしているらしい。
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