みなさんこんにちは!整備士ライダーのヨシキです!
あったかくなってきましたね。春の陽気に誘われて“そろそろバイクを出そうかな?”なんて考えている方も多いのではないでしょうか。特に雪国の方にとっては待ち望んだアスファルト路面なのではないでしょうか。
ですがちょっと待ってください。冬眠明けの点検は万全ですか?
待ちに待ったバイクシーズン、早く走り出したい気持ちはよくわかります。しかし、バイクも人間と一緒。休んでいた後に急なロングツーリングは思わぬトラブルの原因になりかねません。
ということで今回は冬眠明け・長期放置後のバイクを乗り出すときにチェックしたい整備項目6つをご紹介していきます。どの項目もちょっとした点検・メンテナンスです。ぜひ実施してあげてください。
冬眠明けのバイクは必ずチェックしたい6項目
それでは早速必ずチェックしたい6項目を見ていきましょう!
空気圧
まずはタイヤの空気圧。タイヤの空気圧は1か月で約10%減少すると言われています。何か月も放置しているバイクでは空気圧が低下し、パフォーマンスが十分に発揮できないかもしれません。
長期保管後の乗り出し前にはタイヤに十分空気が入っているか確認しましょう。確認方法は空気圧専用のエアゲージを使います。エアバルブにゲージを接続して規定値まで空気圧が上昇すればOKです。
エアゲージは工具屋さんでも購入できます。持っていなければメンテナンスグッズの一つとして購入しておいても損はないでしょう。
適正な空気圧はメンテナンスノートをチェック
バイクの適正な空気圧は車種によって異なります。多くのバイクはスイングアームに空気圧のステッカーが貼ってありますが、見当たらない時にはメンテナンスノートにも記載があります。
どうしても空気圧の規定値が見つけられない場合はネットで検索してみるのもいいでしょう。“メーカー・車種・空気圧”などの検索ワードで調べれば一発です。
バッテリー
冬眠明けはバッテリーも劣化しています。セルが元気よく回らなかったり、まったくエンジンが掛からない場合にはバッテリーの交換や充電が必要です。
シーズンが始まる前には一度バッテリーの充電をしておくと良いでしょう。
バイクのバッテリーは寿命が短め
バイクのバッテリーは非常にコンパクトで寿命も短め。一般的に2~3年で交換を推奨されているので、数年バッテリーを交換していないのであればメンテナンスついでにバッテリーは交換しておきましょう。
燃料タンクのサビ
バイクを雨ざらしで保管している方や、燃料タンクが空のまま長期間放置している車両は燃料タンクの中がサビていないかも点検しておきましょう。
点検方法は給油口からタンクの中を覗くだけ。サビが進行している場合はタンクの中に茶色いゴミがたくさん溜まっているはずです。
万が一サビがひどくなってしまった場合はエンジンを掛けずに修理を依頼しよう
点検してみて、もしサビがひどかった場合にはエンジンを掛けずに修理をしましょう。そのまま乗ってしまうと燃料の通り道にサビが詰まってしまってエンジンが掛からなくなったり、エンジンにダメージが入る場合があります。
もし自分で処理する場合は、タンクに残ったガソリンをすべて抜きとり、目に見えるサビを除去。その後サビ転換材でサビの進行を食い止めます。
DIYが好きでレストアに興味がある方は実践してみてはいかがでしょうか。
チェーンの張り・サビ
次はチェーンのサビや張り具合の点検。チェーンがサビついていた場合は注油と清掃。チェーン遊びが大きくなっていた場合は張り具合の調整をします。
チェーンの張り具合についてはメーカーの規定値があるので、こちらを参考にするのがベストですが、簡易的に調べるのであればスイングアームとチェーンの間に指が3本以上入らないようにするのが目安です。
逆に1本も指は入らないくらい張っている場合は遊びが少なすぎるので調整しましょう。
チェーンのサビが著しい場合は要交換
チェーンは消耗品です。適切なメンテナンスを行っていてもサビや摩耗によって性能が衰えていきます。あまりにサビがひどい場合には、無理に清掃で対応しないで新品に交換してしまいましょう。
ブレーキの効き具合
ブレーキの効き具合も乗り出し前の点検では重要です。点検方法は次の作業で行います。
- エンジンを掛けずにバイクにまたがって、ブレーキを掛けた状態でバイクをゆすってみましょう。きちんと止まっていれば大丈夫です。
- 次にバイクを引き回してみて、スムーズに動けば問題ありません。
どちらのチェックでも違和感がないことを確認しましょう。
ブレーキが効かない・引きずるときはお店で点検
ブレーキを点検してみて、“効きが悪い”、“ブレーキが引きずってバイクの引き回しが重たい”といった場合には修理や点検が必要です。ブレーキ周りの整備は安全に関わるので、プロに依頼しましょう。
レバーの動き
最後にレバー類の点検です。クラッチレバー、ブレーキレバー、チェンジペダルなど、操作部分がすべてスムーズに動くか確認しましょう。
触ってみて違和感がある場合はグリスアップに挑戦してみては?
もし“レバーが重たい”、“動きが悪い”という症状が出ているなら、グリスアップに挑戦してみてはいかがでしょうか?特にブレーキレバーはボルト1本で止まっているので取り外しも簡単。
キレイに清掃してグリスを軽く塗布して組み付ければほとんどの場合動きが良くなります。もしそれでもだめなら原因は別にあるので、お店に持っていきましょう。
全体の点検が終わったら各部分のグリスアップ
さて、一通り点検が終わったら、各部をグリスアップしてメンテナンスは完了です。簡単なグリスアップなので自分でもすぐにできますよ!
グリスアップはリチウムグリスでOK
グリスアップに使うグリスはリチウムグリスでOKです。ホームセンターで数百円で売っています。これを各レバー類の付け根に軽く塗っていきます。
ウォータープルーフグリスだと尚良し
もし、こだわってグリスアップをするなら耐水性のウォータープルーフグリスがオススメ。ウォータープルーフグリスは防水性で、水分による劣化が少なく、雨水などで流れ出しにくいのが特徴。露出面の多いバイクのグリスアップに最適です。
ステップやキックペダルなどはスプレーグリスがおすすめ
また、分解しにくいステップやキックペダルなどはスプレーグリスの使用がおすすめです。リチウムグリスよりはお値段がするので大量に使用するのはコスパが悪いですが、価格を気にしないならすべてスプレーグリスで対応しても問題はありません。
むしろ作業性を考えたらスプレーグリスが一番楽かもしれませんね。
走行前点検で春のツーリングを楽しもう!
バイクを長期保管した後は各部のチェックは必須です。あまり乗っていないからといっても、放置しているだけでグリスは劣化しますし、タイヤの空気も減っていきます。
メンテナンスに慣れていない方だと今回ご紹介した点検項目は少し多く感じるかもしれません。ですが、難しい作業はありませんし、工具もほとんど使いません。ぜひ日々の点検内容の一つとして実践してみて下さいね。
投稿者プロフィール
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元モトクロス国際B級ライダーのヨシキです。
趣味は林道探検、オフロードバイクでどんな山道も散策します。
今は整備士として活躍しているので、メンテナンス、DIYでできる整備など、お役に立てる情報を発信していきたいと思います。もちろんレーサーならではのライテク記事も執筆していくのでおたのしみに。
【愛車たち】
SUZUKI RM-Z250,HONDA CR125,SUZUKI RM80L
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