150ccクラスのバイクというと国内では、免許制度や保険制度の関係で中途半端なイメージが強く、125ccクラスや250ccクラスのバイクに比べてラインナップが少ないのですが、日本以外のアジア圏、特に東南アジアでは高級バイクとして高い人気を誇っています。
今回は、国内でもこれからの普及が期待される150ccクラスのギア付きバイクについて、その魅力をお伝えすると共に、国内で新車が買えるバイクのうち、今、アナタが買うならコレだ!という1台を見つけていただきたいと思います。
なお、以下の説明の【国産車】と【輸入車】は、それぞれ次のような定義で区分けしています。
【国産車】国内メーカーの正規ディーラーで販売車両としてラインナップされている車両。
【輸入車】上記【国産車】以外の車両。
150ccクラスの魅力
現在、国内で高い人気を誇るPCXやトリシティといったスクーターは、125ccクラスと150ccクラスの両方がラインナップされています。
たった25cc~30ccといった、小さなお猪口一杯にも満たない排気量差であれば、税金や保険が安い125ccクラスばかりが売れて、150ccクラスは売れないんじゃないの?と、思ってしまいがちですよね?
でも実際は、150ccクラスも売れてるんです!両者を乗り比べた人の多くは、こう言うそうです。
「全然違う!」
そう、たった25ccの違いが、数値以上のパワーの余裕を生むのです。
そして、高速道路などの自動車専用道路の走行が可能となり、行動範囲の輪も格段に広がります。
また、上記のような魅力を得られつつ、比較的安価で燃費良いのです。このため、“コスパの優等生”であり、ビジネスシーンにも広く利用する事ができるのです。
ギア付きモデルの魅力は?
車格がフルサイズ(一例として、前後17インチサイズのタイヤを備えているといったもの)であり、必要十分なパワーがあるというのが1つの魅力です。
125ccのギア付きバイクも存在しますが、フルサイズとなるとトルクや出力不足を感じる事もあり、必要十分なパワーを得ようとした場合には、超高回転型のエンジンとする必要がありました。このため、125ccでギア付きのバイクをリリースする場合には、車格を小さくしたりして、車重の影響等によるパワー不足をカバーするといった側面もあったのです。
これに対し、150cc化する事で、数値的なパワーの差は少なくても、常用回転域で扱いやすいパワーを発揮できるようになり、普段の足からツーリングまで、幅広い用途で利用できるようになってきているのです。
また、ギア付きの150ccクラスのバイクの多くは上述したように、東南アジアでは高級バイクとして扱われています。このため、装備や細部の作りがしっかりしたものが多く、クラス以上の高級感を味わう事ができる車種が多いというのも事実です。
2023年、国内で今、新車で買える車種8選
【国産車】SUZUKI ジクサー150
2023年モデルのジクサー150は、私も試乗させてもらった事があるのですが、非常に優秀です。150ccモデルとしては、シート高がやや高いのですが、車重が139kgと軽いので、停止時や取り回しなどにも不安はありませんでした。
また、2022年モデルまでは、“高回転域での振動が激しすぎる”といった内容のレビューもあったのですが、2023年モデルでは、排ガス規制への対策として最高出力を若干抑えた事で、高回転域での振動も抑制され、長時間のライディングでも疲れにくくなっているような気がしました。
ビジネスシーンでも気兼ね無く使いたい!そんなアナタにオススメな1台です!
購入可能販売店:国内スズキ二輪車販売店で購入可能
新車購入価格:385,000円(税込)
【輸入車】YAMAHA R15M
国内では、YZF-R15Mといった名称とされていますが、海外では単にR15Mと称されています。
ひと目で解る“ただものでは無い”感は、その外観がYMAHAスポーツバイクのフラッグシップであるYZF-R1Mをオマージュしているからに他なりません。
SOHC型のエンジンでありながら1万回転までの高回転を実現することで19.3馬力の最高出力を絞り出すのは、回転域に応じてカムを切り替える事でバルブの開閉タイミングを変化させるVVAと呼ばれる技術によるものでしょうか。このクラスでパワーが欲しいなら、YAMAHA1択かもしれません。
誰が見てもカッコいい!そんな相棒が欲しいアナタにオススメな1台です!
生産国:インド(Indonesia YAMAHAモデル)
購入可能販売店(参考):SOXグループ(株式会社バイク館イエローハット)で購入可能
新車購入価格(参考価格):479,000円
【輸入車】YAMAHA XSR155
R15と同じパワーユニットを搭載したこのモデルは、純正タイヤにデュアルパーパス用の物が設定されていると共に、アンダーガードが備えられていることからも、走りのシーンを選ばないタフなバイクであるという事がわかります。
また、19.3馬力の最高出力と、フラットに仕上げられたシートは、タンデム走行にも適しています。そして何より、上位車種である700ccや900ccのXSRと並べても引けをとらない細部の仕上りへのこだわりは、このクラスのネイキッドタイプでは群を抜いています。
周囲の目を引きたいオシャレな高級派指向!そんなアナタにオススメな1台です!
生産国:インド(Indonesia YAMAHAモデル)
購入可能販売店(参考):アーバンゲート福岡で購入可能
新車購入価格(参考価格):488,000円
【輸入車】YAMAHA MT-15
こちらも、R15やXSR155と同じパワーユニットを搭載しているモデルです。
直近の兄貴分であるMT-25や、MT-07は、シート高が低く、初心者や女性にもフレンドリーという印象を持つバイクとして知られています。一方、コチラのMT-15は、比較的高いシート高(810mm)や、150ccクラスには珍しい倒立フロントフォークなどの豪華な装備から、MTシリーズのハイエンド側に位置するMT-09やMT-10と同様なコンセプトを持つバイクだと推察されます。
つまり、このMT-15は、普段使い可能な小排気量のネイキッドモデルでありながら、シャープなハンドリングを持つ生粋のスポーツバイクでもあるのです。
普段使いとスポーツ走行、どちらも目一杯楽しみたい!そんな欲張りなアナタにオススメな1台です!
生産国:インド(Indonesia YAMAHAモデル)
購入可能販売店(参考):エナジーモンスタースタイルで購入可能
新車購入価格(参考価格):358,000円
【輸入車】HONDA CBR150R
全長×全幅×全高が1,983×700×1,077(単位はmm)と、数値としては決して大きくない値でありながら、実際の車両を見てみると大きく立派に見えるといった不思議な魅力があります。また、139kgという車重と、絞り込まれたタンク、及び782mmというシート高は、女性や小柄な方がかかえる足つき性の不安を払拭してくれると思われます。
走りに関しては、7,000回転で14.4Nmというトルクを発揮する事から、高速道路を走行する際の合流などでも不安の無い力強さを感じる事ができます。また、低速域でも高いトルクを発揮する事ができると共に、乗車した際には、ネイキッドタイプに近いアップライトなライディングポジションとなることから、見た目に反して非常に扱いやすいバイクと言えます。
カッコ良さと扱いやすさのギャップ萌にキュンとしたい!そんなアナタにオススメな1台です!
生産国:タイ(Indonesia HONDAモデル)
購入可能販売店(参考):横山輪業で購入可能
新車購入価格(参考価格):539,000円
【輸入車】HONDA CB150X
全長×全幅×全高が2,031×796×1,309(単位はmm)と、150ccクラスの中ではかなり大柄な車体をもちながら、その車重は139kgと非常に軽い本格派アドベンチャーです。
”本格派”と書いたのは、コチラの車両、最低地上高が181mm、フロントフォークのストローク量が150mmとなっているからです。この値は、国産小排気量の人気アドベンチャーモデルであるKawasakiのヴェルシス250X(最低地上高:180mm、ストローク量:130mm)や、SUZUKIのVストローム250(最低地上高:160mm、ストローク量:120mm)を上回る値なんです。軽くて長い脚を持つCB150X!かなり遊べるバイクである事は間違い無いですよね。
色々なシーンでガッツリ遊びたい!アグレッシブなアナタにオススメな1台です!
生産国:インドネシア(Indonesia HONDAモデル)
購入可能販売店(参考):リバースオートで購入可能
新車購入価格(参考価格):348,000円
【輸入車】GPX LEGEND150FI
スポークホイールと、タンク下からシートエンドまで伸びる直線がクラシカルな印象を与える美しいシルエットを持つバイクです。そんなクラシカルな見た目を持つこの車両ですがその中身は、フューエルインジェクションやLEDヘッドライト、LEDテールランプ、そして液晶メーターといった今風な装備を持つ近代的なものとなっています。
そして、足回りに備えられた倒立フロントフォークとYSS製のリアサスペンションは、このクラスとしては極上な乗り心地を実現している事が推測されます。
クラシカルでオシャレなバイクに乗りたい!そんな個性派なアナタにオススメな1台です!
生産国:タイ
購入可能販売店:GPX Japan販売代理店で購入可能
新車購入価格:399,300円(税込)
【輸入車】Hero XTREME160R
Heroのフラッグシップモデルであるため、装備が充実しています。ヘッドライトやテールランプ、ウィンカーはLED仕様となっており、メーターはフル液晶タイプとなっています。さらに、USBソケットが標準装備されている点は、ポイントが高いですね!
エンジンは、トルク型の味付けとなっており、加減速を多用し、渋滞も多い日本の道路事情にも適した仕様となっています。また、ブレーキは、前後共にABSが標準装備されており、安全性にも抜かりがありません。
150ccクラスのギア付きバイクに乗りたいけど、誰かとかぶりたくない!独自性を求めるアナタにオススメな1台です!
生産国:インド
購入可能販売店(参考):SOXグループで購入可能
新車購入価格(参考価格):349,000円(税込)
まとめ
バイク占いのように一言添えての説明としてみましたが、いかがでしたか?
コレだ!という1台が見つかりましでしょうか?
ギア付きの150ccクラスのバイクは、同クラスのスクーター以上に、同じ名称の大排気量バイクが販売されている事が多いといえます。このため、それらの大排気量車両をオマージュした外観に仕上げられている車種も多く、一昔前の小排気量モデルと比較すると、各段にカッコよく、かつ高い質感に仕上げられていますよね。
そんな150ccクラスのバイクですから、需要が高まれば各メーカーからも正規販売が開始されるかもしれません。150ccクラスのギア付きバイクの今後の動向に括目していきましょう!
参考までに、私がジクサー150を試乗した際の車両紹介&試乗動画です。
投稿者プロフィール
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BMW F900XRとDucati MonsterS2Rでチョイノリからロングツーリング、サーキット走行まで楽しむリターンライダー。
リターン後のツーリングは首都圏内での日帰りをメインとして、美味しい物や良い景色を堪能している。
ご当地"グルメ調査隊"と称してマスツーリングの企画運営なども手掛けることから、バイクの様々な楽しみ方を伝えて行く事を目標としている。
若い頃は、日帰りで埼玉-青森間を往復したことがある、 "自称"やれば出来る男。
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