あなたのバイクの調子はいいですか? エンジン始動できなくてアセった経験はありませんか?
「故障かな?」と思う前に、バイクをよく確認しましょう。基本に忠実に、最初から確認すれば「原因は凡ミスだった」ということはよくあります。
この記事では「故障?」と思ったときに確認すべきことや対処法を、バイク歴40年の筆者が詳しく解説します。
筆者自身の「凡ミス」経験や失敗談もお話ししますので、ぜひ最後までお付き合いくださいね。
故障?と思ったら、まずバイクを確認する!
エンジンがかからなかったり、走り出したら不調だったり…
新車のときは何事もないけど、長いこと乗っているとバイクの調子が悪いときがあります。
中古車を買った場合は、買って間もないのに不調…なんてことも。
しかし、そういった不調の原因は、意外に簡単なことが原因だったりします。
「故障?」と思ったら、まずバイクを確認しましょう。
バイクのエンジンがかからない…それって故障じゃないかも!
セルスターターのスイッチを押してもエンジンがかからない! そんなときって、とてもあせりますよね。でも、ちょっと待って。
落ち着いて確認したら、意外に簡単なことが原因の場合がありますよ。
キー
キーは入っていますか? イグニッションの位置に回してありますか? 確認してください。キーの入れ忘れやイグニッションの位置にしてない場合はエンジンがかかりません。
キーを入れて、イグニッションの位置にキーを回しましょう。
キルスイッチ
キルスイッチとは、エンジンを停止させるためのスイッチです。キルスイッチが「エンジン停止」の位置にあるとエンジンはかかりません。
キルスイッチを元の位置にもどしましょう。
電装系の接点(接触)不良
キーを入れてるし、イグニッションも回している。でも、ニュートラルランプがつかない…
それは、電装系の接触(接点)不良かもしれません。
キルスイッチやスターターなど、ハンドル周りの電装系に接点復活剤をスプレーしてみましょう。
特に長期間起動していないバイクは、接点(接触)不良が原因でエンジン始動できない場合があります。
筆者の接点不良経験談
筆者もエンジンがかからなくて、とてもアセった経験があります。キーを入れてイグニッションを回しても、ハンドル周りの電装系が全滅。セルモーターが回らないばかりか、ニュートラルランプも点灯していません。
非常にあせりましたが、原因はヒューズボックスの接点不良でした。ヒューズボックスの接点に接点復活剤を吹きかけたら、無事にエンジンの始動ができました。
バッテリーあがり(電圧低下)
ニュートラルランプが点灯しているのに、セルスターターが回らないのは、バッテリーあがり(電圧低下)が原因かもしれません。
とりあえずエンジンを始動させるためには、ジャンプスターターが便利です。バッテリーがあがっていた場合は、早めにバッテリーを交換しましょう。
バイクが何かおかしいときに確認すること
アイドリングが落ち着かない
特に冬は気温の低下でアイドリングが落ち着きません。吸気に電子制御のインジェクションを採用している最近のバイクは、オートチョークを装備しています。エンジン始動直後はアイドリングが自動で高い回転数になり、アイドリングが高くて違和感を感じますが、エンジンが温まれば自然にアイドリングが落ち着きます。
しかし、旧車(吸気がキャブレターで、チョークレバーがあるバイク)は違います。エンジンを始動するときはチョークレバーを引き、エンジンが温まってからチョークレバーを元の位置にもどしましょう。
意外に多いのは、チョークレバーのもどし忘れです。チョークレバーを戻さないまま走ると、吹け上がり(エンジン回転の上昇)に違和感を感じるばかりか、最悪の場合プラグがカブります。筆者も若い頃(40年前)に乗っていたヤマハXJ400Dでやらかしました。
アイドリングの回転が低くてエンジンが止まる場合は、アイドリング調整を行いましょう。アイドリング回転数の調整はバイクにより違います。筆者の愛機カワサキ250TRには、アイドリングスクリュー(指で回せる調整ネジ)があります。アイドリングスクリューで簡単にアイドリング回転数の調整ができるので、季節によりアイドリングの回転数を調整しています。
ギアを入れたらエンジンが止まる
エンジンを始動してクラッチを握り、ギアを入れたらエンジンが止まる…。そんなときに確認するのはサイドスタンドです。サイドスタンドは、しまってありますか?
最近のバイクにはサイドスタンドのしまい忘れを防止するための安全装置がついており、サイドスタンドが出たままの状態でギアを入れるとエンジンが止まってしまいます。
サイドスタンドをしまって、ギアを入れてください。
ただし、旧車には安全装置がついていません。旧車はサイドスタンドのしまい忘れに注意しましょう。
筆者の失敗談(サイドスタンド出しっぱエンスト事件)
現在の愛機カワサキ250TRに乗り始めたころ、まさしくこの「サイドスタンドしまい忘れエンスト」をやらかして、とてもアセりました。
だって、そんな安全装置がついているバイクに初めて乗ったんですもの…
それまで筆者が乗ったバイクには、サイドスタンドしまい忘れ安全装置なんてついてなかったので、油断していました。
基本に忠実に、サイドスタンドをしまってからギアを入れましょう。
走り出したら、ガス欠状態でエンジンが止まる
ガソリンは入っているのに、ガス欠みたいな症状でエンジンが止まった…
タンクの下側のフューエルコックを確認してください。
「OFF」の位置になっていたらガソリンがエンジンに流れて行かず、ガス欠状態になりエンジンが止まります。フューエルコックを「ON」の状態にしましょう。
筆者の失敗談(ガス欠エンストもどき事件)
仲間とツーリングに出発し、1km走ったところで謎のエンスト…「燃料満タンなのに、なんで? どうして?」と、すごくアセりました。
原因はフューエルコック。盗難防止のために、フューエルコックを「OFF」にしていたのを忘れていました。ツーリング仲間は苦笑い。
あぁ、恥ずかしい! やはり、確認が大切ですね。
加速が悪い
バイクの加速が悪いときの主な原因は熱ダレです。そのほか、プラグの劣化やエアクリーナーエレメントの汚れが原因の場合もあります。
熱ダレ
エンジンが過熱状態の場合、加速が悪くなります。バイクを休ませて、エンジンを冷まして様子をみましょう。
プラグの劣化
プラグが劣化していると、加速が悪くなります。プラグを点検し、劣化しているようであれば新品に交換しましょう。
筆者が40年前に乗っていたヤマハXJ400Dのプラグ、ガイシ(白い陶器の部分)が割れていて1気筒が点火せず、エンジン不調だったことがあります。
プラグも定期的に点検しましょう。
エアクリーナーエレメントの汚れ(劣化)
エアクリーナーエレメントが汚れている場合も加速が悪くなります。エアクリーナーエレメントを外して汚れを取り除きましょう。劣化している場合は新品に交換してください。
ヘッドライトが消えている
ヘッドライトの種類(ハロゲンまたはLED)により対処法は変わります。
ハロゲンの場合
ハロゲンの場合、一番多い原因は「タマ切れ」です。ハロゲン球のフィラメント(光を発する細い線)は使い続けて寿命がくると切れてしまいます。切れている場合は、新品に交換するしかありません。
ロービームとハイビームを切り替えてみてください。ロービームは消えているけどハイビームが点灯する…といった場合はタマ切れです。
普段よく使うロービームのほうが先に切れることが多いです。
ハイビームとロービームの両方とも点灯しない場合は、接点(通電)など他の原因を疑いましょう。
LEDの場合
LEDはハロゲンに比べ一般的に寿命が長いとされています。しかし、まれに製品不良が原因で点灯しない場合があります。LEDのヘッドライトが点灯しない場合は、バイク屋さんに相談するほうがよさそうです。
「故障かな?」と思う前に落ち着いてバイクを確認しよう!
エンジンがかからないときはアセりますが、そういうときこそ落ち着いてバイクを確認しましょう。落ち着いて順番に点検チェックすれば「なぁんだ!」というようなことが原因の場合が実に多いです。
慣れてくると、基本を忘れがちになります。何事も基本が大切です。今一度、免許を取得した頃の初心を思い出してください。
また、バイクは生き物みたいなもので、放置すると調子が悪くなります。動かす(乗る)ことが一番です。乗り続けていれば、不調にも気がつきやすくなります。
もしも自分で解決できないような不調の場合は、バイク屋さんに相談しましょう。ヘタに自分でイジるより、バイク屋さんに任せるほうが安心安全で結果的に安くあがる場合があります。
この記事が読者の皆さまのお役に立てば幸いです。ライダーの皆さまのバイクライフを応援しています。
投稿者プロフィール
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熊本県在住。生まれも育ちも熊本。
阿蘇をこよなく愛する生粋の熊本人。
昭和の時代に限定解除し、原付/中型/大型の所有歴あり。
現在の愛機はKawasaki 250TR。
愛機250TRで一日500km(下道)を走破することもある、元気おやじライダー。
「安全第一、無事帰る」をモットーに、今も安全運転を模索しながら走り続けている。
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