はい、元バイク屋のフォアグラさんです、こんにちは。
今回は元バイク屋でもあり、元地元ライダーでもある身として、北海道ツーリングに行く前に絶対知っておいてほしいことをお伝えします
実は本州では気にも止めなかった、北海道ならではの気をつけたいポイントがたくさんあるのです。
例えばよく北海道の道路看板でネタにされるこれ。ホント、北海道を走っていると、距離感がバグってしまいます。
ネットから拾ってきた画像が古いので「JUSCO」と書いてますが、実はこの「AEON釧路」通称「ポスフール」というお店はフォアグラさんの自宅からも最寄りのIEONで、よく行ってました。
他にも知らないと上陸の数時間後に一発免停なんてことはザラにあるし、気づけばバイクが倒れてお昼寝していたなんてこともありますので、そのあたりの注意点もしっかり紹介していきます。
そしてこの記事の最後では、フォアグラさんが行きつけにしていた北海道の居酒屋も紹介します。
北海道ツーリングのプランの立て方
ではまず北海道ツーリングに行く前のプランニングのところから解説をしていきましょう。
皆さんは何日間の予定で北海道ツーリングを考えていますか?一般的なサラリーマンの方であれば1週間から、長くても10日くらいという方が多いのではないかと思います。
結論から言いますと、一気に北海道を一周しようなんて考えないでください。ただバイクに一日中乗り続け、走るだけで終わってしまいます。
こちらをご覧ください。
北海道は、札幌を中心とした道央、函館のある道南、旭川や稚内の道北、そして釧路や帯広北見知床の道東の大きく4つのエリアに分けられます。
1週間程度でしっかり観光しながら楽しみたいというのであれば、この中からせいぜい2つのエリア内にしておきましょう。3エリアを超えてくると、行程上結構厳しくなってきます。せっかく北海道に来て高速道路ばかり走ることになり、食事の記憶もサービスエリアや全国チェーン店になってしまうのもどうかと思いますよね。
北海道ツーリングのプラン例
皆さんが北海道ツーリングに何を求めるか、それはここで異なってくると思いますが、広大な北海道らしさ、非日常感、バイクで走ることの気持ちよさを求めるのであれば、断然道北と道東の組み合わせをおすすめします。最北端である稚内、世界遺産知床、北方領土が見える根室、1週間程度じっくり走ることを想定した場合、どんな感じになるのかをお伝えしましょう。
まず苫小牧港から上陸したらオロロンラインもしくは内陸の富良野や美瑛を通ってまず稚内を目指します。
稚内に到着するまで旭川あたりで1泊、そして稚内でも1泊したいですね。
そして左手にオホーツク海を望みながら走り、網走か知床の玄関口である斜里町辺りでもう一泊。
知床峠を越えて根室を目指し根室で1泊。もしくはもうちょっと頑張って、釧路から中標津あたりで1泊
釧路からは阿寒湖、そして季節によって色を変える五色沼のオンネト-経由で帯広を目指します。
寄り道する余裕があれば、摩周湖や屈斜路湖なんかも素晴らしい景色ですよ。特に屈斜路湖を一望できる道の駅「ぐるっとパノラマ美幌峠」は是非立ち寄ってもらいたいですね。
帯広では北海道遺産世界でも希少なモール温泉に浸っていただき、夜はフォアグラさんの行きつけだったお店で舌鼓。マスターとバイクトーク&フォアグラさんの陰口に花を咲かせてください。
そして翌日は苫小牧港へ戻る。これがまあだいたい1週間くらいのイメージですね。
ちなみに北海道での移動時間は、都市部や事故などのイレギュラー以外ではおおよそ1km当たり1分で時間が読めます。法定速度60km/hなのに1km1分で時間が読めるのはなぜか?野暮なことは聞かないでくださいね。
ただ、噂に聞いたことはあると思いますが、北海道の過疎地の取り締まりというのは本当にエグいので、その特徴や回避方法については後ほどお伝えします。
北海道での宿泊の注意点
ルートのプランのイメージは大体上記の様な感じなのですが、もう一つ考えておきたいのは宿です。
キャンプの場合
キャンプ場の利用を考えての場合は15時くらいにチェックインできるよう、余裕を持ったプランを考えておきたいです。
ホテルの場合
問題はホテルとライダーハウス。ホテルの場合バイクの置き場所を確保できる宿にしましょう。屋根付きかどうかも確認しておきたいですね。特に盆休み期間は全国から一斉にライダーが押し寄せます。
普段はバイクを止められるホテルでも、スペースが確保できなくなる場合があるのですね。事前に必ずバイクで行くことをお伝えし、駐車スペースを予約確保しておきましょう。
せっかくなのでユニットバスだけのホテルではなく、温泉付きのホテルがおすすめですね。北海道は至る所に低価格の温泉ビジネスホテルがあります。盆休みの期間は価格を引き上げるところも多いのでが、安いところで通常時であれば4000円くらいから選べます。
ライダーハウスの場合
そして最も気をつけて欲しいのがライダーハウス。ライダーハウスに憧れを抱いている方も多いと思いますが、古き良き時代の漫画のようなイメージでいくと痛い目に遭います。まず無料のところやワンコインで泊まれるようなところは避けた方が無難です。1000円以上の料金がかかるところにしましょう。
というのは、無料の宿泊所では、厄介な先住人が仕切っているケースが少なくありません。「ヌシ」なんて揶揄されて呼ばれたりもしますが、特定の住所を持たずバイク1台で渡り鳥のように旅をし続けている人がいます。夏は北海道に来て無料のライダーハウスに長期滞在していたりするのですね。その「ヌシ」が勝手に仕切ってルールを作り、後から来た旅人にそのルールを強要する、こんなことが実は結構あるのです。
言い方は悪いですが、そのような方は大体お金は持っていないので、無料だったり極端に安い施設に転がり込んでいるのです。
昔に比べるとライダーハウスは大きく減少した上、コロナの影響でさらに今は少ないかもしれませんが、嫌な思いをしたくなければ、1泊1000円くらいは使った方がいいでしょう。
北海道で実際に走る上で注意したいこと
警察の取締りと注意点
ホントに北海道の取り締まりというのはエゲツないです。本州とは異なり、多くの場合はこのレーダーパトカー1台で行います。本州の取り締まりのようにスピードガンを持って構えている人がいないので、このパトカーが見えた時点で時すでに遅し、アウトです。
このレーダーパトを回避するには、事前に場所を知っておくしか対策がないのです。地元の人ならともかく、旅人はどうすべきか?というと、集落の手前と、40km/h制限の看板を意識することですね。
北海道の山間部というのはポツリポツリと人が住んでいる小さな集落があります。その集落に入る手前だいたい制限速度が40km/h、中には50km/hに引き下げられるところがあるのです。
普段本州で車やバイクを運転している時は、制限速度の標識というのはあまり意識しない方も多いと思います。流れに乗って走っていれば、だいたい自然と相応の速度になりますからね。でも北海道は自分一人で単独走行をする場合が多くなります。周りには民家もなく道路の幅も変わらなかったりするので、きちんと標識を意識していないと、うっかりオーバースピードで40km/h制限の道路に突っ込むことになり、そこを狙い撃ちされます。
デイトナからバイク用のGPSレーダーも発売されているので、北海道に渡る前に購入するっていうのもおすすめです。帰ってきてからメルカリで売却しても結構高値で売ることができますから、レンタル感覚で使うというのも良いでしょう。
もちろん取り締まりが無い場所でも制限速度を無視して良いわけではありません。走りやすくて気持ちが良い道でもスピードには十分気をつけてくださいね。
野生動物(特にエゾシカ)には要注意!
本州でもシカとの事故はまあ耳にしますが、遭遇する確率というのはその比ではありません。これがエゾシカの交通事故発生状況マップです。
特に道路脇に草が生え始めた春と秋、さらに朝と夕方は要注意です。
またエゾシカのオスは体重200kgを超え、バイクどころか車だって一発で廃車になります。少なくとも奈良公園の可愛いシカとは全く別物です。
このエゾシカの対策は、もうスピードを出しすぎないこと、左右の道路脇からの飛び出しに備えて、極力センターよりを走ることくらいしかできません。
鹿笛なんていうシカ対策グッズもありますが、自分の経験上あまり効果は感じられませんし、道民の皆さんは無意味と認識している方が多いです。
鹿が多く出没するような場所で事故を起こすと、救急車の到着も時間がかかりますから、とにかく気をつけてくださいしか言いようがありません。
鹿との事故は、運転の上手い下手はあまり関係ありません。運と注意力といってもいいでしょう。
道路の弱さ
北海道のアスファルトの多くは雪のせいか、かなり傷んでいます。路面の舗装状況が良くないだけでなく、本州のものと材質が違うのか分かりませんが、水はけが悪くすぐに深い水たまりができます。
また北海道に来る方は大きくて重い荷物を積んできますが、路面がその重さに耐えきれずバイクが倒れてしまうことがあります。盆休みなどは結構な頻度でお昼寝をしているバイクを見かけます。
アスファルトの質が違うせいなのか、夏の暑い日直射日光を受けた路面は柔らかくなって、サイドスタンドの重さに耐えられなくなってスタンドが沈んでしまうのです。
ですのでセンタースタンドが付いているバイクは極力センタースタンドを使い、付いていない車種や、いちいちセンタースタンドをかけるのがしんどいという方は、サイドスタンドマットを使って重さを分散させましょう。数百円で買えるものなので、ここはケチらずに買ってください。昔は潰したスチールの空き缶を使ったりしていましたが。今は強度の弱いアルミ缶が主流なのでおすすめできません。
元地元 帯広でのおすすめ
ここからはフォアグラさんのプライベートゾーンです。
もう今は本州に来てしまったのでなかなか行けなくなってしまったのですが、大好きだったお店「喰わせや さんのう」の紹介です。このお店があるのは北海道の帯広。人口20万人弱の中核都市です。
この「さんのう」のマスターもバイク乗りで、東京から帯広に移住してきた方です。
十勝の食材を用いた炭焼き料理が自慢で、牛豚鶏のお肉だけでなく、花畑牧場のラクレットチーズや、そして個人的におすすめなのは白いモツ煮。これは行くたびに毎回頂いてましたね。
他にも最高の焼き加減で出される、汗をかいたシイタケを塩だけで頂くのも最高ですよ。
ぜひ皆さんには帯広で1泊してもらいたいです。そこでおすすめのホテルは帯広駅前の「ふく井ホテル」。
地下には自家源泉の、世界でも希少なモール温泉という温泉があります。これは古代の葦などの植物が溶けた温泉で、茶色いお湯でトロットロ黒い糸くずのようなものがお湯に混ざっていますが、それは溶けきらなかった葦。それだけ成分が豊富な良質なお湯ということなのです。
朝食が取れる2階のレストラン「バイプレーン」の和朝食はおいしい焼き魚が提供されます。また洋定食も自家製のベーコンなどで、こちらもおすすめですね。
バイクも屋根付きの駐車スペースがあるんで安心です。ただ何よりその「喰わせ屋 さんのう」まで歩いてすぐなのですね。
まとめ
今回はちょっとビビらせるような内容や、プライベートを切り売りしたような内容になりましたが、北海道ならではの注意点、しっかりと伝わったでしょうか?
今回の記事も下記の動画で詳しく解説していますので、こちらも是非ご視聴ください。
皆さんの北海道ツーリングが安全で楽しいものになるよう願っています。
それでは今回も最後までご覧いただきありがとうございました。
投稿者プロフィール
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元バイク屋のYouTuber。
バイクライフに役立つ情報を毎週配信。
メカの話やバイク購入アドバイスはもちろん、用品レビューやバイク屋裏話まで、バイク乗りなら誰もが気になるテーマばかり。
ちなみに中身はアラフォーのおっさん。
好物はサッポロ黒ラベルとキャベツ太郎だが、子どもができて以来、ふるさと納税で貰った無糖レモンサワーで節約している。
最近、血糖値と血圧を気にしているらしい。
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