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Moto Connect(モトコネクト) > 記事 > コラム > ライダー目線で乗ってみた! 電動キックボード=特定原付はどんなカンジ!?
コラム

ライダー目線で乗ってみた! 電動キックボード=特定原付はどんなカンジ!?

沼尾宏明
最終更新日 2023/10/31 10:43
沼尾宏明
Published: 2023年10月31日
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16歳以上なら免許不要、ヘルメットなしで乗車できる電動キックボードを含む新モビリティ「特定原付」。ライダーから見た乗り味や使い勝手はどんなものか? ソンタクなしでレポートしてみたい。

目次
  • 何かと話題の電動ボードが解禁、ハードルがやたらと低い!
  • 有名なLuupの借り方を解説、交通テストの合格が必要!
  • いよいよ実走と思ったら進まない? 慣れれば安定感アリ
  • 「歩道モード」付きなら、歩行スピード程度で歩道も走行できる! 
  • 交通量が多いとストッパーに! 一体感がなく、衝撃が多いのは×
  • オジサンだから?(笑)、乗車後にけっこうな疲労が!
  • 【まとめ】特定原付と原付の2台を選べるなら……?

何かと話題の電動ボードが解禁、ハードルがやたらと低い!

2023年7月1日から一定の条件を備えた電動キックボードなどが「特定原付(特定小型原動機付自転車)」として認められることになった。

従来の原付(ガソリンエンジン50cc以下、モーター定格出力600W以下)は免許が必要なのに対し、特定原付は16歳以上なら無免許でも乗車可能。ヘルメットは、原付で義務化されているが、特定原付では努力義務となり、着用しなくても罰せられることはない。このように特定原付は非常にハードルが低いのだ。

その他、詳しい条件は下の表にまとめたのでご参照を。

なお、特定原付には上表のとおり出力やサイズなどに条件があり、電動キックボードが何でも特定原付として認められるわけではない。モーター定格出力600w以下で、最高速20km/h以下に制限した電動モデルが前提。サイズは長さ1900mm、幅600mm以内に収まるのが条件だ。この条件を超えると従来の原付一種である「一般原付」と同じ扱いとなる。

有名なLuupの借り方を解説、交通テストの合格が必要!

さて実際に乗ってみるとどうなのか。レンタルの電動キックボードで最も有名なLuup(ループ)の特定原付を試してみた。

Luupのレンタル基本料金は50円で、1分ごとに15円が加算される(一部地区で異なる)。なお、特定原付の電動キックボードはレンタルのほか、一般販売もされている(10万~20万円程度)。

まずレンタルするために手続きが必要だ。スマホとクレジットカードが必須で、アプリをダウンロードすることからスタート。クレジットカードを登録し、免許などの身分証明書をスマホのカメラで写して送信する。

まずLuupのアプリをスマホにダウンロード。その後、電話番号、氏名などを入力する。

私が乗車した時は60分無料キャンペーンを実施中だった。こうしたキャンペーンはかなりの頻度で行われている模様。

その後、10問の交通ルールテストが行われる。これに全問正解しないと利用できないのだ。問題は○×式で、車線の走行位置、二段階右折といった特定原付ならではのルールと、飲酒運転などの原則的な交通ルールが問われる。

問題の一例。回答すると詳しい解説がある。不合格だともう一度最初からテストを行う。

私は初回から全問正解できた。恐らく免許を持っている人ならカンタンだろう。ただし全く交通ルールを知らない学生などに「たった10問のテストでいきなり公道を走らせていいのか?」と少々疑問が残った。

いよいよ実走と思ったら進まない? 慣れれば安定感アリ

登録は30分程度で済んだ。その後、車両が置いてある「レンタルポート」に出向く。

都内や大阪など大都市圏ではレンタルポートが拡大しており、見たことがある人も多いのではないだろうか。テストした東京都台東区はかなり密にカバーされていて、数分歩けば見つかるほど多かった。

アプリで事前に車両の有無とバッテリー残量が確認できる。レンタルポートに行っても「利用可能な車両がない」なんて事態が防げる。

レンタルポートに置いてある車両にはQRコードがあり、借りたい車両のコードをアプリで読み取る。この時点で返却ポートも設定するが、後から変更可能だ。返却したらクレジットカードから料金が引き落とされる。

……前置きが長くなったけど、ようやく走り出せる! と思ったらウンともスンとも動かない。

右グリップ手元のレバーを親指で下げれば加速できるハズなのに進まないのだ。目前のメーターをよく見ると下側に「地面を蹴り、初速をつけてPush&Goを押してライド開始」と書いてある。つまり足で地面を蹴ってボードに勢いがついた状態でレバーを幼ければなければ加速できないのだ。

引用:Luup webサイト

Luupの電動ボードには様々なタイプがある。写真のモデルはミラー付きだが、筆者が借りた車両にはなく、センタースタンドが装備されていた。

引用:Luup webサイト

グリップ右側のレバーがアクセルで、押し下げると加速する。メーターパネルの横にスマホホルダーがある車両も。

蹴り出してレバーを押すと無事、発進できた。筆者は電動ボードどころか、キックボード自体が初体験。両足を前後に載せるのに違和感がある。最初はちょっとフラフラしたが、車速が乗ると安定。10分も乗ると慣れてきた。

もっと不安定かとイメージしていたが、想像以上に安定感がある。車体はシッカリ剛性感があり、ステップボードに足を載せやすい。

モーターは速度上昇が穏やか。特定原付の最高速度である20km/hに到達するとリミッターが作動し、それ以上加速しないが、実際の速度より体感速度は速い。加減速でギクシャクすることなく走りはマイルドで、やや唐突に加速するゾーンはあるものの、基本的に動力性能は穏やかだ。また、前後ブレーキも効力がマイルドで扱いやすかった。

なお、都内の長い急坂(平均斜度4°)では速度が10km/h未満に落ちたが、問題なく上がれた。これもまた意外ながら必要十分なトルクは確保されている。

「歩道モード」付きなら、歩行スピード程度で歩道も走行できる! 

そして「歩道走行モード」が新鮮だった。特定原付は車道走行が基本だが、上限6km/hの“歩道モード”を備えるモデルは「特例特定原付」として歩道が走行可能だ。ただし「普通自転車等及び歩行者等専用」の標識がある歩道に限定される。路側帯も走れるが、2本の白線で区画された歩行者用路側帯は通行禁止だ。

引用:Luup webサイト

丸の部分が歩道モードの切り替えボタン。最大速度が20km/hから6km/hに変更され、ウインカーの両側(最高速度標示灯)が点滅する。

歩道モードで走れる歩道は、こうした自転車通行可能の標識がある場合のみ。

今回レンタルした電動ボードは歩道モード付き。モードを切り替えるには一度、完全停止してからハンドルのスイッチを押す。すると緑色のウインカーが点滅し、上限6km/hのモードになる。ゆったり歩くよりは若干早く、成人男性の歩行速度と同じ程度のスピードで一定の歩道を走れる。

バイクの場合、歩道は手押ししなければいけないので、歩道を走ることにドキドキしてしまう。

乗る前は「歩道を走ったら歩行者に危険では?」と思っていたが、かなり遅い。人が密集していなければ、危険性は少ないと感じた。クルマが通れなかったり、入り組んだ路地があったりする観光地などで特に便利だろう。

交通量が多いとストッパーに! 一体感がなく、衝撃が多いのは×

走ったのは都内で、段差がなく、交通量が少ない道路では実に快適だった。その一方で幹線道路のようにクルマの交通量が多く、他車の平均速度が速い状況ではなかなか厳しい。

特定原付は、車道の左寄りを走る。原付で経験されている人も多いと思うけど、同じ車線を横からクルマにビュンビュン抜かれて怖い。上限30km/hの原付でも抜かれまくるのに、上限20km/hの特定原付ならなおさらだ。これはミラーが非装備(特定原付には装備義務なし)で、後方確認しにくいのも要因だろう。

また、車道がクルマで渋滞し、路側帯にある自転車通行レーンを走るシチュエーションでは後続の自転車やバイクの障害物に。ちなみにモーターは余力を残していたが、リミッターで上限20km/hに制限されていた。

そして何より気になったのは、バイクのような一体感がない点。普段バイクに乗っているだけに車体を足でホールドできないことが非常に頼りない(スクーターでもお尻をシートに載せ、足首で車体を抑えられるなどバイクとの接点がある)。

加えて足を前後に並べて乗るため、コーナリングで体重移動してリーンする動作がバイクに比べてやりづらい。

その上、タイヤが10インチと小径。Luupの場合、フロントにのみサスは装備されているが、路面からの衝撃がかなりダイレクトに伝わる。路面に大きな凹凸があった場合や、路肩から歩道への段差などは転倒の可能性もあるだろう。

オジサンだから?(笑)、乗車後にけっこうな疲労が!

発進のたびに地面を蹴る動作が必要。頻繁にストップ&ゴーを繰り返す都会で長時間乗ると結構シンドイ。

実質的に乗っていたのは2時間未満だったが、乗車後にかなり疲れていることに気がついた。

当然ながら立ちっぱなしだし、路面からの衝撃も強い。さらに完全停止する手前でバランスが崩れやすく、再度発進するには足で地面を蹴る動作が必要。こうした一連の動きが地味に疲れてくる。

短時間なら大丈夫だろうが、特にストップ&ゴーが多い都市部で長時間乗ると、私のようなオジサンにはシンドイはず。ただし今後、他社から自転車のようにシートに座れる特定原付も登場予定。このタイプならもっとラクかもしれない。

また、親指でスロットルレバーを押すのだけど、全押しのほか、チョイ押しなどの微妙な操作もあるため、次第に右手の親指が疲れてきた。

そして何より渋滞した都心では後続車へ常に気を遣う。ミラーがあればだいぶ違ったかもしれないが、これが疲労の大きな原因だと思う。

同じ時間、バイクに乗っていたらここまで疲れないハズ。シートに座れるし、衝撃吸収性や安定感など乗り心地が格段にいい。グリップを捻る動作で加速できるのもラクだ。また、最高速が上限30km/hなのも大きい。特定原付と比べ、たったの+10km/hと思いきや、この差は大きな違いだ。

【まとめ】特定原付と原付の2台を選べるなら……?

じゃあ特定原付は「全くナシ」なの? と言われると答えはNOだ。

小回りが利いてお手軽だし、登録済みでレンタルポートが近くにあるなら貸し出し&返却も便利だろう。なおかつ目的地が公共交通機関から離れており、クルマの少ない街中や住宅街を走るなら不満はない(ただし時間は1時間未満でお願いしたい)。

また、料金もリーズナブルだった。今回は1時間無料キャンペーンが適用され、3時間20分利用して2100円しかかかっていない。

一般販売しているボードは折りたたみ機能付きが多く、クルマへの積載も簡単だ。ガソリンが高騰しているだけにランニングコストはガソリンエンジンの原付より抑えられるかもしれない。キャンプなどの出先の買い出しにも活躍しそうだ。昔のモトコンポ的な使い方が可能。移動手段の選択肢が増えるのは歓迎。用途次第ではまた利用すると思う。

なお私が特定原付に乗るなら、ヘルメットにジャケット、ライディングジューズというバイクと同じ装備を選ぶ。特定原付のカジュアルさを台なしにしてしまうが、バイクと同様、いや、それ以上に事故や転倒の危険性が常にあるからだ。

とはいえ、特定原付と原付の2台を選べるシチュエーションがあったとしたら、自分は原付を選ぶ。トータルでの快適性と安心感は断然コチラだと思うのだ。

投稿者プロフィール

沼尾宏明
ふだんフリーランスとして、主にバイク雑誌の編集やライターをしている沼尾です。
1989年に2輪免許を取得し、いまだにバイクほどオモシロイ乗り物はないと思い続けています。フレッシュな執筆陣に交じって、いささか加齢臭が漂っておりますが、いい記事を書きたいと思っているので、ご容赦ください。趣味はユーラシア大陸横断や小説など。よろしくお願いします。
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タグ:Luupレンタル原付特定原付電動キックボード
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