元バイク屋のフォアグラさんです、こんにちは。
実は自分が小学生の時はミニ四駆に夢中で、最高のパフォーマンスを発揮できるように、冬場は電池に息をかけて温めたりしていました。乾電池は化学反応を起こして電力をおこしているので、外から熱を加えると活性化するんですね。ただしこれは劣化した電池に限った話なんで、新品の電池ではほとんど意味がないんですが・・・。
さて今日はそんな電池、バイクのバッテリーの話です。バッテリーの種類から扱い方、おすすめの充電器まで、バッテリーについてのアレコレを説明します。
バッテリーの種類
まずバッテリーの種類についてですが、大きく分けて密閉型バッテリーと開放型バッテリーの二種類があります。
現在のバイクに搭載されているバッテリーの多くは密閉型のバッテリーで、シールドバッテリーとも言われます。ただ開放型のバッテリーもまだ多く販売されていて、90年代前半までのバイクや、国産メーカーの車種でも低価格車両の一部などは、この開放型バッテリーがまだ使用されています。
この密閉型と開放型の見分け方ですが、密閉型のバッテリーは黒いバッテリーで、多くの場合その製品の形式が白い文字で書かれています。例えばYTX7A-BSといった具合ですね。
対して開放型は半透明の白いバッテリーで、内部が縦にいくつかに分割されています。そしてその分割された隔壁の中には液体が入っていて、それぞれに蓋が付いています。
これらのバッテリーの扱い方で最も注意しなければならないものの1つに、充電器の種類があります。
バッテリーに開放型と密閉型があるように、バッテリーの充電器にも開放型専用のものと密閉型にも使えるものがあります。基本的に開放型のバッテリーに対して密閉型用の充電器を使用することができますが、密閉型のバッテリーに開放型専用の充電器を使用した場合、最悪爆発など命にかかわる大事故につながりかねません。
絶対に密閉型バッテリーに開放型バッテリー専用の充電器を使用してはいけません。
開放型専用の充電器の方が価格が安い傾向にあるんで、ついそちらを手に取ってしまう気持ちは分かりますが、必ずそれぞれのバッテリーに対応した充電器を使用するようにしてください。この充電器の選び方については、最後の章でフォアグラさんおすすめの製品もお伝えします。
充電以外の面でも扱い方に違いがあります。開放型バッテリーは購入者自身が バッテリー内に液体を入れる作業が必要です。
密閉型バッテリーも、製品によってはこの作業が必要になりますが、今売られているものは、あらかじめ充填されているものがほとんどだと思います。フォアグラさん自身も amazon で何度か購入しましたが、密閉型のものはどれもすでに充填されていました。また充電済みというものも多く売られていますので、そのようなものを選ぶととても楽だと思います。
ただし、いつ充電されたのか、どのくらいの期間倉庫で眠っていたのかもわからないので、フォアグラさんは届いたら一晩かけて充電し直すようにしています。この作業を補充電と言います。
補充電は必ずしも必要なものではありませんけれども、一部のバッテリーメーカーでは推奨していますし、この初期の補充電を行うことで、バッテリーの寿命が延びるとも言われています。特に寒冷地ではその差が出やすいといわれているので、極力行うようにおすすめします。
バッテリー型式の読み方と、安い互換バッテリーの選び方
バッテリーの型式の読み方
今回はほとんどの車種に使用されている密閉型バッテリーで、ホンダのCBR250Rに使われている「YTX7L-BS」というバッテリーを例に挙げてみます。
ここで注目すべきポイントは、頭の「Y」を除いた「TX7L-BS」です。とりあえずこの数字とローマ字が一致しているものは基本的に互換性があります。これは他の形式のバッテリーでも同様です。
ではこの頭文字は何を表すのかいうと、メーカーです。「Y」はユアサ、 「F」は古河といった具合ですね。
言ってみればその頭文字以外は、乾電池でいう単三や単四ということを示していて、最初の頭文字は ソニーやパナソニック、ダイソーといったメーカー名を示しています。
単三電池であればソニーでもダイソーでも使えますが、逆に同一メーカーであっても、単四電池指定の時計に単三の電池は使えませんよね。ソニーやパナソニックは単三のアルカリ2本で300円くらいして結構高いでが、ダイソー なら4本100円で買えますよね。もちろん品質は違い、アタリ・ハズレもあると聞きますますが、価格差も大きいので当然です。
おすすめの互換バッテリー
同様に古河やユアサといった国産有名メーカーのバッテリーは、高品質でアタリ・ハズレが少ないんですがとても高額です。250・400ccクラスのものでも1万円、大型バイクのものであれば2万円程度のものが多いと思います。
そこでフォアグラさんがおすすめしたいのは、日本ではなく台湾の台湾ユアサというメーカーのバッテリーです。
日本のユアサに比べるとアタリ・ハズレがあるそうですが、自分が今まで購入した台湾ユアサの7つの個体では、国産品と価格差ほどの性能差は感じられず、4年以内で使えなくなったものはありませんでした。
ですのでフォアグラさんはコストパフォーマンスを考えて、台湾ユアサのものをおすすめします。
バッテリーって突然死と言われるくらい前兆もなく、ある日突然使えなくなるものなんです。症状は出ていなくても、なるべく3年ごとくらいには交換したいものですね。
バッテリーの脱着・保管・充電について
バッテリーの脱着
まずバッテリーの取り外しですが、バッテリーのターミナルを外す際は、ドライバーを使うようにしてください。
ソケットレンチなんかでも作業できますが、強いトルクは必要ありません。強いトルクを かけることで、ボルトやナット・ターミナルの破損につながる可能性も否定できませので、よほど固着でもしていない限りは、プラスドライバーで作業することをおすすめします。そして外す時はマイナスの端子から外してください。これはショートや感電予防のためです。
なお、取り付ける時はプラスの端子からです。取り付けはプラス、取り外しはマイナス側からが基本ですので覚えておいてください。
車体から外したバッテリーを充電する時もまずプラスの端子から繋ぎ、逆に外す時はマイナスの端子から先に外して下さい。
バッテリーの長期保管
バッテリーは気温が低すぎたり湿度が高すぎたりする場所では、放電速度が速くなってします。冬の間に長期間保管する際は、基本的に室内が良いと思いますが、冬の家の中でも加湿器を使わない玄関などが良いかもしれませんね。
バッテリーを車体から取り外したら、まずは一晩充電すると良いでしょう。必要以上に充電し続けるとバッテリーの寿命を縮めることになるので、あまりお勧めはできません。そして春になってまたバッテリーを取り付ける際は、改めて充電してから取り付けるのが良いですね。
バッテリー充電器の選び方
その際使用する充電器なんですが、先ほどもお伝えしたように開放型バッテリー用の充電器を密閉型のバッテリーに使用することは絶対にやめてください。最悪、爆発事故につながり、命にも関わります。開放型バッテリー用なのか密閉型バッテリーにも使えるものなのかを、必ず確認してから購入・使用するようにしてください。
密閉型バッテリー対応の充電器といっても、かなりピンキリです。通年でバイクに乗る方は、3年おきのバッテリー買い替え時に充電できればいいので、高価なものではなくてもいいと思います。
逆に積雪地帯にお住まいの方の場合は、毎年冬が来るたび必要ですから、その場合はフォアグラさんも10年以上使っている、このオプティメイトという商品がおすすめです。
このオプティメイトは、ただのバッテリー充電器ではなく、バッテリーの診断機能が搭載されていて、接続後5段階にバッテリーを診断します。そしてその診断結果に合わせて適切な充電を行ってくれるうえ、弱ったバッテリーの回復充電や通常充電後のパルス充電など、バッテリー個々の状態に合わせて常に適切な充電方法を選択します。
価格も若干高めにはなっていますが、今後長く使用できることや今後のバッテリーのコストを考えると、初めから買っておくことで早い段階で回収できます。
そして充電し終わったバッテリーですが、車体への取り付けは先ほどお伝えたように、プラス側の端子から接続をしてください。
こうしてバッテリーを取り付けたらもう完了です。
まとめ
お金を払って冬の間はバイク屋などに預けるのもいいんですけれども、毎年万単位の出費は大きいですよね。自宅に置く場所さえあるんであれば、ちゃんとした充電器を1台購入した方が、1シーズン分の預かり料金よりも安上がりだと思います。
安い充電器についてもリンクを貼っておきますが、特に寒冷地の方はオプティメイトの購入をおすすめします。
なお、バイクの自宅での冬眠の仕方についての記事もありますで、こちらも併せてご覧いただければ幸いです。
今回バッテリーについてお伝えしましたが、お役に立てたでしょうか? 今回の記事は下の動画で詳しく話していますので、こちらも是非ご覧ください。では最後までご覧頂いてありがとうございました。
投稿者プロフィール
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元バイク屋のYouTuber。
バイクライフに役立つ情報を毎週配信。
メカの話やバイク購入アドバイスはもちろん、用品レビューやバイク屋裏話まで、バイク乗りなら誰もが気になるテーマばかり。
ちなみに中身はアラフォーのおっさん。
好物はサッポロ黒ラベルとキャベツ太郎だが、子どもができて以来、ふるさと納税で貰った無糖レモンサワーで節約している。
最近、血糖値と血圧を気にしているらしい。
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