元バイク屋のフォアグラさんです、こんにちは。
さて今回は、バイクの冬期保管や、冬に限らず出張などで長期間バイクに乗ることができない場合の保管方法と注意点についてお話しします。
自宅での保管方法を間違えると、バイクに深刻なダメージを与えてしまったり、再び乗ろうとした時には整備費用で何万円もかかってしまう場合があります。
でも、この記事で書かれていることを実践していただければ、これらのトラブルが発生する確率をグっと下げることが出来ると思います。
また、元バイク屋のフォアグラさんだから教えられる、長期間バイクに乗らない場合の、任意保険を安くする裏技も披露しますので、是非最後までお付き合いください。
バッテリーの取り外し
なぜバッテリーを外さなければいけないのか?
バッテリーは車両につけたまま長期間放置すると自然に放電していくので、春になってまた乗ろうとした時にエンジンがかからない!なんてことになるからです。
放電しきったバッテリーは、充電して一時的に復活しても、もう本来の性能に戻らず、著しく寿命が短くなっています。必ずしも使えなくはないんですが、弱ったバッテリーはいつ突然死するかわからずとても不安なので、基本的に交換をお勧めすることになってしまいます。
バッテリーを取り外す場合は必ずマイナス側の端子から、次にプラスの端子を外して、車体から取り外します。
乗り出す時にはバッテリーを取り付けるのですが、その際は取り外しの時とは逆に、プラスの端子から先に取り付けをします。
このバッテリーを充電するときの注意点については、あとで簡単に説明します。
より詳しく知りたいという方は、以前バッテリーだけにフォーカスした動画をアップしてるんで、こちらをご覧になってください。
キャブレターのガス抜き
これはインジェクション車に乗っている方には関係ない話になりますが、キャブレターの場合ガソリンを抜かずに長期間置いておくと、キャブレターの中のジェットという細いガソリンが通る穴を塞いでいきます。最悪の場合、完全にジェットを塞いでしまってエンジンがかからなくなってしまいますし、完全に塞がなかったとしてもバイクの性能が著しく低下したり、ギクシャクした乗り心地になって しまいます。
キャブレターのガソリンの抜き方というのは簡単で、慣れたら1分でできます。
ただし基本的に気筒の数だけドレンはありますので、単気筒なら1か所、2気筒ならに2か所を行ってください。4気筒のように幅が広いキャブレターの場合は、ロングドライバーが必要になる場合もあります。
ガソリンタンクを満タンにする
なぜ満タンにするのかというと、ガソリンタンクの中の空気を極力少なくするためです。
特に冬から春は気温が大きく変わる時期で、結露が大変生じやすくなっています。冬眠前にはガソリンを満タンにし、タンク内の空気を少なくしておきましょう。
サビ予防のための注意
まずはバイク全体を洗車して、各部の水分を良く取った後に、タンクなどの金属ベースの塗装面はワックスをかけ、メッキ部分はボンスターに水を付けてこすり、くすみや軽いサビをとり、その上にワックスをかけてください。
チェーンはチェーンクリーナーでしっかりと清掃を行って、サビ防止のため、チェーン全体にチェーンルブを多めにするのがオススメですが、この時は必ずシールチェーンに使用できる物を使用してください。でないとチェーンのシール部を傷めてしまい、チェーンがすぐダメになってしまいます。
春にまた走り出す際は、多めに塗ったチェーンルブが飛び散らないように、少し落としてから走るといいと思います。
そして各部のワイヤーなどにもグリスアップして欲しいのですが、そのときの注意点。クレの5-56やワコーズのラスペネといった防錆潤滑剤はあまりお勧めしません。使ってはいけないというわけではないんですけれども、サラサラですぐに落ちてしまうので、粘度のあるグリススプレーがお薦めです。
バッテリーの付け外し・充電・保管の注意
タンクを満タンにするとか、キャブのガソリンを抜くなんていうのは、たばこを吸いながら作業でもしない限り危険性が低いことではありますが、このバッテリーの作業に関しては危険が伴うのでよく聞いてください。
先ほども書きましたが、バッテリーをバイクに積む時や外す時も、充電器につなぐ時や外す時も、バッテリーの端子につないだり外したりする順序は同じです。
これは必ず守ってください。感電などの事故の原因になりかねません。
充電をする際には、必ずご自身のバイクのバッテリーが開放型なのか密閉型なのかを確認してください。そして密閉型のバッテリーを使用している車種の場合は、必ず密閉型に対応、もしくはし開放型密閉型両用の充電器を使用してください。
また、充電をする場所も、必ず風通しの良い場所で充電するようにしてください。このことを守らない人は意外と多いです。
1回フル充電したら、あとは春に乗り出すまで、2ヶ月に一回くらいのペースで充電をしています。
そして乗り出す時にはバッテリーを取り付けるのですが、その際は取り外しの時とは逆に、プラスの端子から先に取り付けをします。
ちなみにおすすめの充電器は自分も使っているのですが、このオプティメイトという商品です。
ワンシーズンバイク屋に預けるよりも安上がりで、すぐに元が取れます。
なお、これには過充電を防止する機能があるので、充電完了後も接続したままでもいいんですけれども 、自分は一応外しています。
冬の間の任意保険の扱い方
バイクの冬眠の準備とは少し話がズレますが、任意保険の取り扱い方の話です
皆さん、任意保険の支払い方法は1年や3年の一括払いでしょうか?一括払いだと保険料が少し安くなってお得なんですよね。
でも冬は絶対にバイクに乗らないという方には、毎月の支払いをする分割払いがおすすめです。なぜかというと、冬の間は最低の保障内容のプランに切り替える方が安くなるからです。ちなみに自分の場合だと、月に200円くらいでしょうか。
ただし春にまた乗り始めるときには、必ず保険の補償内容は戻す必要があります。これを忘れると、イザという時に大変なことになりかねません。
それならいっそ解約したらいいじゃないと思われるかもしれませんが、これには理由があります。最低の補償内容に切り替えて保険を継続することで、等級を進めることができるからです。
本来使わない保険は切るべきものですから、バイク屋や保険会社の人は大っぴらには勧めにくい話ではありますね。
まとめ
バイク屋などに預けると、ワンシーズンで2・3万円の費用がかかることがありますが、だからといって何もしないで春まで放置しておくと大変なことになります。きちんと準備をして、春に乗り出す時へ備えましょう。
また上で説明したように、冬に乗らない方針の方には、任意保険は月払いの方がグっとお得です。すでに年単位で契約をしてしまっている方も、次の契約更新のタイミングで月払いに変更することを検討してみてください。
今回のこの記事も、下の動画で詳しく説明していますので、こちらもぜひご覧になってください。
それでは今回も最後までご覧いただきありがとうございました。
冬季保管について詳しく知りたい方はぜひこちらも参考にしてみて下さい↓
投稿者プロフィール
-
元バイク屋のYouTuber。
バイクライフに役立つ情報を毎週配信。
メカの話やバイク購入アドバイスはもちろん、用品レビューやバイク屋裏話まで、バイク乗りなら誰もが気になるテーマばかり。
ちなみに中身はアラフォーのおっさん。
好物はサッポロ黒ラベルとキャベツ太郎だが、子どもができて以来、ふるさと納税で貰った無糖レモンサワーで節約している。
最近、血糖値と血圧を気にしているらしい。
最新の投稿
- アイテム2024年11月12日【元バイク屋が解説】価格差10倍以上!高いヘルメットと安いヘルメットは何が違う?
- コラム2024年11月4日【元バイク屋が解説】初心者でも峠を楽しめる!おすすめモデルはコレ‼
- コラム2024年11月1日【元バイク屋が解説】10万円台から買える!ツーリング向きバイクの特徴とおすすめモデル
- コラム2024年10月2日【元バイク屋が解説】大型バイクは危ないのか?中型バイクと大型バイクの違いをデータで検証