バイクを駐めていた場所に染みがあるのは何か原因があるはずですよね?そのまま放置すると、車両自体の致命的損傷、または重大な事故に繋がる可能性を秘めています。ここでは、その状況から不具合箇所と原因を分析し、その対処・解決法を紹介していきます。
何でこんなとこに染みが?
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バイクを駐車場や駐輪場に駐めていて、バイクの下に何か染みがあることに気付くことがあると思います。それは、バイクの不調のサインかもしれません。
そのまま、放置せずに原因を探るようにしましょう。
染みの場所から、原因箇所を探る
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駐車中のバイクの下に染みを見つけた場合、どこに染みがあるのかが原因究明には重要です。「どこから漏れているのか?」「何が漏れているのか?」をしっかり確認するようにしましょう。
エンジン回り
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エンジン下に染みがある場合、可能性があるものは「水」「ガソリン」「オイル」3種類です。染みの色・匂いである程度判断できます。
「水」の場合は、洗車や雨での走行時にカウルの内側などに入り込んだ水が単純に垂れている場合もありますので、この場合は問題ありません。
しかし、水冷エンジンの場合は「クーラント(冷却水)」漏れも考えられます。色が確認できるようであれば青や緑などの色の付いた水(乾くと白っぽくなります)であればここで間違いありません。クーラントの残量を確認して、どこから漏れているのか、探ってみましょう。
「ガソリン」の場合は、明らかにガソリンの匂いがすると思います。考えられるのは「キャブレター」と「フューエル(燃料)コック」です。ガソリンが漏れている場所を探してみましょう。
「オイル」の場合は、茶色から黒色っぽい色(オイルの劣化具合)のエンジンオイルが漏れているはずです。エンジンオイルの残量を確認してみて下さい。エンジンオイルが漏れている場所を探してみましょう。
フロント周り
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フロント周りに染みがある場合は、「フォークオイル」か「ブレーキorクラッチフルード」の可能性があります。フォーク部の確認、ディスクブレーキ、油圧クラッチの場合は、マスターシリンダーやホース類の確認をしてみましょう。
リヤ周り
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リヤ周りに染みがある場合は、「ブレーキフルード」か「リヤサスペンションのオイル」の可能性があります。リヤサス周り、リヤキャリパーおよびホース類を確認してみて下さい。
放置するとどうなる?
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基本的にオイル漏れ放置することは良くありません。エンジンの場合、オイル漏れでエンジンオイルが減ってしまっている場合、最悪エンジンが焼き付いてしまいます。水冷エンジンのクーラント(冷却水)が減ってしまっているとオーバーヒートを起こしてしまうでしょう。
ブレーキオイルが漏れている場合、最悪ブレーキが効かなくなって、重大な事故につながる可能性があります。
前後サスペンションのオイルが減っていると、サスペンションの役目を果たさなくなってしまいますので、走行に問題が生じます。
ガソリンが漏れてしまっている場合、最悪引火の恐れがあり、火災の原因になってしまうでしょう。
このように、放置しておくことは車両自体の重大な損傷、重大な事故、火災の原因などデメリットしかありません。漏れを発見した場合は、速やかに原因を究明し、対処・解決するように心掛けましょう。
箇所による対処・解決法
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エンジン周り
クーラント(冷却水)漏れ [ 水冷エンジンのみ]
クーラント漏れにもいくつかの原因となる箇所があります。ラジエターとエンジンを繋ぐゴムホースあたりから漏れている場合は、ホースを締めているバンドが緩んでいる可能性があります。増し締めしてみましょう。それでも解消されない場合はホース自体の部品交換となります。
リザーバータンク辺りから漏れている場合は、亀裂などないか確認してみてください。亀裂が入っている場合はリザーバータンク自体の部品交換になります。亀裂が見当たらない場合は、リザーバータンクの開閉キャップ部分から漏れている可能性があります、その辺りからの漏れた跡が確認できた場合は開閉キャップ自体の部品交換をしてください。
リザーバータンクのオーバーフローチューブから漏れている場合は、クーラントの量を確認してみて下さい。FULLのラインを液量が超えている場合は、クーラント液の入れ過ぎによるオーバーフローです。そうでない場合はラジエターキャップのパッキンの劣化により圧力調整がうまくできていない可能性があります。ラジエターキャップ自体の部品交換をしてください。
ガソリン漏れ
ガソリンが漏れている場合には、上記の原因を探るで述べたように「キャブレター」か「フューエル(燃料)コック」が考えられます。
キャブレターから漏れている場合は、オーバーフローが考えられます。オーバーフローはキャブレターに必要以上のガソリンが流れ込んでしまった場合に外に流れ出す仕組みになっています。バイクを倒したり、必要以上に傾けたりするとオーバーフローとなり漏れることがあります。
そうでない場合は、キャブレター下部にあるフロート室の中のフロートの固着によるオーバーフローが考えられます。本来、フロートの浮き沈みによりキャブに流れ込むガソリン量を管理しているのですが、定位置より低い所で固着してしまっている場合、ガソリンがどんどん送り込まれてしまい溢れてしまいます。その場合、フロート室をコンコンと叩いてやると直ることもありますが、それでも直らない場合はフロート室の清掃をしてください。
また、フロート室のパッキンの劣化による漏れの可能性もあります。その場合はパッキンを交換してください。
フューエルコックの辺りから漏れている場合は、パッキンが劣化しています。フューエルコック自体の交換をしてください。
エンジンオイル漏れ
エンジンオイルが漏れている場合は、まずどこから漏れているのか確認しましょう。エンジン自体がヘッドカバー、シリンダーヘッド、シリンダー、クランクケースと組み合わされており、そのつなぎ目にはガスケットが使用されています。このつなぎ目から漏れている場合はガスケットの劣化、パーツ自体の歪みが考えられます。この部分に関しては、ショップに相談することをおすすめします。
オイルドレンボルトから漏れている場合、ボルトの緩みや、オイル交換をした時にドレンワッシャーの交換をしなかったなどの理由により漏れる可能性があります。ドレンワッシャーの交換、ドレンボルトの増し締めをしてみて下さい。ドレンボルトの締め付けは、適切なトルクで行ってください。同時にオイルキャップの締め付けも確認も忘れずに。
オイルフィルター(エレメント)箇所からの漏れの場合は、取り付け箇所のOリングの劣化、交換時の取り付けミスが考えられます。フィルター交換時には、必ずOリングの交換も同時に行い、適切な方法で交換を行ってください。
フロント周り
フォークオイル漏れ
フロントフォークからのオイル漏れの場合は、オイルシールが劣化しているため部品交換が必要となります。自分で交換することは可能ですが、フロントフォークを取り外す必要があるためここでは、ショップに依頼することをおすすめします。
ブレーキorクラッチフルード漏れ
ディスクブレーキの場合はハンドルに取り付けられたマスターシリンダー(リザーブタンク一体型)の中にブレーキフルードが入っており、ブレーキホースを伝わりキャリパ―を油圧で動作させます。
マスターシリンダー側、ホース、キャリパ―側のどこから漏れているかを確認してください。油圧クラッチも同様です。
しかし、ブレーキフルードやクラッチフルードの漏れを発見した場合は、デリケートな場所でもあるためここでは、ショップに依頼することをおすすめします。ブレーキ&クラッチフルードは劇薬で、塗装も簡単に剝がれてしまいますので、取扱いには十分に気を付けてください。
リヤ周り
ブレーキフルード漏れ
リヤのリザーブタンク場所を確認し、あとは上記「ブレーキorクラッチフルード漏れ」と同様です。
リヤサスペンションのオイル漏れ
リヤのサスペンションからのオイル漏れの場合は、ショップでの相談をおすすめします。メーカー修理か新品交換になります。
まとめ
「バイクを駐めていた場所に染みが!!原因分析と対処・解決法」ということで紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
バイクにとって各種オイルは、非常に重要なものになります。染みを見つけた場合は、早期の原因究明・対処・解決するようにしてください。
オイルの残量のチェックはバイクと自分の身体を守るために、バイク乗りの常識としてクセ付けしておきましょう。わからない、難しいと感じる場合はショップに依頼することをおすすめします。
この記事を読んで、バイクのメンテナンスにおいても興味を持っていただけたのであれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
メンテナンスについて詳しく知りたい方はこちらもどうぞ↓
投稿者プロフィール
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バイク大好きで30年近く乗っています。
バイクのメンテナンス・カスタムは、ほぼ自分ですべてやります。
愛知県在住でツーリングも大好きです。
◇バイク保有経歴
ゼファー400(マフラーはモリワキのワンピース搭載)
⇒ボルティ(カフェレーサーフルカスタム)
⇒Roiyal Enfield Bullet350
⇒エストレヤ(カフェレーサー・CRキャブ搭載)
⇒GN125H(カフェレーサカスタム進行中・現在所有)
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よろしくお願いします。
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