夏を前にして”暑い”と感じる日が多くなってきた昨今、様々な冷感、冷却グッズが増えてきているとはいえ、日中のツーリングには熱中症対策が必要だったりしますよね。そんな暑い季節には、五感で涼を感じられる場所へ行きたいと思うのが自然な感情ですよね?
そんな中、”涼”といえば水辺、夏の水辺といえば”海”ですが、実際に海に行くとなると関東では、海辺の大渋滞が発生し、外気にさらされるライダーには辛い場所と化してしまう場合もあります。そこで今回はあえて海を外し、涼を感じられる関東の水辺にスポットを当て、夏場のツーリングの楽しみ方について検討していきたいと思います。
滝
数ある水辺の中で最も涼を感じやすい場所といえば滝!滝は、勢い良く流れる水を視覚で感じながら、轟々と流れ落ちる水の音を聴覚で感じ、水しぶきによって生じる気化熱で周囲の温度の低下も触覚で感じ取る事ができます。さらに、マイナスイオンによるリラックス効果も!
そんな滝スポットは意外と多く、気軽に行ける場所としては次のような滝を挙げることができます。
払沢の滝(東京都)
都内で見る事ができる氷瀑として有名な払沢の滝ですが、夏場でも良い物です。駐車場から滝までは少し歩きますが、木漏れ日の中、ウッドチップが敷かれた山道をノンビリ歩くのも良いですよ。汗が額に滲む中、フッと冷気を感じる滝を眺めるのは、最高のマッチポンプになるはずです!
華厳の滝(栃木県)
日本三大名瀑の1つであり、97mを誇る落差は日本一なのだとか!華厳の滝の見学には、エレベーターにより滝つぼ付近まで降りて行く必要があり、展望台付近は、夏場でも実際に涼しい場所となっています。華厳の滝を訪れる際には、栃木県のワインディング名所である”いろは坂”も堪能したいですね。紅葉の時期とは異なり、夏場は少し早い時間であれば、いろは坂も比較的すいている事が多いため、楽しく走れると思いますよ。
竜頭の滝(栃木県)
華厳の滝からほど近い竜頭の滝は、無料で見学できる滝スポットです。駐輪場が少し狭いという難点はありますが、二本に分かれた渓流瀑も、見ごたえがありますよ。竜頭の滝を訪れた際には、群馬県の沼田市へ抜ける金精峠(国道120号線)を走るのが楽しいですよね!峠道を抜け、国道401号線にぶつかる手前の道は、通称”とうもろこし街道”とも呼ばれており、この時期、美味しい焼きトウモロコシを食べる事もできますよ。
吹き割れの滝(群馬県)
見学ルートが定められた渓流瀑ですが、川のいたる所に水が流れ落ちる場所を見る事ができ、自然の力、地形の面白さというものも感じる事ができます。国道401号沿いに駐車場が運営されています。国道沿いのドライブインを利用すると駐車場が無料となる場所もあるので、そういった場所を利用することで、お得に見学する事も可能ですよ。
清流
澄んだ水がサラサラと流れる清流は、見た目の爽やかさと心の落ち着きをもたらしてくれます。そんな清流ですが、緑の濃くなるこの季節では特に、濃緑の中で水が鮮やかに写り、木漏れ日の反射が気持ちの良い夏を演出してくれます。
そうした清流は、メジャーな所はもちろんですが、ちょっとマイナーなところもお勧めしたいと思います。
養老渓谷(千葉県)
千葉県を代表する渓谷。季節を問わず楽しめる観光地でもある養老渓谷は渓谷自体の距離が長く、眺める場所によって様々な風景を楽しむ事ができます。また、周辺には温泉施設などもあり、川辺の観光だけでなく、ツーリングの疲れを癒す事もできますよ。
三波渓谷(埼玉県)
養老渓谷に比べると、少しマイナーな清流ですが、とても綺麗な渓谷ですよ!青みがかかった三波石が見られる渓谷で、水に差し込む光が強い方が青味が綺麗に見える気がするため、夏の日差しの時期が最も映えるような気がします。数年前までは駐車場が無料だったのですが、今は有料になってしまっているようです。
湖
ライダーが大好きなダムカードを配布している事も多いダム湖は、山奥にある事も多い事から、そこに至る道を楽しむ事ができるという点でもオススメスポットです。もちろん、水辺としての景観も良く、運よく放水などを見る事ができたら最高ですよね。
下流に水を流すため、山奥などの標高の高い場所につくられるダム湖は、下界に比べてその場所自体が涼しい事も多いはず!そんなダム湖を中心とした関東のおススメ湖は以下のような場所となります!
奥多摩湖(東京都)
小河内ダム:都内ツーリングの聖地でもある奥多摩周遊道路でも有名ですね。風張峠の駐車場が位置する地点は、標高1146mで、都道最高地点でもあります。下界との気温差を感じる事もできますし、ワインディングとしては道幅も広く綺麗な路面の道路を走るのは最高ですよ。
名栗湖(埼玉県)
有間ダム:埼玉県のツーリングスポットとして有名な場所で、堤体の上は、撮影スポットとしても有名ですね。がけ崩れなどで湖の周遊ができなくなっている事も多い名栗湖ですが、有間ダムの周囲は、埼玉県のワインディングスポットが集約されている場所でもありますから、ダム湖を見て気分を解放した後は、じっくり走りを堪能するのも良いでしょう。
奥秩父もみじ湖(埼玉県)
滝沢ダム:秩父湖(二瀬ダム)と並び、秩父最奥部に位置する湖の1つです。二瀬ダムは、堤体が公道(県道278号線)となっているため、堤体をゆくり見て歩く事が難しい(歩道はあるが狭い)ため、堤体からゆっくりと湖を見渡したい場合には、滝沢ダムがお勧めです。また、秩父側(例えば道の駅大滝温泉側)から奥秩父もみじ湖へアクセスする際には、高低差のあるダムを駆け上るように架けられたループ橋である雷電廿六木橋は、走ってみる価値ありです!さらに、ここ滝沢ダムは、漫画「ゆるキャン△」の聖地の1つにもなっています!
笹川湖(千葉県)
湖自体はさほど大きくはありませんが、湖面を跨ぐ道路は房総スカイライン(2019年4月21日から通行料が無料化されています)の一部であり、かつ湖沿いには道の駅ふれあいパーク・きみつがある事から、ツーリングのルートに組み込みやすく、ツーリングの休憩地としても便利です。さらに、ここから流れる渓流には、千葉県の観光名所の1つとなっている濃溝の滝(亀岩の洞窟)も存在することから、千葉県に行ったら一度は行ってみたくなる湖の1つと言えます。
芦ノ湖(神奈川県)
神奈川県の水辺と言えば、湘南や江の島と言いたいところですが、夏場ば渋滞がすごいため、涼を求める場合には、標高が高く涼しい芦ノ湖が最適です。また、芦ノ湖周辺には、バイカーズパラダイス南箱根などの立ち寄りスポットもある他、ワインディングロードも豊富に存在します。特に、芦ノ湖スカイラインや、箱根スカイラインなどの有料道路は、休祝日でも比較的交通量が少なく、快適に走る事ができる場合が多いため、おススメルートの1つです。
霞ヶ浦(茨城県)
関東で最も大きな湖でありながら、他の湖とは一線を画す奇妙な湖でもあるのが霞ヶ浦です。というのも、この霞ヶ浦一帯は平坦な地形が広がっており、海にも近い事から、約1000年前までは、海の一部であり、汽水湖だったと言われています。このためその名前にも、”湖”では無く、入江を意味する”浦”が使われているのでしょう。そんなちょっと変わった湖である霞ヶ浦は、その湖畔に道の駅たまつくりがあり、名物のナマズバーガー(なめパックン)などを食べる事ができる他、”蔵出し焼き芋”で有名な”かいつか”さんの本店も近くにあり、ツーリングのお土産にも困りません!
まとめ
いかがでしたか?”滝”、”清流”、”湖”と、段階的に流れが穏やかとなるように水辺を紹介していきましたが、涼を求めるツーリングでは、これらを区別して回る必要はありません。また、各水辺は、ツーリング中継地点としてだけでなく、滝であれば虹が見えるかもしれない!清流であれば魚が見られるかもしれない!湖であればダムの放流を見る事ができるかもしれない!など、その場所自体をツーリングの目的地として訪れるといった楽しみ方をしても良いでしょう。これからの暑い季節、水分補給をこまめにしつつ、視覚や聴覚、触覚からも涼を取り入れるツーリングを楽しんでみてはいかがでしょうか。
投稿者プロフィール
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BMW F900XRとDucati MonsterS2Rでチョイノリからロングツーリング、サーキット走行まで楽しむリターンライダー。
リターン後のツーリングは首都圏内での日帰りをメインとして、美味しい物や良い景色を堪能している。
ご当地"グルメ調査隊"と称してマスツーリングの企画運営なども手掛けることから、バイクの様々な楽しみ方を伝えて行く事を目標としている。
若い頃は、日帰りで埼玉-青森間を往復したことがある、 "自称"やれば出来る男。
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