バイクを購入する人の中には、ネットオークションで車体を購入する人も少なくないでしょう。
ネットオークションでの個人売は相場よりも安くバイクが買えたり、店頭では販売していない絶版バイクが出品されていたりとなかなか魅力的です。
しかし、「ネットオークションでバイクを買って後悔した」という意見や「ネットオークションのバイクはすぐ壊れる」といった意見を耳にすると、いざ欲しいバイクを見つけても、購入を躊躇してしまいますよね。
今回はそんな方に向けて、ネットオークションでバイクを買うときの注意点をご紹介していきます。もちろん今回ご紹介する点を注意すれば100%不良品を見抜けるというわけではありません。しかし、それでも注意深くチェックすれば致命的な失敗は避けることができます。
ネットオークションでバイクを購入してみたい初心者の方必見の内容です。
ネットオークションのバイクは不良品が多い?
まずネットオークションで購入するバイクは不良品が多いのか?という疑問。こちらに関してお答えすると、決して不良品ばかりではありません。
中には不動車や現状渡しといった、整備がなされていないバイクも出品されていますが、説明文にきちんと記載があるはずです。
動かないバイクをさも乗れるかのように販売することはオークションのガイドライン違反。詐欺でもない限り、乗れないバイクは販売されていないと考えていいでしょう。
ですが、もしかしたら購入してすぐ壊れてしまう可能性もゼロではありません。
安く購入できる一方で、故障のリスクもあるのがオークションで購入するバイクです。購入後はある程度メンテナンスが必要になると考えておきましょう。
購入前に確認できるポイントを押さえればオークションでも程度のいいバイクはたくさんある
ネットオークションは個人販売。お店と違ってプロがバイクの状態を判断しているわけではありません。どれだけ説明文を読んでも素人が状態チェックしているために見落としもあるかもしれませんし、壊れていることに気が付いていない可能性も十分にあります。
最悪、状態によっては名義変更に支障が出てしまう場合もあるので、ここからはオークションでバイクを買うときのチェックポイントをご紹介していきます。
ネットオークションで買ったバイクのチェックポイント5選
さて、ネットオークションでバイクを買うとき、もしくは買った後にトラブルにならないよう、最低限これからご紹介する5つのポイントはチェックするようにしましょう。
ちなみに、今回ご紹介するポイントは購入から、ナンバー登録、乗り出しまでがスムーズに行えるバイクを探すポイントです。
購入後の車体の状態チェックはバイク屋さんにお願いすることをおすすめします。
素人判断でのブレーキパッド点検や、足回りのチェック、ハンドルのガタつき点検は大変危険です。必ずプロに点検してもらってくださいね。
事故歴の有無
まずは事故歴の有無。これは立ちごけから対物事故に至るまで、できる限り調べておきましょう。
重たいバイクは、ちょっとした立ちごけでもサブフレームが曲がっていたり、ステップの取り付け部にひびが入っている恐れがあります。もし転倒歴がある場合は、ぶつけてしまった場所の写真を入念に送ってもらいましょう。
特にマフラーの傷は転倒時についてしまうことがほとんどなので、サイレンサー部分だけが妙にキレイだったり、擦り傷が入っている車両にもかかわらず、転倒歴なしといわれたバイクは要注意です。
ただし、どれだけ写真や実物をチェックしても細かな傷の見落としは避けられません。事故歴や転倒歴のあるバイクは避けたほうが無難ですね。
書類の確認
個人売でバイクを買うときは車体ばかりに注意が向きがちですが、書類の有無も忘れてはいけません。
ちなみにここで言う書類とは
- 標識交付証明書(125cc以下のバイクのみ、ナンバーを返納している場合は廃車証明書)
- 軽自動車届出済証もしくは軽自動車届出済証返納確認書(126cc以上250cc以下のバイクのみ)
- 車検証もしくは一時抹消登録証(251cc以上)
以上の書類のことを言います。バイクの排気量によって書類の呼び名は変わりますが、要は“バイクを登録したときに発行された書類”があるかどうかを聞いておきましょう。
こちらの書類は無くしてしまった場合、再発行してもらわなくてはなりません。
しかも、仮にナンバーを返納してしまっていて、その旨を証明する書類がなかった場合には、書類の再発行が非常に難しくなるケースがあります。
オークションを見ていると極端に価格が安く、”書類なし“という記載があるバイクを見かけるかと思います。これは書類が用意できないため、再登録が難しいということを意味しています。
書類なしバイクは所有者登録ができないなど、後々面倒な事態になる可能性が非常に高いです。書類なしバイクは慣れている人以外絶対に手を出してはいけません。
過去の整備状況
ネットオークションでバイクを買う場合、できれば過去の整備状況が分かるバイクを選んだ方が無難です。
整備状況が分かれば、故障歴、消耗部品の交換サイクルなどが分かるので、もしメンテナンスノートなどが取ってある場合は確認するようにしましょう。
特にオイル交換の頻度や、ブレーキパッドの交換歴、チェーンの状態などを見ることができれば、おおむねそのバイクがどのような使われ方をしていたか分かるでしょう。
ブレーキローターやチェーンが真っ赤にサビており、オイル交換の履歴も不明ということであれば、もしかしたら長期にわたって放置されていた車両かもしれません。
画像をみて、ブレーキがサビていたら燃料タンクの中もサビていないか確認してみましょう。
前オーナーの使用状況
前オーナーの使用状況もネットでバイクを買うときには車体の状態を判断する重要な情報です。
- 普段は街乗りだったか?
- サーキット走行はしていたか?
- 普段の整備はどこの工場に入れていたか?
など。前オーナーの使い方を聞くことで、どのくらいバイクを大切に乗っていたのか分かるでしょう。
いろいろ質問をして、代理出品であったり、ほとんど乗らずに売却するという話の場合、もしかしたら何かトラブルを抱えている可能性があるので、なるべく避けたほうがいいバイクと判断できるでしょう。
修理部品は絶版になっていないか
書類あり、整備状況良好、事故歴なし、と、文句ないバイクを見つけたとして、もしそれが旧車だった場合はパーツが絶版になっていないか確認しましょう。
実はこれ、私も経験があるのですが、ようやく手に入れた古い2stバイクが全パーツ絶版により、全く整備ができず、互換性のあるパーツを探したり、ワンオフでパーツを作ってもらったりとかなり苦労したことがあります。
もちろん、そういったことも含めて“旧車を楽しみたい”ということであれば問題ないのですが、特に旧車に興味のない人が絶版車を購入すると必ず後悔します。
意外とバイクのパーツは製造年数が短く、生産終了から10年もすれば少しづつ補修パーツが絶版になっていきます。
レアなバイクを買うときや、古いバイクを買うときにはパーツがまだ手に入るか確認しておきましょう。
オフロードバイクのネットオークション購入は注意
ちなみに、最近流行りのオフロードバイクをネットオークション買うときにはさらに注意が必要です。
というのも、頑丈なオフロードバイクは林道や沢などかなりハードな使われ方をしている可能性があります。
見た目にはわからなくてもサスペンション周りのベアリングがサビていたり、フロントフォークのオイルが滲んでいたりと一見キレイなバイクでも、細かくチェックすると、所々痛んでいるのはやむを得ません。
ネットオークションでオフロードバイクを買うときには、はぼ間違いなく購入後のメンテが必要になることを覚悟の上で購入しましょう。
もし、トラブルの少ないオフロードバイクを探すなら、お店の中古車や素直に新車を購入することをおすすめします。
競技で使用されていた車両は避けたほうが無難
ネットオークションでたまに競技で使われていたバイクが安く出品されていることがあります。思わず買ってしまう衝動に駆られてしまいそうですが、これはなるべく避けましょう。間違いなく失敗します。
競技は公道とは比べ物にならない負担がバイクにかかっており、車体の寿命は間違いなく縮んでいます。
もし初めから競技をする前提で、入門バイクとして中古車両購入する分には全く問題ありません。しかし、公道利用をするのであればきっと長く乗るつもりで購入しますよね?
それなのにすぐに壊れてしまう可能性があるバイクを購入するのはやめておいた方がいいでしょう。まさに“安物買いの銭失い”になりかねません。
【まとめ】ポイントを押さえてお得にネットオークションでバイクを買おう
ネットオークションは、上手に使えばお得にバイクを購入できる場です。事故歴の確認や整備状況、書類の有無など、自分で確認しなくてはならないところはたくさんありますが、しっかりとポイントを押さえれば十分に程度のよいバイクが購入できます。
今はネットオークションのバイク売買が増えてきており、以前に比べると詐欺みたいな車両は減ってきています。
けれどもやはり、少なからず粗悪なバイクは存在します。もし購入するときは油断せずに、しっかりとバイクの品定めをしましょう。
そして中古バイクなので、できれば最初は少しお金をかけてメンテナンスしてから乗ってあげてくださいね。
投稿者プロフィール
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元モトクロス国際B級ライダーのヨシキです。
趣味は林道探検、オフロードバイクでどんな山道も散策します。
今は整備士として活躍しているので、メンテナンス、DIYでできる整備など、お役に立てる情報を発信していきたいと思います。もちろんレーサーならではのライテク記事も執筆していくのでおたのしみに。
【愛車たち】
SUZUKI RM-Z250,HONDA CR125,SUZUKI RM80L
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