2021年に”ファイナルエディション”が販売され、国内での新車販売が終了したSR400。1978年の販売当時から変わらないキックスタート構造と、レトロ感溢れるスタイリングで絶大な人気を誇っていただけに、そのカスタムにも歴史や個性を感じられるものが多くあります。
今回は、SR400のカスタム車両の中から、筆者が特にカッコいいと感じた車両をご紹介させていただきたいと思います。
なお、一言にカスタムといっても、その方向性は多岐にわたります。このため、今回は、6つの代表的なカスタムスタイルを例に挙げ、各スタイルにおいてカッコいいと感じた車両とその理由などを述べていきたいと思います。
ノーマルスタイルのSR400
カスタム車両をご紹介する前に、比較として、ノーマルルックのSR400をご紹介させていただきたいと思います。写真の車両は、筆者の家にある2019年式の車両です。サイドバッグを取り付けただけのノーマル車両ですが、レトロ感溢れる姿は、そのままでも美しさがあると感じております。
Cafe Racer スタイルカスタム
レトロスタイルなバイクをカスタムする上で王道と言っても良いカスタムスタイルですね。
定番と言いつつも、”カフェレーサーらしさ”を出すカスタムスタイルはあるものの、”カフェレーサーは、こうじゃなきゃダメ!”というものではないと思っています。そんなカフェレーサースタイルカスタムの基本は、”セパレートハンドルにカウル、そしてシートエンドが丸い”といった点ではないでしょうか?
近年、そうした基本スタイルを持つネオレトロなカフェレーサールックの車両が各メーカーから販売されてきていますよね。これは個人的な見解ですが、写真の車両のように、カウル下からシートエンドまでのラインが一直線に決まっていると、カフェレーサーとしての美しさを感じるように思えます。
Tracker スタイルカスタム
クラシカルな見た目に無骨さをプラスするトラッカースタイルのカスタム。シートエンドが緩やかに跳ね上がっている”トラッカーシート”と呼ばれるシートを採用するのを基本としつつも、様々な方向性を持たせる事ができるカスタムです。
写真の車両は、SRであるという面影を残しつつ、実際に走れるトラッカーとなるようにフロントフォークの稼働域を広げ、いわゆる足の長い車両とし、インチアップを図ったブロックタイヤを採用しているように見えますね。マフラーは、車両の低い位置に配置する場合も多いのですが、個人的には写真の車両のように、エキパイから腰上側に撮りまわす跳ね上げタイプのマフラーをカッコよく感じます。
スカチューンスタイル
2000年代頃に流行ったスカチューンスタイルのカスタム。無駄なパーツ(実際には無駄では無いのですが、無くてもバイクとして成り立つパーツ)を取り外すというカスタムスタイルであるため、気軽にできる反面、”全体のバランス”をよく考えないと、ちょっと残念な仕上りになってしまう奥の深いカスタムスタイルです。
写真の車両は、”全体のバランス”といった点が非常に良く考慮されていると感じた車両です。具体的には、パーツの取り外しやフェンダーのカット(リア)&レス(フロント)といった引き算のカスタムと、フロント周りにスプリンガーフォークといったアメリカンスタイルの重厚さをプラスするという足し算のカスタムが施されています。これにより、カスタムスタイルはスカチューンでありながら、全体が美しく仕上げられていると感じました。
ボバースタイル
カフェレーサースタイルとトラッカースタイルを掛け合わせたような雰囲気を持つボバースタイル。その基本コンセプトは、ロー&ショート。
ボバースタイルというと、短いシートを低い位置に配置するアメリカン寄りなカスタムスタイルもありますが、写真の車両は、”SR400のフレームをそのまま活かしたボバースタイル”ですね。コンパクトに仕上げられた車両は、ストリートファッションとの相性も良さそうです。
アメリカンスタイル
SRのカスタムスタイルとして、カフェレーサーに次ぐ人気を誇るカスタムスタイルがアメリカンスタイルではないでしょうか。”他のカスタムスタイルと比較してコンセプトを表現しやすいアメリカンスタイル”ですが、比較的小さな車両であるSRを用いたアメリカンカスタムは、”全体として寸詰まりな印象を受けるカスタムになってしまう”場合もあります。
写真のカスタム車両は、SR400のフレームは活かしつつも、ロー&ロングの王道アメリカンの基本スタイルを印象づける美しい車両に仕上げられていると感じました。
レーサースタイル
SR400というと、単気筒かつ空冷フィンの美しいエンジンが印象的な車両です。
これに対してレーサーカスタムは、フルカウル化によりエンジンを隠すという大胆なカスタムスタイルです。SRとしては”異端児”的なカスタムスタイルだと思われるため、”唯一無二感を出したい場合”には、こういったスタイルのカスタムも良いのではないでしょうか?
まとめ
いかがでしたか?いずれのカスタムスタイルも、ベースは同じSR400でありながら、大きく異なる印象を受けますよね。
カスタムが全てでは無く、ノーマルが好きという方ももちろんいらっしゃるでしょう!ですが、自分で手を加えたカスタム車両には、少なからず”思い入れ”という付加価値が付きます。車両の価格に還元される事は少ない”思い入れ”ですが、その車両を長く乗るためには重要なファクターだと思います。
カスタムに興味はあるけど、何をどうしたらいいのかわからない・・・そんなSR400のオーナーさんは、好みのカスタムスタイルを探すところから始めてみてはいかがでしょうか?
投稿者プロフィール
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BMW F900XRとDucati MonsterS2Rでチョイノリからロングツーリング、サーキット走行まで楽しむリターンライダー。
リターン後のツーリングは首都圏内での日帰りをメインとして、美味しい物や良い景色を堪能している。
ご当地"グルメ調査隊"と称してマスツーリングの企画運営なども手掛けることから、バイクの様々な楽しみ方を伝えて行く事を目標としている。
若い頃は、日帰りで埼玉-青森間を往復したことがある、 "自称"やれば出来る男。
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