ゆとりを持ってバイクに乗っていますか?
バイクの主要諸元には最大馬力や最大トルクなどの性能が列挙してあります。しかし、これらMAXパワーなどの最大性能は限界値であり、むやみに使うものではありません。危険を伴うからです。
この記事では、バイクのライディングに余力や余裕が必要な理由や、限界ギリギリライディングの危険性などについて、バイク歴40年の筆者が詳しく解説します。
ぜひ最後まで読んで、あなたの安全運転にお役立てくださいね。
アクセルワークにも余力が必要!エンジン全開の危険性
アクセル(エンジン)全開には危険が潜んでいます。アクセル全開を続けるのは危険なうえ、バイクのためにもよくありません。
この章では余力のあるアクセルワークについて解説します。
小排気量バイクのエンジン全開リスク
原付や原付2種など、排気量が小さいバイクでアクセル(エンジン)全開するのは、危険が伴う場合があります。パワーが小さく扱いやすいからといって、全開を続けるのはよくありません。
法定速度に達したら、アクセルを緩めて走るのが安全です。
特に原付スクーターのエンジン全開走行は不安定になり危険が伴うのでやめましょう。また、アクセル全開を続けるのはエンジンに負担がかかり、エンジンの寿命を縮めます。バイクのためにも、アクセル全開運転を続けるのはやめましょう。
筆者の危ない経験談(その1)
125ccのバイクに乗っていた頃…長い上り坂で前方に荷物満載のトラックが走っていました。追い越し可能な道路だったので、追い越そうとしましたが、パワー不足で思ったほどの加速をしてくれません。追い越し完了まで時間がかかり、ヒヤヒヤしながらの追い越しでした。対向車が来なくて、よかったです。
小排気量のバイクで追い越しをする際は、十分な注意が必要です。心にも余裕を持ちましょう。
大排気量バイクのエンジン全開リスク
大型バイクのような、大排気量車のエンジン全開にも危険が伴います。強大なパワーがあるからです。
特に免許を取りたての場合や、買ってすぐでバイクに慣れてないときのエンジン全開は控えるべきです。大パワーは、ベテランでも扱うのが難しいものです。レッドゾーン近くまで回さない方がよいです。
大きいバイクを買って、パワーを試したい気持ちは理解できますが、慣れるまでガマンしましょう。
大排気量バイクの強大なパワーは、追い越し加速が必要な場合など、いざというときに使うようにしましょう。
そして、パワーがあるバイクのアクセルワークは慎重に! ガバッと開けるとスリップダウンする恐れがあります。
筆者の危ない経験談(その2)
GPz900Rに乗っていたころ、雨の日に白線の上でリアタイヤがホイールスピンしてビビったことがあります。信号停車から青になったので、普通にアクセルを開けて発進した(アクセル全開にしたワケではない)のに、道路上の白線の上で一瞬リアタイヤがホイールスピンしました。
晴れの日は滑らなくても、雨で路面が濡れている場合は滑りやすくなります。パワーのあるバイクは特に気をつけてアクセルを開けましょう。
バンク角にも余裕が必要!バイクのフルバンクは危険!
コーナーリング(バンク)はバイクの醍醐味ですよね。しかし、フルバンクには危険が伴います。バンク角にも余裕が必要です。
この章ではフルバンクの危険性など、バンク角について解説します。
「バンク角が深い=テクニックがうまい」ではない
バイクを深く寝かせる(バンク角が深い)のは危険です。バンク角が深いことがバイクのテクニックが上手というワケではありません。今も昔もココを勘違いしているライダーが多く存在します。バイクは寝かせないとコーナーリングできませんが、過度に寝かせる必要はありません。
バイクは寝かせるほど不安定になり、転倒のリスクが高まります。一般道ではバイクを過度に寝かせない走りをしましょう。
フルバンクはサーキットでのテクニックと心得ておく
フルバンク(限界までバイクを寝かせるコーナーリング)を一般道でやってはいけません。
レースのかっこいい写真や映像を見て「オレも!」っていう気持ちになるかもしれませんが、ちょっと待って!
レースの画像は主にサーキットです。サーキットは路面のミュー(摩擦係数)が一般道とはかなり違います。サーキットの路面はミュー値が高く、タイヤの食いつきがよい場合が多いのです。
つまり、一般道でサーキットのように深くバイクを寝かせるのは滑りやすく危険です。バンク角にも余裕を持たせる走りをしましょう。
寝かせるほど転倒リスクが増える!
バイクは寝かせるほど転倒するリスクが高まります。しかし、バンクさせなければバイクはコーナーリングできません。だからといって過度に寝かせるのは禁物です。
特に一般道には危険がいっぱいです。砂利、落ち葉、グルービング(道路の縦溝)、白線や黄線など路面のペイント、路面の段差などたくさんの危険が潜んでいます。
このような危険が突然あらわれても、転倒せずに対処できるバンク角でコーナーリングしましょう。バンク角にも余力(余裕)が必要です。
タイヤは端まで使わなくてイイ!
ちなみに、タイヤを端まで使うライダーが上手いライダーと思う方もいるようですが、必ずしもそうとはいえません。一般道でタイヤを端まで使い切るのは危険です。
タイヤを端まで使ってないからといって、引け目を感じることはありません。危険をおかしてタイヤを端まで使うより、一般道では安全を優先する方が大切です。
タイヤの使い方にも余裕を持ちましょう。
ブレーキには特に余力が必要!フルブレーキは避ける
バイクのブレーキングは難しい場合があります。特に大型バイクなど、重いバイクやタンデムしている場合などは余裕のある走りで安全なブレーキングを心がけましょう。
急なフルブレーキはスリップダウンにつながる!
ブレーキにも余裕が必要です。
急なフルブレーキは危険です。特にフロントの急なフルブレーキはタイヤのロックとスリップダウンにつながります。
急なフルブレーキをしなくて済むような走りをしましょう。
急なフルブレーキしなくて済む走りをする
では、どのような走りが急なフルブレーキをしなくてすむ走りでしょうか?
- 車間距離をとる
- スピードを出し過ぎない
- コーナーに入る前に十分な減速をする
とっさの事態に直面しても、停まることのできる車間距離とスピードで走行しましょう。雨の日は特に注意が必要です。余裕のあるブレーキングができるよう心がけましょう。
バイクのブレーキの限界を知っておく
あなたのバイクの制動距離を把握していますか? 安全に停まることのできる車間距離や、ブレーキの握り加減による制動距離の違いなどを確かめる走りを、普段から心がけましょう。
余裕のない長時間連続運転も危険!
長時間連続運転にも危険が潜んでいます。運転時間にも余裕を持ち、できれば1時間に1回は休憩をとりましょう。
長時間の連続運転をすると、注意力が散漫になり、事故や転倒のリスクが高くなります。バイクよりも、運転する人間の限界が早くやってきます。少しでも疲れたと感じたり、喉が乾いたと感じたりしたら、休憩してください。
心と時間に余裕を持って長時間の連続運転を避け、ゆとりのある運転を心がけましょう。
まとめ:余裕と余力を持ってバイクに乗ろう!
バイクに乗るときは、心にもテクニック的にも余力と余裕を持ちましょう。限界ギリギリのライディングには危険が伴います。
一般道では安全第一! 余裕や余力のない運転は自分ばかりでなく、他車にも危険を及ぼす恐れがあります。常に余裕と余力を考えて走りましょう。
この記事が読者の皆さまのお役に立てば幸いです。
読者の皆さまの安全なバイクライフを応援しています。
投稿者プロフィール
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熊本県在住。生まれも育ちも熊本。
阿蘇をこよなく愛する生粋の熊本人。
昭和の時代に限定解除し、原付/中型/大型の所有歴あり。
現在の愛機はKawasaki 250TR。
愛機250TRで一日500km(下道)を走破することもある、元気おやじライダー。
「安全第一、無事帰る」をモットーに、今も安全運転を模索しながら走り続けている。
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