バイクを大別すると、ネイキッドタイプやレーサータイプ、アメリカンタイプ、オフロードタイプなど、種々のモデルが存在し、その性能や規格も様々です。そんな中、速度や距離、大きさなど、様々な分野で、現代の技術におけるバイクの限界に挑んだ記録が存在します。今回は、そんなバイクに関するギネス記録についてご紹介していきたいと思います。
市販バイクでの公道世界最高速度
Kawasaki H2R 400km/hオーバー
日本が誇る4大メーカーの一角であるKawasakiのレース車両、H2Rがトルコのオスマン・ガーズィー橋(全長2682mをクローズドコース化)で樹立した記録です。
この時の加速は爆発的で、400km/hに至るまでの時間は、僅か26秒だったとのことです!
私もメーター読みで270km/h位までは体験した事がありますが、200km/h以上で受ける風圧というのは、想像以上ですよ!フルフェイスのベンチレーションの部分の内側が自分の口にくっつく位、前側から押されます。そこからさらに200km/h加速していくなんて、想像するのも怖いですよね。
バイクジャンプ飛距離世界一
322フィート7.5インチ≒98.34m
2007年の大晦日、ラスベガスのRio All-Suite Hotel & Casinoで開催されたカウントダウンイベント”Red Bull New Year No Limits”でロビー・マディソンが樹立した記録です。
使用されたバイクはHondaのCR500!ジャンプ台(ランプ)進入時の速度は時速94マイル(約151km/h)で、ジャンプの高さは60フィート(約18m)にも達したそうです。
ライトフライヤー号によるライト兄弟の初飛行距離が約36mと言われていますから、それを遥かに上回る距離を翼を持たないバイクで飛んでいくというのは、想像しただけでも恐ろしいですよね!
24時間以内でのバイク最長走行距離(個人)
4012.53km
2023年4月30日に、トライアンフ・グローバルアンバサダーのイヴァン・セルバンテスがTriumph Tiger1200GTエクスプローラーで樹立した記録です。
この記録、走行距離を単純に24時間で割った平均時速が約167.2km/hになります。いかに大陸仕様のタイガー1200だとしても、無給油で4000kmを走り切る事はできませんから、少なくとも8回程度は給油しているはずです。そうしますと、平均時速はさらに速い速度となるわけですね!そんな速度で走り続けなければ達成できない記録ですから当然、公道では無く、イタリア・ナルドテクニカルセンターのハイスピードリングでの記録となっています。
ちなみに私は、学生時代に、埼玉-青森間の往復1650kmを日帰りした事がありますが、かなり走ったと思っていても、世界記録の半分にも満たないとは・・・。
バイクでの水上走行距離世界一
31.8km
バイクでサーフィンに挑むという企画”Pipe Dream”の第二弾”Pipe Dream2”でロビー・マディソンがKTM450で樹立した記録です。
流石にノーマル車両では無く、フロントタイヤの下にスキーの板のような物を装着している事が写真から見てとれますが、その他の詳細な仕様は不明です。
それにしても、31.8kmというと、直線距離で東京駅から横浜あたりまでの距離に匹敵しますし、東京湾アクアラインが約15kmですから、海上でアクアラインを往復してしまう距離をバイクで走るっていうのは、サンドイッチマンの富澤さんではないですが、「ちょっと何言ってるか解らない」と言ってしまいそうになりますよね。
世界一大きな市販バイク
Leonhardt Manufacturing:GUNBUS410
ドイツの企業、Leonhardt Manufacturingが制作した市販バイクで、車両諸元は以下の通りです。
・全長:3450mm
・全高:1480mm
・車両重量:650kg
・排気量:6728cc
軽自動車の平均全長が、約3.4m(3400mm)ですから、軽自動車並みの長さという事になりますね。また、写真からも判るようにエンジンはV型2気筒で、1900rpmで最大トルク710Nmを発揮するそうです。ニンジャH2Rの最大トルクが、11500rpmで141Nmですから、想像を絶するトルクである事がわかりますよね。
世界一小さな市販バイク
CK Design:仔猿
日本のCK Designが制作した市販バイクで、キット形式(購入者が簡単な組み立てを行う)で販売されているそう。車両諸元は以下の通りです。
・全長:825mm
・全幅:430mm
・全高:625mm
・車両重量:19.5kg
・排気量:35cc
Honda Monkey50最終型の全長が1365mm、車両重量が68kgなので、子猿の小ささがわかりますね!小さいバイクに乗ってみたいという夢を作るバイクなのだそう。このため、小さいながらも様々なアフターパーツや補修部品が販売されており、オーナーが自分の夢を育てるようにバイクを育てていって欲しいとの事です。
世界最大のバイク
Greg Dunham氏による製作バイク:DreamBig(タンクサイドの表示)
アメリカのGreg Dunham氏が製作したバイクで、ダミータンクのサイドには”Dream Big”と銘打たれており、その諸元は以下の通りです。
・全長:6198mm
・全幅:1880mm
・全高:3429mm
・車両重量:2948kg
・排気量:8200cc
まさに規格外ですね!502rpmという低回転で500馬力を発揮するそうですから驚きです。サイズから見ても人間が跨れるサイズでは無いため、ダミータンクの中にコックピットが存在し、そこに座って操作を行うそうです。
世界最小のバイク
Tom Wiberg氏による製作バイク:SMALLTOE
スウェーデンの発明家であるTom Wiberg氏が製作したバイクで、タンクサイドには”SMALLTOE”と銘打たれており、その諸元は以下の通りです。
・ホイールベース:80mm
・シート高:65mm
・車両重量:1.1kg
手のひらに収まるサイズで、ホントの意味でのポケバイといった感じですね!最大出力が0.3馬力で、最高速度は約2km/hと、赤ちゃんのハイハイなみの速度ですが、馬力が馬力だけに、乗る人の体重に大きく左右されそうですね!
最高齢のバイクレーサー
レスリー・ハリスさん97歳(2023年現在):ニュージーランド在住
レスリー・ハリスさんは、98歳の誕生日の3週間前にオークランドで開催された、プケコヘ第43回クラシック・モーターサイクル・フェスティバルに出場し、世界最高齢の競技用モーターサイクルレーサーとなりました。車両はBSA Bantam 175ccで、レースの結果はなんと4位!
驚く事に、64歳の息子さんと、21歳の孫娘さんも同じレースに参加し、家族の中ではなんと1位になったそう。「車両を手足のように動かす」なんて言葉がありますが、レリー・ハリスさんの場合は、手足よりも自由に車両を操っていそうな気がしてなりません。
シリーズ生産台数世界一のバイク
Honda:カブシリーズ
日本が誇る4大メーカーの一角であるHondaのカブシリーズが2017年に累計生産台数1億台を突破しました!カブが生産開始されたのは1958年で、60年以上のロングセラーであり、かつ種類が多いのもありますがシリーズが廃れる事なく1億台は驚きです!もっとも、燃費が良く、エンジンも丈夫で信頼性が高いのですから、世界中で需要があるのもうなずけますよね。
番外編(ギネス認定されていないけどスゴイ記録)
世界最高速度の電動バイク
Lightning Motorcycles:LS-218
アメリカのLightning Motorcyclesが販売するLS-218が、時速218.637マイル(約352km/h)を記録したそうです。
現存する世界最古のバイクメーカー
ロイヤルエンフィールド
ロイヤルエンフィールドは、1901年に最初のオートバイを製造し、品質と性能を高めながら現在に至っています。性能や品質は高められるつも、その外観は、丸みを帯びたクラシカルなデザインが多く、現在流行っているネオレトロの主流ともいえるのではないでしょうか。
理論上世界最高速度の市販バイク
クライスラー:ダッジトマホーク
ダッジトマホークは、2003年1月にアメリカで開催されたデトロイトショーに出品されたコンセプトバイクで、ダッジバイパー用のV10エンジン(8277cc)を搭載し、506馬力を発揮するとされています。そんなダッジトマホークの最高速度は理論上400mile/h≒約670km/hに至ると発表されました。
世界で最も高価なバイク
Ecosse :ES1 Superbike/360万ドル(2024年8月のレートで、約5億3046万円)
マクラーレンのテクニカルディレクターであるディック・グローヴァー氏が、F1のテクノロジーの投入と、軽量化のための新素材を採用して作り上げたES1 Superbikeは、製造コストを抑える事なく仕上げられ、360万ドルの値段が付けられたそう。その価格は、2024年8月のレートで、約5億3046万円になります。
まとめ
いかがでしたか?いずれも常識という言葉からはかけ離れた記録、及び規格、値段ですよね!四半世紀前の市販車では、車でさえも夢の300km/hと言われていたのに、今や二輪で400km/hを超える速度が出せるとは驚きです。しかしながら、速度や距離といった記録は、技術や電子制御の向上によって今後も更新されていくかもしれません。今後も、最新技術の投入には、目が離せませんね!
投稿者プロフィール
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BMW F900XRとDucati MonsterS2Rでチョイノリからロングツーリング、サーキット走行まで楽しむリターンライダー。
リターン後のツーリングは首都圏内での日帰りをメインとして、美味しい物や良い景色を堪能している。
ご当地"グルメ調査隊"と称してマスツーリングの企画運営なども手掛けることから、バイクの様々な楽しみ方を伝えて行く事を目標としている。
若い頃は、日帰りで埼玉-青森間を往復したことがある、 "自称"やれば出来る男。
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