クルマやバイクは基本的にはだんだんと価値が減っていきます。しかし一部の車種では中古市場で驚くほどの価格で取引されることも。趣味を楽しみながら投資にもなったら最高ですね♪
近年、絶版モデルやクラシックバイクの人気が再燃し、一部のバイクは中古市場で驚くほどの価格で取引されていることもあります。
こうした「値上がりが期待されるバイク」は、所有する喜びだけでなく、将来的な価値の高まりにも期待が持てる魅力的な存在です。
特に、2ストロークエンジンのバイクや、個性的なデザイン、歴史的価値のあるモデルなどは、コレクターやバイクファンからの需要が高く、希少性が価格に反映されています。
あなたの愛車も「未来の宝」になるかもしれません!ぜひ最後まで読んで、自分のバイクライフに新たな視点を加えてみてください!
値上がりするバイクの特徴
値上がりするバイクにはいくつかの共通点があり、その特徴を理解することで、将来的に価値が上がる可能性のあるモデルをある程度見極めることが可能です。
まず第一に、プレミアのつくバイクは供給が限定されていることが条件。絶版となったバイクは新たに生産されることがないため、現存する台数が限られており、需要が高まると価格が急騰します。
特に生産台数が少ないモデルや、特定の時代に人気を博したモデルは、その希少性から価値が上がりやすいです。
また、古いバイクは、整備やレストアの難易度が高いことも価値を押し上げる要因。完璧に整備された状態で市場に出回る車両が少ないため、良好なコンディションのバイクほど希少価値が高まります。
ただ、古いバイクの購入はタイミングが全てです。待っている間に部品が廃盤になり、整備の難易度が上がることも。値上がりするバイクを狙うなら、「今この瞬間が最良のタイミング」と言えます。
注意事項としては、実際に価値が上がるかどうかは現時点では誰にもわからないと言う事。すでに人気が出てプレミア価格が付いている車種を今から狙うのはハードルが高いでしょう。
購入費用、整備費用、維持管理費用を考えると『絶版になった後価値が上がりそうだけど今はまだ注目されていない車種』を購入して、価値が上がるまで大切に乗り続けるというのが投資効果が最も高いです。
価格が上がった絶版車
近年、特定の絶版車の価格が急激に上昇し、コレクターズアイテムとしての価値が高まっています。
この現象は、主に1970年代から1990年代に製造された人気のスポーツバイクや、生産台数の少ない限定モデルに顕著。
一部のモデルでは、新車時の価格を大きく上回り、数倍から数十倍の価格で取引されるケースも珍しくありません。
この傾向は、単なる移動手段としてではなく、バイク文化の象徴や投資対象としての価値が認められていることを示しています。
カワサキ 900 Super4(Z1)
カワサキの900 Super4(通称Z1)は、1972年から1976年にかけて製造販売されていた北米市場向けのバイクです。
1972年から1976年までの短い期間で生産されたため、現存する車両が限られています。さらに、半世紀近い時間が経過したことで、状態の良いZ1は希少価値が非常に高まりました。
発売当時の販売価格は1,895ドルで、1972年のドル円相場は約300円/ドル。当時の日本円で568,500円程でした。ちなみに当時のサラリーマンの平均月収は76,000円だったそうです。(年次統計より)
グーバイクでは2024年11月現在151件の登録があります。車両価格最安は264万円、最高額はカスタムされたものですが1078万円というものがありました。
カワサキ 750RS(Z2)
カワサキ・750RSおよびカワサキ・Z750FOUR(通称Z2)は、川崎重工業が1973年から1978年にかけて製造・販売していたバイクです。
1972年に北米向けに発売し、人気を博したZ1を、国内市場向けに排気量を750ccとして発売しました。当時日本では業界の自主規制により750cc超のオートバイは販売できなかったという背景があります。
1976年にカワサキで車名・型式番号の整理が行われ、 750RSからZ750FOURに車名変更されました。
空冷DOHC直列4気筒エンジンを搭載し、最高出力69馬力を発揮。その流れるようなタンクラインやクラシックな丸型ヘッドライトのデザインは、現在も多くのファンを魅了しています。
新車販売価格は465,000円。当時Z1の販売台数が約10万台、Z2の販売台数は約2万台とも言われています。日本限定車種で販売台数が少ないことから希少価値が高まりました。
グーバイクには2024年11月現在25台が登録されており、最安値は車両価格300.9万円。最高額は車両価格898万円という値が付いています。
ホンダ ドリーム CB750 FOUR
ホンダCB750FOURは、1969年に発売された世界初の量産型4気筒エンジンを搭載したバイクで、「スーパーバイクの元祖」として知られています。
このモデルは、ホンダがアメリカ市場を意識して開発したもので、当時のバイク技術の粋を結集した革新的な一台です。その画期的な設計はバイク業界に大きな衝撃を与えました。
バイク漫画等にもたびたび登場しており、週刊少年チャンピオンに掲載されていた石井いさみ原作の漫画「750ライダー」で主人公の早川光が乗るバイクは本モデルの71年式、通称K2です。
また、週刊少年キングに掲載されていた望月三起也原作の漫画「ワイルド7」で主人公の飛葉大陸が乗るバイクは本モデルの通称K0でした。
CB750FOURは736ccの空冷4ストローク直列4気筒エンジンを搭載し、最高出力67馬力を発揮。当時としては驚異的な性能で、滑らかな加速と安定感のある走行性能が特徴です。
また、前輪ブレーキには量産車としては世界初となる油圧式シングルディスクブレーキ採用。安全性の向上も実現しています。
1969年7月18日発表、同年8月10日発売され、日本国内での販売価格は385,000円でした。
グーバイクには2024年11月現在134件の車両が登録されており、最安値は124万円、最高額は668万円の値が付いています。
ホンダ CB400 FOUR
ドリーム CB400 FOURは、1974年にホンダから発売されたバイクです。
ドリームCB350FOURに搭載されていた排気量347ccのエンジンをベースに徹底的なコストダウンを図って408ccへ排気量をアップさせたエンジンを搭載。
しかし、発売翌年に実施された運転免許制度改正により、自動二輪の免許に中型限定が設定されたため、398㏄の開発が必要になり、逆に高コストとなったことで1977年モデルを最後に生産を終了しています。
そのような経緯から、人気が出るのは必至のバイクだったものの販売台数は非常に少なく、その希少価値から価格が高騰。絶版車ブームの先駆け的な存在となりました。
当時の販売価格は327,000円。2024年11月現在、グーバイクには42件の車両登録があり(398㏄モデル)最安値は車両価格156万円、最高額は594万円で掲載されています。
今後価格が上がりそうなバイク
値上がりが期待されるバイクにはいくつかの共通点があります。まず、最も重要な要素は希少性です。生産終了モデルや限定生産された車種は供給が限られるため、需要が高まると価格が上昇します。
また、バイクの時代的背景や歴史的価値も大きなポイントです。特定の時代を象徴するモデルや、革新的な技術を採用した車種は、コレクターやファンから高い評価を受けます。
さらに、整備された良好な状態の車両が少ない場合、その希少性が価格を押し上げます。特に、オリジナルパーツが揃っている車両やレストア済みの車両は、投資価値が高いとされています。
これらの要因を考慮すると、値上がりが期待されるバイクを見極めるには、供給状況、モデルの背景、車両の状態をよく調査することが重要です。
スーパーカブ50
スーパーカブ50は、1958年に初代モデル「スーパーカブC100」を発売して以来、低燃費や静粛性、信頼・耐久性に優れた4ストロークエンジンを搭載し、使い勝手の良さが評価されてきました。
2025年11月に適用される新しい排ガス規制に対応するのは、現状の50ccエンジンでは採算が取れないとのことで各メーカーの50㏄バイクの生産は終了する見込みです。
長い歴史を持つスーパーカブ50も例にもれず、「スーパーカブ50 Final Edition」が受注期間限定で12月12日(木)に発売されます。(受注期間は、2024年11月8日から2024年11月24日まで)
これ以降50ccのスーパーカブは手に入らなくなりますので、歴史的価値のある車種としてプレミアがつくかもしれません。
ヤマハ SR400
ヤマハSR400は、1978年に初登場し、2021年のファイナルエディションをもって生産を終了したロングセラーモデルです。
そのシンプルで美しいデザイン、空冷単気筒エンジンによる独特の鼓動感、そしてキックスターターの操作感は、現在でも多くのライダーに愛されています。
カラーリングやエンブレムなどに特別仕様を施した「SR400 Final Edition Limited」の生産台数は限定1,000台。今後綺麗に維持し続ければ価値が上がっていく可能性は十分にあるでしょう。
ホンダ CB1300 SF/SB
ホンダのCB1300は、白バイや自動車学校の教習車にも採用されていたホンダを代表するバイクです。
2024年モデルは8月の時点で受注が終了しており、次期モデルがファイナルエディションとの噂も。人気かつ伝統的なバイクだけにもう買えなくなるとなるとプレミア価格が付く可能性はあります。
絶版モデルの注意点
プレミアが付くほどの古い絶版モデルを所有することは、旧車好きのライダーにとって大きな喜びであり、憧れでもあります。
しかし、その希少性ゆえに注意すべき点も多くあります。価値あるバイクを長く楽しむためには、以下のポイントを押さえておくことが大切です。
部品の供給問題
絶版モデルの最大の課題は、部品の供給が限られている点です。生産が終了して長い年月が経つと、純正部品が手に入らなくなることが一般的です。
この場合、中古部品やリプロ品(メーカー絶版のパーツから型取りをして、リバースエンジニアリングで製作した製品)を探す必要がありますが、それらの品質や適合性に問題がある場合もあります。
場合によっては修理や交換に大きなコストと手間がかかることを理解しておきましょう。
メンテナンスと整備の難易度
古いバイクは現代の現行車両に比べ、整備の頻度が高くなりがち。定期的なオイル交換やキャブレターの調整、消耗品の交換はもちろん、車体全体のコンディションを維持するのも大変です。
また、整備を依頼できるショップも限られており、旧車に精通したメカニックがいる店舗を見つけるのは簡単ではありません。
そのため、自分である程度のメンテナンスを行える知識やスキルを身に付けることも推奨されます。
価値の保全と保険の選択
プレミアが付くモデルは市場価値が高いため、価値の保全することも重要です。ガレージ保管や防錆対策を徹底し、車両を良好な状態に保つことが必要になります。
また、盗難などのトラブルが多い車種では、通常の自動車保険(任意保険)では加入できない場合も。維持管理にどれくらいのお金が必要なのかも考えておきましょう。
資産価値と実用性のバランス
プレミアが付くモデルは資産としての側面も強調されますが、過度に「保管」ばかりを重視しすぎると、バイク本来の楽しみである「乗る」ことを犠牲にしてしまう可能性があります。
旧車は適切に乗ることでコンディションを保ちやすくなる部分もあるため、定期的にエンジンをかけ、実際に走行させることも重要です。
こうした課題をクリアすることで、絶版モデルの所有は特別な体験となり、その価値を存分に楽しむことができるでしょう。
貴重な愛車を手にしたら、適切な維持管理を心掛け、バイクライフを存分に楽しんでください。
まとめ
絶版モデルやクラシックバイクは、その希少性や歴史的価値から、多くのライダーやコレクターに愛され、プレミア価格で取引されています。
しかし、これらのバイクを所有するには、部品供給の問題やメンテナンスの難易度、価値の保全など、現行モデルにはない特有の課題があることも理解しておきましょう。
整備頻度が高く、旧車に精通した信頼できるメカニックやショップの存在が重要です。さらに、適切な保管や防錆対策を行い、盗難リスクにも備える必要があります。
Z2の画像を提供してくれた筆者友人のG氏は、カワサキ好きで Z2 以外にも Z400FX や ゼファーを所有しているそうですが、旧車は入退院の繰り返しでいつもどれかが修理中とのこと。
どれも動かなかった場合に備えてZ900RSも購入しているほどです(笑)
それでも、こうした課題を乗り越えた先には、唯一無二の魅力を持つ絶版モデルとの特別な時間が待っています。
「未来の宝」として価値を高める楽しみだけでなく、バイク本来の「乗る」喜びも忘れずに、自分だけの特別な一台を大切に維持していきましょう。
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投稿者プロフィール
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バイクやキャンプなどのジャンルを専門にライターをしているえもと申します。
モトコネクト立ち上げからライターをさせていただき2022年12月に会社を退職。合同会社Cap.Nemoを設立しました!
バイクの楽しさや便利グッズなどをわかりやすくお伝えしていきます。
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