こんにちはヨシキです。寒い冬が終わってそろそろ皆さん本格的なライディングシーズンに突入したのではないでしょうか。
「今年はロングツーリングをたくさんする」
「ライテク技術の向上のためにコースデビューしてみる」
などなど、今年の目標を意気込んでいる方もいらっしゃるかもしれませんね。
そこで今回は林道ライダー向けに技術向上テクニックをMXライダーのヨシキが解説します!
林道の基本はスタンディングとフロントアップ。これさえできればオフロードバイクの楽しみが一気に広がります。“いつもの仲間にちょっと差をつけたい”そんなコソ練気質のあなたの参考になればうれしいです。
林道ツーリングは小技が使えるとより楽しくなる
そもそも林道は舗装路面と違って様々な障害物が路上にあります。雨水が流れた溝や倒木、急斜面など、ハードな林道に入るほど走破が難しくなっていきます。
こんなとき、普通に走っていては迂回するしかない障害物もちょっとした小技が使えれば難なくクリアできます。例えば、大型教習で習うスタンディングを積極的に使えば深い溝も乗り越えられますし、フロントアップが使えれば丸太もラクラク突破できます。
本格的に林道を楽しむなら小技は覚えておいて損はないでしょう。
練習は安全が確保できる場所で
ただし!注意点が一つ。小技の練習には転倒が伴います。練習は必ず広い場所で安全を確保した状態で行ってい下さいね。
間違ってもスーパーの駐車場や公道での練習はNGです。
テクニックを磨く前に装備も整えておくことが大事
これも安全に関わる重要な部分なのですが、林道は舗装路と違ってどんなアクシデントがあるか分かりません。オフロード用のブーツ、プロテクター、オフロードウエアなど、装備をキチンを整えておくことも大切です。
なにせ林道では転倒が日常茶飯事。マフラーに足が触れると間違いなくやけどをしますし、プロテクターは擦り傷や打撲のダメージを軽減するのに役立ってくれます。
テクニックを磨くのも大切ですが、しっかりとした装備を整えることはもっと大切です。
林道で使えるテクニック3選
では本題。林道で使えるテクニック3選をご紹介していきます。このテクニックは練習すれば初心者でも簡単に使えます。是非チャレンジしてみて下さいね。
フロントアップ
まずはフロントアップ。このテクニックは停止状態からフロントタイヤを上げてウィリーをする技術です。ウィリーのようにフロントを上げながら走行する必要はないので、フロントタイヤを宙に浮かすことだけ考えればOKです。
やり方は簡単。リアブレーキを踏みながら軽く前へ加重移動。このときフロントフォークを少し沈ませるようなイメージで十分です。
すると沈んだフロントフォークが反発して伸びてくるので、このタイミングで腰を引き、アクセルを少し開けながらクラッチをポンっと話せば簡単にフロントが浮いてくれます。フロントが捲れ過ぎたらすぐリアブレーキを踏めばもとに戻ります。
ポイントはフロントブレーキを使わないことと、腰を引くイメージを持つこと。フロントブレーキを使った方がより強くフロントフォークが縮むのですが、個人的にはこれでは沈みすぎるイメージです。これでは反動が大きくなりすぎて、結果的にタイミングが合わずにフロントが浮きません。
また、フロントを上げる意識ばかりが先行し、ハンドルを引っ張るような形でもフロントは浮いてくれません。ちょうどハンドルにぶら下がるようなポジションを意識してみましょう。
タイミングさえ合えばわずかな予備動作で簡単にフロントが浮いてくれるので、まずはすこしでもいいのでフロントが地面から離れる感覚をつかみましょう。
フローティングターン
フローティングターンはフロントアップの応用です。停止状態から左足を地面につき、大きくフロントアップさせた後にその場で反時計回りにターンします。
ターンするときはリアブレーキを軽く掛けておくと、よりコンパクトに曲がれます。ですが、ブレーキをかけるタイミングが早すぎるとフロントが浮いてくれませんので、これも感覚を磨くしかありません。
フロントタイヤさえ上がってくれれば、あとはターンしたい方向に目線をやるだけでかんたんにバイクの向きは変わってくれます。
細い道でのUターンなどに応用してみてはいかがでしょうか。
スタンディング
スタンディングは教習所でも教わりますが、林道でのスタンディングはちょっと姿勢が異なります。重心はバイクの中央を意識し、ニーグリップはほどほど。ステップには土踏まずよりもつま先側で乗るようにします。
これは路面状況が常に変化する林道において、柔軟にバランスを取る為の姿勢であり、こうすることでスタンディングとシッティングをスムーズに切り替えられるようになります。
スリッピーな路面で、なおかつ木の枝や小石が散乱しているような道ではトラクションがかかるシッティングとバイクのバランスを保つスタンディングを交互に使い分けるときれいに走れます。
林道をきれいに走るコツは柔軟にバイクを操ること。ガチガチのニーグリップと前傾姿勢では、かえってスムーズに走れません。うまくスタンディングで走れない方は一度フォームを見直してみるとビックリクするくらいは知りやすくなりますよ。
リスキーな場面でのトライはやらないのが無難
テクニックを身に付けたら実践したくなるのが人情です。ただし!リスキーな場面ではトライせずに安全を重視するのも大切です。
林道で何かトラブルがあった場合、救急車が入ってこれなかったり、ソロツーリングだと動けなくなった自分を見つけてもらえない可能性があったりと一般道よりもリスクが高め。そんな中で覚えたてのテクニックを早速披露するのは安全面からもやめておいた方が無難でしょう。
特に次のようなシチュエーションでは迷わず引き返す選択を。
路肩が崖になっているポイントでは下手なテクニックは命取り
路肩が崖になっている場面でのフロントアップやフローティングターンは谷底に落ちる可能性があるので絶対NG。競技者ならいざ知らず、一般の方が崖の横で落ち着いてフロントアップなどできるわけがありません。
どうしてもワザを使わないとクリアできない、けれども路肩は崖になっている。こんな場面ではおとなしく引き返しましょう。
丸太越えは見た目以上に難しい
フロントアップが少しできるようになったら、試してみたいのが丸太越え。けれども丸太越えは意外と難しいので、独りのときや、あまりにも細い道ではチャレンジしてはいけません。
丸太でリアタイヤが滑り、木とバイクの間に挟まれると大けがにつながる恐れがあります。チャレンジするときは丸太にまっすぐ侵入し、フロントアップにワイドなアクセルワークは禁止。そして仲間たちに安全を確保してもらってから挑戦しましょう。小さな丸太だからといって舐めてかかると痛い目を見ますよ。
ちなみに、簡単なフロントアップで安全に超えられる範囲の丸太の高さは大体15センチ(私の体感です)。濡れた樹皮はスリッピーなので、乾いている丸太を選べば安全に丸太越えにチャレンジできます。
テクニックは一日にしてならず、ケガに気を付けて練習しよう!
今回ご紹介したテクニックは誰にでも挑戦できますが、極めるには奥が深い小技です。マスターするには毎日少しずつ練習し、1日でできるようになろうと焦ってはいけません。
極論。道を選べば小技など使わなくても林道は走れます。それでもテクニックを磨きたいと強く思うのであれば、ケガをしないことを第一に、安全に配慮して練習してみて下さい。
投稿者プロフィール
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元モトクロス国際B級ライダーのヨシキです。
趣味は林道探検、オフロードバイクでどんな山道も散策します。
今は整備士として活躍しているので、メンテナンス、DIYでできる整備など、お役に立てる情報を発信していきたいと思います。もちろんレーサーならではのライテク記事も執筆していくのでおたのしみに。
【愛車たち】
SUZUKI RM-Z250,HONDA CR125,SUZUKI RM80L
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