バイクに乗り始めたばかりの頃、操作ミスや思いがけないトラブルに直面して「自分には向いていないのかも」と不安になることはありませんか?
失敗は決して恥ずかしいことではなく、上達への第一歩です。
多くの初心者ライダーが同じように、くじけそうになる壁にぶつかりながらも失敗を重ねて成長し、ベテランになっていきます。
この記事では、初心者ライダーが直面しがちな失敗や挫折を20連発で紹介します。
それぞれの失敗には具体的な解決策を示し、自信を持ってバイクに乗れるようサポートする内容です。
バイク歴40年の筆者「むらなす」の失敗談や経験談も紹介します。
挫折や壁を乗り越えて、楽しいバイクライフを送るためにも、ぜひ最後までお読みください。
コケた、倒した…心折れた
初心者ライダーにとって「コケる」「倒す」という経験は避けて通れないものです。初心者は、技術不足や判断ミスから心が折れるような出来事が起きがちです。
しかし、これらは誰もが通る道であり、解決策を知れば克服できます。
1.狭路Uターンでゆるーくコケた
狭い道での右Uターン中にバランスを崩して、ゆっくりとコケて倒れてしまうことは初心者に多い失敗です。
主な原因は、クラッチやアクセル操作が未熟で、バランスの取り方がよくないないためです。
このような場面では、慌てずゆっくり操作しましょう。
【解決策】
- 初心者の場合は、慣れるまで足を路面に出しながらUターンする
- バイクに乗る機会を増やし、アクセルワークとクラッチワークを訓練する
【筆者の失敗談】
1985年、筆者が初心者の頃、人生で初めて買ったバイク(ヤマハ XJ400D)で住宅街の狭い道を、右回りUターンしているときにコケました。クラッチワークとアクセルワーク、バランスの取り方がヘタだったためです。カッコ悪いけど、足を出してUターンを繰り返しているうちに、アクセルやクラッチの操作が上達し、Uターンでコケることはなくなりました。
2.取り回しでバイクを倒し、バイクを起こせない
バイクを降りて取り回し中、反対側にバイクを倒してしまうケースもよくあります。
重量に圧倒され、自分側ではなく反対側に倒してしまうパターンです。
重量級バイクの場合、初心者はバイクを起こせないこともあります。
【解決策】
- バイクを取り回す際は自分側に引き寄せる
- しっかりと自分の体に近づけて操作する
- バイクを倒した場合の引き起こし方法を事前に学んでおく
3.停車時に足を出すのが遅れてバランスを崩し立ちゴケ
停車時に足を出すのが遅れて転倒するケースは、身長が低いライダーやつま先立ちのライダーに多い失敗です。
また、ズボンの裾や靴ヒモがステップやシフトレバーに引っかかり、バランスを崩してしまう場合もあります。
【解決策】
- アンコ抜きなどでシート高を調整し、自分に合ったバイクに仕上げる
- ズボンは裾が絞ってあるものを選ぶ
- ヒモがない靴を履く
- バイク専用のライディングシューズを履く
4.サイドスタンド、出したつもりで出てなくてバイクが倒れた
停車後、サイドスタンドを出したつもりが完全に出しきれておらず、バイクがゆっくり勝手に進んで倒れる失敗も初心者に多いです。
こうしたミスは、サイドスタンドをしっかりと確認していないことが原因です。
【解決策】
- サイドスタンドを地面に接地させた状態で、バイクを軽く後ろ側に押し、サイドスタンドがしっかり出ていることを確認する
- 足でサイドスタンドを前方に押し込み、しっかりと固定されていることを確認する
- 目視で確認する
転倒してくじけた
初心者ライダーが転倒してしまう原因は、技術不足や注意不足によるものがほとんどです。
操作ミスや路面状況が原因の転倒はよくある失敗です。
しかし、これらの転倒は対策を講じることで防げます。
ここでは、代表的な事例と解決策を詳しく紹介します。
5.コーナリングでオーバースピード、握りゴケ
コーナー手前で十分な減速を行わず、慌ててフロントブレーキを強く握りしめることで、フロントタイヤがロックして転倒する「握りゴケ」は、初心者に多いミスです。
また、雨天時に晴天と同じ感覚でブレーキをかけた結果、思いのほか減速できずにコーナーをオーバーランしてしまう場合もあります。
【解決策】
- ゆっくり走る
- コーナー手前で余裕を持って十分に減速する
- 急な操作を避け、安全なライン取りを心がける
- 雨天時は路面が滑りやすいため、ブレーキ操作を早めに行い、無理のないスピードで走行する
6.サイドスタンドをしまわずに走り出して転倒
旧車の一部には、安全装置が装備されていないため、サイドスタンドを出したまま走り出してしまいサイドスタンドが地面に接触し、転倒するケースがあります。
最近のバイクには、サイドスタンドを出した状態でギアを入れるとエンストする仕組みが備わっているものが多く、こうしたミスを防げる設計になっています。
【解決策】
- 走行前にサイドスタンドが確実に収納されているかを確認する
- 足でサイドスタンドを軽く蹴り上げ、目視で確認する
とくに、旧車に乗る場合は、上記の解決策を徹底しましょう。
7.路面に浮いた砂利でスリップダウン
コーナリング中、路面に浮いた砂利や濡れ落ち葉に乗り上げてスリップし、転倒することもあります。
これらの障害物は一見わかりにくいため、予想外のスリップにつながります。
【解決策】
- 路面状況を常に注意深く観察し、何があっても対応できる安全なスピードでコーナリングする
- 見通しの悪いコーナーでは、慎重に走行する
- タイヤのグリップ力を過信しない
8.ハンドルロックを解除せずに走り出して転倒
ハンドルロックを解除せずにエンジンを始動し、そのまま走り出してしまうと、ハンドルが固定された状態で転倒してしまいます。
この失敗は、慌てて走り出すときにありがちです。
【解決策】
- エンジンを始動する前に、必ずハンドルを左右に動かしてロックが解除されているか確認する
このひと手間で、ハンドルロックを解除してないことによる転倒を防げます。
走り出す前のルーティンとして習慣化することで、ミスを減らしましょう。
【筆者の失敗談】
2009年、愛機カワサキ250TRを買ってしばらく経った頃にやらかしました。ハンドルロックを解除せずに走り出し、遠心力で外側に弾き飛ばされ頭から地面に叩きつけられたのです。以来、エンジン始動の前にハンドルロック解除が習慣になりました。筆者の場合、一度痛い目に遭うと同じ失敗を繰り返しません(笑)
痛恨!操作ミスで壁を感じた…
初心者は、操作ミスにより挫折感を抱くことも少なくありません。
ギアチェンジやクラッチ操作、ウインカー操作、そして狭い場所での取り回しなど、基本的な動作でのミスは多く見られます。
これらのミスは焦らず丁寧に対応し、バイクに多く乗ることで克服できます。
9.ギアチェンジがスムーズにできない
初心者が最初に壁を感じやすいのが、ギアチェンジのミスです。
1速から2速にシフトアップする際にニュートラルに入ってしまう(ギア抜け)、またはシフトアップ・ダウンでクラッチ操作がうまくできず、バイクの動きがギクシャクしてしまうなどが挙げられます。
【解決策】
- シフトアップやダウンを落ち着いて丁寧に行う
- 足でシフトレバーを操作する際は、確実に上下させる
- 慣れないうちはクラッチをゆっくりとつなぎ、スピードを控える
焦らず繰り返し練習することで、動作はスムーズになり、ギア抜けを防げるようになります。
10.クラッチ操作をミスしてエンスト
走り出しの際、クラッチ操作が不十分でエンストしてしまうのも、初心者にありがちな操作ミスです。
アクセルを適切に開けずにクラッチをいきなりつなごうとするとエンストします。
【解決策】
- アクセルをある程度開けてパワーを出しつつ、クラッチレバーをゆっくりとつなぐ
- 一気にクラッチレバーを離さず、徐々に操作する
11.ウインカーの出し忘れ、消し忘れ
右左折の際にウインカーを出し忘れたり、右左折後にウインカーを消し忘れるミスは危険なだけでなく、周囲の車両にも迷惑をかけるおそれがあります。
あなたの身を守るためにも、ウインカーの出し忘れと消し忘れを防ぎましょう。
【解決策】
- 右左折前にはウインカーのインジケーターランプを必ず目視して、点滅を確認する
- 右左折後はすぐにウインカーを消すクセをつける
- 消し忘れがないか、インジケーターランプを走行中に確認する習慣を身につける
12.狭い駐車場で取り回しに苦労
狭い駐車場でバイクを押したり引いたりする取り回しに苦労するのも、初心者が感じる壁のひとつです。
車両重量が重いバイクは、立ち往生してしまうこともあります。
【解決策】
- 取り回しは焦らずゆっくりと行う
- バイクにまたがり、足をついて前後に動かす方法もあり(ただし、軽量で足つきの良いバイクに限る)
取り回しは、繰り返し行うことで上達します。
ベテランはやらかさない…初心者ならではの挫折や壁、ミス
初心者ライダーは、経験不足や準備不足から、ベテランはやらかさないミスをします。
初心者にありがちなミスは、きちんと対策することで防げます。
ここで挙げる、代表的なケースと解決策を、ぜひ参考にしてください。
13.先輩ライダーについて行けない
初心者が先輩ライダーとツーリングをすると、そのペースについていけず、置いてけぼりにされてしまうことがあります。
焦ってスピードを出そうとすると、転倒や事故の原因になるため、無理は禁物です。
【解決策】
- 無理せず自分のペースで走行する
- 安全を最優先に考え、置いていかれても気にしない
先輩ライダーが初心者を気遣わない場合は、「先導車として未熟(つまり、ライダーとしてヘタクソ)」と割り切るのもよいでしょう。
上手な先輩ライダーは、走行中も常にバックミラーで後続車を確認し、気を配り、初心者のペースに合わせてくれます。
安全運転を守るライダーと付き合いましょう。
14.初心者向けではないバイクを買って苦労
憧れから高性能で操作が難しいバイクを選んでしまい、思うように乗りこなせず苦労する初心者も少なくありません。
【解決策】
- 乗る回数を増やし、購入したバイクに徐々に慣れていく
焦らず落ち着いてライディングし、毎回の走行で少しずつ操作に慣れていくことで、上達します。
高性能で操作が難しいバイクを選んだことを後悔しないでください。
「扱えないから」と、短絡的にバイクを手放すのは、できれば避けましょう。
扱いやすい初心者向けのバイクは、上達後に物足りなくなる場合がありますよ。
15.防寒対策が甘くて凍える
冬のツーリングでは、防寒対策を怠ると走行中に凍えます。
低温下では風の影響も加わり、体温が奪われやすくなるためです。
【解決策】
- 「暑いのではないか?」と思うほどの重装備を心がける
- 重ね着して、走行中に暑くなったら脱ぐ
- 暑くなって脱いだ服を入れるためのタンクバッグやパニアケースを用意しておく
- 寒すぎる場合は引き返す
無理して強行せず、引き返す勇気も必要です。
16.暑さ対策が甘くてバテる
夏のツーリングで暑さ対策を怠ると、暑さでバテます。
直射日光を浴び続ける時間が長くなると、体力の消耗は避けられません。
【解決策】
- メッシュ素材のウェアやパンツを準備し、通気性のよい装備でツーリングする
- そもそも暑い時間帯に走らない。酷暑の季節は、早朝ツーリングやナイトツーリングを計画する
17.長距離ツーリングで体力消耗
初心者が無理をして長距離ツーリングに挑戦すると体力を消耗し、帰る気力を失うことがあります。
疲労による集中力の低下は、事故のリスクが高くなるため危険です。
【解決策】
- 初心者のうちは近距離ツーリングから始め、徐々に走行距離を伸ばしていく
- 無理のない計画を立て、1時間ごとに休憩を入れることで体力の消耗を防ぐ
- 行き当たりばったりではなく、事前にツーリングプランをしっかりと作成する
18.雨具を忘れてずぶ濡れ
ツーリング中に突然の雨に降られ、雨具を持参していないためにずぶ濡れになってしまうケースも、初心者にはよくあります。
濡れた状態での走行は不快なだけでなく、体力を奪われ、集中力が低下するため危険です。
【解決策】
- ツーリング前に天気予報をチェックし、降水確率が高い場合は雨具を必ず持っていく
- ツーリング先の降水確率が40%以上であれば雨具を準備し、予報によってはツーリングを延期する
19.燃費がわからずツーリング先でガス欠
タンク容量や燃費がわからずガス欠を起こし、ツーリング先で立ち往生するケースは、とくに初心者に多いトラブルです。
【解決策】
- 自分のバイクのガソリンタンク容量と実際の燃費を把握し、航続距離(満タンで走れる距離)を理解しておく
【おすすめの方法】
- バイクを購入したら、すぐにガソリンを満タンにし、トリップメーターを「0km」にリセットする。
- 50kmほど走り、また満タンにする
- 「走行距離÷給油したガソリンの量」で実際の燃費を算出する
- 「実際の燃費×ガソリンタンク容量」で、バイクの航続距離(ガソリン満タンで走行できる距離)を把握しておく
【筆者の場合】
・愛機はカワサキ250TR
・タンク容量:6.6L
・平均燃費:35km/L
・航続距離:231km(6.6L×35km/L)
筆者は、航続距離の半分を走った時点(115km前後)で給油を意識し始め、最初に見かけたガソリンスタンドに立ち寄り給油するようにしています。
とくに見知らぬ土地をツーリングする際は「次のガソリンスタンドがわからない」ため、見かけたガソリンスタンドに立ち寄り、早めに給油しておくと安心です。
番外編:金銭的な壁でくじけた
バイクの購入はライダーにとって大きな喜びですが、同時に金銭的な負担が大きいことも事実です。
購入前に、ローンの支払やさまざまな支出の計画をしっかり立てて、把握しておきましょう。
20.バイク以外のものを買えない
バイクのローンに追われることで、必要なライディングギアを買えなかったり、任意保険に入れなかったりする初心者は少なくありません。
ガソリン代すら捻出できずにバイクに乗れない状況は、モチベーションを下げる原因にもなります。
こうした状況に陥るのは、購入前に支出計画を十分に立てていないことが主な原因です。
【解決策】
- バイク購入前にローンの支払計画をしっかりと立てる
- 車検代、メンテナンス費用、任意保険、ガソリン代など、バイクを所有するために必要なランニングコストも詳細に把握する
- 必要なライディングギアの購入や任意保険加入も、初期費用の予算に組み込む
これらの情報がわからない場合は、バイク屋さんや先輩ライダーに相談してみましょう。
実際の維持費を知ることで、無理のない支払い計画が立てられます。
まとめ:挫折せずに乗り越えましょう!
バイク初心者が感じる壁や失敗は、誰もが通る成長の過程です。
操作ミスや計画不足でくじけそうになる場面もありますが、これらをひとつずつ乗り越えることで、確実にライダーとして成長できます。
大切なことは、あきらめずに練習を重ね、対策を実践することです。
初心者のうちは、うまくいかないことも多いのですが、バイクに多く乗るほど運転操作にも慣れ、壁を乗り越えられるようになります。
失敗は決して無駄ではなく、次への糧になります。
どんな壁も越えられると信じて、一歩ずつ着実に進んでください。
安全運転を心がけながら、バイクに乗る楽しさを味わい、成長していきましょう。
この記事がお役に立てば嬉しいです。
読者の皆さまのバイクライフを応援しています。
投稿者プロフィール
-
熊本県在住。生まれも育ちも熊本。
阿蘇をこよなく愛する生粋の熊本人。
昭和の時代に限定解除し、原付/中型/大型の所有歴あり。
現在の愛機はKawasaki 250TR。
愛機250TRで一日500km(下道)を走破することもある、元気おやじライダー。
「安全第一、無事帰る」をモットーに、今も安全運転を模索しながら走り続けている。
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