皆さんこんにちは!元モトクロスライダーのヨシキです。皆さんバイクには乗っていますか?実は私最近EVバイクなるものに興味を持っていまして、「実際のところEVバイクってどうなの⁉」と思って色々調べてみました。
最近では国産メーカーもEVバイクを発売し始めたり、レースシーンでは既にEVバイクの実践投入を行っているメーカーが出てたりと何かと流行りの電動マシン。
読者の皆さんも気になっている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回はEVバイクの魅力や特徴を詳しくご紹介していきます。EVバイクの購入を検討していたり、興味がある方の参考になればと思います。ぜひお付き合いください。
電動(EV)バイクって?
まずはEVバイクについて紹介していきましょう。EVバイクとは“Electric Vehicle”つまり電動バイクのこと。エンジンを使用せず、モーターとバッテリーによって駆動するため、二酸化炭素を排出しないクリーンエネルギー車両として注目されています。
ひと昔前はスクータータイプのEVバイクが主流でしたが、最近ではバッテリーの大容量化やモーターのパワーアップによって大・中排気量クラスのバイクのEVも登場してきました。
次世代のパワートレインを搭載し、燃料を一切使わないEVバイクは大きな注目を集める一方で、技術的な課題も残されています。
特に大きな課題は航続距離。最近発売になったEVバイク“カワサキninja e-1”が一回の充電で走れる航続距離は55㎞。ちょっと少ないですよね。しかもバッテリーなので路面状況や走行状況、ライダーの体重によっても航続距離は変化するので、ツーリングなどで使う分には少し物足りないスペックではないでしょうか。
電動バイクの魅力
とはいえ、電動バイクには電動ならではの魅力もあります。その中でも注目したいのは“トルク性能”。モーターはエンジンと違い、トルク(バイクを前に進める力)が発進時から強力に発生します。
そのため、小型のEVバイクでもスタート時の最大トルクは中型バイクに匹敵するパワーを備えており、出足のパンチ力はエンジン以上といってもいいでしょう。
電動バイクに免許はいるの?
ちなみに、電動バイクには排気量が無いことから免許の区分があいまいになってしまいそうですが、運転には自動二輪の免許が必要になるのでご注意ください。
EVバイクの免許区分はモーターの出力によって決められており、従来のように“原付”、“小型二輪”、“普通二輪”、“大型二輪”の4車種にわけられます。
車両区分 | モーター出力(定格) |
原付 | 0.6kw以下 |
小型二輪 | 0.6kw超1.0kw以下 |
普通二輪 | 1.0kw超20kw以下 |
大型二輪 | 20kw超 |
このとき、モーター出力について気を付けたいのは“定格出力”が基準となっている点。アクセルを全開にしたときの最高出力ではないので注意しましょう。
電動バイクは助成金を使えばお得に購入できる
たくさんの魅力が詰まったEVバイク。けれども同一クラスのエンジンバイクに比べて車体価格が高額なのがネックです。
「EVバイクが欲しいけれど車体が高い~」
と嘆いているそこのあなたに朗報です。
EVバイクは、政府が進めるクリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)の対象なので助成金が出ます。助成額は12万円。また、地方自治体が進める補助金制度を利用すればさらに助成額が増えます。
地方自治体によって補助額は変動しますが、東京都内にお住まいの方なら46万円の補助が受けられるので、かなりお得にEVバイクが購入できるでしょう。
補助金の申請は新車登録から一か月以内に行わなければならないなど、細かいルールもあるので補助金を利用して購入を検討されている方は、購入店舗に相談してくださいね。
車検が存在しない
EVバイクは、現行の道路車両運行法では原付か軽二輪にしか分類されません。なのでどれだけビックパワーのモーターを搭載していたとしても車検が必要ないというメリットがあります。
車両区分 | モーター出力 |
原付1種 | 0.6kw以下 |
原付2種 | 0.6kw以上1.0kw以下 |
軽二輪 | 1.0kw以上 |
大型バイクには必ず必要となる車検がEVバイクでは不要となると、維持費の面でもかなりお得になりますね。
最新電動バイク紹介
ではここからはそんな今流行りの電動バイクをご紹介していきます。お気に入りの一台を見つけてEVバイクでデビューをしてみてはいかがでしょうか。
カワサキ
日本が誇るカワサキからはスポーツタイプのEVバイク“NINJA e-1”と、そのネイキッドタイプである“Z e-1”がデビューしています。
このバイクの特徴はなんといっても一時的に出力が向上する“E-BOOST”機能。ボタンを押せば15秒だけパワーアップするこの機能は何ともそそります。
まさに“漢カワサキ”。熱くなれるポイントをしっかりと押さえてくれていますね。
ハーレーダビッドソン
大排気量がウリのハーレーダビットソン。こちらもEVバイクをリリースしています。
ラインナップは“LIVEWIRE ONE”と“S2 DEL MAR”の2車種。いずれも軽二輪自動車クラスに分類されるため、
「ハーレーは車検代が高くて乗れない!」
「維持費が高い!」
という方にもおすすめです。
メインマシンであるLIVEWIRE ONEの肝心なスペックはというと最高時速はなんと110マイル(時速176㎞)最高出力は驚異の100馬力です。
航続距離は最大で約230㎞とロングツーリングにも対応し、急速充電を掛ければ60分で満充電になるので、大型ショッピングモールに備え付けの急速充電機を使えば、すぐに満タンで走り出せます。
ハーレーならではのビックパワーはEVになっても健在です。
ジーム
多様なEVバイクを販売しているのがジーム。ネイキッドタイプの原付から、スポーツタイプまで幅広いラインナップを用意しており、今電動バイクを販売しているメーカーの中では一番多くの車種を取り扱っています。
中でもジームならではの車種がFXS。モタードタイプのバイクで、最大航続距離は161㎞、最大出力は34kwと小型ながらパワフルなスペックが特徴です。
充電は家庭用100V、商業施設に設置されている200Vどちらにも対応し、満充電までの時間は9.7時間となっています。
とにかくEVバイクの種類が多いので、どのタイプのEVバイクを買おうか悩んでいる方は、ジームがおすすめです。
エネルジカ
エネルジカはイタリアのEVバイク専門メーカー。アドベンチャーモデルからスポーツタイプまでの4モデルがリリースされており、スポーツタイプに至っては市販の電動スポーツバイクの中ではかなりハイスペックなマシンとなっています。
それもそのはず、エネルジカは2021年までmotoE(motoGPの電動バイククラス)のサプライヤーを担っており、ワンメイクレース用のバイク“エゴ・コルサ”を提供していました。
そんな背景もあり、エネルジカのスポーツバイク“EGO”はそれまで培ったレースシーンでのテクノロジーをふんだんに詰め込んだハイスペックマシンとしてデビュー。
4つのライディングモードを切り替えることでパワー特性を制御し、どんなレベルのライダーにも最高の走りを提供してくれます。
航続可能距離は約420㎞、最高出力126kw、0-100km/hまでの到達時間はわずか2.65秒(EGO+RS)と圧巻の性能を誇っています。
輸入車のEVバイクは注意点も
ハーレーやエネルジカなど、輸入車EVバイクはどれもパワフルで魅力的ですが、輸入車ならではの注意点も。特に、輸入車はカタログに定格出力の記載が無かったりするので注意が必要です。
先程もご紹介したようにEVバイクの免許区分は最大出力ではなく定格出力で判断します。そのため、定格出力の記載がなかった場合には運転に必要な免許が分からなくなってしまいます。
“普通二輪免許で乗れると思っていた車両が、実は大型二輪免許が必要だった”ということになれば大問題です。このあたりの詳細データは必ず購入前に販売店に確認しておくと良いでしょう。
今後も電動バイク市場は拡大していく予定
今最もアツいEVバイク市場。メーカー各社がしのぎを削り、最高の電動バイクを開発しています。日本国内においてはスクーターなどの小型モデルが中心に開発されており、ハイスペックモデルの開発はヨーロッパ勢にやや遅れを取っているようにも見えますが、このまま黙ってみていることはないでしょう。
ホンダは2025年までに10モデルのEVバイクを投入すると発表しており、その中には大型バイクのシリーズも当然含まれているとのこと。
この先もEVバイク市場はますます拡大し、主力バイクが軒並み電動化していくのはもう時間の問題でしょう。
まだまだ課題の多いEVバイクですが、その独特なフィーリングを一足先に楽しんでみてはいかがでしょうか?
投稿者プロフィール
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元モトクロス国際B級ライダーのヨシキです。
趣味は林道探検、オフロードバイクでどんな山道も散策します。
今は整備士として活躍しているので、メンテナンス、DIYでできる整備など、お役に立てる情報を発信していきたいと思います。もちろんレーサーならではのライテク記事も執筆していくのでおたのしみに。
【愛車たち】
SUZUKI RM-Z250,HONDA CR125,SUZUKI RM80L
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