”働く車”は、様々な特殊機能を備えたものも多く、今も昔も子供達に人気がありますよね?そんな”働く”シリーズのバイク版、”働くバイク”と言われたらどんなバイクを思い浮かべますか?車と異なりバイクの場合は、車両形態の都合上、用途は限られてしまうため多種多様とはいきません。しかしながら、皆が知っている有名所から、その存在は”幻”とまで囁かれるバイクまで、意外と多い働くバイク!今回は、そんな働くバイクを一挙紹介していきます。アナタはどこまで知っていますか?
公的バイク
交通取締自動二輪車(通称:白バイ)
言わずと知れた働くバイクの代表格の1つですね。その働きは、交通取締の他、二輪車安全運転講習や、交通安全啓発活動にも及びます。外観上の特徴は、赤色灯とサイレン用のスピーカー、無線用アンテナ、およびサイドのパニアケースなどであるが、取締用の必須アイテムとして、速度計測用の特殊機器なども搭載されている。ベース車両はCB1300(写真)や、FJR1300、VFR800などが存在します。
皇宮警察仕様車
黒に金を基調とした警察の儀礼服に合わせた黒とシルバーメッキのシックな車体と、同色のサイドカーが印象的な車両です。主に皇室行事のパレードなどに運用されています。ベース車両は、HONDA:ゴールドウィング。
和歌山県警暴走族対策本部バイク隊(通称:黒豹隊・黒バイ)
白バイの派生バイクであり、和歌山県警の暴走族対策本部のバイク部隊のバイクです。車両の装備品は白バイと変わらないものの、その車体色は黒とされており、白バイは主に昼間に出動するのに対し、黒バイは、夜の暴走族取締等のために出動します。ベース車両は、白バイと同様に、CB1300やVFR800の他、GSF1200(写真)などがあります。
大阪スカイブルー隊(通称:青バイ)
白バイの派生バイクであり、大阪府警のバイク部隊のバイクです。白バイは、750cc以上の大型バイクを主体としているのに対し、青バイは、400ccクラスの中型バイクを主体としています。装備は、赤色灯とサイレン、そして無線等とされており、速度計測装置は装備されていないように見えます。主に該当犯罪の取り締まりを目的に活動しており、特殊詐欺や覚せい剤や性犯罪等の検挙、抑止活動にも用いられています。写真のベース車両はCB400です。
グリーンエース(警視庁)
警視庁所轄署地域課 CB400 グリーンエース
まさかもう一度出会えるとは…
カッコいいの一言ですね! pic.twitter.com/UbQsDDPrG2
— Ne2 (@Ne2_No2540) August 1, 2020
白バイの派生バイクであり、警視庁の所轄署地域課に属するバイクです。青バイと同様に400ccクラスの中型バイクです。装備も青バイと同様赤色灯とサイレン、そして無線等とされており、速度計測装置は装備されていません。主に速度以外の交通取締の他、防犯パトロールなどに用いられています。現在では数が少なくなっていると聞きますが、地域課所属なので、交番に停まっているのを見かけた事があります。ベース車両はCB400ですが、近年では殆ど見る事が無く、幻化しつつあるバイクです。
消防活動二輪車(通称:赤バイ)
消化、救助活動の初期対応を迅速に行うためのバイク隊で、クイックアタッカーとも呼ばれています。災害地等への出動を担うため、赤いオフロードバイク(現在ではYAMAHA:セロー250)が導入されています。また、消化用装備が搭載された車両と、救助用装備が搭載された車両の2台1組での運用が基本とされています。
陸上自衛隊偵察用オートバイ
車両通過が困難な山道など、険しい経路の潜入や、部隊間の連絡手段等に用いられるバイクです。車両にはオフロードバイク(現在では、Kawasaki:KLX250)が採用されています。主な装備品は、車体ガードやキャリアなどであり、車体色は、アーミーグリーンとブラックにまとめられています。運用地は野戦地のみではないため、公道を走るための保安部品も装備されています。
郵便配達業務用二輪車
一番身近な働くバイクですね。従来は、大きなリアボックスとフロントの集配カバンを装備した赤い車体のスーパーカブ(HONDA)が主流でしたが、現在では、約50年ぶりの大改新で、EV車両の導入が増えてきています。EV車両としては、現在のところ、HONDAのBENLYeが採用されています。
食品等デリバリーバイク
ピザ屋バイク
ピザ屋さんの他にも、某大手ハンバーガ-チェーンの配達用バイクや、出前専用のお寿司屋さんなどの配達用に用いられているバイクです。車両の代表例としては、HONDAのGYRO CANOPYや、aidea AAカーゴα(写真)を挙げる事ができます。装備品としては、リアに搭載される大型のBOX(通称:ピザボックス)を挙げる事ができます。
蕎麦屋バイク
蕎麦屋を代表する、昔から日本にある個人経営の食べ物屋さんが利用しているイメージの強い出前バイクです。車両の代表例としては、HONDAのスーパーカブを挙げる事ができます。装備品としては、リアに搭載されたマルシン製の出前機です。この出前機により、汁物をこぼさずに運ぶ事ができるそうです。
Uber Eatsのバイク
こちらは、近年急増した普段使いもされる働くバイクです。配達業務を委託された配達車が自前のバイクで商品を搬送します。業務用として利用する車両に限定されないため、多くは、燃費が良く小回りの利く原動機付自転車(原付)に、デリバリー用のバッグを背負ったスタイルとしています。
書類等配達バイク
新聞配達バイク
コチラも身近な働くバイクの代表格ですね。郵便配達業務用二輪車との違いは、リアボックスの有無と前カゴの有無、そして車体のカラーリングです。運用車両の代表例としては、HONDAのスーパーカブPROや、プレスカブを挙げる事ができます。この車両は、フロントに備えられた大きな前カゴの前に前照灯が設けられており、前カゴに多量の荷物(新聞)を載せたとしても、前照灯の光が遮られないようにされている事が特徴です。
バイク便のバイク
こちらも、業務委託により書類等を配達するという点では、上述したUber Eatsと同様なのですが、配達箇所がある程度限られていたり、配送距離がやや長いなど、より業務としての専属性が高いため、通常の自動二輪車が用いられる事が多いです。自前のバイクを用いる事も多いのですが、バイク便会社所有のバイクを用いる事もあります。長距離移動などにおける身体への負担を軽減するために、荷台に、搬送物を入れるためのボックスを備えている場合が多いです。
その他の働くバイク
教習車両
二輪免許を保有する多くの方がお世話になった働くバイクですね。運用車両としては、HONDAのCB系(写真はCB400スーパーフォア)や、NC系の車両が多いようです。主な装備品としては、大きめのエンジンガードと、車両前後に配置された表示ランプです。表示ランプは、ギアやブレーキの使用状態の他、40km/hに到達しているか否かを表示するものも備えられています。
首都高パトロールバイク隊(通称:黄バイ)
民間企業である首都高パトロール株式会社の首都高パトロール用バイクです。主に、道路トンネルとして日本最長の山手トンネルの安全確保を目的として配備されています。緊急指定を受けている車両であるため、赤色灯やサイレン等を装備しています。車両形態が白バイに酷似しているため、見分けやすく目立つ色として、車体カラーを黄色としています。事故等が発生した際の交通整理や初期救護、避難誘導等を行うために現場に駆け付ける役割も担います。高速走行で車両を追いかけるといった事はしないため、ベース車両にはCB400が用いられています。
災害救援活動二輪車
東日本大震災での教訓を踏まえて宮城県石巻市の石巻赤十字病院に導入された車両。車両には、オフロードバイクであるYAMAHA:セロー250が採用されており、医療、救護機器を搭載するためのトップケースやサイドパニアが備えられている。緊急指定車両では無いものの、車体やケースの一部には、赤十字があしらわれています。
セーフティーバイク
BMW Mと @MotoGP とのパートナーシップも今季で25年目です。今年のセーフティーカーにはBMW M2、そしてセーフティバイクには #M1000RR が使用されています。MotoGP観戦の際には、BMW Mの車両にもご注目ください。#MakeLifeARide #NeverStopChallenging #BMWMotorrad@BMWMotorradMoSp pic.twitter.com/Gad5oI6yMS
— BMW Motorrad Japan (@BMWMotorradJPN) May 4, 2023
レースシーンなどで、先導や赤旗が振られた際に出動する事で知られているセーフティーカー。一方、あまり知られていませんが、セーフティーバイクというものも存在します。MotoGPでは、2021年頃から、オフィシャルスポンサーであるBMWが、セーフティーカーの他にセーフティーバイクも導入するようになりました。MotoGPにおけるセーフティーバイクの車両は、BMW:M1000RRです。
まとめ
いかがですか?働く車と違い、特殊な形態の車両はありませんが、意外と様々な場所で活躍していますよね。全体的には、HONDAのバイクが多いようにも感じますが、比較的近場の移動がメインとなるデリバリー系では海外メーカーであるaideaのEVが採用されるなど、EV勢の台頭も期待できますね。
投稿者プロフィール
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BMW F900XRとDucati MonsterS2Rでチョイノリからロングツーリング、サーキット走行まで楽しむリターンライダー。
リターン後のツーリングは首都圏内での日帰りをメインとして、美味しい物や良い景色を堪能している。
ご当地"グルメ調査隊"と称してマスツーリングの企画運営なども手掛けることから、バイクの様々な楽しみ方を伝えて行く事を目標としている。
若い頃は、日帰りで埼玉-青森間を往復したことがある、 "自称"やれば出来る男。
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