バイクが登場してから、現在までに各バイクメーカーから様々なバイクが生産・販売されてきました。そんな中には当然、人気車種や不人気車種などあったわけですが、時代が違えばもっと売れたであろうバイクも多数存在します。そんな「時代を間違えたバイク」達を紹介していきます。
「時代を間違えた悲運のバイク」5選
SW-1|スズキ
1992年にSUZUKIから発売された「SW-1」。”都市から自然の中へのライトクルージング”をコンセプトに開発された250ccの単気筒バイクです。
ネオクラシックで英国車感漂うそのルックスのデザインは、1980年代後半に日産自動車のパイクカー「Be-1」「パオ」などを手掛けた坂井 直樹氏。
空冷エンジンにオイルクーラーを組み合わせ、駆動はメンテナンスが楽なベルトドライブ。ギヤ変速は、靴の甲を傷めないようにシーソー式のチェンジペダルを採用するなど、こだわりが満載。
こだわり故に、1992年当時の価格設定で、250ccバイクとしては高額な68万8,000円(税別)。同年に同社から発売されたネイキッドバイク「グース250」が49万9,000円(税別)と比較してみても分かります。
このこともあり、販売台数が振るわず、短期間で生産終了となってしまいました。販売台数も少なかったことから、中古価格は高騰しています。ネオクラシックが流行している現在なら、もっと売れたかも?
基本スペック
エンジン:空冷4サイクル単気筒SOHC4バルブ
排気量:249cc
最高出力:14.71kW(20ps)/8,000rpm
最大トルク:20.59N・m/5,500rpm
サイズ(全長×全幅×全高):2,105 × 840 × 1,095mm
車両重量:168kg
当時価格:708,640円(消費税3%込)
EARA(エアラ)|ホンダ
1977年にHONDAから発売された「EARA(エアラ)」。ホンダから2輪車としてはじめて、ホンダオートマチックトランスミッション機構を搭載した750ccバイク。
ベース車は「CB750」で、同日に「CB750FOUR-Ⅱ」「CB750FOUR-K」「CB550FOUR-K」が発売されました。
車名の「EARA」は、英語の「ERA(時代)」と「Automatic」を組み合わせた造語で、「Expands Automatic Riding Age」、すなわち「オートマチック時代を開く」の意味合いが込められた。
まだ、クルマもミッション車がメインの時代の1970年代に、オートマチックのバイクを製作したホンダは素晴らしいですね。しかし、時代的に大型バイクのオートマチック車は必要とされず、不人気車となってしまいました。
その後クルマはオートマチックの時代へと移り変わり、バイクでも2005年にはAT限定免許制度も制定され、ビッグスクータ―に始まり、現在では様々なオートマチックのバイクも存在しています。
時代を先取りし過ぎて、登場があまりにも早すぎたバイクです。
基本スペック
エンジン:空冷4サイクル4気筒SOHC2バルブ
排気量:736cc
最高出力:34.57kW(47ps)/7,500rpm
最大トルク:49.03N・m/6,000rpm
サイズ(全長×全幅×全高):2,260 × 855 × 1230mm
車両重量:262kg
当時価格:538,000円
ルネッサ|ヤマハ
1996年にYAMAHAから「SRV250」の派生モデルとして発売された「ルネッサ」。「SRV250」は、ヤマハのアメリカン(クルーザー)バイク「XV250ビラーゴ」の空冷V型2気筒エンジンを流用して製作されました。
この「ルネッサ」は、「SRV250」を更にクラシックカフェレーサー仕様にしたモデルです。「SRV250」はスピードメーターとタコメーターを搭載していましたが、「ルネッサ」は、シンプルにスピードメーターのみに変更されました。
初期の「ルネッサ」はエンジンが黒塗装されており、翌年のモデルはメッキ塗装に変更されています。きれいなカフェレーサースタイルの車両でしたが、不人気のまま2年で製造終了となってしまいます。
国内では他にないV型2気筒のカフェレーサー仕様、今なら人気車種になれたかも?
基本スペック
エンジン:空冷4サイクルV型2気筒SOHC2バルブ
排気量:248cc
最高出力:19.86kW(27ps)/8,500rpm
最大トルク:24.52N・m/6,500rpm
サイズ(全長×全幅×全高):2,060 × 685 × 1,050mm
車両重量:152kg
当時価格:410,970円(消費税3%込)
GB400T.T.|ホンダ
1985年にHONDAから発売された空冷単気筒エンジンを搭載した「GB400T.T.」。1983年に発売された「GB250クラブマン」に続くGBシリーズの第2弾として登場。同時にシングルシートの「GB500T.T.」とシングルシートにロケットカウルを装備した「GB400T.T. MkⅡ」もラインアップされました。
車名の「T.T.」は「ツーリスト・トロフィー」の略称で、マン島TTレースで活躍した1960年代の英国車をイメージしたデザインとなっています。要はカフェレーサースタイルですね。
発売された1985年は、2ストや4スト4気筒のレーサーレプリカが人気の中心になりつつある時期。しかも国内では、カフェレーサースタイルが一般的にはまだ認知されておらず、不人気のまま3年で生産終了となってしまいました。
現在、カフェレーサースタイルは世界的にも人気のあるモデルですが、時代とタイミングが合わなかったのが残念です。
基本スペック
エンジン:空冷4サイクル単気筒SOHC4バルブ
排気量:399cc
最高出力:25kW(34ps)/7,500rpm
最大トルク:33.34N・m/6,000rpm
サイズ(全長×全幅×全高):2,100 × 690 × 1,060mm
車両重量:168kg
当時価格:439,000円
W400|カワサキ
2006年にKawasakiから発売された「W400」。この車両は1999年に発売された「W650」の排気量縮小版で乗り易さを向上させるために、シート高が35mmほど下げられました。
「W400」に関しては、上記の4種の車両とは違い、不人気ということは無かったのですが登場したタイミングが悪かった。
2008年の排出ガス規制強化により「W650」と同様に生産終了となってしまいます。そのため生産されたのは、たったの2年半ほどしかありませんでした。
生産年数が少なかったため、累計販売台数も少なく中古市場では希少なバイクになってしまいました。
基本スペック
エンジン:空冷4サイクル2気筒SOHC4バルブ
排気量:399cc
最高出力:21kW(29ps)/7,500rpm
最大トルク:29N・m/rpm
サイズ(全長×全幅×全高):2,175 × 855 × 1,115mm
車両重量:193kg
当時価格:628,950円(消費税5%込)
まとめ
「今なら人気者!?時代を間違えた悲運のバイク5選」ということで紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
どの車両も生産・販売期間も短く、累計販売台数が少ない車両ばかりですが、どのバイクを見ても魅力満載で、現在のラインアップに入っていれば売れたであろう車両ばかりです。
販売台数が少ないせいで、どの車両も中古市場では希少なバイクばかりとなってしまいましたが、目にする機会があれば、じっくり眺めてみて下さい。
この記事を読んで、これらのバイクに興味を持っていただけたのであれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
投稿者プロフィール
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バイク大好きで30年近く乗っています。
バイクのメンテナンス・カスタムは、ほぼ自分ですべてやります。
愛知県在住でツーリングも大好きです。
◇バイク保有経歴
ゼファー400(マフラーはモリワキのワンピース搭載)
⇒ボルティ(カフェレーサーフルカスタム)
⇒Roiyal Enfield Bullet350
⇒エストレヤ(カフェレーサー・CRキャブ搭載)
⇒GN125H(カフェレーサカスタム進行中・現在所有)
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よろしくお願いします。
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