その気になれば16歳から乗れる大きなバイク。興味はあるけれど、ネガティブなイメージや周囲の目が気になって、バイクに乗るべきか悩む若者は多いのではないでしょうか。特に高校生は、学校や家庭のルールがあるため、バイク免許の取得は高いハードルとなっているのが実情です。
そこでこの記事では、悩める若者の背中を押すべく、高校生がバイクに乗った方が良い理由を熱く語ります!16歳で公道デビューしたカゲモトですが、思い返してみてもバイクに乗って良かったと感じます。
高校の校則で禁止されていないなら、ぜひバイクに乗ってください!ただし、守るべきルールが増えることを忘れてはいけません。
3ない運動の廃止続く!高校生からバイクに乗る時代へ
昭和後期に行われた教育運動に「3ない運動」というものがありました。高校生をバイクに触れさせないことが目的の運動で、内容は以下の3つです。
- バイク免許を取らせない
- バイクを買わせない
- バイクを運転させない
この運動により「高校生がバイクに乗ることは悪だ」というイメージが定着したといっても過言ではありません。とはいえ、当時の若者がまいた種でもあると感じます。1980年代に起こったバイクブームの影響もあって、重大な事故の増加や各地にならず者が出現して社会問題になりました。実際、3ない運動が定着したころには、高校生のバイク事故は大幅に減少したようです。
しかし、今は令和!「早い段階で交通ルールやマナーを学んだ方が良いんじゃない?」という考えが広まり、運動を廃止する地域が増えてきました。現在は、群馬県や埼玉県、和歌山県などで3ない運動は廃止されています。
あなたの通う高校も、バイク免許の取得を認めているかもしれません!ただし、届け出が必要だったり、特別講習への参加が必須だったりするので、まずは校則を確認してみましょう。
16歳から取得できるバイク免許の費用と期間の目安
バイクに乗るためには免許が必要になり、お金と時間がかかります。そこで、16歳から取得できるバイク免許について、費用と取得期間の目安をまとめてみました。小型限定普通二輪と普通二輪については、教習所に通った場合の目安になります。
項目 | 原動機付自転車 (原付) | 小型限定普通二輪 (小型二輪) | 普通二輪 (中型バイク) |
---|---|---|---|
排気量上限 | 50cc以下 | 125cc以下 | 400cc以下 |
取得費用 | 約1万円 | 約10〜15万円 | 約15〜25万円 |
学習時間 | 合格後3時間 | 学科教習:26時間 技能教習:12時間 | 学科教習:26時間 技能教習:19時間 |
最短取得期間 | 1日 | 1〜2週間 | 2〜3週間 |
2005年からバイク免許にもAT限定が登場し、MTと比べて取得費用や学習時間などを抑えて取得できるようになりました。ただ、クルマと違ってバイクはMT車が主流なので、特別な理由がない限りはMTも乗れる普通二輪免許をオススメします。AT限定をおすすめしない理由には、以下の3つがあります。
AT限定をおすすめしない理由
- バイク選びの幅が狭くなる
- MTでしか味わえない楽しさがある(※ 辛さもある)
- 免許の取得難易度が高い
バイクはMT車が圧倒的に多いので、もし一目ぼれしたバイクがMT車だったら限定解除が必要になります。後から限定解除を行うくらいなら、初めから普通二輪免許を取得したほうがお金も時間もお得。
そして、意外な落とし穴に、AT限定免許の方が取得難易度が高いことがあります。MT車に比べてAT車は、大きく重くなりがちです。繊細なコントロールも行いづらいため、技能教習や卒業検定で走るスラロームや一本橋の難易度はMT車よりも高くなってしまいます。実際、一緒に卒業検定を受けたAT限定免許の教習生は、一本橋の途中で落ちてしまい、一発不合格になってしまいました。
クラッチやシフト操作に不安を覚えるかもしれませんが、卒業検定までには自然と慣れているものです。AT限定免許といえども、取得費用や学習時間に大した差はないので、MTも乗れる普通二輪免許を選んで損はありません。
高校生がバイクに乗った方が良い理由5選
実体験も交えて、高校生がバイクに乗った方が良い理由を語ります。免許取得に悩んでる人は、私に背中を押させてください。
行動範囲が広がる
バイクに乗ると、ありえないくらい行動範囲が広がります。電車やバスの路線図や、時間を気にすることなく、いつでも好きな場所に訪れることができます。中には、原付で日本一周を達成する猛者までいるくらい、バイクの可能性は無限大です。
最近では、街中にバイク駐車場が増えたので、ちょっとした買い物も快適に出かけることができます。稀なケースですが、通学にバイクを利用できれば、満員の車内に悩まされることなく、自分のペースで学校へ通えます。
バイクは、時間と体力とガソリンさえあれば、どこまでも行動範囲を広げることが可能です。
バイクならではの出会いがある
バイクに乗ることで、バイクならではの出会いが生まれます。バイクはバイクを呼ぶみたいで、バイク好きの友達がどんどん増えていきます。同じ趣味を持つ者同士なので、すぐに仲良くなれるはず。情報を交換したり、カスタムを見せ合ったり、ツーリングを計画したりと楽しいことがいっぱいです!
ジモティーなどの掲示板やSNSを活用すれば、ツーリングクラブに入ることもできます。クラブでは同世代の人から親以上のベテランまで在籍し、一人の人間として接してくれるので、ちょっと大人になった気分を味わえます。
私は10年ほど前に、某掲示板でツーリングクラブに入り、飛行機パイロットや看護師、自衛隊員など、さまざまな人と出会えました。クラブは解散していますが、今もちょくちょく集まって、しゃべったり走ったりとワイワイ楽しんでいます。
仕事の選択肢が増える
想像もしなかった仕事も選択肢に加わるかもしれません。バイク沼にはまってしまったら、バイク関連のサービス業やバイク便、バイクの開発者などバイクに関わる仕事につきたくなるはず。もしくは、バイクがきっかけで出会った人の仕事がヒントになるかもしれません。
かくいう私も整備士免許を取得し、一時は整備士を経験しています。結局、自分のバイクやクルマを触っている方が楽しかったので、今はカゲモト専属整備士です。
自動車免許の取得が楽になる
小型二輪や普通二輪免許を取得すると、自動車免許の取得が楽になります。バイクとクルマの教習内容は共通点が多く、学科教習はほとんどの時間が免除されます。自動車免許の取得費用も割引されるため、クルマの免許をお得に取ることが可能です。
知人に、クルマの免許を最速で取得するために普通二輪免許を取った、という変わり者もいます。高校生なら、夏休みなどの長期休みに教習所に通えるので、自動車免許のために前もってバイク免許を取るのは賢い選択といえます。
趣味がどんどん増える
バイクに乗り慣れてくると、趣味がどんどん増えていきます。 初めは走りまわるだけで楽しいバイクも、新しいチャレンジがしたくなります。バイクは機動力が高いので、ふらっと観光地に訪れやすいです。積載量を活かして、バイクキャンプに出かけることもできます。かっこいい愛車や、キレイな風景などを撮影したくなるかもしれません。
バイクに乗ることで、アウトドアや観光、カメラなど、幅広い趣味が楽しめます。
高校生がバイクに乗る心構え
楽しく安全にバイクライフを楽しむために、バイクに乗る心構えが大切です。学校や親の理解を得るためにも注意深く行動しましょう。
事故の予防に努める
バイクはクルマに比べてケガのリスクが高いので、事故の予防に努めることが重要です。ちょっと立ちゴケしただけで、骨折することもあります。ヘルメットやバイク用ジャケット、グローブなどは必需品です。
交通ルールやマナーを守らないと、罰金や減点の罰則だけでなく、思わぬ事故やトラブルを招く恐れもあります。事故を避けるために、できる限りの行動を取りましょう。
維持費に驚かない
バイクを買った後も、何かと維持費がかかります。ガソリン以外にタイヤやブレーキパッド、エンジンオイルなど、バイクに乗れば乗るほど部品は消耗したり劣化したりします。日帰りツーリングを1回楽しむ場合、消耗品や食費を考えると5,000円は必要です。
消耗品以外に、自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)やバイク保険(任意保険)の支払いがあります。バイク保険は自賠責保険ではカバーできない部分を補償する大事な保険です。未成年は保険料が高額になってしまいますが、加入することを強くオススメします。
自動車税も地味にパンチがあります。排気量ごとに毎年2,000~6,000円ほど支払わなければいけません。また、250ccを超えるバイクは、2年に1度やってくる車検を通す費用が必要です。新車で購入すると車検は3年先なので、乗り出し価格によっては中古車よりお得な場合もあります。
あまりの維持費に驚かないために、どれくらいの維持費がかかるのか、イメージしておくことが大切です。
愛車を大事にする
いくらバイクの維持費がかさむからといっても、整備はしっかり行いましょう。整備を怠るとバイクは簡単に故障し、修理に整備費用以上のお金がかかります。平気で何万円も飛んでいくので、日ごろから愛車を大切にしてください。
また、整備不良は道路交通法違反になり、事故を招く恐れもあります。自分だけでなく周りの人を巻き込む危険性もあるため、整備や点検は定期的に受けるように心がけましょう。
高校生にオススメのバイク3選
小型二輪免許・普通二輪免許で乗れるオススメのバイクをご紹介します。以前、コスパ最強のカッコいいバイクをご紹介しているので、あわせてご覧ください。
125cc|YAMAHA MT-125/YZF-R125
YAMAHA MT-125とYZF-R125は、125ccクラスのスポーツバイクです。小型二輪免許で乗ることができ、軽量コンパクトで扱いやすい点が特徴です。燃費が良いので、乗るたびにかかるガソリン代を抑えられます。125ccなら、自動車税や保険料も安いため、維持費も少なく済みます。
YAMAHA MT-125はストリートファイタータイプ。攻撃的なデザインですが、高すぎず低すぎないハンドル位置で、乗りやすいポジションになっています。街中の走行や長時間の運転でも疲れにくいので、初心者にもオススメです。
YAMAHA YZF-R125はスポーツタイプ。「速くてカッコいいバイク」を具現化したようなデザインで、レーシングバイクを彷彿とさせます。セパレートハンドルによって前傾姿勢になり、スポーツ走行に適しています。独特のポジションに慣れるまで、少し時間がかかりますが、乗りこなせると楽しいバイクです。
YAMAHA MT-125とYZF-R125のエンジンは同じものなので、見た目やポジションなど、好みで選ぶとよいでしょう。
主要諸元 | YAMAHA MT-125 | YAMAHA YZF-R125 |
---|---|---|
全長 | 2,000 mm | 2,030 mm |
全幅 | 800 mm | 725 mm |
全高 | 1,070 mm | 1,135 mm |
シート高 | 810 mm | 815 mm |
車両重量 | 138 kg | 141 kg |
燃料消費率 (WMTCモード) | 49.4 km/L (クラス2, サブクラス2-2) | 49.4 km/L (クラス2, サブクラス2-2) |
最高出力 | 11 kW(15 PS) / 10,000 r/min | 11 kW(15 PS) / 10,000 r/min |
最大トルク | 12 N・m(1.2 kgf・m) / 8,000 r/min | 12 N・m(1.2 kgf・m) / 8,000 r/min |
燃料タンク容量 | 10 L | 11L |
メーカー希望小売価格(税込) | 495,000円~ | 517,000円~ |
250cc|HONDA CRF250L
HONDA CRF250Lはオフロードタイプのバイクで、名前のとおり未舗装路も得意なオールラウンダーです。軽量な車体と、低速からトルクがあるエンジンは扱いやすく、街中はもちろん、悪路も気にせず走れます。都会的な洗練されたスタイルで、どこを走っていても悪目立ちしません。
オフロードバイクは、ちょっとやそっとの転倒では壊れない丈夫さがあり、オンロードバイクでは走れないような冒険ツーリングに適しています。ただし、乗り手にも丈夫さが求められるので、冒険に出かける際は、プロテクターやブーツなどの装備は忘れずに。
主要諸元 | HONDA CRF250L |
---|---|
全長 | 2,210 mm |
全幅 | 900 mm |
全高 | 1,165 mm |
シート高 | 830 mm |
車両重量 | 141 kg |
燃料消費率 (WMTCモード) | 33.7 km/L(クラス 2-2) |
最高出力 | 18 kW(24 PS) / 9,000 r/min |
最大トルク | 23 N・m(2.3 kgf・m) / 6,500 r/min |
燃料タンク容量 | 7.8 L |
メーカー希望小売価格(税込) | 621,500円~ |
400cc|Kawasaki ELIMINATOR(400)
Kawasaki ELIMINATOR(エリミネーター)はクルーザータイプで、ロー&ロングのスタイリッシュなデザインが魅力です。低いシート高により足つき性は良好で、車両重量も比較的に軽く、初めてのバイクに選んでも安心感があります。どっしりとしたポジションとトルクフルなエンジンは、長距離ツーリングも快適です。
250ccを超えると車検が必要になりますが、400ccのエンジンは力強さと存在感が際立っています。大きな車格と迫力のある排気音は、所有欲をくすぐります。維持費が許すのであれば、普通二輪で乗れる最大排気量のバイクを選んでみてはいかがでしょうか。
主要諸元 | Kawasaki ELIMINATOR |
---|---|
全長 | 2,250 mm |
全幅 | 785 mm |
全高 | 1,100 mm |
シート高 | 735 mm |
車両重量 | 176 kg |
燃料消費率 (WMTCモード) | 25.7 km/L(クラス3-2) |
最高出力 | 35 kW(48 PS) / 10,000 r/min |
最大トルク | 37 N・m(3.8 kgf・m) / 8,000 r/min |
燃料タンク容量 | 12 L |
メーカー希望小売価格(税込) | 814,000円~ |
まとめ
今回は、高校生がバイクに乗った方が良い理由を熱く語り、おすすめバイクをご紹介しました。バイクはお金のかかる趣味で、安全だといい切れない面もあり、万人にオススメしづらい趣味です。でも、バイクは乗らないと知れない魅力が多くあります。
私の場合、父がバイク好きだったので、小さいころからバイクは身近な存在でした。原付免許取得の許可を得るために、サーキットを走らされるという謎の教育を受けたおかげで、ずっとバイクが大好きです。一時はバイクを離れましたが、10年前に普通二輪免許、大型二輪免許を順番に取得し、今はバイク漬けの人生です。
バイクに乗ることで、将来への選択肢が増え、人生が変わるかもしれません。バイクに興味があるなら、ぜひ実際にバイクに触れてみてください。触れた瞬間に、ビビビッと免許が欲しくなったら、きっとそういうことだと思います。すぐにバイク免許取得の準備を始めましょう!
ではまた!
投稿者プロフィール
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バイクと旅が大好きな夫婦ライダー、カゲモトです。ハネムーンの東本州1周をきっかけに、北海道1ヵ月旅、九州1年移住をへて、全国を走破しました。
今は関西を拠点に日本中を走り回って、ご当地グルメやB級ツーリングスポット、ミニマムキャンプを楽しんでいます。
愛車はNUDA900R・トリッカー・XL883R改。
執筆担当のカゲ太とご意見番のカゲ美が「実体験にもとづいたモトライフを楽しむヒント」をお届けします。
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