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Moto Connect(モトコネクト) > 記事 > 試乗記 > 【トライアンフ『スピードツイン1200/RS』試乗インプレ】現代にフィットするスポーツクラシックの真髄
試乗記

【トライアンフ『スピードツイン1200/RS』試乗インプレ】現代にフィットするスポーツクラシックの真髄

小川 勤
最終更新日 2025/02/06 17:27
小川 勤
Published: 2025年2月6日
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トライアンフの人気カテゴリーであるモダンクラシック。その中で最もスポーティなスピードツイン1200がフレーム以外の全てを刷新するフルモデルチェンジを行った。さらにスタンダード仕様のほかに、スピードツイン初のRS仕様も登場。スペインのマヨルカ島で開催された国際試乗会に参加してきた。

目次
  • スピードツイン1200がフルモデルチェンジで激変!
  • スピードツインRSは想像以上に尖ったスポーツ性を披露
  • クラシカルにもスポーティにも走れるスタンダード/スピードツイン1200
  • スピードツイン1200の2台はモダンクラシックシリーズの中で圧倒的にスポーティ

スピードツイン1200がフルモデルチェンジで激変!

この日は、何度もスピードツイン1200とスピードツイン1200RSを乗り比べた。この2台はまるで別物。乗り換えるたびに「よくぞここまで作り分けたなぁ」と感心する。

前作から大きくスポーツ性を向上させたスタンダードのスピードツイン1200。灯火類をLEDとし、メーターはTFTに。走りの機能以外にも様々なディテールが現代風にリファインされた。

スタンダードは前作のスピードツインをブラッシュアップした印象だが、スピードツイン初のラインナップとなるRSは「ここまでスポーツに振り切ったか!」という仕様。RSはレーシングスポーツの意味であり、トライアンフが特別にチューニングを施しているということ。そのスペシャル感をすぐに味わうことができるのだ。

モダンクラシックとしてはスラクストン以来、スピードツインとしては初となるRSバージョンが登場。RSの名前に相応しい、機能優勢の足まわりがリズミカルかつ鋭い走りを提供してくれる。

RSとスタンダードはフレームとエンジンを共通としながら、装備や制御、ポジションを変えることでキャラクターを変更。RSはクラシックスタイルのバイクとは思えないハイスペックな足まわりが特徴だ。

RSとスタンダードは、ハンドルライザーの高さを変えることでハンドルポジションを変更している。

エンジンはRSもスタンダードも共通で、モダンクラシックファミリーの中で最もパワフルな105ps仕様。ライディングモードはRSが「レイン」「ロード」「スポーツ」の3種、スタンダードは「レイン」「ロード」の2種から選べるようになっており、トラクションコントロールやコーナリングABSも装備する。

ライディングモードは、RSがレイン、ロード、スポーツ、スタンダードがレインとロードから選べる。RSもスタンダードもトラクションコントロールは早めに介入する印象で、安心感がとても高い。
メーターサイドにはUSBタイプCの電源ソケットも用意。純正アクセサリーの『My Triumph』モジュールを装着すると簡易ナビを使用でき、その際はスマホのバッテリー消費が早くなるので活用したい。

スピードツインRSは想像以上に尖ったスポーツ性を披露

まずはRSから走り始める。オーリンズ製のリヤサスとマルゾッキ製のフロントフォークはかなり減衰力が強め。ライダーはしっかり荷重を与え、ブレーキやスロットル操作にメリハリが求められる。

リヤサスはオーリンズ製。伸び側と圧縮側の減衰力とプリロードの調整が可能。少し硬さを感じる方はプリロードや減衰力を抜いてみよう。
フロントフォークはマルゾッキ製。伸び側と圧縮側の減衰力とプリロードの調整が可能。タイヤはメッツラー製レーステックRR K3。フロントキャリパーはブレンボ製モノブロックをラジアルマウント。

スポーツモードで走り出したが、ちょっと過激なためロードモードに変更。すると随分と落ち着いた印象に。穏やかなスロットルレスポンスを利用して慎重にメッツラー製のレーステックRR K3を温める。

ポジションは適度な前傾、ただステップはかなり後ろ目でまるで昔のネイキッドカスタムのバックステップのよう。タンク&シートの膝がフィットする部分はかなりスリムでバイク全体から1200ccの排気量を感じさせないコンパクトさが伝わってくる。さらに市街地を流しているだけで、ワインディングが恋しくなる運動性の高さを予感させる。

身長165cm、体重68kg の筆者がスピードツイン1200RSに跨った状態。前モデルのスピードツイン1200よりステップが6.5mm高く、40mm後退したバックステップ仕様。シート高は810mmで、足つきは良好
RSのステップはスタンダードと比較するとかなり後退。腰をズラしたようなフォームにもマッチする。ただし、背の高いライダーからは少し窮屈との声もあった。RSにはモダンクラシックとして初のアップ&ダウン対応のシフターも装備する。ただし、アベレージを上げるとクラッチ操作をした方が良いシーンもあった。

峠では、その運動性が本領を発揮。コンパクトかつ軽快感があり、少し腰をズラして左右に切り返したりするとよりレスポンスよくバイクが応えてくれるイメージだ。さらにブレーキやスロットル操作にメリハリを与え、スポーツバイクのような操作をしてみる。

するとライダーの積極的な操作を待っていたかのような感じでRSが反応する。ただでさえ軽快だったハンドリングは鋭さを増し、バイク自らが曲がりたがっているような印象を受ける。「本当にクラシックのカテゴリーなのだろうか?」。そう思うほどグイグイと曲がるのだ。

立ち上がりではメーター内でトラクションコントロールの介入を示す部分が点滅。気にせずにスロットルを開け続けるとダイナミックな立ち上がりを披露。ここでも「本当にクラシックなのか?」とRSに問いたくなるほど。RSの名を冠するとはいえ、ここまでスポーティだとは想像もしていなかった。

クラシカルにもスポーティにも走れるスタンダード/スピードツイン1200

撮影ポイントでスタンダードに乗り換えると跨った瞬間からRSとはかなり異なる。RSよりもアップライトなハンドルはオーソドックスなネイキッドポジジョンを約束し、RSよりも前で低くなったステップ位置は膝の曲がりが緩やか。さらにサスペンションの沈み込み量も多め。もはやどこか懐かしささえ感じる安心感があり、同時にやっぱりRSは特別なんだな、とも思う。

身長165cm、体重68kg の筆者がスタンダードのスピードツイン1200に跨った状態。シート高は805mm。RSとは5mmしか変わらないがサスのストローク量が多いため、実際は数値以上に足つきが良く感じる

走り出すと視界が広がった感じ。身体のアクションも少なめで、バイクのニュートラルな特性に身を預けてカーブをクリアしていく。常にサスペンションがよく動いていることを実感でき、穏やかメッツラー製のスポルテックM9 RRの特性もそこにフィット。

フロントフォークはマルゾッキ製でアジャスト機能は持たない。タイヤはメッツラー製スポルテックM9 RR。フロントキャリパーはトライアンフブランドのラジアルマウントを採用する。
リヤサスはリザーバータンク付きのマルゾッキ製。プリロードのみが調整可能。ストロークを感じやすく、それが乗りやすさに直結。

エンジンモードはロードを選択。270度クランクが生み出す不等間隔爆発は程よい鼓動感がある一方で、しっかりとスロットルを開けると速さも提供してくれる。

1200ccのSOHC水冷並列2気筒エンジン。前モデルからカムシャフトやクランクシャフト、ECUなどを変更し、最高出力は100ps/7250rpmから105ps/7750rpmにアップ。270度クランクが生み出す不等間隔爆発も個性の一つ。エンジンのケースを軽くするなど様々な部分が進化している。

RSと比較すると若干おとなしく見えるスタンダードだが、十分スポーティ。ここにトライアンフの上手さがある。

スピードツイン1200の2台はモダンクラシックシリーズの中で圧倒的にスポーティ

トライアンフのモダンクラシックファミリーは近年凄まじい勢いでラインナップを拡大している。1200ccと900ccの排気量を育み続け、2024年は400ccも用意。クラシックスタイルの王道とも言えるボンネビルをベースにさまざまなモデルに派生している。

1200ccエンジンを搭載するそれぞれのモデルのパワーを見るとトライアンフの狙いはさらに明確になる。ボンネビルは80ps、スクランブラーは90ps、スピードマスターとボバーは78ps。トライアンフは全てをきちんと育み、それぞれに合わせた特性を持たせているのである。そしてこれを見ると105psを発揮しつつ、ユーロ5+の新しい規制もクリアしたスピードツイン1200の2台がいかに特別かもわかるはずだ。

1200ccのSOHC水冷並列2気筒エンジン。前モデルからカムシャフトやクランクシャフト、ECUなどを変更し、最高出力は100ps/7250rpmから105ps/7750rpmにアップ。270度クランクが生み出す不等間隔爆発も個性の一つ。エンジンのケースを軽くするなど様々な部分が進化している。

細分化しているからできるスポーツへの振り切りこそがスピードツイン1200の魅力。クラシカルかつモダンに、そしてスポーツも妥協しない方にこそ乗っていただきたい。

「RSかスタンダードか?」オーナーになった際に見える景色はまるで別物だから、慎重に自分のライフスタイルにフィットさせていただきたい。

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2024年09月18日

投稿者プロフィール

小川 勤
1974年、東京都生まれ。18歳からバイクライフをスタート。出版社に入社後、 20年以上バイク雑誌一筋で編集者生活を送り、バイク誌の編集長を8年ほど
経験。編集人生のモットーは、「自分自身がバイクに乗り、伝える」「バイクは長く乗るほど楽しい!」。過去 には、鈴鹿4耐などの様々なイベ
ントレースにも参戦。海外のサーキットで開催される発表会に招待いただくことも 多く、現地で試乗して感じたことをダイレクトに誌面やWEBに展開してきた。
2022年、フリーランスのモーターサイクルジャーナリストとして始動。
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By小川 勤
1974年、東京都生まれ。18歳からバイクライフをスタート。出版社に入社後、 20年以上バイク雑誌一筋で編集者生活を送り、バイク誌の編集長を8年ほど 経験。編集人生のモットーは、「自分自身がバイクに乗り、伝える」「バイクは長く乗るほど楽しい!」。過去 には、鈴鹿4耐などの様々なイベ ントレースにも参戦。海外のサーキットで開催される発表会に招待いただくことも 多く、現地で試乗して感じたことをダイレクトに誌面やWEBに展開してきた。 2022年、フリーランスのモーターサイクルジャーナリストとして始動。
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