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【オイルの知識】2輪用エンジンオイルの特性と規格・注意点

元バイク屋のフォアグラさんです、こんにちは!

今回はエンジンオイルについて説明をしていきます。

意外とエンジンオイルってよくわかっていないという方が多いですね。高いオイルに換えてみても効果は実感しにくいし、鉱物油とか合成油とかMA規格とかなんとか、小難しいこと多いですし。今回はそのあたりをスッキリさせようと思いますので、是非最後までご覧ください。

 

エンジンオイルの役割について

今回は多くの4輪と大半の2輪に使用されている4サイクル用エンジンオイルに絞って話をしています。簡単に言うとエンジンオイルを交換する必要があるというタイプのエンジンです。

まずこのタイプのエンジンの場合、オイルの役割というのはエンジン内の汚れを吸収して綺麗に保ったり、シリンダーとピストンの隙間を埋めて密封したり、エンジンの温度を下げたり、当然油ですから潤滑を行ったり錆を防止するといった沢山の役割があります。

ひと言で言うと、エンジンオイルがないと車はまともに走りませんし、すぐに壊れてしまいます。また、エンジンオイルは入っていれば良いというわけではなく、エンジンの汚れを吸収するので汚れていきますし、時間の経過とともに酸化して性能が落ちてくるので、定期的な交換をする必要があります。もし古いオイルを交換せずにずっと乗っていると、車やバイクの寿命を著しく低下させてしまうことになります。バイクの場合はだいたい6カ月もしくは3,000km毎の、早い方で定期交換するというのが一般的です。

 

またどんなオイルでも良いのかというと、それもまた指定があって、車種ごとに推奨されている粘度が異なります。この粘度というのはどの程度の温度での使用が最適なオイルかという目安を数値化したものです。

例えば20W-50というオイルがあったとします。Wというのはウィンターの頭文字のW で、数値が小さいほど低温度でも固まりにくいという特性を示しています。この場合だと20ですね。この数値が低いほど柔らかく抵抗が少ないため、外気温が低い時の始動性が良くなります。また右側の50という数値は100℃の状態での粘度を示していて、高いほうが粘り気があり硬いことを示しています。

 

粘り気が強いとエンジンの気密性を確保しやすいというメリットがありますが、あまり硬すぎるとエンジン内でも抵抗になってしまい、燃費には悪影響を及ぼすことがあります。そのため近年の低燃費を謳う4輪のオイルには0W-20という特に粘度の低いオイルが指定されていることが多いです。この粘度というものは車種ごとに指定されていて異なるので、自分がバイクの指定粘度がいくつであるかを知っておいてください。

季節や走行距離に応じてこの粘度を変えるという方もいますが、基本的にはメーカー指定のものが無難であると思います。

 

鉱物油と化学合成油の違い

オイルには大きくわけて鉱物油化学合成油、そしてその2つをブレンドしたものが部分合成油という3種類があります。これらはベースオイルといって、それに添加剤などが加えられたものが商品として売られているわけです。

まず最も身近なオイルと言えるのが鉱物油

この鉱物油というのは原油を精製して作られるオイルで、最も価格が安いものです。バイク用だと大体1リッター1000円程度で売っているものは、ほぼこの鉱物油であると思います。精製の度合いにもよりますが、若干不純物が含まれてしまうことや、熱や酸化による劣化に弱く、分子構造が均一ではないというのが特徴です。

しかしそれで何か問題があるかと聞かれたら、全く問題はありません。よほどのスポーツ走行する場合や高性能なスーパースポーツでもない限り、この鉱物油を使用することによるデメリットを体感することはまずないでしょう。

 

そして化学合成油

この化学合成油というのは、高度な精製をして不純物を可能な限り除去した高性能で高価格なオイルです。熱や酸化に強いため劣化しにくく、高回転まで回しても油膜が切れにくい等のメリットがあります。ですので負荷の高い環境で使用する場合にオススメしたいオイルです。当然価格も高く、安いものでも1リッター当たり2千円程度はするでしょう。

そしてこの鉱物油と合成油の中間的なグレードのものを部分合成油と言います。

一部、鉱物油と大差ないようなものもあるようですが、理屈的には鉱物油よりは上のグレードのものであるはずです。

自分の使い方、自分のバイクにはどれが適しているかを考えて、無駄がない選択をして頂ければと思います。

例えばカブやSRのように性能が決して高くない昔ながらのエンジンで、日常のアシとして使っているのであれば鉱物油で十分と考えられますし、スーパースポーツで高回転まで回すような使い方をしている人は化学合成油がおすすめです。また幹線道路や時々高速道路といった具合でツーリングを楽しんでいる人は部分合成油が良いかもしれません。

自分の場合は、時々スポーツ走行にも使うことがあるDUCATI Monster1200にはモチュール100%化学合成油、日帰りツーリングや林道ツーリングを中心に使用しているオフ車のカワサキKLX125には部分合成油を入れるなどして使い分けています。

では価格の高い化学合成油にはデメリットがないのかというと、決してそういうわけではありません。実は車種によっては鉱物油のほうが良いという場合があります。

それはいわゆる旧車、古い車両です。

昔はオイルの選択肢が少なく鉱物油ばかりでした。当然その鉱物油を使用することが前提で設計されているため、現在の化学合成油や部分合成油を入れてしまうと不具合をきたしてしまうことがあります。合成油にはPAOやエステル系という種類があり、それらのオイルを入れると、ゴムでできたオイルシール縮めてしまったり膨らませてしまいします。そうなってしまうと当然オイル漏れの原因になります。

このような理由で旧車に関しては高性能なオイルを入れることは避けたほうが無難です。もうパーツが出てこない、二度と手に入らない大事な旧車ということもあり、つい高くて良いオイルを入れたくなってしまう気持ちは分かりますが、実は安い鉱物油の方が長持ちさせられるのですね。

ただし、近年では旧車のシールに対してダメージを与えないとされている化学合成油も登場してきましたので、メーカーに確認した上での使用は良いかもしれません。

 

2輪車に4輪用オイルを入れるとどうなるか

最初のセクションでは粘度についての解説をしましたが、粘度が同じであれば4輪用のオイルを2輪車に入れても良いのか?という疑問が出てくると思います。同じ粘度であれば四輪車用の方が安いことが多いですからね。しかし結論から言うと2輪車に4輪用のオイルを入れてはいけません!

 

粘度的には問題なくても、多くの2輪用のエンジンオイルはギアオイルも兼ねているので、4輪用のオイルのようにエンジンさえ潤滑すればいいというオイルだと機能的に不足してしまいます。4輪はエンジンオイルとは別にマニュアル車であればギアオイル、オートマチック車やCTV車であればそれぞれのフルードがあります。

湿式クラッチを使用しているバイクの場合はエンジンオイルがギアオイルも兼ねていますので、緊急時でもない限りはバイクに4輪用のオイルを入れてはいけないということになります。

例外として、乾式クラッチのバイクや多くのスクーターのようにエンジンの潤滑さえできればいいという車種の場合は、4輪用のオイルでも問題ないと自分は考えています。ただ、四輪用のオイルの使用でトラブルが発生したとしても責任は負えませんので、一応をお断りしておきますね。

 

2輪用オイルの規格 MA・MBの違い

2輪用と4輪用のオイルの役割の違いを理解していただいた上で、2輪用オイル独自の規格であるJASO規格について説明をします.

先ほどお伝えしたように2輪用のオイルというはギヤの潤滑も兼ねているので、ミッションの保護やクラッチの滑りを防ぐ(ほとんどの市販車はクラッチがオイルに浸った湿式クラッチが使わせています)という性能も求められます。

エンジンオイルとしてピストンやシリンダーを滑らかに滑らせなければならない反面、クラッチは滑らせてはいけません。相反する機能を両立させなければならないところに2輪車用オイルの難しさがあります。

そのため2輪車用オイルは摩擦特性が高いものをMA、低いものをMBと表記しています。ほとんどのマニュアルバイクではクラッチ滑りを起こさないようMAのものが推奨されています。逆にスクーターのようにエンジンの潤滑にのみエンジンオイルが使われる構造のバイクでは、極力摩擦抵抗は低いほうがいいのでMBオイルが推奨されることが多いです。

自分のバイクはどの規格が指定されているかを確認してその特性を理解した上でオイルを選択するようにしてください。

 

今回の結論

まず一番先に確認してもらいたいのが粘度ですね。バイクの説明書にも書いてありますし、ネットで検索すればすぐに出てくると思います。

そして旧車や街乗りメインのバイクであれば鉱物油を選ぶことをおすすめしますし、高 回転まで回す場合や高性能なスポーツバイクという場合は化学合成油や部分合成油を選択すると良いと思います。

そしてMA規格なのかMB規格なのか、自分のバイクに推奨されている規格に合わせて選ぶようにしてください。

 

今回の記事は下記の動画でも詳しく説明していますので、ぜひご覧ください。

最後までご覧頂き、ありがとうございました。

 

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バイク大好きフォアグラさん

北海道在住・元バイク屋さんのYoutuberです。 職業としていたからこそ知り、引退しているからこそ本音で喋れる「バイクのお得な買い方やチェックポイント」。 そして知識と経験を生かした「バイクの構造や整備」などを、日本一わかりやすく解説しています。 さらに、3月からは「北海道ツーリング動画」の配信も開始!! 北海道ならではの絶景を中心に、バイクとドローンを組み合わせた新しいスタイルのモトブログです。 「バイクが好きだ!!」「バイクに詳しくなりたい!!」「フォアグラ食べたい!!」という方は、ぜひチャンネルもご覧ください!!

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