はい!元バイク屋のフォアグラさんです、こんにちは。
よく「安いものにはワケがある」なんて言われる反面、近年は安くても良い物というのが非常に多くなっています。バイク用品に限らず家電やスマホなどでは、国内メーカーの半額以下でも同等の性能を備えたアジア製の商品があふれていますし、サービスに関しても非常に安いものがあります。
バイクに関していえば、例えばファミリーバイク特約。これはとても少ない費用で任意保険に加入できるというものですが、ちょっとした落とし穴もあるので、そのことについてお伝えしようと思います。
エンジンオイルも以前は化学合成油なんてお金持ちだけが使用できるものでしたが、近年は1リッターあたり1000円少々から買える激安化学合成というのが出回っています。そのカラクリについて解説をしましょう。
そして最後はAmazonにあふれる中華バイク用品の中から、自分が買ってみて良かったものをいくつか紹介します。
それでは早速解説にいきましょう。
ファミリー特約の意外な落とし穴
ではまず任意保険のファミリーバイク特約について。
そもそもこのファミリーバイク特約というものは125cc以下のバイク、つまり原付が加入できるもので、自動車などで加入している任意保険を主契約として、この原付に対しても保証を受けられるようにするというものです。年齢や条件によって変わるので一概には言えませんが、一般的に原付の保険に個別に入るよりも安く加入できるのが最大のメリットです。
ですので125cc以下のバイクを所有している方は、かなりの割合でこのファミリーバイク特約に加入しているはずです。
またこの特約のすごいところは、台数に制限がないということなのです。
例えばジャンル違いでRS125のようなスポーツモデル、KLX125のようなオフロードモデル、PCXのようなスクーター、さらにカスタムして楽しみたいモンキー。この4台全て所有していたとしても、この特約に加入していれば、1契約で全てのバイクが保証の対象になります。
ちなみに保険会社によって異なりますが、自分が加入している会社であれば毎月約1000円です。
ここまで聞くと「ファミリーバイク特約ってめちゃくちゃお得じゃん」って思われるかもしれませんが、かならずしもそうとは言い切れない面があります。それは等級が進まないということです。
普通の任意保険は、無事故で保険を使わずに1年間過ごせば等級が上がって、翌年の保険料が年々安くなっていきます。しかし残念ながらこのファミリーバイク特約については、等級という概念がないので、何年間無事故で過ごしたとしても安くなることはありません。
ですのでバイクを長く所有する予定という方は、ファミリーバイク特約よりも個別の任意保険に加入した方が、結局安く済むことにもなる場合もあるのです。
「ファミリーバイク特約はとにかくお得!」と思考停止してしまうと、かえって高くついてしまう可能性もありますので、そのバイクに乗る期間や保証内容、運転者の年齢などを総合的に考えて、特約に加入すべきなのか個別の任意保険に加入すべきなのかをシミュレーションしてみると良いでしょう。
とはいえ多くの場合において、ファミリーバイク特約というのはお得であることに変わりはなく、特に複数台所有している方にはおすすめしたいですね。
激安化学合成オイルの謎
高級エンジンオイルの代名詞でもある化学合成油。近年なぜか安くなった気がしませんか?
おそらく90年代からバイクに乗っている方は100%合成油と聞くと「3000円/1Lくらいかなー」と思われることでしょう。しかし自分が以前からおすすめしているTEITOのプレミアムM4Sという合成オイルは、化学合成油という表記がありながら、Amazonでは4リッター缶で5000円を切る激安価格です。
そんな激安価格の合成油のからくりについてお伝えしましょう。
エンジンオイルの種類
エンジンオイルのベースオイルは大きく3種類に分けられます。最も安いものが鉱物油、次に部分合成油、そして最も高額なものが化学合成油です。
簡単に言うと、鉱物油は硫黄などの不純物が多く、劣化しやすく性能が低いものが多い傾向です。逆に化学合成油は不純物が少ないため、熱にも強くせん断性も高いので劣化しにくく、性能が高いものが多い傾向です。
しかしながらこの化学合成油と一言で言っても、この中でさらに細分化されます。大きく3つに分類され、グループ3・4・5となります。
ちなみにグループ1と2は、先ほどお伝えした鉱物油と部分合成油のことです。問題なのはこのグループ3。グループ4と5は化学合成によって作られたPAO系やエステル系というもので、言わば本物の化学合成油です。
ではグループ3というものはどのようなものかというと、鉱物油をベースに水素化分解という高度な処理をすることによって、硫黄分を規定値以下まで取り除き、化学合成油と表記することを認められた鉱物油なのです。
あくまでベースは鉱物油とはいえ、性能は化学合成油に近いというものですので、価格は従来の化学合成よりも、かなり低価格に設定されているものが多く、性能と価格のバランスがとてもいいのです。
ガンガン回して攻めた走りをするなんていう方でもない限り、実用不満を感じることはまずないでしょう。ただしエンジンオイルというものは、このベースオイルだけで性能が決まるものではありません。
トップシークレットな添加剤
このベースオイルに様々な添加剤を加えたものが、商品として売られているエンジンオイルというものなのです。この添加剤には様々な種類があって、エンジン内部の汚れをきれいにするものや、粘度を低下しにくくするもの、金属の摩耗を防止するもの、オイル自体の酸化を防いで劣化しにくくするものなど、これ以外にもたくさんの種類があります。
しかしこれら添加剤は何がどのくらいの量、どういった割合で入っているかってことは分かりません。商品のパッケージに記載されているのはベースオイルの種類やオイルの規格ぐらいです。ユーザーとしては非常に判断が難しいのですが、これらのブレンドは企業秘密、高級レストランの秘密のレシピと一緒ですね。
ですので一概にグループ3だから良くないとか、グループ4や5だから良いとか、ベースオイルだけで物の良し悪しを判断できるわけではないのです。
また旧車などでは、化学合成油を使うことでシールを傷めて、オイル漏れをおこす場合もあります。大切なのは自分のバイク、自分の用途に対して合ったオイルがどうか 、そして予算内かどうかといったことなのです。通勤メインで年間2万キロも走る人が、オイル交換の度に2万円も使っていられないですよね。
ですので一般的な使い方、日常の足やツーリング、たまにワインディングくらいであれば、グループ3の化学合成油であるTEITOのプレミアムM4Sぐらいがおすすめというわけなのです。
実際に買って良かった激安バイク用品
次はこの記事の山場、激安バイク用品といえば中華と半島。
近年は低価格でもかなり使えるものがあって、ここ数年で自分が購入して、実際に使用した中で買って良かったと思えるものを紹介していきます。
意外と使えそう?なハヤブサ用激安スクリーン
まず直近だと自分の愛車ハヤブサのスクリーンです。ミラー加工をしてありながら、なんとお値段は5000円以下。薄くてペラペラとか、そんな覚悟もしていましたが、実用上は純正品と比べても問題なさそうな印象です。
もしかしたらミラーコートが弱いなどがあるかもしれませんけれども、クリアやスモークの商品もありますので、心配な方はそちらを選べば良いでしょう。
出先で便利なブレーキレバーロック
次はこちら、COM-SHOTのブレーキレバーロック。フロントブレーキを握り込んだ状態で固定してしまうというものです。
最初から盗む気で来られてしまい、ブレーキホースを切断されると解除されてしまうのですが、このロックが真価を発揮するのは日常の防犯ではなく、出先での防犯です。
同様にコンパクトで携帯性が抜群なディスクロックというものもありますが、こちらは外し忘れると、ブレーキ周り一式を破損させてしまうというリスクがあります。しかしブレーキレバーロックならそういったリスクはありませんので、出先のちょっとした休憩中や、観光地で少しバイクを離れる間、宿泊中の駐車場などで大活躍します。
防犯意識の高さをアピールすることもできますので、勝手に跨られたりとか、荷物を触られたりといったリスクを減らすこともできるでしょう。
お値段も1500円程度とかなりお手頃です。
激安バイクカバーの上手な使い方
次はバイクカバー全般です。オックス300Dあたりのものがおすすめです。
この300とか420というのはカバーの繊維の太さのことで、数値が大きければ大きいほど厚手になります。
420Dも安心感があっていいでが、必ずしも厚ければ良いというものではなく、厚いと重量が増して扱いにくくなることや、風の強い日などにはバタついて、車体の塗装面と擦れてダメージを与えてしまったりもします。ですので好みにもよりますが、自分は300Dくらいがおすすめです。
中華カバーをおすすめしたい方は、1年2年程度で買い換えるという人。長く使うと縫い目の防水シールが剥がれてくることが多いで、何年も長く使いたというのであれば、2万円くらいする日本製のものがいいでしょう。
ただ良いカバーというのは考えようで、盗難防止のためにせっかく車種を特定されないようにカバーをかけていても、高級車であることを見透かされてしまうというリスクもあります。ですので自分はあえて中華のものを、1年2年くらいで買い替えるようにしています。
低価格でも安心なヘルメット
次に紹介する激安商品は、なんと命にも関わるヘルメット。とはいえMotoGPでも採用実績のある有名ブランドのHJCの今までにも何度か紹介しているCS15という廉価モデルです。
ヘルメットの基本機能に忠実で、特に可もなく不可もなくというもので、安全性の規格は日本のJIS規格に適合しています。SNELLやMFJ公認はさすがに取得していませんが、単色モデルであれば1万円台前半で購入することができ、自分が購入したグラフィックモデルでも1万5000円程度という、とんでもない安さです。
低価格でも安心して使える品質のヘルメットが欲しいという方や、セカンドヘルメットにおすすめですね。
スペアに活用 激安グローブ
最後は1500円くらいで購入できる激安メッシュグローブです。まあダサいですが、あくまでこれは予備です。
夏のツーリングって、夕立に突然降られたりなどで、結構雨に濡れてしまうことありますよね? すぐにレイングローブに変えられなかったり、持っていなかったりすると、ずぶ濡れで不快指数MAXです。またロングツーリングの際も、翌日までに濡れたグローブが乾かなかったりすることがあります。
でも、そんな時に予備があれば、また快適に走り出せます。
というわけで、この激安グローブを予備として一つ忍ばせておくのは、かなりアリだと思いますよ。
まとめ
というわけで今回は激安サービス&オイルのメリット・デメリットの解説と、実際に自分で買ったものの中で使える激安バイク用品の紹介でした。
多少の割り切りが必要なものも有りますが、逆にそれを注意すれば十分使えるものばかりです。参考になったでしょうか?
今回の記事は下記の動画でも詳しく説明していますので、ぜひこちらもご視聴ください。
では今回も最後までご覧いただきありがとうございました。
投稿者プロフィール
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元バイク屋のYouTuber。
バイクライフに役立つ情報を毎週配信。
メカの話やバイク購入アドバイスはもちろん、用品レビューやバイク屋裏話まで、バイク乗りなら誰もが気になるテーマばかり。
ちなみに中身はアラフォーのおっさん。
好物はサッポロ黒ラベルとキャベツ太郎だが、子どもができて以来、ふるさと納税で貰った無糖レモンサワーで節約している。
最近、血糖値と血圧を気にしているらしい。