まず最初に、2024年の元旦に発生した「令和6年能登半島地震」で被災されたすべての方々に、心からお見舞いを申し上げます。
地震は本当に怖いですね。筆者は2016年の熊本地震で被災し、地震の恐ろしさを痛感しました。
そこで今回は、地震でバイクが被害を受けにくくするためのノウハウや、走行中に地震が発生した際の対処法について、詳しく解説します。
熊本地震では筆者のバイクが倒れ、タンクなどに大きな傷が入りました。筆者が実際に体験した地震被害の内容や、その後の対応策、筆者のバイク仲間などの情報も記載しています。
今回の記事には、地震に備えたいライダーに役立つ情報が満載です。ぜひ最後までご覧くださいませ。
地震でバイクが転倒!? 被災者が語る、転倒リスク
地震が来たら、震度によってはバイクが倒れ、バイクに傷が入るなどの被害を受けます。この章では、筆者の被災体験なども交え、地震による被害やリスクについて解説します。
地震の揺れで停めていたバイクが倒れた! 実際の被害は?
地震の揺れで停めていたバイクが倒れた場合、具体的には以下の被害や損害を受けます。
- 車体の傷:転倒や摩擦によって、車体に傷や凹みができます。
- パーツの破損:ハンドル、ミラー、カウルなどのパーツが破損する可能性があります。
- エンジンやフレームの損傷:重度の転倒によって、エンジンやフレームが損傷する可能性があります。
- 盗難のリスク:倒れたオートバイをそのままにして避難した場合など、盗難のリスクが高くなります。
上記の被害は、実際に熊本地震(2016年)で被災した筆者が、バイク仲間やバイク屋さんから見聞きした内容です。筆者の愛機も地震で倒れ、駐輪場の柱にぶつかり、タンクが大きく凹みました。
バイクで走行中に地震が発生した場合のリスク
バイクで走行中に地震がきた場合、以下のようなリスクがあります。
- 転倒:地震の揺れが原因で運転状況が不安定になり、転倒する恐れがあります。
- 落石:山間部などを走行している場合、地震によって落石が発生する可能性があります。
- 道路の損壊:地震によって、道路に亀裂が入ったり、陥没したりする可能性があります。
- 渋滞:地震発生後、多くの車が避難のために道路に集中し、渋滞が発生する可能性があります。
- 火災:地震によって、火災が発生する可能性があります。
- 交通事故:ほかの車両の運転手が地震の揺れによってパニックになり、交通事故が発生する可能性があります。
筆者が被災した熊本地震(2016年)では、地震直後の道路損壊・渋滞・交通事故など、実際にたくさん見聞きしました。
バイクで走行中に地震がきた場合の対処方法については、後述します。
被災者体験談: 筆者の愛機は地震でタンクが凹んだ!
筆者は2016年の熊本地震で被災し、愛機が被害を受けました。
駐輪していたバイク駐輪場の柱に地震の揺れでバイクが何度もぶつかり、タンクが大きく凹んだのです。クラッチレバーも大きく曲がり、筆者は大きなショックを受けました。
駐輪中のバイクを守れ! 地震対策のポイント
駐輪中に地震が発生した場合、震度によってはバイクが倒れてしまいます。この章では、地震でバイクが倒れにくくするためのポイントを解説します。
サイドスタンド vs センタースタンド:地震に強いのはどっち?
結論から言えば、地震に強いのはサイドスタンドです。理由は以下の通りです。
- サイドスタンドは接地点が広い:サイドスタンドは広い3点(前輪・後輪・サイドスタンド)で支えるのに対し、センタースタンドは幅の狭い3点(前輪、センタースタンドの接地点2点)
- サイドスタンドは重心が低い:サイドスタンドはセンタースタンドに比べ重心が低い場合が多く、重心の低さは安定につながる
実際、筆者が被災した熊本地震では『サイドスタンドで駐輪していたバイクの方が倒れなかった』というバイク仲間の経験を多く聞きました。
地震でバイクが傷つきにくい駐輪場所
地震でバイクが傷つきにくいとされるのは、以下の駐輪場所です。
- 平坦な場所:傾斜のある場所では、地震の揺れによって車体が倒れやすくなります。
- 周囲に障害物がない場所:倒れた際に、車体が障害物にぶつかって傷つくのを防げます。
- 建物や塀から離れた場所:倒壊した建物や塀によって、車体が押しつぶされるのを防げます。
- 電柱や街灯から離れた場所:倒れた電柱や街灯によって、車体が損傷するのを防げます。
上記の場所はあくまで一般論です。地震の規模や状況により安全性は変わります。
バイクを駐輪している場所に合わせて、適切に対応しましょう。
地震対策や転倒防止アイテムを活用しバイクを守る!
地震対策や転倒防止アイテムを活用すれば、バイクは倒れにくくなります。以下のアイテムを地震対策に役立ててください。
デイトナ(Daytona) バイク用 ブレーキロック
フロントブレーキをロックすることで、地震による揺れでバイクが前後に動くことを抑制します。
HFS(R) ラチェット式ベルト 荷締機 2個セット
柱や建造物などにバイクを固定するためのラチェットベルトです。地震でバイクが倒れることを防ぎます。
廃タイヤ
廃タイヤをバイクの横に置いて、万一バイクが倒れても傷が入りにくくする工夫です。筆者がお世話になっているバイク屋さんは、余震が続いている間、ずっと廃タイヤをバイクの横に立てて置いていました。
地震対策のちょっとした工夫
サイドスタンドで駐輪する
サイドスタンドの方がセンタースタンドより安定します。サイドスタンドの方がセンタースタンドより幅広い3点で支えるからです。この章の冒頭で記述した通りです。
ギヤを1速に入れておく
ギヤを1速に入れておけば、リアタイヤは動きません。地震の揺れに対し、バイクが前後に動くのを防げます。ただし、サイドスタンド駐輪でなければ効果がありません。センタースタンド駐輪はリアタイヤが地面と離れているからです。
ハンドルロックをかける
ハンドルロックも有効です。地震の揺れでバイクのハンドルがフラフラ動くのを防ぎます。バイク用ブレーキロックと併用すると、バイクはさらに動きにくくなるでしょう。
バイクで走行中に地震が発生した場合の対処方法と心構え
バイクで走行中に地震が発生した場合、冷静な判断と適切な行動が求められます。この章では、安全な対処方法と心構えについて解説します。
走行中に地震が発生したら、安全な場所に停車する
- できるだけ早く、安全な場所に停車し、エンジンを切る
- 路肩帯やガードレールではなく、平坦で広い場所を選ぶ
- 周囲に電柱、看板、建物などの倒壊の危険性がない場所を選ぶ
- 他の車両や人から離れて、安全な距離を確保する
周囲の状況を確認する
- 落石や道路の損壊など、周囲の状況を注意深く確認する
- 地震の影響で道路に亀裂が入ったり、陥没したりしていないか確認する
- 周囲に危険がないかどうか、確認する
ヘルメットやウェアなどはしばらく着用したまま
- 落石や落下物などに備えて、ヘルメットやウェアなどは、しばらく着用したままにしておく
- グローブやブーツなどの安全装備も着用したままで体を守る
最新情報を入手する
- スマホなどで、最新情報を入手する
- 警察や消防などの指示に従い、行動する
- 災害情報サイトなどで、状況を確認する
慌てず冷静に行動する
- 周囲の状況に注意しながら、慌てずに冷静に行動する
- 無理な運転はせず、安全を第一に行動する
- 周囲の人々と協力し、助け合う
地震後、揺れが収まっても油断しない
- 余震に注意し、安全な場所を確保する
- 道路状況が悪化している可能性があるので、慎重に運転する
- 帰宅後も、被害状況を確認し、必要に応じて適切な対応を取る
大きい地震の直後は道路が渋滞します。地震が収まっても油断せず、用心深く運転しましょう。
【悲報】地震でバイクが壊れても、保険で修理できない場合がある
地震でバイクが倒れて壊れても、任意保険で修理できない場合があります。任意保険は地震によるバイクの損壊被害を補償してない場合がほとんどです。
保険会社によっては「地震特約」をオプションで用意している場合があります。任意保険で地震に備えたいのであれば、保険会社に問い合わせてみましょう。
まとめ:備えあれば憂いなし!普段から地震に備えよう
今回は地震に備えるためのノウハウや、バイク運転中の地震への対処方法などを解説しました。熊本地震で被災するまで、筆者はのんきに構えていましたが、今は考え方が変わっています。
日本は地震国です。いつ、どこで大型地震が発生するか分かりません。地震によるバイクの損壊被害を最小限にするため、普段から地震に備えておきましょう。
この記事が読者の皆さまのお役に立てば幸いです。読者の皆さまのバイクライフを応援しています。
投稿者プロフィール
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熊本県在住。生まれも育ちも熊本。
阿蘇をこよなく愛する生粋の熊本人。
昭和の時代に限定解除し、原付/中型/大型の所有歴あり。
現在の愛機はKawasaki 250TR。
愛機250TRで一日500km(下道)を走破することもある、元気おやじライダー。
「安全第一、無事帰る」をモットーに、今も安全運転を模索しながら走り続けている。
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